NHK は例の番組で、小保方さんと笹井さんのメールを放送した。
その画像は、下記にある。
→ 転載ブログ
その全文(文字起こし)は、下記にある。
→ 小保方晴子と笹井芳樹のNHKメール内容動画の感想
読めばわかるとおり、師弟関係にある研究者同士の、他人行儀なメールであるにすぎない。NHK は何とかして「男女関係があった」と思わせようとして、アナウンサーが情感たっぷりに読み上げたが、どう見てもただの平凡なメールであるにすぎない。(文面は上品だが、知性の高い人ならば、上品に書くのは当り前だ。)
さて。これを「私信の公開は法令違反である」と指摘した人がいる。
番組では、笹井氏と小保方氏が交わしたという私的なメールの文面まで公開され、...
言うまでもないが、私信の公開は法令違反である。調査資料として秘匿すべき責務を負っている調査委員会からリークされたのは間違いない。罰則規定のある法令違反を犯しても、STAP論文の「不正」をゴシップ的に報道する理由はなんなのか?
( → ビジネスジャーナル )
なるほど。私は、このメールを放送で見たときは何とも思わなかったが、言われてみればたしかに、これは法令違反である。違法行為。犯罪とも言える。Wikipedia から引用しよう。
日本国憲法21条2項後段は、「通信の秘密は、これを侵してはならない」と定めている。
その主たる目的は、特定人の間のコミュニケーションの保護にあるので、「通信の秘密」は、私生活・プライバシーの保護の一環としての意味が重要である。
一般個人であっても電話の盗聴などを行なうと電気通信事業法における通信の秘密を侵害したことになる。これに対する罰則は電気通信事業法第179条で「電気通信事業者の取扱中に係る通信(第164条第2項に規定する通信を含む。)の秘密を侵した者は、2年以下の懲役又は100万円以下の罰金に処する。」と定められている。
( → 通信の秘密 - Wikipedia )
したがって NHK を「通信の秘密」の侵害したという容疑で検挙することは可能だろう。
NHK としては、「いや、本当は理研からメールの情報をもらっただけです」と主張しそうだが、ニュースソースを明かすはずがないから、その主張は成立しない。自分の潔白を示す証拠を示せない。ゆえに、「通信の秘密」の侵害したという容疑で検挙されるべきだ。
( ※ 「不正をしていないという証拠を自分で示させなければ、不正をしたと見なす」という理研の屁理屈がそのまま降りかかるわけだ。)
また、「理研が情報を漏らした」とすれば、情報を漏らした人(関係者)がいるはずだが、その人は理研の守秘義務に違反したことになるから、その人も処分の対象となる。
( ※ この件、上記の ビジネスジャーナル にも記載されている。)
ま、関係者がいるにせよ、いないにせよ、「通信の秘密を守る」という憲法に違反していることは明白だ。とすれば、NHK のこの番組を作った人は、「憲法違反」の容疑で吊し上げられるべきだろう。たかが「画像二枚の改ざん」なんていう軽微な問題ではなくて、NHK という巨大な組織における意図的な憲法違反の行為なのである。
だいたい、こんなことが許されるとしたら、私たちのメールがいつ勝手に報道されてしまうか、心配でならない。「たまたま入手したから放送される」なんてことになったら、人々が過去に作製したラブレター類やら半裸写真やらを、みんな勝手に放送されてしまうことになる。本人の許可なしに。……そんなプライバシー侵害が許されるはずがない。
今回の NHK のやったことは、途方もないプライバシー侵害だ。とうてい許されない行為だ。断固として、摘発されるべきだろう。
( ※ できれば高木浩光さんに扱ってもらいところだが、まず無理かな。 (^^); )
[ 付記1 ]
このような通信の秘密が侵害されてもいいのは、「公共の利益」に合致する場合だけだ。
例。「首相が東電と密約して賄賂で許認可したという秘密メール」
一方、いくら世間で話題になったとはいえ、タレントでもない研究者の私的なメールを公開するというのは、まったく違法である。特に、NHK が意図したような「男女関係の存在」を証明しようとしている場合には、完全に違法である。真っ黒だ。
( ※ 「公金横領」という疑惑があるならともかく、そんな疑惑もない。)
NHK は、「男女関係の存在」を訴えようとした時点で、「プライバシーの侵害」という違法行為に手を染めたことになる。これは、論文不正などとは違って、れっきとした法律違反だし、憲法違反でもある。こちらの方が、STAP細胞事件より、はるかに大きな問題なのだ。
