笹井さんの死には、分子生物学会・学術会議・NHK に責任がある……と私は述べた。
→ 笹井さんを死なせたのは誰か?(STAP)
これは私の見解だから、別に、肯定しなくてもいい。分子生物学会・学術会議・NHK は、「いや、そんなことはない」と否定してもいい。弁明の機会は十分にある。
しかしながら、これら三者はいずれも沈黙している。「死に責任がある」とも「ない」とも、言わない。単に沈黙しているだけだ。
──
一方、死の前には、大々的に騒いでいた。
(1)
まず、分子生物学会がそうだ。
→ STAP:分子生物学会の不正
ここから再掲すると、読売新聞・夕刊・1面のトップニュースでは、大々的に報じられた。
日本分子生物学会が、異例の集中批判を展開している。
同学会理事長の大隅典子・東北大教授が「理研の対応は、税金で研究を支える国民への背信行為。不正の実態解明が済むまで、検証実験は凍結すべきだ」との声明を出し、口火を切った。理研は6月末に着手した不正の追加調査を何より優先するべきだという指摘だ。理研は6月末に着手した不正の追加調査を何より優先するべきだという指摘だ。
その後、同学会の幹部ら9人も相次いで見解を公表し、学会あげて問題視する姿勢を鮮明にした。「科学的真実そのものの論文が撤回された以上、検証実験は無意味」(町田泰則・名古屋大名誉教授)。「STAP細胞は今や(未確認生物の)ネッシーみたいなもの」(近藤滋・大阪大教授)と、厳しい言葉が並んだ。
( → 読売新聞 2014-08-02 )
(2)
また、学術会議もそうだ。
→ STAP/東大の捏造
ここから再掲すると、NHK(リンク切れ)に、次の記事があった。
日本学術会議は、検証実験の実施とは関係なく不正の詳しい調査を行ったうえで、小保方研究ユニットリーダーら関係者の処分を行うべきだとしています。
さらに、次の記事もあった。
日本学術会議(大西隆会長)は25日、主要著者が所属する理化学研究所に対し、検証実験の結果に関わらず、保存されている試料の調査で不正の全容を解明し、結果に基づいて関係者を処分するよう求める声明を発表した。
声明は「(STAP細胞)研究全体が虚構であったのではないかという疑念を禁じえない」と指摘した。
( → 毎日新聞 2014年07月25日 )
ここでは、「(STAP細胞)研究全体が虚構であったのではないかという疑念」があるだけで処分せよ、と主張している。「実験ミスにすぎなかった」という可能性を考慮していないし、「それを調べよ」とも主張していない。単に疑念だけで処分せよ、という主張だ。
なお、「保存されている試料の調査で不正の全容を解明し」というのは、非科学的だ。それでは「真偽」の解明はできるが、「犯意の有無」は解明できないから、「捏造か実験ミスか」は解明できない。つまり、「全容」は解明できない。原理的にできないことを「やれ」というのは、「数学的に証明不可能とわかっていることを証明しろ」というような無理難題だ。あまりにも非科学的。狂気の沙汰だ。
(3)
また、NHK の番組もあった。
→ STAP(NHK・科学雑誌)
ここには記していないが、番組の方針は NHK のサイトにある。そこから転載すると、こうだ。
改革委員会は、熾烈な研究費獲得競争の中で、理研が“スター科学者”を早急に生み出すために論文をほとんどチェックせずに世に送り出した実態や、問題が発覚した後も幕引きを図ろうとする理研の隠蔽体質を断罪。STAP細胞の存在そのものが“捏造”された可能性について、更に検証を進めるべきだと提言した。しかし執筆者の小保方晴子研究ユニットリーダーは徹底抗戦。真相は何か、背景に何があるのか、全容の解明には至っていない。
番組では、独自に入手した資料を専門家と共に分析。関係者への徹底取材を通して論文の不正の実態に迫る。
( → STAP細胞 不正の深層 )
ここには、いくつもの問題がある。
