STAP細胞事件は、あまりにも怪奇である。彼女一人が捏造しただけであるなら、これほど話は混迷しなかっただろう。実際には、笹井さんや若山さんが介入して、いろいろと複雑な事情になった。そのせいで、真相がどうであるかも、ろくに判明していない。
そこで、「なぜこうなったか?」という疑問を立てて、STAP細胞事件の原因を探ることにしよう。
このように、「原因を探る」という新たな視点を取ることで、STAP細胞事件の事実認識もいっそう正しく進むはずだ。
《 注記 》
「彼女が捏造した」というふうに発想すると、そこから話は一歩も進まない。というのは、捏造論者は、そこから話を進めようとしないからだ。なぜなら、捏造論のもとで話を進めようとすると、次のいずれかにぶつかってしまうからだ。
・ 彼女は悪意ある犯罪者である
・ 彼女は人格障害である (自覚泣き悪意という趣旨)
・ 彼女は破滅主義者である (再実験ですぐにバレるので)
・ 彼女は健忘症である (捏造したことを忘れた)
しかるに、このいずれも、次の結論が出る。
「彼女は、高度な実験についても捏造した。つまり、 ES細胞について高度な知識をもっていた」(これは事実に矛盾する。)
→ STAP細胞事件の真犯人
このように、捏造論で話を進めると、話が矛盾して、崩壊してしまう。つまり、捏造論ですべてを統一的に説明することは不可能である。だから捏造論者は、「彼女は捏造した」と批判することはあっても、話の全体像を統一的に説明することはしない。(すればたちまち矛盾して崩壊する。)
そこで、「錯誤説」に立つ私が、話を統一的に説明するわけだ。以下のように。
──
※ 話の全体としては、前出項目に似ている。
→ STAP事件の真相は?
そこでは、「なぜミスが放置されたのか?」という趣旨で論じた。
本項では、「なぜあえてミスに突き進んだのか?」という趣旨で論じよう。
────────────
(1) Oct4発光
まず、Oct4発光という現象があった。これは、実際には、次のいずれかだった。
・ 自家蛍光 (死滅する細胞が発する多色発光)
・ 偽陽性 ( Oct4発光はあるが、少量)
これはただの事実である。捏造でもないし、誤認でもない。
ただ、上記の二点を、「多能性と初期化の証拠である」という認識も生じた。これは、誤認である。検証がされていないまま、真実であると信じたわけだ。
ここから、以後のおかしな路線がスタートした。
( ※ ただ、この時点では、何もおかしなこと[不正など]はなかった。)
(2) キメラマウス
小保方さんと若山さんの実験で、キメラマウスができた。これは、今日では、ES細胞のコンタミであると強く推定されている。
ここでは、「初期化されて多能性をもつ STAP細胞が存在する」ということが証明された、と二人は思い込んだ。実際には、ただの実験ミスにすぎなかったのだが、それでも二人は実験に成功したと思い込んだ。小保方さんは泣いて喜んだ。
( ※ 「意図的な混入だ」という捏造説もあるが、だったら泣いて喜ぶということはありえそうにない。)
(3) Nature 狙い
キメラマウスの作製は、実験成功に見えたが、実際はただの実験ミスにすぎなかった。このあと、Nature に投稿して、拒否された。以後は、普通のことをやっていれば良かった。次のいずれかだ。
・ Nature に拒否されたので、諦める。
・ Nature とは違う専門誌に投稿する。
この場合には、次のいずれかになっただろう。
・ 注目を浴びない → 何も起こらない。無視されたまま。
・ 注目を浴びる → 再現性なしと確認され、論文を否定される。
この二つの可能性がある。そして、どっちでも良かった。
・ 無視されたまま → 名誉もなく、恥もない。
・ 論文を否定される → 恥をかくだけ
後者ならば、恥をかくが、世間の注目を浴びることもなく、単に学界のなかでの笑い話になるだけだった。それだけで済んだ。
ところが、である。小保方さんはあくまでも Nature 掲載にこだわった。「細胞生物学の歴史を侮辱している」と言われてまで、あくまでも Nature 掲載にこだわった。ここから、とんでもない暴走が始まる。
(4) 理研の関与・推進
小保方さんがいくら Nature 掲載にこだわっても、彼女一人ならば、Nature の裁定を覆すことはできなかったはずだ。「掲載拒否」のまま、それで終わっていただろう。
