記事を引用しよう。
国防高等研究計画局(DARPA)は、脳に埋め込んだ極小のチップによる脳深部刺激療法でPTSD(心的外傷後ストレス障害)などの精神疾患を治療するプロジェクトの開始を発表しました。
DARPAが開始したプロジェクトは「SUBNETS」と呼ばれており、脳と頭蓋骨の間に極小のチップと電極を埋め込むもの。脳の至るところに埋め込まれたチップは脳内の電気信号をモニターし、PTSDのような精神的な疾患の治療を促進するデータを無線で送信できるとのこと。電極は症状を緩和するために電気的インパルスを引き起こすことができます。
( → GIGAZINE )
実は、これに類することは、私が前に指摘した。そこでは、上記よりもはるかに小さいマイクロチップを想定した上で、「近い未来には無理だ」と結論した。
「ミクロン単位のマイクロセンサーを開発する。それをニューロン1個について 100個ぐらいを取り付ける。それによって一つ一つのニューロンの興奮状態を観測する。このようなことを、百万個以上のニューロン(できれば数十億個のニューロン)について観測する」
たとえば、1億個のニューロンのそれぞれに 100個のマイクロセンサーを取り付ける。この 100億個のセンサーをセンサーの状況を、ミリ秒単位で観測して、10兆ぐらいの観測データを取得する。
このように 10兆ぐらいの観測データを、3次元の位置情報と照合することで、1京ぐらいのデータを取得する。それぞれのデータの量が1kB だとすると、1京 kB ぐらいのデータを取得する。これが一つの実験単位だ。この実験単位を1万ぐらい取得することで、1京 kB の1万倍ぐらいのデータを取得する。
ここまでやって初めて、脳科学は「科学」となるだろう。
で、それは、可能か? いつかは可能だろう。しかしそれは近い未来ではない。基本的には、ミクロン単位のマイクロセンサーを開発することが必要だが、それははるかに先の話だ。現状では、ミニロボットというものが開発されているが、それはミリメートルの単位であって、ミクロン単位ではない。ミクロン単位のマイクロセンサーは、遠い夢物語である。
( → 脳科学の現在と未来 )
ここで述べたのは「ニューロンごとに 100個ぐらいのセンサーでモニターする」ということだが、それゆえ、「遠い夢物語だ」と結論した。
ところが、これに似たことが、かなり粗いレベルでは実用化されつつあるわけだ。現在の工業技術でできる範囲内で、私が述べたのと同じ方向の研究が進みつつあるわけだ。
さすがにアメリカの軍事研究はたいしたものだ。ひるがえって、日本の理研はひどいものだ。上記項目でも示した通り、利根川さんは「マウスが怯えるかどうか」という心理学者のようなことを研究している。およそ科学になっていない。
日本がこれほど見当違いな方向で研究しているのは、なぜか?その理由も、上記項目の全項目で示した。(下記。)
→ 理研の問題は高齢化
つまり、理研の高齢化だ。74歳という高齢の人が、多額の予算を取って研究しているせいで、ポストも金も若い人には回らない。だから脳科学の研究では、米国に大幅に後れを取ってしまう。
情けないね。
[ 付記 ]
せめて日本の首相が「日本の科学の後進性」を理解してくれればいいのだが、彼は「集団安保ごっこ」なんていう戦争ごっこばかりやっている。頭がいつまでたっても小学生レベルだ。のび太やジャイアンみたいなものだ。まともに国の科学技術を憂慮する能力がない。
馬鹿首相をもつと、日本はひどいことになる。最後は浜岡で壊滅か。
「アベノミクスで景気回復」なんて思って、だまされて喜んでいると、ろくなことはないね。
[ 補足 ]
景気がいくらか良くなっているようだが、これは、アベノミクスの金融緩和によるものではなくて、次の三つによるもの。
・ 震災後の公共事業費の大幅増。(→ 図 )
・ 欧州の経済危機に伴う円高が消えたこと。
・ リーマンショックと大震災の不況効果が消えたこと。
実際、「金融緩和のせいで企業の投資が大幅に増えた」ということはない。若干は増えたが、それは上記の三点で説明される範囲の、小規模な増加にすぎない。「アベノミクスによる効果」というのは、ほとんどないも同然だ。