「STAPの不正を摘発せよ」と騒いでいる片瀬久美子さんあたりは、NHK の違法行為について騒ぐべきだろう。なにしろ、この NHK の番組ができる方向へ、さんざん騒いだのは、自分自身なのだから。NHK の違法行為に関し、自分でもいくらかは責任があるはずだ。
[ 付記2 ]
通信の秘密は憲法に直接書かれてるが、他に、プライバシー権というのもある。その法的根拠は、下記の通り。
プライバシーの権利の法的根拠
法律上「プライバシーの権利」という言葉はない。しかし、これを保障した規定としては、憲法21条2項後段(通信の秘密の保障)......また、これらの規定にあてはまらない場合でも、憲法13条の「個人の尊厳」あるいは「幸福追求権」が一般的な根拠規定になるとされている(多数説)。
( → 大川法律事務所 〜プライバシーとは何か )
プライバシー権の定義
日本では、「宴のあと」事件の判例に代表されるように、個人の私生活に関する事柄やそれが他から隠されており干渉されない状態を要求する権利をいう。より具体的に言えば、「私生活上の事実または私生活上の事実らしく受け取られるおそれのあること」「一般人の感受性を基準にして当該私人の立場に立つた場合公開を欲しないであろうと認められること」、「一般の人々に未だ知られていないことがらであることを必要とし、このような公開によつて当該私人が実際に不快、不安の念を覚えたこと」をプライバシー権に関わることとしてあげている。ただし、公人・公的存在に関しては、幾分ゆるく判断されることがある。
これらにあてはまるのは、例えば、私信(手紙)の無断掲載などがあげられる。
( → プライバシー - Wikipedia )
法的根拠は、やはり、憲法21条2項(通信の秘密)であるようだ。
( ※ ただ、これで思うのは、日本ではプライバシー権についての法的整備が遅れている、ということだ。憲法以外の明文規定が整備されていない。そのせいでマスコミによるプライバシー侵害がなかなか規制されない。ネット時代では鬼女の捜索によるプライバシー侵害も多発している。先進諸国に比べて、大幅に遅れている。……で、これをもって、「 NHK のやったことは問題ない」と主張する人まで出る始末だ。まったく、時代錯誤的に遅れている。こういう状況だから、ツタヤなどによる個人情報侵害がどんどん進むことになる。まったく、セキュリティ音痴・プライバシー音痴が多すぎるんだよね。悪党がやたらと跋扈(ばっこ)する。)
【 追記 】
[ 付記1 ]で、「片瀬久美子さんが騒ぐべきだ」と書いたが、本人の反応があった。私が書く数時間前に書いている。
これは、全然科学的な内容を分かっていない人が書いた記事ですね。アホらし
http://t.co/SPF94JrDEv
— 片瀬久美子 (@kumikokatase) 2014, 8月 15
「アホらし」だって。まるきり無視ですね。
しかも、「違法だ」という指摘に対して、「全然科学的な内容を分かっていない」だって。片瀬さんの主張によると、違法か否かは、「科学的かどうか」で決めるものらしい。ずいぶんと不思議な世界に住んでいるようだ。
論者 「 NHK は、法律に反したから、違法である!」
片瀬 「 あなたの指摘は、科学的でないから、NHK のしたことは合法である」
もはや、パラレルワールドに住んでいるとしか思えない。片瀬さんが裁判長になれば、あらゆる違法行為は、合法的になりそうだ。(検察側が指摘するのは、違法か否かだけであって、科学的か否かではないから。)
【 関連サイト 】
NHK の番組の一部が YouTube にある。例のメールの部分のみ。
→ 【Nスペ】 笹井が自殺した理由 小保方?芳樹 愛人メール報道
タイトルを見ればわかるように、「愛人メール報道」というふうに報道されている。NHK の意図が何であったかは、明らかであろう。
研究事実以外の報道はしてはならない。
私は思います。
『人の成果、ミスに嫉妬や怒りを憶えず、悪意あるリークをしないで、自己の道をたんたんと開くのが、人としても優れた学者、ジャーナリストであると思うのです。』
こういう気持ちもなくバッシングを続ける報道者
や学者は一人の優秀な学者が死んだことにどういう気持ちであるのか。。声明を出してもらいたい想いですよ。
科学界を浄化すべきとの気概をわかるが、人の研究には同じテーマで自分から論文を出していくしかない。。
これがわからずして学者かい?