ところが、このあと、理研CDB 全体としての後押しがあった。
・ 理研CDB の重要プロジェクトに認定された。
・ その責任者として小保方さんがリーダーに任命された。
これは、理研全体がなしたことだ。(その背後には笹井さんの強い影響力があった。)
さて。このような研究推進は、それ自体は問題ではない。真偽はいまだ判明していないからだ。ただし、注意。ここでは、「真偽が未判明である」ということから、「真と偽の双方の可能性がある」と弁えておく必要があったのだ。特に、偽(間違い)である可能性があった。そして、それを見極めるために、再現性のチェックが必要だった。
ところが、理研の場合には、それがなかった。「これは真である」という一方的な思い込みだけがあった。そして、「これは真である」ということを証明することに向かって、突き進んだ。つまり、「偽が真であること」を証明するために、組織全体が突き進んだ。
これは、小保方さん一人がなしたことではなく、理研全体としての組織的な行為である。
(5) 笹井さんの論文関与
理研は組織的に、「偽が真であること」を証明しようとした。つまり、「多能性のある STAP細胞が存在すること」を証明しようとした。
それ自体は、別に悪くも何ともない。よくある失敗研究の一つであるにすぎない。「独自仮説を証明しようとしたが、研究したら、それは証明不可能だと判明した」ということは、よくある例である。
STAP細胞の場合も、普通にやったなら、「多能性のある STAP細胞は存在しない」という研究結果が出て、それでおしまいになったはずだ。
また、小保方さんがいくら諦めの付かない性格だったとしても、小保方さんには Nature の指摘( TCR再構成その他のチェック点)を、理解することもできなかっただろうし、検証実験の実行をすることもできなかっただろう。つまり、何事も起こらないまま、終わっていただろう。……普通ならば。
ところが、ここでスーパー研究者が出現した。笹井さんである。
小保方さんと若山さんは、キメラマウスの作製までをしたが、コンタミの疑いがあるがゆえに、Nature からは掲載拒否された。その後、Nature からコンタミの可能性をチェックする方法を教えられたのだが、その意味もわからないまま、途方に暮れていた。そこへ、笹井さんが登場した。(噂によれば、小保方さんが取り入った、ということらしいが。噂なので、真偽不明。)
ともあれ、笹井さんは、小保方さんに全面協力したらしい。笹井さん本人は、記者会見では「私は知りません」と知らんぷりをしたが、実際には、笹井さんが全面関与した、という証言がある。下記で述べた通り。
→ 《 お知らせ 》(笹井さんの役割)
笹井芳樹・CDB副センター長は小保方さんとともにデータをまとめ、論文全体の構成を整えた。CDB広報担当は「ネイチャー側から求められた書き直しや追加実験に対応したのは、主に笹井さんだった」と話す。
( → 朝日新聞 )
こうして、笹井さんが、高度な実験を担当するようになった。かくて、高度な実験がどんどん進んでいった。
そして、このとき、プロジェクト全体のリーダーが入れ替わった。それまでは小保方さんがリーダーであって、すべてを取り仕切っていたが、このとき以降、笹井さんがリーダーとなって、すべてを取り仕切ることになった。
(6) 研究の暴走
プロジェクトのリーダーが交替した。この結果、プロジェクト全体としては、複数のリーダーが並立することになった。
・ 前半は小保方さんがリーダーだった
・ 後半は笹井さんがリーダーだった
こうして、統一が取れなくなった。これは、普通の研究では、あり得ないことである。普通の研究では、最初から最後まで、論文の筆頭執筆者がリーダーとしてふるまう。ところが、STAP細胞の実験ではそうではなかった。上記のように、二人が並立することになった。
しかも、この担当が、(前半と後半で)きちんと区分されているのならばまだ良かった。実際には、そうではなかった。後半の実験では、次のようになった。
・ 実験の方向を指導するのは笹井さん
・ 実験の詳細を実行するのは小保方さん
かくて、実験の方向と、実験の実行とが、異なる人の担当となった。つまり、統一が取れなくなった。そのせいで、船頭多くして舟陸に上がるという状況になった。
→ STAP細胞事件の真犯人
(7) 歪曲?