@ 「幕引きを図ろうとする理研の隠蔽体質」というが、理研は「検証を進めるべきだ」という方針の下で、再現実験をして真相を明らかにしようとしている。「真相の究明よりも不正の処分の方が先だ」と言って、再現実験を妨害しているのは、分子生物学会と学術会議だ。NHK は、責めるべき相手を完全に間違えている。犯人の取り違え。
A 「徹底抗戦」というが、小保方さんは徹底抗戦なんかしていない。「真相解明に 100%協力します」という方針を出している。つまり「徹底抗戦」のかわりに「全面協力」である。NHK はそこを正反対に描写している。濡れ衣。
B 「不正の実態に迫る」というが、ここでは「不正がある」と天下り的に決めつけている。それが冤罪だという可能性を一顧だにしていない。あまりにも偏向している。真実の解明とは逆で、「一方向の結論の押しつけ」にしかなっていない。(この件、前にも述べたとおり。)
なお、NHK の方針が笹井さんの死に影響があった、という推測が、下記にある。
10日ほど前から自殺した笹井芳樹副センター長の様子がおかしいことを、同氏の研究室に所属する複数のメンバーが竹市氏に連絡していたという。
「研究のディスカッションが成立しないときがあった」
因果関係は定かではないが、10日ほど前はNHKスペシャルの放送日(27日)と重なっている。
( → 東スポ 2014-08-07 )
このように、NHK の番組の影響は、強く疑われている。
──
以上のような事実が過去にあった。
とすれば、分子生物学会・学術会議・NHK は、笹井さんの死のあとで、何らかの声明を出すべきだろう。
私は先に、「死を歓迎します、という声明を出せ」という皮肉を言った。これは皮肉だ。ただ、そのような声明ではなくてもいいから、何らかの声明を出すべきだろう。
たとえば、ありそうな声明として、次のような声明が考えられる。
笹井さんの死は、悲しむべきことです。しかし、この死に関して、私たちは何ら責任がありません。彼は勝手に死んだのであって、私たちは何ら責任がありません。私たちが STAP 細胞の不正を指弾したのは、正しいことです。それと笹井さんの死には、何も関係ありません。笹井さんが死んだのは、私たちが指弾したからではありません。彼は自分で責任を感じて死んだのでしょう。すべては笹井さん自身の責任です。私たちには何ら責任はありません。
これは架空の声明だが、このような(または別種の)声明を出すべきだ。沈黙しているのは、あまりにも無責任だ。自分たちのしたことを、正しいと思うにせよ、正しくないと思うにせよ、何らかの声明を出すべきだろう。
この三者は、(刑事事件にもならないような = 罰金刑にも懲役刑にもならないような)小さな問題を大々的に取り上げておきながら、(殺人罪という最悪の罪に相当する)人の死という問題について沈黙する。
社内の懲戒処分ぐらいで済むような小さな問題について大々的に大騒ぎしておきながら、死刑にも匹敵するような巨大な問題(人を死なせたこと)については口をつぐむ。
このような態度は、明らかに不正な態度である。彼らの沈黙は、それ自体が不正である。「不正だ、不正だ」と大騒ぎして、「不正について処分せよ」と主張しておきながら、自分自身は「沈黙」という不正な態度を取る。
せめて、弁解でも何でもいいから、語ったらどうか? 小保方さんも笹井さんも、疑惑については、記者会見を開いて長々と回答した。特に小保方さんは、時間無制限といってもいいぐらい長い時間をかけて、ていねいに答えた。
なのに、分子生物学会も学術会議も NHK も、人の死のあとで、だんまりを決め込んでいる。あまりにも不正な態度だ。
特にひどいのは、NHK だ。番組を作っておきながら、スタッフロール(制作者名一覧)を掲げなかった。これは、他人を批判しておきながら、自分の署名を入れないということだ。無責任にもほどがある。「卑怯」と言ってもいいほどだ。
──
結論。
分子生物学会・学術会議・NHK は、笹井さんのあとで、沈黙を守っている。そこで私は彼らに語りたい。