ただ、今回は理研の外の組織であるNHKに情報が流出しているので、ここが問題になるでしょう。内規違反レベルかみなし公務員としての守秘義務違反になるか。いずれにしても調査の必要があるでしょう。
遠藤kaho氏にしろNGSデータを削除するという隠蔽工作や、わざわざmRNAを使用したトリソミー説(モザイク型トリソミーであれば生まれてくる可能性が高い)のデタラメがバレている人物なのに起用してたでしょ。
小保方さんを車で追い回しホテルの中まで追い回し女子トイレに監禁し全治2週間のケガをさせた謝罪もなし。
笹井さん丹羽さん若山さんも認めたSTAP現象はまず確実にあるのに、無かったことを一方的に印象付ける不公平な放送の仕方は放送法にも違反します。
これは武田邦彦教授や多くの有識者が指摘していることです。
総合、教育、BSで二つもチャンネルがあるのだから、どれかで検証謝罪番組を流すべきだと思う。自殺らしい米国俳優を追悼する映画の再放送よりも絶対に必要な事だ。
例の番組のプロデューサーやディレクターは雁首そろえて謝罪すべきだ。我々はそういう意図があったのではありません。とね。
そして、世間から不当なバッシングを受け、どういうものか骨身に染めば良い。そう言う意味では国益を損失した朝日新聞の記者もきちんと謝罪すべきだろう。
現実的に企業内においては、社員のメールチェックは行われている。これももしかたら有線電気通信法において違法かもしれないという判断しかできない。
今回の場合は外部のマスメディアなのでまた状況が違うが、個人が持っているアカウントだとしてもそれは組織が有するドメインの業務のためのメールサービスであり、これを個人のメールと言って良いのか、という議論も生じるであろうし、訴訟が起きないことには正直違法かどうかは分からないと思っていたほうがいいと思う。
近年発達してるインターネット、コンピュータに纏わる道具に関しては既存の法律でどう取り扱いか判決をまたないと分からないものが多いですからね。敢えて昔の道具に当てはめて考えると、社内で用いられてる紙の連絡網があったとして、これを外部の報道社が報道できるか、また、内部の会社内において検閲できるか、これは通信の秘密を侵すのか、という問題に置き換えることも出来ると思いますが、この置換えでいうと通信の秘密は侵しているのか正直疑問を覚える。これが私信というのであれば、社外宛の社外文書も私信といえるのだろうか。これらが違法であるなら、メールも違法でしょうね。しかし当然のことながらメールは業務で使っているものではありながら、私信といっていいような扱い方をしている場合ももちろんある。どうなんでしょうね。いずれにしても私は、これらを即座に違法とは断じられません。
もちろん報道も、報道前にコンプライアンス部なりを通してると思うのですよね。そこでGOサインが出たと仮にするならば、少なくとも法律の専門家がこれは違法ではないと判断しているんだろうということになります。
確定判決待ちになるんじゃないでしょうかね。
業務上の通信を、企業が業務上でチェックするのは、合法でしょう。利用規程にも含まれているはずだし、社会的にも合意が得られます。
笹井さんと小保方さんの通信も、業務上の通信として扱うのであれば、問題ないでしょう。NHK が「業務上の通信」として公開したのであれば、問題ない。
しかるに現実には、「男女関係があった」と匂わせるために用いたのだから、「私信を公開するため」という目的で用いたことになる。NHK の番組自体が、私信であることを前提としている。というか、私信であると証明するために、この番組が作られている。
タイムスタンプは 下記 ↓
タイムスタンプは 下記 ↓
ここはもし係争になれば、NHKはあくまで業務の通信として報道したと主張するでしょうね。
とはいっても、それは二人のやりとりが私信であると認められることがまず前提であり、NHKがどういうつもりで報道したかによって、私信であるかどうかが定義されるものでは当然ありません。