リーダーが複数となって、船頭多くして舟陸に上がるという状況になった。では、そこでは、いったい何が問題だったのか? リーダーが複数であること自体は、特に悪いことではないだろうに、いったいどうして、おかしな結果が生じたのか?
そのわけは、こうだ。
後半では、高度な実験がなされた。ここで、この実験は、「 ES細胞のコンタミではないことを証明するための実験」だったのだ。つまり、虚偽を証明するための実験だったのだ。
そして、虚偽を虚偽であると理解しないまま、「それは真実である」と盲信して、それ(虚偽)を証明しようとした。
その際、通常ならば、「それは虚偽でした」という結果が出るだけだ。何も問題は生じない。
しかるに、今回は、特別な事情があった。リーダーが複数だった。実験の方向と、実験の実行とが、異なる人の担当となった。そのせいで、双方の食い違いが看過された。
・ 笹井さんは「これが正しい実験結果だ」と方向性を示した。
・ 小保方さんは、それに合わせて、「これが正しい実験結果だ」という報告を出した。
この二点によって、「虚偽が真実である」という形の実験が生じてしまったことになる。(そこでは、実験ミスや歪曲があっただろうが、詳細は不明である。 → 前項 )
(8)まとめ
まとめて言えば、次のようになる。
この事件では、虚偽を真実だと盲信したあげく、その虚偽を証明しようとして、強引に突き進んだ。その際、実験ミスや歪曲のような、強引な(不正な)手法を取った。
ただし、より根源的には、そのような手法が問題だというよりは、虚偽を真実だと盲信したという、その思い込みが問題だった。その思い込みは、「再現性をチェックしない」という、ずさんなチェック体制から生じた。
(9) 責任
では、責任はどこにあるか?
実験ミスや歪曲のような、強引な(不正な)手法を取ったので、そのようなことをなした、小保方さんに責任があるか? ま、少しは責任はあるだろう。しかし、研究能力の低さということ自体は、日本中で大騒ぎするようなことではない。研究能力の低い人など、掃いて捨てるほどいるからだ。
本質的には、少し前に述べた通りだ。再掲すれば、こうだ。
そのような手法が問題だというよりは、虚偽を真実だと盲信したという、その思い込みが問題だった。その思い込みは、「再現性をチェックしない」という、ずさんなチェック体制から生じた。
つまり、本質的な責任は、虚偽を真実だと盲信したまま、それを少しもチェックしなかったという、ずさんなチェック体制をもつ理研にあるのだ。つまり、組織にあるのだ。
理研は本来ならば、再現性をチェックするべきだった。その時点で、虚偽を真実だと盲信することはなく、虚偽を虚偽として認定できたはずだ。ならば、以後で「コンタミではないことの証明」を求められることもなかったし、「コンタミではないことの証明」をするために高度な実験を駆使することもなかったろう。小保方さんとしても、わけがわからない行動で難解な実験を強いられることもなかっただろう。それならば、何の問題も生じなかったはずなのだ。単に「 STAP細胞は再現しません。なぜなら、 ES細胞のコンタミだからです」ということで、決着が付いたはずだったのだ。こうして、「仮説は否定される」という形で、真相が判明したはずだったのだ。
ところが、理研はそうしなかった。あまりにもずさんなチェック体制のせいで、虚偽を真実であると思い込んだ。つまり、STAP細胞が存在すると思い込んだ。そのせいで、STAP細胞の存在を証明するという方向に、理研全体が突き進んだ。
ここまで見れば、真に責任を負うのが誰かもわかる。責任を負うべきは、小保方さんという研究者個人ではなくて、理研という組織なのである。
( ※ 理研とは、理研神戸 = 理研CDB のこと。)
[ 付記1 ]
直感的に言えば、STAP細胞事件というのは、「意図的で計画的になされた捏造」ではなくて、「デタラメな組織による組織的な暴走によって起こった事故」なのである。
