この件は、前にも何度も述べたのだが、あちこちに話題があって読みにくいので、本項で整理して述べる。(このテーマのもとで。)
まず、学会の主流の説は、こうだ。
「走鳥類は翼を失った鳥だ」
つまり、こうだ。
「鳥類はもともと翼を持っていたが、そのうちの一部が、翼を失う形で進化して、翼のない走鳥類になった。これらは、空中から地上へと進出することで、翼をなくす形で進化した」
これは、現在の学会の主流派の説である。下記でも紹介されている。
Newton 2014年 09月号
cf. 本の中身を知るには、出版社 サンプルページ もある。
──
では、その根拠は何か? 次のことだ。
「走鳥類の骨格には、翼の痕跡がある。これはかつて翼を持っていたことを意味する。つまり、走鳥類は、翼を持っていたものから、翼のないものへと、進化したのである」
しかし私はこれを否定した。
「走鳥類の骨格には、翼の痕跡があると思われているが、それは、翼の痕跡ではなく、前肢の痕跡である! 走鳥類や恐鳥類は、恐竜から進化した。その恐竜には、前肢があった。恐竜の前肢が退化・縮小する形で、走鳥類に痕跡を残すこととなった」( → 恐鳥類と走鳥類 [ 付記3 ])
こうして、「走鳥類は翼をもつ鳥から進化した」ということの根拠が否定されたのである。
──
では、真実は? 「飛ぶ鳥 → 走鳥類」という順序は否定されたとしても、「走鳥類 → 飛ぶ鳥」という順序(従来の逆順)は成立するのか? 「成立する」というのが私の見解だ。理由はいくつもある。
(1) 原始的な形質
走鳥類は、飛ぶ鳥に比べて、原始的な性質を残している。特に重要なのは、羽毛だ。走鳥類の羽毛は原始的である。この件は、下記で詳しく述べた。
→ 走鳥類の羽毛と足
《 羽毛の発達史 》( Wikipedia から。)
cf. 鳥の翼と羽毛
なお、羽毛以外の点でも、走鳥類・シギダチョウ類は、いろいろと原始的な形質を残している。(その点ゆえ、両者を総称して「古顎類」とも言われる。一方、翼のある鳥は、新しい形質をいろいろと備えているので、「新顎類」と呼ばれる。)
(2) 竜骨突起
走鳥類には、竜骨突起がない。これは、過去において翼がなかったことを意味する。なぜなら、過去において翼を持っていたならば、たとえ翼をなくしても、竜骨突起は残っている可能性が高いからだ。
実際、「飛ぶ鳥から飛ばない鳥になった」という例はいくつかあるが、それらの例では、竜骨突起は残っている。次のような例だ。
・ ドードー (ハトの仲間)
・ アナホリフクロウ
・ フクロウオウム
これらは巨大化して、空を飛べなくなった鳥だが、いずれも胸を張っていて(鳩胸みたいになって)、竜骨突起は残っている。つまり、飛ばなくなったからといって、竜骨突起がなくなるわけではない。
そもそも、竜骨突起があったからといって、特に困るわけでもないのだから、いったんできた骨格が大幅に変化するはずがないのだ。
走鳥類もまた同じ。仮に過去において竜骨突起があったなら、今でも竜骨突起が残っていただろう。逆に言えば、竜骨突起がないということは、過去において翼がなかったことを強く暗示する。
→ 鳥と恐竜(通説の矛盾)
→ 走鳥類とドードー
(3) 系統分析
系統分析からも、走鳥類は古い系統に属することがわかる。
走鳥類は、次の各地に分布する。
ダチョウ(アフリカ大陸)、レア類(南アメリカ大陸)、ヒクイドリ(ニューギニア島・オーストラリア大陸)、 キーウィ(ニュージーランド島)
では、これらの各種は、いつ生じたか? この疑問に対して、Wikipedia には次の記述がある。
竜骨突起の喪失は平胸類の進化の中で複数回起こった平行進化である。
( → Wikipedia )
これはあまりにも無理のある説明だ。ダチョウ、シギダチョウ、レア、キーウィ、ヒクイドリなどの古顎類のすべてにおいて、「ただの一つの例外もなく、古顎類の全体でいっせいに同じような突然変異があった」というような説明は、あまりにも御都合主義に過ぎる説明だ。
特に、「竜骨突起がない」というだけでなく、「これらがさまざまな形質を共通して有する同一の類(古顎類)に属する」という点が重要だ。このことからして、Wikipedia の説明に従えば、遠く離れた世界各地で、それぞれ同一方向の進化が発生した、ということになる。(竜骨突起だけならまだしも、さまざまな形質で同一方向の進化が発生したことになる。)これはとてつもない偶然である。そんなことを主張するのがご都合主義に過ぎる。
