2014年07月29日

◆ 仮設住宅からの転換

 仮設住宅は無駄だからやめよ、と私が前に述べていたが、その政策がようやく実現する見込みとなった。 ──

 仮設住宅は無駄だからやめよ、と私は前に述べた。
  → 仮設住宅を建設するな
  → 仮設住宅は人を殺す
  → 仮設住宅はやっぱりダメ
  → 地震で仮設住宅を設置するな
  → 仮設住宅は持ち腐れ

 これらを述べたのは、(地震の翌月の)2011年4月から。以後、何度も述べてきたが、提案は一向に実現の見込みがなかった。
 しかし3年あまりを経て、このたびようやく、私の提言が実現する見込みとなった。政府には珍しく、私の提言とほぼ同じである。

 以下、記事を抜粋しよう。
 《 被災者の家賃、現金給付も 有識者会議が提言へ 》
 災害時の仮設住宅について、内閣府の有識者会議は、自治体が住宅を用意して無償提供する現行の方式に加え、家賃として現金を給付し、被災者自らが賃貸住宅を借りる方式を新たに検討することを提言する。
 東日本大震災では、資材高騰や寒冷地対策などで、自治体が建設するプレハブ仮設は、1戸あたりの整備費用が600万〜820万円と基準の253万円を上回った。また、民間住宅を借り上げる「みなし仮設」では自治体が借り主になるため、契約作業に職員の手が回らず、被災者が入居を待たされる例が相次いだ。
 大災害時には物資の調達が困難になるため、災害救助法は「現物給付」を原則としてきた。それを根本的に見直す提言
 提言では、自治体が直接建設するよりも、みなし仮設を積極活用すべきだと指摘。そのうえで現金やクーポン券を被災者に給付して家主と契約してもらう方法も検討すべきだとする。震災では、みなし仮設の1戸あたりの費用は、2011〜12年度、単純計算で年間74万〜150万円と、プレハブ仮設を大きく下回る。現金給付とすることで契約手続きなどの自治体の事務負担も減り、被災者が迅速に避難所から移れるようになると見込む。都市部では賃貸住宅の空き家も活用できる。
( → 朝日新聞 2014-07-29




 [ 付記 ]
 では、これで「めでたしめでたし」か? 「よくやった」と政府を褒めるべきか? 
 今後の分については、「その通り」と言ってもいい。
 しかし今回の大地震については、「遅すぎて無効」である。あれから3年もたってからでは、「証文の出し遅れ」みたいなものだ。期限切れ。そもそも仮設住宅の基本は「2年間居住」だから、3年目に提言を出しても、ほとんど意味がない。もはやほとんどの人にとって仮設住宅は意味を持たなくなっている。(一部には仮設住宅に残っている人もいるが。)
 というか、「1戸あたりの整備費用が600万〜820万円と基準の253万円を上回った」ということだから、建設した後になってから提言しても、もはや取り返しが付かない。建設の前に言わなくてはね。
 


 【 関連サイト 】
 Wikipedia に参考記事がある。
  → 東日本大震災後の仮設住宅 - Wikipedia
 これを見るとわかるが、家の現物支給だけでなく、家電製品の現物支給もしているそうだ。一部抜粋しよう。
 「応急仮設住宅」(公営住宅は対象内、民間社宅は対象外)の被災者を対象に、薄型テレビ(32型)/全自動洗濯機/冷蔵庫(約300l)/炊飯器(5.5合炊き)/電子レンジ/電気ポット(2l)の「家電製品6点セット」(計約20万〜25万円相当)が、日本赤十字社から現物支給(寄贈)された。この予算は、同社に日本国外から寄せられた「海外義援金」(総額約230億円のうち8割強の190億円を充当)による

 家電の現物支給だって。呆れた。多額の義援金が、こんな形で無駄遣いされてしまった。
 どうせなら、家庭ごとに最適なものを自分で選んで購入できるようにすれば良かったのに。
 実はこれには話の続きがある。
 海外から日本赤十字社(日赤、東京都)に寄せられた募金約230億円のうち約190億円が家電の現物支給に充てられ、震災から4か月たった現在も3分の1の被災者の元に届いていないことが、分かった。
 対象者が約9万世帯にも上り、家電の調達や配送に時間がかかっていることが原因で、海外からの善意が十分に生かされない状態になっている。
( → 2011年7月19日 読売新聞