したがって、問題の解決を図るには、末端の個人を解雇すればいいのではない。組織全体を改革する必要がある。
STAP細胞事件は、見かけ上は「 ES細胞のコンタミ」と見えるので、「偶発的な事故」とも見える。しかし、これは偶発的な事故ではない。個人レベルで生じた偶発な事故でもない。
では何かというと、あまりにもずさんな体制をもつ組織による、必然的な事故である。ただし、必然的ではあるが、意図的ではない。
類似の例としては、韓国のフェリー事故がある。これは、操舵手や航海士という末端の責任と見なされることもあるが、正しくは、組織の問題である。安全性を無視して利益優先に走るという、あまりにもひどい組織体制があった。それゆえの必然的な結果として、事故があった。……これは、組織の欠陥に着目する限りは必然的だった。一方、個人レベルで見る限り、意図的に見えても、意図的ではなかった。
[ 付記2 ]
組織に責任があるとすれば、責任のある組織を解体するべきだろうか?
改革委は「理研CDBに責任があるから、理研CDBを解体せよ」と提言した。しかし、解体が正しい処分なのか?
感情的に考える人は、「悪い奴をやっつけろ」と思って、やたらと解体したがるだろう。しかし、そういう感情論で、正解が得られるだろうか?
仮に、改革委のように「解体すればOK」という方針を取るならば、本項で述べたような「真相の解明」はなされないことになる。単に「解体して責任を取らせたからOK」となる。それでは、未来における事件の再発を防げないだろう。
では、どうするべきか? 組織を解体するよりも、真相の究明を最優先にするべきだ。
このような発想は、航空事故の際に、しばしば取られる。パイロットや整備士などの責任を追及するよりも、事故の原因を解明することが最優先となるのだ。
似た例に、スペースシャトル爆発事故の解明がある。ここでは、事故の原因の究明を最優先した。すると、ファインマンが参加して、見事に究明した。
「低温によるゴムの弾力性の低下が原因です。ほら。この氷水にゴムを入れると、ゴムが固くなりましたね? これと同じことが、爆発事故のときにも起こったんですよ」
ここで、ファインマンは何を主張したか? 「ゴムを設計した人が悪い」と指弾したか? 「ゴムを作った人が悪い」と指弾したか? 「寒いさなかで打ち上げを強行させた大統領が悪い」と指弾したか? あるいは、「 NASA という組織を解体せよ」と指弾したか?
いや、彼は誰も指弾しなかった。彼は単に、事故の真相を究明しようとした。真実の究明。── それこそが、彼の狙うただ一つのことだった。
[ 付記3 ]
STAP細胞事件では、どうか? 真実の究明に向かっているか? いや、原因を明かそうという努力はなされず、責任者の追求ばかりに熱中している。いけにえとしての女性を火あぶりにすればいい、とだけ思い込んでいる。
これは、ファインマンのやったような科学的な方法ではない。現代の魔女狩りだ。中世のような呪術的な社会のやることだ。「魔女を火あぶりにすれば、社会全体が改善する。疫病も飢饉も解決する」と思い込んで、責任者の処分ばかりにとらわれる。その一方で、真相を科学的に明かそうとする努力は、見捨てられる。
「小保方さんは STAP細胞が存在していると信じている。妄想を信じている」
と人々は批判する。しかし、
「すべては小保方さん一人がやったことだ。彼女は魔女だ。魔女を火あぶりにすれば、問題はすべて解決する。似たような事件は起こらなくなる」
というような主張をする人々もまた、自分自身が妄想をもっているのである。
組織的な事故というものは、事故の直接の原因者を処分することでは解決しない。このことを理解しない限り、人々は、巨大な妄想にとらわれたままなのである。
ものぐさ精神分析
【 関連項目 】
→ STAP事件の真相は?