しかるにNHKがどう報道したかということではなく、まず、二人のあのメールは私信と定義されるものなのかどうかということを先に考えるべきではないでしょうか。
それはないでしょう。
仮に業務上の通信だとするのであれば、「業務上の通信であって内容空無であるとわかっているものを、あえて男女関係のものであると見せかけた」ことになりますから、「事実の報道」をやめて「捏造をした」ということになります。
あなたの主張に従えば、「NHKはミスをして違法行為をした」のではなく、「意図的に曲解を招く捏造をした」ということですから、報道機関としては自殺行為ですね。
(通信の秘密の)違法ならば小さな罰で許されるが、捏造報道をしたとなると、もはや存在価値そのものが否定される。違法行為ならば関係者の軽い処罰で済むが、意図的に捏造番組を放送したのであれば NHK そのものを解体するしかないですね。
どちらかというと通信の秘密の問題よりも、先日の管理人さんの記事にあったNHK法(放送法)に照らして異様な報道であった、というこっちのほうが問題でしょうね。まったく中立な立ち位置でもありませんし、そもそもマスコミはこの問題に対してフォーカスすべきなのがどこなのか完全に取り違えていますからね。
STAP問題に関してはもうここのBlogでは結論を得ているようですが、私自身研究者なのですが、管理人さんの結論とほぼ同じような認識を持っていました。大いなる杜撰さと思い込み、そしてその周りの登場人物。これに尽きます。悪意ある捏造とはまったく異る研究不正(といっていいか微妙な側面もあるけれど)。マスメディアは未だにこのスタンスに立てないから、異様な個人攻撃を繰り返している。まぁ世間もですが。
ご返信ありがとうございました。
なるほど。
ここで理研の立場から弁明すると、「真実の情報を教えるために NHK に少し情報を提供した」ということまでは、かろうじて許せるかも。「真実の解明」という名目で。(公表はしないという前提で。あるいは「ただの業務連絡であり男女関係はないと示すため」で。)
しかし、「本人の許可なくメールを公開した」というのは、アウトですね。そもそも、理研の正式な許可を得ていたとも思えない。小保方さんと笹井さんから「調査のため」に提供されていたものを、目的外使用したことになる。本人の許可なしに。
やはり「通信の秘密」の侵害に当たるでしょう。
理研のパソコンを使った業務上のメールのようですので(ご指摘のとおり、プライバシーに関わるような内容ではありません)、プライバシー侵害を云々する余地はないと思います。
一般的なプライバシー侵害ではなくて、通信の秘密です。
通信の秘密を犯してはならないというのは憲法で認められた権利であり、そこに「隠すべき情報が含まれていること」は特に要件とされていません。
たとえば、あなたのメールを「特別なプライバシー情報がないから」という理屈で、やたらと他人が公開していいかというと、そうではないでしょう。
憲法は、原則、対国家との関係で問題となる法律ですので、今回の件は、憲法で認められた通信の秘密の問題ではありません。
民事上のプライバシー権が侵害されたかどうかの問題です。
NHKは、「特別なプライバシー情報がないから」という理屈でやたらと公開したわけではないので、たとえ小保方さんが、問題とされている業務上のメールについて、プライバシー侵害を理由に訴えを起こしても認められないでしょうね。
笹井さんとのメールがプライバシー侵害だと主張すると、かえって私的交際を認めた形になって、おかしいですよ。
たしかにそうですが、今回は、理研と NHK が対象なので、公権力と見なしていいでしょう。
> 笹井さんとのメールがプライバシー侵害だと主張すると、かえって私的交際を認めた形になって、おかしいですよ。
私的交際でなくてもプライバシーだと思いますが。私的交際のないメールならば個人のメールを好き勝手に放送してもいい、というのですか? たとえば一般人の日記を勝手に公開していい、と。ありえないでしょ。