このようなご都合主義の解釈は、非科学的と言っていい。(ほとんどトンデモ解釈だ。)
それよりはむしろ、「これらの共通祖先がすべて同一の形質をもっていたから」と考える方がいい。つまり、「これらの共通祖先はすでに翼を失っていた」と考える方がいい。それが最も合理的な解釈である。
もう少し詳しく論じよう。
エピオルニスのいたマダガスカルが大陸分離をしたのは、6500万年前である。
キーウィのいたニュージーランド島が大陸分離をしたのは、マダガスカルよりももっと古い時期であると推定される。
さて。マダガスカルやオーストラリアやニュージーランドは、7000万年ぐらい前の原始的な生物を残してきた。(たとえば有袋類や原猿類など。)そして、同じところに、走鳥類が存在した。とすれば、走鳥類は、すでに 7000万年ぐらい前に存在していたことになる。
つまり、次のことが事実として推定される。
「マダガスカルやオーストラリア・ニュージーランドは、6500万年前から7000万年ぐらい前に、大陸分離をした。その時点における原始的な生物(有袋類・走鳥類)が今日まで残った。それらは、当時からあまり進化しないまま、太古の形質を残してきた。だからこそ、遠く離れたマダガスカルとオーストラリア・ニュージーランドで、同類と見なされる生物が存在するのだ。どちらも共通祖先を持ち、その共通祖先の近い子孫を現在に残している(いた)」
この件は、下記で述べた通り。
→ 鳥と恐竜(通説の矛盾)
ともあれ、これですべてはきちんと説明される。走鳥類のすべての種が同じように原始的で、同じような形質をもち、同じ類に属することが、これできちんと説明される。
一方、Wikipedia のような発想を取れば、そのことは説明されない。かわりに、こうなる。
「遠く離れたマダガスカルとオーストラリア・ニュージーランドで、ほとんど同じような進化が偶然的に起こった。それはさまざまな形質がすべて同一方向に進化するという、きわめて不思議な進化だった。しかも、どちらの地域の進化でも、非常に古い形質に逆戻りするような進化だった」
こんな馬鹿げたことがあるはずがない。
なお、さらに言えば、同様のことは、レア類(南アメリカ大陸)、ヒクイドリ(ニューギニア島・オーストラリア大陸)にも当てはまる。これらについても、Wikipedia によれば、「同一方向の進化が偶発的に起こった」ことになる。馬鹿馬鹿しいとしか言いようがない。
もちろん、そんな偶然はあり得ない。それらすべてが独立して走鳥類に進化することなどあり得ない。むしろ、それらすべては「共通の祖先から、大昔(7000万年以上前)に分岐した」と考えるべきだろう。
つまり、これらの走鳥類が誕生したのは、7000万年以上前のことなのだ。そして、その時点では、飛ぶ鳥はまだキジ・カモ類ぐらいしか生じていなかった。
(4) 遺伝子の分析
さらに決定的な事実がある。遺伝子の分析を見ても、走鳥類は鳥類の中で最も初期に分岐していることが判明するのだ。
詳しい遺伝子の系統図は、下記。
→ 鳥類の系統樹
これを簡略図で示すと、次のような感じ。
いろいろ
キジ・カモ類 < いろいろ
恐竜 <
走鳥類
これは、次のことと整合的である。
「走鳥類は(キジカモ類と並んで)最も原始的な鳥類である」
一方、次のこととは整合的ではない。
「走鳥類は、飛ぶ鳥から進化した鳥類である」
なぜなら、この場合には、走鳥類は上図の「いろいろ」という箇所のどこかにあるはずだからだ。実際、ドードーにせよ、アナホリフクロウにせよ、フクロウオウムにせよ、いずれもこの箇所に収まる。飛ぶ鳥のうちで最も原始的なものは、キジ・カモ類であるのだから、そこから進化した子孫であるならば、上手の「いろいろ」という箇所のどこかにあるはずなのだ。
ところが、走鳥類は、そこには位置しない。これはつまり、「走鳥類は飛ぶ鳥から進化した」ということを否定する。つまり、「走鳥類は翼を失った鳥だ」ということを否定する。
──
というわけで、以上の (1)〜(4) の理由によって、進化の順は判明した。つまり、
翼のある鳥 → 翼のない鳥
という通説は正しくない。その逆の
翼のない鳥 → 翼のある鳥
という説が正しい。あらゆる理屈からして、後者の方が正しいに決まっている。