※ 本項と似た話題を扱う。
→ 認識と事実の違い
※ 本項の結論部と同趣旨の話題。
※ 「しかるに〜」の箇所です。
あまり気にすることもないが。
ま、ここにある注記を見れば十分でしょう。
まぁしかし笹井さんに言わせれば「ここまで馬鹿だったとは思わなかった」でしょう。
実証実験しろと言われると目的の答えを持ってくる。関係者はもちろん成功を願っていますが、実験方法とそれに伴う結果が事実と異なっているならミスリードするのは仕方ないことですし、再現性を軽はずみに考えている研究者だと分かっていたら、雇わなかったでしょう。(なぜなら研究任せられないから。怖いし)
とはいえこのような事例も起こったことですし、もう一度研究に付随したリスクマネージメントと、研究管理の体制を作り直さないとですね。第二第三のSTAP細胞事件が起こらないとも限らないですから。
小保方さんは、馬鹿なのにわけがわからないまま突き進むと、職を失うということに気付けてよかったですね。上の文章から言えば、高度な研究を求める機関では仕事にならなかったということですから、研究者をやめるきっかけになれば双方幸せでしょう。
私も責任者の追求が好きなマスコミと、原因を明かそうという努力をせずスケープゴートを作る一部(または大部分)の組織に辟易します。理研には小保方さんの処遇で終わることなく、論文の再検討(ミスリードの原因究明含む)まで手を伸ばし、日本科学界の信頼回復に努めて頂きたいものです。
知に長けた人の先導により血に飢えた大衆が猛り狂うという構図は変わりなさそうです。
管理さんのように感情を横に置いて冷静に追求する姿勢がそこには欠けている。
報道で初めて見た小保方さんの第一印象は「なんて信用できない目つきをした人だろう…」でした。へんな予感がしていました。それから虚偽が指摘され初め、しかし先入観だけで決めつけたくはないので悶々としておりました。
ですから緻密で説得力のある記事に感謝しております。管理人さんのご指摘の通り巨悪は他に幾らでもおりますし、彼女一人を銃弾してみても我々はこの問題に何も応えられません。何も根本的な事は学ばれないまま群衆は次の標的に憂さを晴らすだけでしょう。
小保方さんという方は真摯な研究者の側面とずさんで横着な破壊的な側面とがその都度入れ替わるのではないだろうか?という想像が拭いきれないのですが、組織重責のご指摘、その通りだと思います。
管理人さんのこのブログを見ている方はレベルが高くて【小保方単独ねつ造論者】はごく少数だと思いますよ。
みなさんは純粋に真相を追求したいだけだと思います。
洞察力が豊かでするどい管理人さんが【小保方単独ねつ造論者】にだけ照準を絞って反論され、洞察の幅を狭められていることが残念です。
シーケンスデータなどで小保方さん以外の第三者の関与なども管理人さんに洞察していただくことを期待しております。
共犯者がいるとしたら笹井さんだけど、笹井さんが意図を持って捏造したというのは、とうていあり得ないでしょう。そんな馬鹿じゃないし。突然発狂したのでない限り、あり得ない。
結果的に捏造に加担するようなことを、意図せずになしてしまった……というのならばわかるが、それならそれで、本項で述べたような形で述べるべき。