「卑怯者よ。姿を出せ。口を開け。自己弁明でも、他者批判でも、何でもいいから、とにかく何かを語れ。笹井さんを死なせた自分の行為を正しかったと思うのであれば、そう語れ。自分に責任がないと思うのであれば、そう語れ。とにかく、語れ。沈黙するな」
[ 付記 ]
語るべきときに何も語れないような連中の言葉には、何ら真実はないのである。
彼らは、人の非を攻撃するときには威張り散らすが、自分の非を指摘されると沈黙するばかりだ。
ドラえもん ジャイアン猛言トランプ


- この人並みはずれた強さを、
正義のために役立てたいと
思うんだ、おれは。
タイムスタンプは 下記 ↓
次の商いをまた狙っているのかな
→ http://blog.livedoor.jp/pyridoxal_phosphate/archives/11065278.html
一読をお勧めする。
「犯人探しや責任のなすりあいをするのではなく、どうすればこのような悲劇を防げるのか、科学者コミュニティーの構成員が自分の問題として現実に目を向ける必要があります」とあります。
明らかに分子生物学会の面々が笹井氏にプレッシャーを与えたのに、まるで責任逃れの印象です
上から目線と言うか男性脳女性脳を区別するなら超男性脳的な受け答えしますよね。
だが日本は研究者は良い子しないといけないという暗黙の了解があるので
そのお陰で海外(主に中国や韓国)に押し巻けてしまうほどナヨナヨしてしまったので
少しは南堂氏を見習えと思います。
威張りすぎて、ごめんなさい。平身低頭します。ぺこぺこ。 m(_ _)m
ね、管理人さん?
どこかの電力会社の人と似たようなことやってますね?
建前レベルでは大義名分が有るわけですが、本音レベルでは攻撃に猛り狂う。人は正義の口実を得たときや匿名になった時にその本性が露わになるようです。そしてこの熱病には知性の有無は関係ないという事が解りました。思考レベルで誤読や曲解が渦巻くのも感情面での問題が何かあるのかも知れない。あるいは利害なのかも知れませんが。
研究の疑義を全て背負われるかのように逝ってしまわれました。心身喪失状態だったにせよ、もしかしたら我々の愚かさも含めて引き受けられたのかもしれない。笹井さんも小保方さんも会見に於いて誰も責めず、責任転嫁もしない姿勢を貫きました。同じような姿勢で冷静に事態解明に臨んでいたのだろうかと。関係組織や学会や我々は。
大きすぎる代償ですが、魔女狩り発生の解明と再発防止が必要な状況です。その自覚はおそらく当時者にはないのでしょうけれども。
小保方氏としても、画像の捏造を指摘された2月に論文を取り下げていれば、大学院(又は学部)からやり直すチャンスもあったろうにーーー。
再現実験で再現できると考えている人は研究者の中では小保方氏以外は誰もいないのでは。
再現できなければおしまいでしょう。その時(11月末)に笹井先生の自死という取り返しのつかない事実だけが残ることとなりました。
公表経緯が怪しいと指摘されている笹井氏の遺書では、「STAP再現してください」とされており、ますます小保方氏を追い込むこととなっています。
その場合には、次に「笹井さんを懲戒解雇せよ」という批判が湧き出て、その時点で、笹井さんが自殺していたでしょう。
あるいは、小保方さんが懲戒解雇されたことで、笹井さんが責任を感じる度合いが高まって、プレッシャーを感じた。いずれにせよ、死期を早めただけです。
なお、懲戒解雇された場合には、再現実験ができなくなるので、「どこでミスが生じたか」という真相が解明できなくなります。この件は、先に述べたとおり。
→ http://openblog.meblog.biz/article/22963487.html
つまり、あなたの主張は、「真相の解明を拒否する」という隠蔽説です。
捏造説の人は、みんな隠蔽に加担したがる。「ただのミスだ」という真実がバレると困るから、必死に隠蔽しようとする。困ったことだ。