ただし、通説は、そのことを理解できない。なぜか? 人々は勘違いしたからだ。つまり、ダチョウの骨を見て、「翼の痕跡がある」と信じたからだ。実は、それは、翼の痕跡ではなくて、前肢の痕跡だったのだが。
結局、人々は自分勝手な勘違いゆえに、真実を見抜けなかったのである。それはいわば、「裸の王様」に似ている。あらゆる根拠は「王様は裸だ」ということを示している。ただしただ一つ、偉い人の見解が「王様は衣服を着ている」というものだった。だから人々は、偉い人の意見を信じて、「王様は衣服を着ている」と信じた。……実は、偉い人はちょっとした勘違いゆえに、間違ったことを言っていたのだが。それでも、偉い人が主張したことがいったん広まると、人々は現実の証拠を理解できなくなってしまうのである。
【 追記1 】
(1)〜(4) の他に、もう一つ、理由が見つかった。それを (5) として、下記に書き足す。
──
(5) 大型化に 5000万年
前項では、次の話を記した。
→ 恐竜の小型化に5000万年
つまり、体のサイズを大幅に変更するには、5000万年というような長い時間がかかるのだ。恐竜が小型化するには、5000万年がかかった。
だとすれば、鳥類の大型化にも、同程度の時間がかかっただろう。たとえば、ニワトリぐらいのサイズの鳥が、エピオルニス ぐらいの鳥になるには、5000万年ぐらいの時間がかかったはずだ。
では、そんなことは、本当にあったのか? もしあったとすれば、エピオルニスがマダガスカルにいた 7000万年前の 5000万年前(今から1億 2000万年前)に、ニワトリサイズの鳥がいたはずだ。(それは地上性で、翼がないもの。)
そして、その途中では、中間サイズの鳥(翼のないもの)の化石が残っていたはずだ。「ニワトリより大きく、エピオルニスよりも小さい」という中間サイズの鳥の化石が。
では、そういう化石は残っていたか? もちろん、残っていない。5000万年もあれば、少しぐらいは残っていても良さそうだが、まったく残っていない。中小型のもので残っているのは、エナンティオルニスやイクチオルニスみたいな、翼のある鳥の化石ばかりであって、翼のない鳥の化石は残っていない。こうして矛盾にぶつかる。
一方、論理的にも、考察ができる。
そもそも鳥は、空の王者である。空を飛ぶ限りは、地上の獰猛な恐竜や敏捷な哺乳類を避けて、王者として生きられる。しかし、いったん地上に降りれば、鳥はただの「ヨチヨチ歩きの生物」にすぎない。そんなものがまともに生きられるか? もちろん、生きられない。生きられるとすれば、外敵のいないような、特殊なニッチだけだろう。
で、そういうニッチに済むような少数の稀少種が存在することは、広い世界には少しはあってもいい。しかし、それはあくまで例外だ。そのような系統が、主要な系統として、5000万年も延々と存続することは、およそ考えられない。
この意味でも、「 5000万年をかけて少しずつ大型化した」という説は考えられない。仮に 5000万年も生きたとしても、ごく例外的なニッチにおいて、そのニッチに最適化した形で、ほとんどサイズの変更がないまま(ほとんど進化がないまま)、存続していただけだろう。「ニワトリサイズから、エピオルニスのサイズまで、5000万年をかけて大型化した」ということは、ニッチに住む生物としてはあり得ないことなのである。こうして矛盾にぶつかる。
以上の二点で示したように矛盾にぶつかる。それゆえ、「翼のある鳥が、5000万年をかけて少しずつ大型化して、翼のない鳥になった」というストーリーは、とうてい成立しがたい。
かくて、「翼のある鳥が、翼のない鳥になった」という説は否定される。
( ※ 逆に、「翼のない鳥が、翼のある鳥になった」という説が肯定される。ただし、この件は、仮説となる。それは「走鳥類の進化」というテーマで、別項で論じている。)
《 注記 》
上の 5000万年の期間で、「翼のない鳥の化石は残っていない」と述べた。ただしそれは、中小型のものに限る。
一方、エピオルニスよりも大型ものでは、恐鳥類が存在したようだ。これはこれで問題ない。
「小型の鳥が、地上に降りてから、5000万年かけて巨大化した」
というストーリーは成立しそうにないが、
「大型の恐鳥類がもともと地上にいて、その後、走鳥類に進化して、さらに小型化して、翼のある鳥になった」
というのであれば、何も問題はない。この線に沿ったストーリーは、別項で詳しく説明している。「走鳥類の進化」というテーマで。