ただ、その場合は、小保方さんもまた、結果的に捏造と同等のことを、意図せずになしてしまった……というわけで、本項と同じになる。
とにかく、「捏造」を「悪意ある意図的なもの」として解釈する限りは、「笹井さんが加担した」ということはありえない。
また、「悪意ない錯誤的なもの」として解釈する限りは、本項と同じになる。
一人に悪意があって他方に悪意がなかった、というのは、理屈では可能だが、現実にはありえそうにない。あると思うのなら、そのストーリーを出してくれないとね。
(もしそれを出す人があれば、私が一瞬で論破できると思う。そんなストーリーは成立しそうにない。私も考えてみたが、とうていあり得ない非現実的なストーリーしか思い浮かばない。)
> シーケンスデータなどで小保方さん以外の第三者の関与
これも、とうていあり得ない非現実的なストーリーしか思い浮かばない。
長年研究し続けてそれまでの失敗の原因が突き止められ、
実を結んだいうコメントもこちらで拝見しましたので
行き着くであろう結果を信じて研究し続けるというのは、けして悪い事ではないのだと思います。
ただ、一つ申し上げたいのは、小保方氏にも笹井氏にもこの問題が
これほど大きな事件になるとは思っていなかったろうということ。
彼女自身の弁を借りれば「この論文は現象を論じた」のであって「プロトコルを紹介するもの」ではない
とのことでした。「空間は11次元ある」とか「ブラックホールと呼ぶべき星がある」などと同じように
一つの説を唱え、そう考えるに至った過程を論文として紹介したという認識だったのでしょう。
それが仮に間違いだったからと言って、ここまで叩かれることになるとは想定外だったのではないでしょうか。
で、何が言いたいかというと、この”事件”で他の真面目な研究者たちに萎縮してほしくないという点です。
間違えるとここまで世間に叩かれてしまうとしたら、正しかろうと思える説が発表できなくなるのではないかと。
それは社会にとっても研究者にとっても益を生まないと思うのです。
ですから、これによりCDBが組織解体をされなければならないとは、私自身は思いませんで
組織のヒエラルキーに左右されずに再検証できる内部組織をきちんと作ればいいのかなと。
トンデモ理論を組織の名において勝手に発表させない程度の内部システムを。
本件も世の中的には「ほら小保方さん、ここが間違ってるからこういう結果になってるのよ」程度で
済ませてあげてもいいのではないでしょうか。
もっとも、実験をしたら詳細を記録する、取得したデータをきちんと管理する、などの基本は
研究者任せでなく組織として徹底させるのはマストですが。
割烹着を着た若い女性研究者という彼女のキャラクターが
”立っていた”ことと共に、
確信犯だった嘘つき佐村河内事件の直後だったせいで、
同類項かのようにマスコミが報じたせいもあります。
その方が面白いですからね。
でも踊らされてはいけません。冷静に事態を見極めましょう。
>Aその後、それを補強するデータが取れないので捏造する。
>oct4発光までは錯誤。
>oct4発光が錯誤と判明してから幕引きのためのねつ造。
この辺りのコメント(別のSTAP細胞関係の記事より)に関しての管理さんのご意見は?
