2014年08月02日

◆ STAP:分子生物学会の不正

 分子生物学会が STAP問題で「不正だ、不正だ」と大騒ぎしている。 ──

 これは読売新聞・夕刊・1面のトップニュース。大々的に報じている。一部抜粋すると、下記の通り。
 日本分子生物学会が、異例の集中批判を展開している。
 同学会理事長の大隅典子・東北大教授が「理研の対応は、税金で研究を支える国民への背信行為。不正の実態解明が済むまで、検証実験は凍結すべきだ」との声明を出し、口火を切った。理研は6月末に着手した不正の追加調査を何より優先するべきだという指摘だ。理研は6月末に着手した不正の追加調査を何より優先するべきだという指摘だ。
 その後、同学会の幹部ら9人も相次いで見解を公表し、学会あげて問題視する姿勢を鮮明にした。「科学的真実そのものの論文が撤回された以上、検証実験は無意味」(町田泰則・名古屋大名誉教授)。「STAP細胞は今や(未確認生物の)ネッシーみたいなもの」(近藤滋・大阪大教授)と、厳しい言葉が並んだ。
( → 読売新聞 2014-08-02

 新聞記事ばかりでは中身が薄いから、原典を出す必要もありそうだ。その原典は、前に別項で紹介した。
  → STAP:分子生物学会の謎
 そこから孫引きする形で原文を示せば、こうだ。
2014 年7 月4 日
理事長声明『STAP 細胞論文問題等への対応について、声明その3』
特定非営利活動法人 日本分子生物学会
理事長 大隅 典子

  ....多くの論文不正についての疑義がきちんと分析されず、それに関わった著者らが再現実験に参加することについては、当分子生物学会会員を含め科学者コミュニティーの中から疑問視する声が多数挙がっております。このように当該機関が論文不正に対して適切な対応をしないことは、科学の健全性を大きく損なうものとして、次世代の研究者育成の観点からも非常に憂慮すべき問題であるとともに、税金という形で間接的に生命科学研究を支えて頂いている国民に対する背信行為です。上記のような現状を早期に解決して頂くために、ここに改めて日本分子生物学会理事長として以下の点を理化学研究所に対して希望致します。

・ Nature 撤回論文作成において生じた研究不正の実態解明
・ 上記が済むまでの間、STAP 細胞再現実験の凍結

 同様に、学術会議の批判もある。
  → STAP問題:「関係者処分を」…日本学術会議が声明
  → 学術会議、STAP全容解明を要望
 懲戒処分手続きを早急に進めることなどを求める声明を発表した。

 分子生物学会の二つの文書には、いずれも「不正」という言葉があふれている。分子生物学会はそれほどにも「不正」という言葉を多用している。しかしながら、それこそが、分子生物学会自身が不正をしていることを意味する。まるで、ミイラ取りがミイラになったようなものだ。
( ※ 「懲戒処分」を求める学術会議も同様。)

 ──

 そもそも、STAP細胞事件の問題点は、何か? 次のことだ。
  STAP細胞が本当に存在するかどうかもわからないまま、「 STAP細胞は存在する」と勝手に思い込んで、勝手にあれこれと研究を推進した。その際、「 STAP細胞は存在しないかもしれない」というふうに疑念を持つことはなかった。だから、STAP細胞が存在するかどうかについて、チェックすることもなかった。もちろん、再現実験もしなかったし、実験ノートをチェックすることもなかった。
( → 別項の要旨

 これとそっくり同様のことを、分子生物学会はやろうとしている。こうだ。
  不正が本当に存在するかどうかもわからないまま、「 不正は存在する」と勝手に思い込んで、勝手にあれこれと処分を推進する。その際、「 不正は存在しないかもしれない」というふうに疑念を持つことはなかった。だから、不正が存在するかどうかについて、チェックすることもなかった。もちろん、実験ミスがあったかの検証実験も止めようとしているし、検証実験で実験ノートを取ることも止めようとする。
 
 まったく、うり二つである。「自分は正しい」とだけ思い込んで、「自分は間違っているかもしれない」という可能性を考慮しない。
 小保方グループが「 STAP細胞ではなくて、ES細胞のコンタミがあった」という可能性を考慮しなかったように、分子生物学会は「捏造ではなくて、実験ミスがあった」という可能性を考慮しない。
 どちらのグループも、「自分は正しい」とだけ思い込んで猪突猛進する。まったく、うり二つだ。