【 追記2 】
(4) について補足しておこう。本文中では、次の図を掲げた。
いろいろ
キジ・カモ類 < いろいろ
恐竜 <
走鳥類
この図からして、「走鳥類は最も原始的なグループである」と推定できそうだが、この図だけではそう断言することはできない。なぜなら、単に系統的に遠く離れているだけであって、走鳥類全体が独自に大きく進化した可能性もあるからだ。(原始的な形質を保持しているとは限らない。)
ところが、別のことを合わせて考えると、そう断言できる。それは、次のことだ。
「走鳥類の全体が、どれも似た形質をもつ。それらの共通形質は、太古から続いて保持していると推定される」
具体的には次の形質だ。
・ ボア状の羽毛
・ 翼がない
・ 空を飛べない
・ 竜骨突起がない
・ 足が発達している
これらは、地上性の動物の特徴であり、走鳥類に共通した特徴だ。(シギダチョウも半分ぐらいは共通する。)
これらのことから、次のいずれかが成立するとわかる。
(A)太古の祖先は、上記の共通形質を備えていた。
(B)太古の祖先は、上記の共通形質を備えていなかったが、のちにそれぞれ別個に同じような進化が起こった。(どれもが翼や竜骨突起をなくすという進化が起こった。)
この二つについて考察しよう。
(A)の方はおかしくない。「太古の祖先が地上性の動物であって、その形質が現在の走鳥類に受け継がれた」と考えればいい。
(B)の方はおかしい。「エピオルニス、モア、キーウィ、ダチョウ、レア、ヒクイドリなどが、いずれも同じような進化をした」というのは、起こりそうにない。また、「同じような進化をしなかった例が一つもない」(!)ということは、さらにありそうにない。
仮に、百歩譲って、「エピオルニス、モア、キーウィ、ダチョウ、レア、ヒクイドリなどが、いずれも同じような進化をした」というウルトラ級に稀な偶然が起こったとしよう。そうだとしても、空を飛ぶという形質をもっている走鳥類の方が、よほど多く残っているはずなのだ。(もし太古の祖先が飛ぶ能力を持っていたとすれば。)しかるに、そうではない。現在の走鳥類はいずれも地上性だ。とすれば、(B)は成立しないのだ。
以上のことから、(B)は成立せず、(A)が成立する、とわかる。つまり、太古の祖先は、地上性であり、飛べなかったのだ。そして、その形質が、現在の走鳥類全体に受け継がれているのである。
また、このことからわかるが、走鳥類は長い時間を経ても、あまり進化してなくて、太古の形質を保持していることになる。(それは不思議ではない。マダガスカルやニュージーランドのような隔離された地域に残っていたからだ。)
《 おまけ 》
なお、補足しておくと、シギダチョウがいくらか飛ぶ能力を持っていたことは、別に不思議ではない。これは、記事・カモ類とは別個に生じた能力だ、と考えていい。
一般に、「空を飛ぶ能力」というのは、かなり容易に起こるものである。そのことは、多くの例から窺える。
・ 始祖鳥などの古鳥類でたびたび独自に発生した翼
・ コウモリやムササビで出現した飛翔能力
また、類似の例として、水中で泳ぐ能力もある。
・ 魚類
・ 魚竜のような爬虫類
・ クジラ,オットセイなどの哺乳類
・ ペンギンのような鳥類
これらはそれぞれ別系統で、水中を泳ぐ能力を獲得した。それと同様のことが、空を飛ぶ能力についても起こった、と考えればいい。(実を言えば、水中を泳ぐ能力に比べれば、空を飛ぶ能力は、はるかに獲得しやすい能力だろう。私はそう考える。)
タイムスタンプは 下記 ↓
→ http://www.nationalgeographic.co.jp/news/news_article.php?file_id=20140514002
これによると、少しだけ飛べるシギダチョウは、走鳥類の仲間であるそうだ。そのことが遺伝子的に判明したそうだ。
──
話の前半は上記の通りで、問題ない。
話の後半は、勝手な推理が書いてある。
「鳥の起源を垣間見ることができる。ベイカー氏によると、シギダチョウを含む全ての走鳥類は、その祖先をたどると飛翔能力を持つ近縁種に行き着くようだ。」
これはただの憶測。勝手な推理。信頼できない。
私の推理では次のようになる。
・ ダチョウとシギダチョウの共通祖先は、飛べない。
・ ダチョウの兄弟に、未知鳥類があった。これは、少しだけ飛ぶ力があり、キジカモ類の祖先となった。