少し前に、Google が個人情報を買っても漏らして、大騒動になったことがあります。あれと同程度の問題になるでしょう。
賠償が認められるかどうかはともかく、悪いことであることは間違いないです。
ただ、警察による検挙は無理かもね。(特に Google の場合は、ユーザーのミスによる問題だったし、検挙は無理だろう。一方、NHK の場合は意図的に情報を公開したのだから、検挙の余地はありそうだ。断言はしないが。)
※ 実を言うと、細かい法律論議をしても、無意味なんですけどね。実際に法律の問題となっているわけじゃなくて、ここでは道義的なことだけが問題となっているので。
NHK を摘発したところで、笹井さんの命が戻るわけじゃないし。また、実際に NHK が摘発される可能性はゼロだし。
細かい法律論議は、机上の空論となっている。
「これはプライバシーの侵害ではありません。メールはただの業務連絡です」
というふうに弁明することができるが、そういうふうに弁明するように仕向けることが目的となる。
もしそう弁明すれば、NHKは、
「実は業務連絡であり、内容は何もないとわかっていました。しかしながら、あえて男女関係があるように見せかけるために放送しました」
と白状していることになる。つまり、内容の捏造・歪曲である。(ありもしない男女関係をあるように見せかけるという虚偽報道)
こういうふうに NHK に告白させることが、最終目的となる。
したがって、「違法だ」とNHKを責めることは、NHK に「そうです。違法です」と認めさせるためではなくて、「そうではありません。違法ではありません」と弁明させるためなのだ。そして、そう弁明したとき、NHK はより大きな落とし穴に落ちることになる。
つまり、「違法だ」とNHKを責めることは、誘導して落とし穴に落とすようなものだ。だから、NHK が「違法ではありません」と弁明すればするほど、こちらの狙い通りなのである。
罠(トラップ)。
ここでなぜ理研を持ち出すのかよくわかりません。
NHKの性格については、以下参照。「公権力」とは見なせないでしょう。
「NHKとはどういう事業体なのか」
http://www.nhk.or.jp/faq-corner/01nhk/01/01-01-01.htm
> 私的交際でなくてもプライバシーだと思いますが。私的交際のないメールならば個人のメールを好き勝手に放送してもいい、というのですか? たとえば一般人の日記を勝手に公開していい、と。ありえないでしょ。
理研が不正調査の過程で収集したであろう当事者職員間の業務上のメールを、報道機関が報道目的で一般に公開することについて、当該職員のプライバシー侵害にはあたらないだろう、という意見です。
管理人さんも通信の秘密を問題にしているのですから、ここで「一般人の日記」を例えとして出すのは適切でないと思います。
> ※ 実を言うと、細かい法律論議をしても、無意味なんですけどね。実際に法律の問題となっているわけじゃなくて、ここでは道義的なことだけが問題となっているので。
本稿の冒頭の次の命題と矛盾するようですが。
ただ、本ブログ上で厳密な法的議論をしても無意味であることには同意します。
> NHK は例の番組で、小保方さんと笹井さんのメールを放送した。これは「通信の秘密」を侵害する違法行為である。
それから、
> NHK が「違法ではありません」と弁明すればするほど、こちらの狙い通りなのである。
とのご意見について、NHK側から想定される主張は、
理研が不正調査の過程で、必要に基づいて職員から業務上のメールを収集した行為は、秩序維持という正当な目的によるもので違法ではない。
NHKは、取材の過程で、理研の関係者から任意に上記メールを取得したが、これは正当な取材活動の一環であり、何ら違法ではない。
番組上で上記メールを放映したのは、業務上のメールであり、プライバシー侵害の程度は低く、かつ報道の必要性があると認められたからであって、違法ではない。