 まあ、何と言いますか。呆れるというよりは、あいた口がふさがらないというか。……バラバラに申し込めば、多数の配布ルートを使えたのに、同一業者に申し込むから、調達や配送に時間がかかる。馬鹿丸出しというか。
 わざわざ被災者を苦しめるように努力をして、そのために多額の支出をしているわけだ。
 仮設住宅と同じ。関係者が仕事をすればするほど、状況は悪化する。最初から現金を配れば簡単に最適化されるのに。……配給制度なんて、共産主義ごっこでもやっているのか? 
 住宅だけでなく家電でも何でも、あちこちの分野で配給をやっているらしい。
posted by 管理人 at 23:45| Comment(9) |  震災(東北・熊本) | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
>そもそも仮設住宅の基本は「2年間居住」だから、
>3年目に提言を出しても、ほとんど意味がない。

これが現実。
   ↓
 (宮城)県は2015年度末までに全1万5561戸の完成を見込んでいた県内の災害公営住宅(復興住宅)について、約4分の1の3800戸の完成が16〜17年度にずれ込むことを明らかにした。用地取得や宅地造成が遅れているのが理由。また、県営で整備を検討していた1000戸は「市町村で整備するめどが立った」として、建設しない方針を決めた。(『毎日新聞』2014年7月22日)

阪神大震災のときは、仮設住宅に最長5年暮らした例がある。東日本大震災は、被災者がケタ違いに多いんだから、何年かかるかわからない。無知ですね。
Posted by 王子のきつね at 2014年07月30日 10:26
仮設住宅をせっせと作ろうとする一方で、 空き家が大量にあふれている。
  → http://www3.nhk.or.jp/news/html/20140729/k10013382161000.html
  → http://www.yomiuri.co.jp/local/hiroshima/news/20140728-OYTNT50253.html
Posted by 管理人 at 2014年07月30日 12:59
> 家電の現物支給だって。呆れた。多額の義援金が、こんな形で無駄遣いされてしまった。
 どうせなら、家庭ごとに最適なものを自分で選んで購入できるようにすれば良かったのに。

 現金支給して、後で領収書をつけた報告書の提出、という方法もいいと思います。
 一部で不正受給も起こるでしょうから、どっちがいいかということですね。

> 仮設住宅をせっせと作ろうとする一方で、空き家が大量にあふれている。

 全国的に空き家が多かったことは分かりますが、現在の地域別の空き家状況が、特に被災地の近く(被災者が住みたいと思っている地域)でどうなのかが分かりません。被災者が遠くの地域に行きたくないという場合は、仮設住宅をつくるよりも家を借りる方が容易とは言えないと思います。
 仮設住宅をつくらずに、借り賃を渡す方式をとった場合、おそらく被災者は住むところを探して全国に散らばることになるでしょう。地域から遠くは離れたくないという人(特にお年寄り)は多いでしょうし、地域を選挙の票田と考えている人にとってそれはとても許し難いことだと思います。
Posted by ishi at 2014年07月30日 19:55
>仮設住宅をせっせと作ろうとする一方で、 空き家が大量にあふれている。


応急仮設住宅には、プレハブの仮建築以外にも、既存の市営住宅や公務員住宅、UR賃貸住宅など(今回はJR東日本やNTT東日本提供の社宅等も含まれる)の公営住宅の空き家を提供する「公営住宅等一時入居」がある。

またこの震災ではこれまでほとんど前例のなかった、県が民間賃貸住宅を借り上げて家賃補助という形で提供する「民間賃貸住宅借り上げ」(通称:みなし仮設)も、災害救助法の仮設住宅と同様の扱いの下で大幅に認められた。

     (中略)

今回の被災地である三陸地方や仙台平野沿岸の農漁村部はもともと空き家が少なく、それどころか民間賃貸住宅がほとんどない(存在しない、または被災している等)という場所が多い。内陸部の借り上げ住宅は住環境的にいくら整っていても、農漁村部などのように職場が地域と密接に関係した地域コミュニティの場合は、簡単には移動できない事情もある。

宮城県第二の都市である石巻市の場合も、中心市街地は以前から民間賃貸住宅が少なかった上、浸水して被災した地域も広大なために意外と物件はない。そこに被災者のみなし仮設や復興関連の工事関係者が入居したため、数少ない民間賃貸住宅を巡り地元の大学に通う学生にもその影響がおよんでいるという(2012/02/19 河北新報)。

