(1) 鍼
タレントの山田まりやが、針の効果があった、という体験を語っている。読売新聞の記事。
体調不良に長年悩まされていた。腸など消化管の難病「クローン病」が疑われた。
過密スケジュールでいつ食事ができるかわからない。現場の先々で用意された弁当を食べる日々が続いた。未成年なので、飲みニケーションは出来ない。代わりに、ケーキなど甘い物の食べ過ぎもあって、やせ細る思いとは裏腹に、どんどん太っていった。
( → 2014年7月17日 読売新聞デジタル )
舞台の千秋楽の前夜、急性虫垂炎で倒れた。翌朝、手術の予定だったが、医師に懇願し、最終公演を終えて手術室に直行した。体調が戻ると思ったが、一向に改善しなかった。
退院後の最初の仕事が、札幌でのグルメリポート。途中で腹痛、吐き気、悪寒に襲われ、また倒れてしまった。急ぎ帰京し、主治医のもとに駆け込んだ。
「クローン病の可能性があります。確定診断でなく、まだ疑いの段階ですが」。主治医から、初めて聞く病名が飛び出した。
クローン病は、大腸や小腸をはじめとする消化管に原因不明の炎症が起こる病気。10代から20代の若者の発症が多く、完治しにくい難病だ。食生活が影響しているともいわれる。
( → 2014年7月24日 読売新聞デジタル )
「この病は国が難病指定しており、特効薬はありません」。主治医の指摘。
(しかしその後)鍼の先生が触診した結果は意外だった。
「胃と腸が動いていないだけ。食べ過ぎだよ。三日間連続で鍼を打つから」
( → 読売新聞・夕刊 2014-07-24 [ネット公開予定は 2014-07-31][検索] )
これで結局、治ってしまった。
倒れるというような重い症状が出て、西洋医学ではどうにも治らないような病気も、鍼によって治ることがあるのだ。薬一つ使わずに。
一般に、特定の臓器に病変があるのでなく、全身の体調不良という形の病気は、鍼によって治ることがけっこうある。
(2) 漢方薬
歯周病で膿が出て止まらなくて、大変な症状になっているときに、漢方薬で治った、という例がある。
歯科医を探しながら、気がついたのが漢方薬です。
漢方で一時的にでも治まらないかしら?
「排膿散及湯が膿を出すのに効く」「歯周病に効く」みたいな記述もあったので、近くの漢方薬局で相談してみました。もうこの時は「藁をもすがる」みたいな感じです。
膿を持っているのと、簡単な見立てで「排膿散及湯」がよいと言われて購入しました。
合う人と合わない人がいます。
急に効くものではありません。
と、言われたのですが、これが嘘のように効きました。
ネットでも「劇的に効く」と読んで「そんなバカなー」と思ったのですが、わたしには本当に劇的に効きました。
痛みと腫れが治まりました。
( → おうつしかえ )
というふうに、漢方薬が劇的に効いた、という例がある。
これには後日談があって、歯科医は漢方薬の効果を否定したそうだ。
でも、これはあとから歯科医に「ちょうどそういう時期だったのでしょう」とも言われています。いま落ち着いて考えてみると、そうかもなーという気もします。
( → 同上 )
そんなことあるわけないだろ、と思うよね。歯科医は自分の無能を指摘されたくないから、そんなことを言って弁解しているだけ。そういう偶然は、なくもないが、確率的にはすごく低い。また、一例だけならともかく、他にも効いた人がいるのだから、二つの偶然が両方とも起こるとは考えられない。
漢方のかわりに、オキシドールでくちすすぎするだけでも、劇的に効くことはある。西洋薬の内服薬(特に抗生物質)だけしか使わない方法よりも、別の方法はいろいろとあるのだ。特に、抗生物質は、最近は効かなくなっていることが多いのだから、普通の内服薬では成果が出ないことは十分に考えられる。
──
結論。
西洋医学が万能だ、と思っている医学関係者が多いが、とんでもない自惚れだ。西洋医学が有効ではない領域は、多々ある。そういう領域では、鍼や漢方薬が有効であることもある。「西洋医学だけが医学だ」とか、「鍼や漢方薬はただの気のせいにすぎない」とかいうのは、医学関係者の思い上がりである。
この件は、前にも述べたとおり。
→ ツボと鍼灸
→ 医学は科学か?