男女のナレーションは、2人が男女関係にあったことまで示唆するものではなく、見る側の解釈に委ねられている。仮に、2人がお互いに何らかの好意を持っていたことを暗示させるものだとしても、上記メールの解釈の範囲を逸脱していない。
読み返して気付いたのですが、
本件で「逮捕」すなわち刑事上の問題に発展する可能性は皆無です。民事と刑事を混同されているようですね。
失礼しました。
「ただの業務連絡の無意味なメールを掲載した」といのは、「不正の深層」というテーマと矛盾しているので、論理が破綻しています。偽証ですね。
偽証罪で逮捕。(逮捕じゃないけど違法だね。)
なお、反論の論理が破綻したら直ちに「偽証罪」で違法、ということにもならないのです。逮捕もされないし、違法でもありません。
NHKスペシャルで紹介されたメールには、
・東京で雪が降る頃に笹井先生は出張していた
・笹井先生の不在時にライブイメージングの実験をしていた
・笹井先生はSTAP研究に加われたことに感謝していた
・晴子さんは実験を楽しんでやっている
・丹羽先生から試料の提供を受けていた
等の情報が盛り込まれていたと思います。また、センター長や自己点検委員長がインタビューに答えていましたので、CDBが提供した自己点検調査中に収集したメールではないかと感じられました。
人によって捉え方は変わると思いますが、男女がメールを読み上げるシーンがありながらも、文言から「二人の関係はこの程度?」という印象を持つ方といたのではないでしょうか?個人的には二人は恋愛関係ではなく師弟関係で、誤解を招く表現かもしれませんが、笹井先生は「バカな子ほど可愛い」という感覚で、晴子さんを育てようとしていたような気がしています。「のだめカンタービレ」に例えると、シュトレーゼマン=笹井先生、のだめ=晴子さん、といった感じでしょうか…。
また、今振り返ってみると、NHKはメールの事実のみを提示し、「皆さんはどう思われますか?」という問いかけをしていたような感じもしています。
あと番組全体をじっくり見聞きすると、笹井先生については意図的に捏造した訳じゃないよ、という形の編集になっていたようにも感じました。もっとも、自分は事件の真相について管理人様の仮説に似た考えを持っていますので、バイアスがかかって見た結果かもしれませんが…。
左様に社会の法は、そもそも不完全なものであり、価値観の変化・時代の要求に従い書き換えられるべきものでありますから、法に触れないから問題はない、と云う事にはなりません。
この番組は<悪意の研究不正>という方向に偏向・特化されており、公平性を著しく欠く、公共放送としてあるまじき制作方針でした。ノートやメールの件以上にここからおかしい。異常とさえ云えます。番組制作としての良心をここでは失っております。
今だ研究不正が推理の域を出ない段階で、タイトルに<不正>という文字を使う事がまず不適切です。理研が不正と認定した事と、科学界での不正の意味(悪意の無いものも含まれる)、世間一般での不正という言葉の認識、この<不正>という言葉の概念・定義を掘り下げる内容で進行するならば、客観性・公平性は保たれたのではないでしょうか。
研究・論文の疑義とメールでのやり取りとを平行させる事がさらに不適切で不可解です。仮に邪推されている男女関係があったのだとしても研究と次元の違うお話ですから別けるべきなのです。しかしあのメールのやり取りを見て、それを確信する人の存在は驚きです。その様に妄想の火に油を注いでしまう罪深い番組ではありました。事務的な連絡に暖かな人間性が感じられますが、それ以上のものを感じないメールなのに何故に取り上げたのか?
個人的にはここに制作者の錯誤や悪意を感じてしまいます。
制作者の後ろめたさや予防線はクレジットを流さない処置に顕れている様で、せめて流さない理由を明示すべきだろう、と思います。こういった番組が放送されるのも、環境が病んでいるせいでしょうか。さらに偏向番組を流す事で犠牲者が出そうで恐いのですが、もっと大きな墓穴を掘ってもらって、解体・再編成の中で再生するしかないのかなと。