→ http://openblog.meblog.biz/article/3385873.html
→ http://openblog.meblog.biz/article/3406569.html
→ http://www.eurekalert.org/pub_releases/translations/sci052314jp.pdf
一部抜粋すると下記。
──
この大型で草食性の鳥は、小型で雑食性のキーウィに最も近い現存する種であり、ダチョウはこれらの種にとって遠縁種にすぎないという。
以上のことから、走鳥類の種分化は、共通の飛べない祖先から始まって大陸の分裂によって進んだのではなく、エレファントバードに類似する地球上の新しい地域までの長距離を飛ぶ飛翔能力のある祖先からの種の分岐によって進み、その後、それぞれに飛翔能力を失っていったと Mitchell らは推測している。
これ以外の場所で飛翔能力の欠如が見られるのは哺乳類の捕食動物がいない島々にほぼ限られる。ゆえにMitchell らは、走鳥類が今日見られる大型の飛べない鳥へと最初に進化したのは当時の主な捕食動物である恐竜の大量絶滅後が始まりと考えられると述べている。
──
遺伝子分析はいいが、その後の推測はデタラメだ。「遠い地域で同系の種があるから、飛翔して遠くへ行ったのだろう」というのが推測の根拠だが、「大陸分裂の直前には近い距離にあった」ということを失念している。遠い距離なのは、大陸分裂後の現在だ。大陸分裂前なら、近い距離だったから、近縁種が両方にいても不思議ではない。いちいち「飛んだ」と考える必要はないのだ。
しかも矛盾がある。
第1に、「エレファントバードに類似する地球上の新しい地域までの長距離を飛ぶ飛翔能力のある祖先」なんて、あるわけがない。ゾウみたいに巨大な鳥が空を飛べるはずがないからだ。また、何らかの理由で「飛ぶ鳥から、巨大な鳥になった」とするなら、それには莫大な時間(5000万年?)がかかったはずだが、そんなことは時間的に起こるはずがない。(参考リンク: http://blog.livedoor.jp/wkmt/archives/51341880.html さまざまな巨鳥)
第2に、「それぞれに飛翔能力を失っていった」とするのならば、それぞれはまったく別の種になるはずだ。飛ぶ鳥が飛ばない鳥に進化するのであれば、そこには巨大な進化があったはずだからだ。巨大な進化が別個に起これば、まったく異なる種になるに決まっている。ところが現実には、走鳥類はすべて似ている。
特に重大なのは、いずれも羽毛が原始的な羽毛である、ということだ。いったん飛べる鳥に進化したなら、その羽毛は進化した羽毛であるはずで、それが元のボア状の羽毛に戻るはずがない。ドードーなどはそうだ。走鳥類でも同様であるはずだ。ところが現実には、すべてがボア状の羽毛を持つ。これはそれぞれが別個に「飛べない鳥に進化した」のではないことを意味する。
雛の時は前肢が大きい方が生存率が高かったのでだんだん前肢が発達していった、
現在の鳥の雛は古代の雛が飛べる状態になって孵化していたのが捕食者がだんだんと強くなってきたので
生む卵の数を増やした為に一個当たりの卵黄が減少し育ちきらずに孵化する様になったので飛べなくなった……
こんな事を思いつきました。
後者は昆虫の本でいつかに読んだ完全変態する昆虫が生まれた理由を参考にしました。
ツカツクリの雛は孵化の直後?に飛べるという記述が図鑑に書かれてあった事を思い出したのが閃きの決め手でした。
確認したら孵化したその日に飛べるとの事です。
http://cgi2.nhk.or.jp/darwin/broadcasting/detail.cgi?sp=p106
嬉しいです。
生む卵の数を増やしただけではなく、孵化までの時間を取れなくなった
+恒温性が発達し成体の体温が上がって卵を温められる様になったのが雛が飛ぶ必要が無くなった要因?
恐竜が小さくなれたのは恒温性が発達したからとするなら、鳥が小さくなったのも同じ理由?
時代が違うので収斂進化としても説明が付くはず?
親鳥は
前肢のある親鳥→翼のある親鳥
となり、雛鳥は
翼のある雛鳥→翼のない雛鳥
になったという仮説です。
どうでしょうか。
雛鳥は翼があっても飛べません。何か、滅茶苦茶ですよ。
そもそも、親と子供で翼と前肢の違いがあるなんて、親と子供が別の種であるということですか? 何言っているんだかよくわかりません。