[ 余談 ]
上記では「医学は万能ではない」「医学には限界がある」「医学は有効ではないこともある」というふうに述べている。
ところがこれを誤読して、「医学は科学性がまったくない」というふうに述べているんだな、と勘違いする人も出てくる。つまり、「真っ白ではない」という話を読んで、「真っ黒だと述べているんだな」と誤読するわけだ。
こういうふうに読解力が低い人は、トンデモマニアに多い。やたらと他人の話を曲解して、他人の悪口を言うことに熱中する人たち。
どうすれば治るか? 「馬鹿につける薬はない」というのが、現代医学の見解です。
【 参考書籍 】
鍼の効果を否定しているのは、次の書籍。
代替医療解剖 (新潮文庫)
一部抜粋。
鍼は、合理的なあらゆる疑問を超えて広範な病気に効くのだろうか? 答えは「ノー」である。鍼は、合理的なあらゆる疑問を超えて、痛みや吐き気に効くのだろうか? 答えはやはり「ノー」である。
トンデモマニアに典型的な誤読ですね。「おまえは誰と戦っているんだ?」と問い詰めたくなる。
正しくは下記。
・ 鍼が効くのは、広範な病気ではなく、ごく限られた病気だけである。
・ 鍼が効くかどうかには、個人差が大きい。そもそも処方の仕方にも、個人差が大きい。
・ 鍼は、痛みや吐き気をなくすものではない。症状をなくすためのものではない。症状をもたらす根源となる「体調不良」をなくすためのものだ。体調を、「不良」から「健全」へと回復させるだけだ。
上の三点は基礎知識だ。基礎知識もなしに批判しても仕方ない。
比喩的に言うと、次のような批判に似ている。
現代医学は、合理的なあらゆる疑問を超えて広範な体力アップに効くのだろうか? 答えは「ノー」である。現代医学は、合理的なあらゆる疑問を超えて、スポーツ能力の向上に効くのだろうか? 答えはやはり「ノー」である。(ステロイドには遠く及ばない。)
このような理屈で「現代医学には効果がない。効果があるのはステロイドだけだ」と主張しても、「トンチンカン」と言うしかない。「おまえは現代医学の意義を根本的に勘違いしている」と言うしかない。
それと同じようなトンチンカンなことをやっているのが、上記の書籍だ。
それどころではない。彼の理屈に従えば、「現代医学もまた効果はない」ということになる。
現代医学は、合理的なあらゆる疑問を超えて広範な病気に効くのだろうか? 答えは「ノー」である。現代医学は、合理的なあらゆる疑問を超えて、痛みや吐き気に効くのだろうか? 答えはやはり「ノー」である。
こうして現代医学まで否定されてしまう。ほとんどトンデモだ。トンデモを否定しようとして、滅茶苦茶論理を振り回したあげく、自分自身がトンデモになってしまっている。(……トンデモマニアにはよくあることだが。)
近代以前の医学とは、結局は薬草学と同義でしょう。
外科的な治療は、傷を縫うくらいがせいぜいです。
前近代的な薬草学の有利な点は、治療と臨床研究とが明確に区分されていなかったところにあります。
極論すれば、治療と人体実験とは、ニアリーイコールであったということです。
治療≒人体実験における効果の有無の知見の蓄積は膨大であり、したがって、漢方薬は効果があって当然と言えるわけです。
もちろん、プラシーボ効果が考慮されていないとか、陰陽五行論が入り込んだことによる観念的な薬草の組み合わせなど、問題がまったく無いわけではありませんが、人体実験やり放題のメリットは、あまりにも大きいと言わざるをえないでしょう。
薬草学として見たとき、西洋の医学など漢方の足元にも及びません。
現代でも、西洋の薬草学は、単一の薬草の効能の実証に偏りすぎており、複数の薬草のブレンドによる効果の研究は、まだ端緒についたばかりではないでしょうか。
現在普通に使われている薬剤でも漢方薬の研究から成分抽出して精製した物も結構あったはずですよ。
医学部でも一応講義はありますし。
・限られた病というのはちょっと限定すぎじゃないでしょうか。
そもそも病という基準が違うので,範囲も重度も異なります。
めまいを診断するにしても,医学では貧血や前庭神経などを疑いますが,鍼治療ではまず肝臓を疑います。
・効き方に個人差は当然ですが,もっと有意義に言い換えれば同じ病気でも季節や体調,経験などによってアプローチが異なります。画一的な治療ではなく,いかに鍼灸師の“証”の見立てが本質に近いかどうかで差が出るということです。
・鍼は急性の痛みを瞬間的になくすことが得意なので,根源治療だけではなく応急処置としての用い方にも優れています。単純に今ある自覚症状のみを消沈させるということです。その後で経絡を整えて根源治療を目指します。
少ないと思いますけど。結構多くの医者が、ツムラの漢方使ってますよ。
西洋医学万能思想は、医療関係者のものではなく、医療関係者を語りたい人だけのものだと思います。
