2014年08月27日

◆ 羽田空港の改革案(新ルート)

 羽田空港の新ルート案について、新たに提案する。滑走路を少しずらせばいいのだ。

  ※ 最後の 【 追記 】 で全面修正しました。
 ──

 羽田空港の新ルート案が出た。この件は前にも言及した。(飛行機が新宿の超高層ビルに衝突する危険性の指摘。冗談まじり。)
  → 都庁舎に航空機テロ

 この項目で引用した記事があるが、有益なので再掲しよう。
 《 羽田発着枠拡大で新ルート案 》
 東京都心の低空を、ラッシュ時の電車並みに旅客機が飛ぶかもしれない。
 羽田空港(大田区)の年間乗降客数6600万人は、成田、関西、中部の3空港分を合わせたより多く、日本最大だが、発着枠はパンク寸前だ。国は2020年東京五輪までに枠を拡大しようと、新たな飛行ルートの解禁を狙う。ただ、ビル群や住宅地のわずか数百メートル上空を通る地域では、騒音や安全性に不安が募る。
haneda.gif 都心上空を飛ぶ新ルートでは、旅客機が東京スカイツリー(高さ634メートル)以下の低空を、ラッシュ時のJR山手線並みに通過する。
 東京北部から南下して高度900〜1200メートルから降下。練馬、中野、新宿、渋谷、港、品川、大田の各区の上空を、1時間に最大44機が通る。
 東京都庁舎(同243メートル)がある新宿の高層ビル群上空は高度約900メートル、六本木ヒルズ(同238メートル)付近は高度約600メートル。品川区付近では高度約450メートルに下がる。
 離陸直後の3分間と着陸直前の8分間は事故が集中する「魔の11分」と呼ばれる。新ルートでは、この間に人口密集地帯の上空を旅客機が飛ぶ。
( → 朝日新聞 2014-07-27

 その後、続報が出た。話し合いが始まっているそうだ。
  → 朝日新聞 2014-08-27

 関連情報もある。(図あり)
  → 羽田発着枠の再拡大、都心上空飛行の解禁提案

 読売新聞には、詳しい記事がある。その図を見ると、A ,C 滑走路を使う着陸機は、新宿上空を通ることがわかる。


haneda5.jpg
出典:読売・朝刊 2014-08-27


 ──

 さて。この図を見るとやはり、新宿上空を通るのはやばい、と思う。「衝突する危険性が特に高い」というわけではないのだが、そこを飛行機が通る可能性がある限り、万一の可能性もある。(たとえば、故障したり失速したりして墜落するとか。あるいは機長が気を失うとか、機長が未熟な副機長に操縦させたとか[前例あり]。)
 今後何十年にわたって、何十万回か何百万回かも飛行機が通れば、いつかは稀な事故が起こっても不思議ではない。やはり、できる限り、危険は避けた方がいい。万一の事態を想定した方がいい。

 では、どうするか? うまい案を思いついた。滑走路の方向を少しだけずらして、新宿上空を通らないようにすればいいのだ。
 これなら、滑走路の角度をほんの少し変えるだけだから、大がかりな工事をすることもなく、かなり容易に対策が取れる。

 具体的に述べよう。
 まず、現状はこうだ。


haneda3.gif


 ここで、黒い線が滑走路だ。北側の B滑走路と、西側の A 滑走路は、一部が交わっている点に注意。(したがって、両方の滑走路を有効に使うことができない。交差点で衝突する可能性があるからだ。)

 さて。位置と角度を少し変えると、次のようになる。赤い線が滑走路だ。


haneda4.gif


 この案では、北側の B滑走路と、西側の A 滑走路は、交わらない点に注意。(したがって、両方の滑走路を有効に使うことができる。)

 この案では、角度からして、着陸機は新宿よりも少し東の位置(新宿と皇居の間:新宿御苑のあたり)を通ることになる。



大きな地図で見る


 というわけで、上記の案を提案したい。

 メリットは次の二点。
  ・ 新宿の超高層ビルの上を通らない。
  ・ A滑走路と B滑走路が交わらないので、有効利用できる。

 デメリットは、「わずかながらも建設の工費がかかる」ということだ。特に C滑走路の沖合部分には、少し埋め立てが必要となる。
 とはいえ、辺野古基地の滑走路建設に千億円規模の巨額を投入するのに比べれば、はるかに微小な額で済むことは確実だ。国レベルで言えば、ほとんど無視できる額。
( ※ 宮城県や奥尻島あたりでは、百人ぐらいの住民のために数十億円もかけて防潮堤を建設したりする。それに比べれば、費用は同程度で済むのに、利便者の数は圧倒的に巨大となる。費用対効果で言えば、ものすごく有効だ。)
( ※ 特に、安全性の面から言うと、将来の新宿超高層ビルへの衝突の危険性回避という点が大きい。これは 9/11 テロの再来ふうの事故を予防するという、素晴らしい効果がある。)
 


 【 追記 】
     ※ 以下のように、話を訂正します。

 次のコメントがあった。
もっといい案を思いつきました
>新宿よりも少し東の位置(新宿と皇居の間:新宿御苑のあたり)

を通るルートで進入して、品川あたりで少し方向転換をすればよいのです。これならかかる費用はゼロです。
>それは私も考えたけど、何十万回か何百万回もやるとなると、エラーの可能性が生じる。

現行の着陸、もっとすごい旋回の雨嵐でやってますが...