仙台市でもみなし仮設や復興関連の工事関係者需用の影響で、世帯向け向けの住宅は見つけにくい状況が続いているという。その影響は一般企業に及び、人事異動の規模や時期の変更を余儀なくされているという(2012/2/19 河北新報)。

また、そこには「県外避難者」で生じるのと同様に「被災者」の存在が地域から埋没したり、従前の地域コミュニティが分断されてしまう等の課題が挙げられている。行政はボランティアなどの支援者に対して「個人情報保護」を名目に、みなし仮設住宅の居住者情報を一切開示しないため、避難者が自ら名乗り出ない限りは「被災者」であるということすらもわからない。そのためにみなし仮設住民は、ボランティアなど民間による外部支援を受動的には受けられず、総体的には一般の仮設住宅に比べても支援の手が薄くなり、結果、地域からも孤立することになる。

長期的には特に被災地外(県外避難者)のみなし仮設入居者は、被災者支援の網から漏れてしまうという同様の過去の事例(阪神・淡路大震災、三宅島噴火災害)が多く報告されており、負の側面も存在することの教訓が多く残されたことは、当初から当然分かっていたことだった。それにもかかわらずみなし仮設を伝えるマスメディアの報道では、こうしたデメリットの存在はほとんど伝えられることはなかった。

http://www.shinsaihatsu.com/data/110311kasetsu.html#minashi
Posted by 王子のきつね at 2014年07月31日 01:00
> こうしたデメリットの存在

それは「みなし仮設」のデメリットじゃなくて、別のデメリット。
(1) 復興工事は、不必要な防潮堤工事や高台工事などが過剰になされている。巨額の無駄遣いをやめるのが先決。兆円規模の無駄遣いをやめて、被災者への直接支援をするべき。
(2) 農漁村部に仮設住宅を作っても、職場が壊滅されたままなんだから、復興はできない。基本的には高台への移転を原則として、そこで新規住宅を建設するべき。また津波が来る地域に仮設住宅を作るのはただの無駄。長期的な計画を作るべき。
(3) 被災者への支援は、自治体の情報処理のミス。ちゃんと情報処理すればいい。過剰な情報守秘の問題は、前から報道されていた。
Posted by 管理人 at 2014年07月31日 07:32
>今回の被災地である三陸地方や仙台平野沿岸の農漁村部はもともと空き家が少なく、
>それどころか民間賃貸住宅がほとんどない(存在しない、または被災している等)
>という場所が多い。

この部分は既読スルー。w
Posted by 王子のきつね at 2014年07月31日 10:34
追加:

>(2)…また津波が来る地域に仮設住宅を作るのはただの無駄。

津波が来るところに仮設を建てた自治体があるなら教えてほしい。


>(3)…過剰な情報守秘の問題は、前から報道されていた。

>こうしたデメリットの存在は“ほとんど”伝えられることはなかった。

「まったく」とは書いてないんだが…。
Posted by 王子のきつね at 2014年07月31日 10:52
> スルー

(2) に書いてあるでしょ。読み直してごらん。

> 追加:

誤読なので返答不要。

あとね。揚げ足取りって、つまんないですよ。人生を無駄に消費するだけ。
もっと建設的なことを考えたら? 揚げ足取りじゃ、仮説も建設できん。
Posted by 管理人 at 2014年07月31日 12:22
記事から。

http://www.nikkei.com/article/DGXLASDG14H0F_U4A810C1CR8000/

 ──

 内閣府の有識者会議は14日、災害で住宅を失った被災者の住まい確保のため、民間賃貸住宅を「みなし仮設住宅」として積極的に活用し、被災者に家賃分の現金を直接給付することを検討するよう求める中間報告をまとめた。
 家賃分の現金給付には災害救助法改正や新法が必要となる。内閣府は自治体などの意見も聴取し、法改正も含めた制度の見直しを進める。

 ──

 いまだに中間報告で、このあと最終報告と法改正が必要となる。実現するのは早くて数年後か。呆れる。
 現金給付が無理なら、政府が直接家主から借りてもいいのだが。事務処理はかかるが、仮設だって事務処理はかかる。
Posted by 管理人 at 2014年08月15日 07:11
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

  ※ コメントが掲載されるまで、時間がかかることがあります。

過去ログ