捏造ではない理由として管理人さんが上げているものは、いずれも上記の展開では問題になりません。
つまり小保方さんが自分以外のどこかの研究者が再現すると信じているケース。
実際、世の捏造論文はまったくゼロからストーリー自体を作り上げるものよりも、こういう事実(と筆者が信じたもの)の中に一部捏造データが混ざっているケースの方が多いですが。
上記引用したコメントの下の意見はまた少し違う考えの方でした。
>これはむしろ「Oct4発光の誤認」こそが、「STAP細胞」という「仮説」を「証明した」と信じ込み、「(正しい日本語の意味で)確信犯的に」暴走していった「動機」に当たる可能性は、思い浮かびますね。
上記のストーリーに合うのは、こっちのコメントですね。
訂正します。
やはり一番の問題は、疑惑の発覚以後、小保方さんも含めて残された試料の調査や関係者への詳しい聞き取りが不十分なまま早急に論文不正と論文撤回を結論づけるなど、理研の対応が最悪だったことは言うまでもありません。関係者が別々バラバラに会見を開いて、6月になっても新たに調査結果が出るなどさすがに異様に見えます。
いまだに全容は解明されないまま、再現実験だけやっても意味があるのか疑問です。
もう何度も書いたけど。
(1) 捏造すれば再現性無しで破綻するとわかるので、捏造は自殺行為。
(2) 高度な実験を捏造するだけの能力・知識がないので、捏造は不可能。
>oct4発光が錯誤と判明してから幕引きのためのねつ造。
時期が矛盾する。捏造説では捏造が先。錯誤判明は今年。
そもそも「錯誤した」とは、いまだに思っていない。
>つまり小保方さんが自分以外のどこかの研究者が再現すると信じているケース。
に対する返答が
>もう何度も書いたけど。
>(1) 捏造すれば再現性無しで破綻するとわかるので、捏造は自殺行為。
>(2) 高度な実験を捏造するだけの能力・知識がないので、捏造は不可能。
これ?
>ファンタジー科学とも言うべきこうした思い込み研究は少なく無いと思いますが、
>長年研究し続けてそれまでの失敗の原因が突き止められ、
>実を結んだいうコメントもこちらで拝見しましたので
>行き着くであろう結果を信じて研究し続けるというのは、けして悪い事ではないのだと思います。
ひょっとすると私のコメントかも知れないので少し説明しますね。
私の場合は学問的な研究では無くて技術開発ですから、まず「理論的に可能か?」みたいなチェックポイントがあります。何年も失敗し続けている間、数えきれない回数「理論的に可能と考えたのは正しかったか?」という問いかけをし続けましたし自分が見落とした理論は無いかと探しもしました。普通の技術開発者はうまく行かない時には必ず自問するものだろうと思います。
研究者のサガというのはある意味おかしなものでしてね。諦めるときにも「きちんとした理由」が欲しくなるんです。一番良いのは自分が見通していた理論的欠陥に気が付くことなんです。そうすると「あぁ、私が馬鹿だった」と未練無く諦めることができます。実は半年くらい実験で粘ったあげくに「あれっ、これは理論的にもできなくて当然だった」と気が付いて諦めた開発もあります(そのことは馬鹿ですが未練はありません)。
5年くらい粘った時はその「諦める理由」が見つけられなかったんです。何か「妨害要素」があることは漠然とわかっていたのですが、その妨害要素が何で、回避可能なものか不可能なものかもわからなかったのです。だから、あきらめる理由がつかめなくて粘っているうちに、「妨害要素」の正体が見えてきて、それがたまたま回避可能なものだったというだけです。回避不可能な妨害要素なら、「馬鹿だった」とその時点で諦めたと思います。
なんていうかな、研究開発と言うのは「スポ根」ドラマではないのです。根性とかでは無いものなのですよ。
弁護士に「頑張ってきます」といって出勤した、
というニュースを読んで精神病説も捨てきれない、
と思うようになりました。ある種の精神病の人が
自分の妄想に周囲の人を巻き込む、といような
話も、小保方事件に対するネタ、と笑い飛ばせない
気がします。
別に不思議はないでしょ。
(1) Oct4発光は偽陽性で確認できる。これについては絶大な自信を持っている。一方、偽陽性を理解しないで「捏造だ」と思っている人々は、偽陽性で発光することを知って、捏造はなかったと気づく。