もし無いと思っていれば死の直前に「必ず再現してください」とは言わないでしょう。
ほんとうにSTAP細胞はウソの可能性が高いのでしょうか。
下記を参照。
→ http://openblog.meblog.biz/article/23280735.html
http://twilog.org/sendaitribune/
過去の投稿を追うと頻繁にSTAP関連に言及していますね。水に落ちた犬を叩くのが楽しくて楽しくてしょうがない感じです。7月28日のツイートではNHKスペシャルの視聴率が16%を超えた事を嬉々として報告しています。心ある分子生物学会会員は理事長個人の暴走により学会が白い目で見られている事に関して退陣勧告をするべきではないでしょうか。
分子生物学会HPで「STAPはネッシー」と一蹴した近藤滋先生のツイッター。笹井先生の自死以後は沈黙を守っています。
https://twitter.com/turingpattern
ブログ主が、掲示の可否を決定するものであるから、たった一つ選んだこの文章が、大隅の思想に一致したものと考えて良い。
Commented by 学部卒会社員 at 2014-08-10 12:01 x
笹井先生の自殺で日本分子生物学会に批判の矛先が向けられているかもしれませんが、気になさらないで下さい。
貴会の声明は当然の行いと考えています。
明らかな捏造疑惑に何ら回答しない対応は、社会に対して税金の使途に回答しない対応と同様に問題と考えています。
日本版ORI設置等今後の役割を期待しています。
大隅に反省や後ろめたさはない。「私になんら落ち度はない。笹井さんが死んだのは勝手である。気にするものではない。」そういう考えしかない。
大隅も税金のことをよく言っているが、理研がその裁量で再実験をすることをとやかく言うのは筋違いであろう。
自分のブログで、半分観光の海外ツアーがよく出てくるが、税金は使われていないのか。国立大学勤務、税金で、生きながらえている大隅が、
事実追求よりは、決めつけ懲罰を優先することを主張し、社会に混乱と、損失をもたらしたことは、税金を収めている国民に、あだなすことではないのか。
分子生物学会も東北大学もこういう害悪に対しては、無力傍観者なのだろうか。
ここまで分子生物学会やNHKが先導して、一般人もSTAPって嘘まみれの論文だったんだなーって思ってしまいました。単なるミスでそんなことになるか?って。
小保方さんの場合は、早稲田の博論でも草稿を製本して時間稼ぎするといった、素人にも分かるようなあざとい手を使ってましたし、STAPでだって、何やってたかわかんないよねーって思わせられました。
ところがいつもどこかから助け船が出ます。そんなことしておいて許すの?って一般人は思いますよ。
間違いだらけの論文出して一切おとがめなし?って思いますよ。懲戒解雇までは思いませんでしたが、理研の給料は思いっきり下げて欲しいとか思いましたよ。
幹部の方々も、近々代替わり考えてます、くらい言って欲しかった。
なんのおとがめも無しが、人々の怒りを買ったんだと思います。理研や政府が対応を間違えた結果、世間に批難の嵐が起こった気がするんです。人間って、そんな社会正義を振りかざす動物のような気がします。ガス抜きして欲しかったな。
ほんと、一般人の感覚的発言です。論理的に切り込まれたら木っ端微塵ですけどねー。お目汚し、済みません。
まだ半年しかたっていませんよ。普通、裁判なら数年がかかります。あなたも含めて、せっかちすぎ。
ちなみに、大震災のあと、復興庁ができるまでには、丸1年間がかかりました。「すぐにやる」と言った菅直人を妨害して、「まずは復興庁を作れ。それまではおまえには何もさせないぞ。おまえに復興の実績を作らせてたまるものか」という自民・公明の方針。
ここでは1年も遅らせたのに、誰も文句を言いませんでした。いや、一人だけ、文句を言った。私です。
急ぐべきことは何か、よく理解しましょう。