本当に医療やっていれば、万能どころか無力であるのを日々実感してますから。どんな末端の医療者であっても、それが現場の冷酷な事実です。
それを知らないのは、机上の空論で医療を語る人なんです。
> そんなことあるわけないだろ、と思うよね。 <中略>
> そういう偶然は、なくもないが、確率的にはすごく低い。
> また、一例だけならともかく、他にも効いた人がいるのだから、
> 二つの偶然が両方とも起こるとは考えられない。
管理人様の論法に従えば、あらゆるインチキ医療が"有効"となります。
例えばホメオパシーの "善意の推進者" は、上記と同様の事を述べその有効性の根拠としています。
それと、医師が漢方薬の使用を避けるのは、エビデンス(効果の客観的な確証)がない事を問題視してのこと。
(俗に言う)"西洋薬"であれば、二重盲検,無作為比較などのデータから、
客観的に効果や副作用の頻度が確認されています。
一方、漢方薬にはそうした「信頼できる客観的なデータ」がなく、
「数千年の歴史で証明済み」との論法で、
1976年に政治的圧力で無審査で保険が適用されたが、
経験とは、主観の積み重ね。
・「薬が効いたのか?」
・「プラッシーボ効果によるものなのか?」
・「自然治癒の結果なのか?」
主観ではこれらの判別が出来ない故、二重盲検や無作為比較などが必要なのですが、
そうした客観的なデータのない漢方薬は、薬として大きな問題。
( 不純物が多く、品質が一定でない事も大きなマイナス )
責任ある医師が、信頼性の求められる医療に、「根拠の乏しい漢方薬」より「根拠が明確な西洋薬」を
優先する事は、ごく適切な判断であり、
> 西洋医学が万能だ、と思っている医学関係者が多い
というのは見当違い。
実際、漢方薬にも「効く薬」は多々あろう。
同様に「効かない薬」もあるハズ。
西洋薬同様、それらを精査すれば良いのだが、、、
http://ww7.tiki.ne.jp/~onshin/kan07.htm
http://www.amazon.co.jp/%E6%BC%A2%E6%96%B9%E8%96%AC%E3%81%AF%E5%8D%B1%E3%81%AA%E3%81%84%E2%80%95%E6%81%90%E3%82%8B%E3%81%B9%E3%81%8D%E6%A4%9C%E8%A8%BC%E7%B5%90%E6%9E%9C-%E8%96%AC%E5%8A%B9%E3%80%81%E5%89%AF%E4%BD%9C%E7%94%A8%E3%80%81%E5%AE%89%E5%85%A8%E6%80%A7%E3%81%AE%E3%82%A6%E3%82%BD%E3%82%92%E5%95%8F%E3%81%86-%E3%83%AA%E3%83%A5%E3%82%A6%E3%83%96%E3%83%83%E3%82%AF%E3%82%B9-%E9%AB%98%E6%A9%8B-%E6%99%84%E6%AD%A3/dp/4766702263
私は「鍼・漢方は有効である」と述べているのではありません。「有効であることもある」(個人差が激しい)と述べているのです。リンク先で示しましたが、再掲します。
→ http://openblog.meblog.biz/article/2353380.html
> 二重盲検や無作為比較などが必要なのです
それは西洋薬の処方を取る(無作為で処方するという方法を取る)からです。
鍼や漢方薬の基本は、「試しにやってみて、効く場合には継続し、効かない場合には中止する」です。この方針を理解してください。
あなたの発想は、「漢方薬を西洋薬の代替として西洋薬のように処方する」という発想です。そういう処方は、誤った処方ですから、論外です。「証」という基本概念すら知らないようでは困ります。そういう人は、漢方薬を使うべきではありません。少なくともあなたは漢方薬の使い方を知らないので、使うべきではない。
> 「根拠の乏しい漢方薬」より「根拠が明確な西洋薬」を優先する事は、ごく適切な判断であり、
それは「医者は人体についてすべてを知り尽くしている」という思い上がった判断です。下記を参照。
→ http://openblog.meblog.biz/article/2375029.html
皮肉を言うなら、次の項目もある。
→ http://openblog.meblog.biz/article/4054352.html
→ http://openblog.meblog.biz/article/2332053.html
ただし、頭が固いと、これを読んで誤読して、「トンデモだ!」と怒り狂うことになります。
そういうときには、次の薬が有効です。
→ http://openblog.meblog.biz/image/homeopa.htm