2014年07月17日

◆ 原発の風向の危険性

 原発のガレキ撤去作業で、粉塵が陸地に襲いかかる。わざわざ季節風の直撃を食らう夏にやることで、被害を最大化している。 ──

 この被害が生じているということは、すでに報道された。
garekioff.jpg 東京電力が昨年8月に福島第一原発で実施したがれき撤去作業で放射性の粉じんが20キロ以上離れた避難区域外の水田に飛散した可能性が指摘されている問題で、この時の放射性の粉じんがさらに50キロ付近まで飛んでいた可能性が高いことが京大研究グループの調査で分かった。
( → 朝日新聞 2014-07-16

 ガレキの撤去そのものは必要だが、被害が出ないように努力するのが当然だろう。では、その当然のことはできているか?

 図を見ればわかるように、被害が生じているのは、原発の北側から北北西にかけての領域だ。これは、南風または南南東の風の影響による。つまり、季節風の影響による。
 換言すれば、わざわざ季節風の直撃を受ける「夏」という時期にあえて作業をすることで、被爆の被害をあえて最大化しているのである。

 どうせやるならば、西風の吹く冬季にやるべきだろう。冬季ならば、西風のせいで、粉塵が待っても、太平洋側に流れてしまう。実際、原発事故の直後には、そうだった。(北北西の飯舘村に放射性物質が襲ったのは、全体のうちのごくわずかだけで済んだ。 → 前出項目


movie.png
放射性物質の拡散図(動画) 転載図


 このときは運良く西風が吹いていたから、大多数の放射性物質については直撃を免れた。運のおかげで最悪の事態を免れたのである。
 一方、今回のガレキ撤去では、人為的に最悪の事態を招こうとしている。ガレキ撤去なんて、(あれから3年もたった今では)いつやったって構わないのに、被害の最小化する冬ではなくて、被害の最大化する夏にやろうとしている。

 愚の骨頂とは、このことだ。自殺行為。(……日本全体としてみれば自殺行為だが、政府が国民に被害をもたらそうとしているという点では犯罪的行為である。)



 [ 余談 ]
 愚かさというものは、人々に危害をもたらすこともある。悪意はなくとも、無知というだけで危害をもたらすこともあるのだ。……そのことに気づかないから、人々は「あいつが悪い」と攻撃することを優先して、「捏造だ、捏造だ」と大騒ぎしたりする。
 彼らにとって大切なのは、自らの身を守ることではなくて、いけにえとなる人(スケープゴート)を攻撃することなのである。

 人を攻撃することにばかり熱中していると、自らに降りかかる危険にすら気づかない。自業自得というべきか。馬鹿丸出しというべきか。
 






 【 関連サイト 】

 → 赤塚不二夫の娘が語る父親像(漫画)
posted by 管理人 at 19:41 | Comment(1) |  放射線・原発 | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
確かに原発のがれき撤去は夏より冬に行うべきでしょうね。これ以上余計な被害(風評被害を含めて)を拡大するのは愚の骨頂でしょうし。がれき撤去の際は現地の風向など気象情報をチェックすべきですね。あと夏場は農耕期ですからね。
Posted by 進撃の中日 at 2014年07月18日 10:20
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