 たしかにそうだ。読売の図では着陸が直進コースだったので、「直進コースにするしかないのだろう」と即断していたが、これは勘違いだった。現実に、着陸時に曲がっているコースは取られている。特に、東から着陸するコースがそうだ。
  → http://ntv.rgr.jp/rjtt/wind-s.html

 というわけで、いちいち「滑走路をずらす」という方法を取らなくても、「途中で進路を少しだけ曲げる」という方針だけで、新宿上空を避けることができるわけだ。
 これは、私も最初から考えていたのだが、「こんな簡単な方法を取らないのは、わけがあるのだろう」と深読みしすぎて、排除していた。実は、そんなことはなかったわけだ。

 とすると、読売の図では直進コースで示していたのは、あくまで簡易図にすぎなかったのだろう。現実的には、将来は、「進路を少し曲げる」という方法を取るはずだ。
 「新宿上空を通るのだろう」という私の想像は、たぶん杞憂に終わりそうだ。
 
 ※ 以上のように、本項の内容を訂正します。
posted by 管理人 at 20:37| Comment(9) | 安全・事故 | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
米軍のせいで神奈川方面を使えないのも大きな障害ですね
無駄になっている燃料の総量も大きい
いまなお敗戦が続いていますね
Posted by 先生 at 2014年08月27日 21:10
> 神奈川方面を使えない

 使ってますよ。下記ページに図がある。
  → http://ntv.rgr.jp/rjtt/wind-s.html

 「滑走路16Lから離陸して南方向に進み横浜あたりから西に行く場合のルート」
 という箇所。

 さらに増える見込み。
  → http://tabiris.com/archives/haneda-4/

 一部抜粋。
 「日本経済新聞に掲載された飛行ルート図では、羽田空港を離陸した飛行機が、鶴見上空で旋回し、武蔵小杉あたりから東横線上空を渋谷方面に抜けていくように読みとれます。区名でいえば、世田谷区や目黒区を縦走していきますが、このあたりは住宅地中心でのエリアです。これらの地域はどういう反応を示すのでしょうか。」
Posted by 管理人 at 2014年08月27日 21:23
> 米軍のせいで神奈川方面を使えない

 よく調べたら、20%しか使えない、ということのようです。横田空域の 80%は米軍が握っている。

> 1992年(平成4年)に約10%、2008年9月25日に約20%が返還され、
> 羽田空港や成田空港から西日本や中国・韓国方面へ向かう民間航空機の飛行ルートに目に見えない壁として立ちはだかり大きな障害となっている。
 →  http://j.mp/1tCJaGy
Posted by 管理人 at 2014年08月27日 21:30
もっといい案を思いつきました
>新宿よりも少し東の位置(新宿と皇居の間:新宿御苑のあたり)

を通るルートで進入して、品川あたりで少し方向転換をすればよいのです。これならかかる費用はゼロです。


ちなみに、24時間運用中の滑走路の軸をずらすような工事は、とんでもなくコストと時間がかかります。膨大な面積の新規埋め立て、誘導路の全面的つけかえ、ILS関係の航法関連機器の全面的刷新と検証、滑走路の名称変更や誘導路の名称変更にともなう管制側・パイロット側の膨大な処理...。

B滑走路とA滑走路が交差しないような対策はすでに案が出ていて、A滑走路を南側に延伸するものです。これなら、多少の埋め立て追加と誘導路の延伸、ILSの方向をずらすのではなく基準点をすこしだけ南側にずらす程度で対応可能です。
Posted by 一介の医療者 at 2014年08月28日 12:46
↑ それは私も考えたけど、何十万回か何百万回もやるとなると、エラーの可能性が生じる。
 それよりは、最初のいっぺんだけ、工事をする方が未来永劫に渡って使えて便利。

 でもまあ、とりあえずやってみる、のはありかもね。それで飛行機のパイロットが「別に問題ない」と感じるなら、そのままでいいかも。
 一方、「ちょっと不安だ」と感じるようなら、直進にするしかないですね。
 私としては、減速しながらの方向転換は厳しいと感じるが。自動車だってそうだし。
 動かすのが面倒なら、毎月1メートルずつ動かせばいい。(照明などの設備は移動式設備を使う。)
 これなら1年で 12メートル動かせるから、数年で解決できる。
Posted by 管理人 at 2014年08月28日 13:00
いい資料がありました
http://www.ktr.mlit.go.jp/ktr_content/content/000080384.pdf
現在行われているC滑走路を南側に360m伸ばす工事です
費用は245億円だそうです。

なので、2本軸の滑走路のをずらす+1本新設には軽く見積もっても10倍以上(おそらく兆にちかい費用)がかかるでしょう。
Posted by 一介の医療者 at 2014年08月28日 13:07
>それは私も考えたけど、何十万回か何百万回もやるとなると、エラーの可能性が生じる。

現行の着陸、もっとすごい旋回の雨嵐でやってますが...
世界中の空港を見渡しても、1回の軽微な進路変更を「間違うかもしれない」と忌避するなど、聞いたこともありません
管理人さんの案を取り入れても、現行運用が主体で残ることには変わりがないので...。
Posted by 一介の医療者 at 2014年08月28日 13:10
↑ たしかにそうですね。
 あとで本文を訂正しておきます。
Posted by 管理人 at 2014年08月28日 20:21
この案が本当に実現しそうですね。安倍さんの強硬路線を見ていると、なにがなんでも押し通す姿勢があらわです。
住宅密集地を通すとはあきれてもが言えません。ちなみに、厚木基地は、多くの機能を2年後に宇部市の空港に集約されるので、制限空域の問題はすでに解決ずみとみていいようです。
うるさいでしょうね。誰が考えても。。。(怒)
Posted by おせっかいおばさん at 2015年08月04日 20:56
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