 その意味で、分子生物学会が「不正だ、不正だ」と騒げば騒ぐほど、彼ら自身が不正の落とし穴にはまり込んでしまうことになる。
 科学者というものは、ヒステリックに騒ぐべきではない。ノーベル賞のような栄誉を得たからといって騒ぐべきでもないし、不正があったからといって騒ぐべきでもない。科学者というものは、真偽について、淡々と研究していればいいのだ。栄誉とか不正とかには、いちいち騒がなくていいのだ。
 
 私が思うに、分子生物学会の人々が大騒ぎするのは、彼らがノーベル賞をもらいたくて仕方ないからだろう。そういう俗物精神が、逆に、不正については厳しくあろうとする。しかも、相手がひとときは「ノーベル賞確実」と評されたとなれば、なおさらだ。嫉妬心が満開爆発だろう。
 しかし、本当の科学者というものは、そんなことには関わらないはずだ。単に真偽についてのみ、淡々と調べればいい。
 不正についても同様だ。「不正があった」と決めつけずに、現実に何があったかを、検証実験で確認すればいい。
 逆に、検証実験を拒んで、単に「審判だけで真偽を決めよ」というのは、宗教裁判や魔女裁判も同様だ。あまりにも非科学的。
 分子生物学会は、中世の非科学主義に戻ってしまったようだ。


  




 [ 付記 ]
 分子生物学会の方針は、「不正の追加調査を何より優先するべきだ」ということだ。(上記引用部)
 しかし、私としては「検証実験をするべきだ」と考える。この方針が現実に取られている。そこで、このあとの予想を示すと、次の通り。

  ・ 小保方さんが実験を推進する。
  ・ Oct4 発光については、偽陽性 が確認される。
  ・ 小保方さんは間違いを認める。理研も「これじゃ仕方ない」と認める。
  ・ Oct4 発光の偽陽性という現象が、論文の形で発表される予定。
  ・ ES細胞については、手順ミスによるコンタミが判明する。
  ・ 小保方さんは「気づかなかった」と驚き、「下手でした」と謝罪する。
  ・ 理研は「ミスじゃ仕方ない」と認める。
  ・ 小保方さんと理研は「世間を騒がせて申し訳ない」と謝罪する。
  ・ 「捏造だ」と批判した人々は、「冤罪だった」と謝罪する。
  ・ 分子生物学会と学術会議は、以前の批判を撤回して、謝罪する。


 たぶん、以上のように進むだろう。本項で一応、予想していく。
( ※ 予言ではありません。100%確実なわけではありません。)



 【 関連項目 】
 
 → STAP:分子生物学会の謎
posted by 管理人 at 20:09| Comment(2) |  STAP細胞 | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
笹井さんがなくなられたそうです。とても残念です。
Posted by にーす at 2014年08月05日 12:23
STAP問題に見る社会病理

本件は、研究体制の在り方というよりも、社会病理を提起した大きな成果があるのではないかと、考えていた。
瑕疵の生じた個人への執拗なバッシングや、プライバシーの範囲に侵入して個人攻撃を続ける週刊誌を代表とする、マスコミの低劣さは、十分知られていたことであるが、これに加え、分子生物学会のような、それなりにインテリジェンスを
持っているとされた集団も、週刊誌レベルと同じ論理性しか持っていないということを社会に知らしめる効果があったということである。
学会は、検証よりも、懲罰を優先すべきと、大騒ぎをしているが、技術的な問題は、事実がどうであるかということがすべてである。
事実を積み上げて、冷静に判断する、それが科学者の基本である。さらには理研が判断して、事実を解明している最中に、外野席から、ピンボケ低劣なヤジを飛ばす必要はあるまい。
民間ではトップに能力がないと組織はつぶれてしまう。分子学会には自浄作用はないのだろうか。大隅典子、中山敬一、こういう手合いにが
税金の上に胡坐をかき、社会病理を深化させていると考えると納税者としては、腹が立つばかりである。
分子生物学会や学術会議、病んだ学会の多罰主義が、優秀な研究者を死に追いやった原因の一つであろう。笹井氏は、
学会に打ちのめされたのではなく、低質な科学界に嫌気がさしたのではないか。見放されたのは、残された学会の方である。
大騒ぎをして日本の生物化学の前進を妨げた、大隅典子、国家に対する責任はどう始末をつけるのだろうか。
Posted by 経営者B at 2014年08月05日 20:12
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