小保方さん勝利。
(2) ES細胞は、コンタミしたことが確認される。小保方さんは「まさか……」と絶句するが、「少なくとも捏造はなかった」と証明される。捏造説と小保方さんは、どちらも間違っていたことになり、両者敗北。
以上の二点で、小保方さんは1勝1敗。捏造説は、2連敗。総得点で、小保方さんの勝利。(優勢勝ち。)
頭が狂っているのは捏造説の方でしょ。そっちの方が「妄想」または「躁鬱病」(双極性障害)みたいな症状になっている。
>弁護士に「頑張ってきます」といって出勤した、というニュースを読んで精神病説も捨てきれない、と思うようになりました。
私は、ずっと「教育」みたいなことを考えてきています。あまり良いたとえ話ではないけど、普通の社会で育った人に銃を渡して、無抵抗な幼児を撃てなんて言えばたいていためらいますよね。あたかも人間が生得的に抵抗感を持っているかの様に感じると思います。でもアフリカふたりのゲリラ集団で育てられた少年兵は、何のためらいもなく撃つのですよ。おそらくカブトムシさんは、「その少年兵は精神障害だ」と言われると思います。でも、ゲリラ集団の中で育てられた少年兵たちは、ある意味で皆そういうことにためらいは持たないのです。ある意味で、我々があたかも生得的に持っているかのように見える部分すら、実は後天的なものだったりするわけです。
ずっと考えているのは「自分はどこでどういう教育を受けたのだろう」みたいなことです。私の先生は変人と言われていました。先生の先生も社会的には変人の部類に入ると思います。そして私の先生は「僕の先生は『真理は例外から生まれる』と教えた。だから君たちも実験結果が予想と違ったからといって、直ぐに失敗だと思わずに何か別な可能性が無いか考えるように」と私に教えた訳です。ところがここからがミソなのですが、実験がうまく行かない時に「こんなことが起きているのでは」と先生の教え通りに別な可能性を考えて先生に話すと「その可能性は無い、なぜならこうだから」とひたすら考えたことをけんもほろろに否定する訳です、もちろん合理的理由を付けてですけどね。このけしかけておいて潰すみたいな矛盾する教えかたにその当時はずいぶん腹だたしい思いをした訳ですが、物事を論理的に考える訓練にはなった気がします。
自然科学の研究と言うのはある意味で矛盾している面はあるんですね。過去に蓄積された論理的な体系に埋没してしまえば、新たなことを見つけ出す力が弱まるし、かといって過去の論理体系を無視すればひたすら空想的な部分に思考が飛んで危なっかしい事ばかり手を出してしまう。そんな部分のバランスを私の先生は「けしかけておいては潰す」というやり方で教えてくれたように思うんです。
ヴァカンティが彼女を「生物学の常識に捕らわれない研究生」として受け入れ、ひたすら自分の仮説の証明実験をさせたときに、彼は彼女にどういう教育をしたのだろうと考えたりします。「常識に捕らわれるな、自由に発想するんだ」では無かったかと思ったりするんですね。ある意味で私の先生の教えと同じなんですが、私の先生は私の出す不合理な発想はことごとく潰すことで合理性の尊重とのバランスを教えてくれたけど、ヴァカンティはどうしたのだろう?なんてね。
ES細胞は、コンタミしたことが確認される、ということになった場合、それが小保方さんの意図によるものなら捏造説勝利、小保方さんの不注意や勘違いによるものなら未熟説勝利、小保方さん以外の人の手によるものなら陰謀説勝利、ということだろ思います。
なお、小保方さんが再現実験で、意図的に「封入」とか「混合」とかをするはずがありません。もしやるとしたら、本人も意識していないわけだから、ほとんど夢遊病みたいなものか、多重人格だということになるな。それはありえない。
そうすると、検証事件でSTAP細胞の存在が確認されなかった場合、捏造説、未熟説、陰謀説のいずれかである、という点はそれでいいですか?
意味がよくわからないけれど、再現実験の結果で、かなり多くのことが判明するから、それまで待ちましょう。
私は一応予想を述べたが、ただの予想ですし、たいしたことは述べていない。予想がどうであれ、結果はもうすぐ判明しますから、待ちましょう。
(競馬の直前に予想を出すようなもの。ただの無駄話でしかない。あまり意味はない。結果を待つ方がいい。)