2014年05月29日

◆ 浜岡原発の事故の想定

 浜岡原発の事故を想定した避難計画がある。しかしこれは「頭隠して尻隠さず」みたいなものだ。無意味。 ──

 浜岡原発の事故を想定した避難計画がある。
 南海トラフ巨大地震の想定震源域に立つ静岡県の中部電力浜岡原子力発電所で重大事故が起きると、交通の大動脈が分断され、多くの人が避難を迫られる。静岡県は原発周辺の96万人の避難者を12都県に受け入れてもらう方針をたてたが、受け入れ先との交渉が難航したため、内閣府は月内にも12都県に通知を出して受け入れを促す。
( → 朝日新聞 2014年5月25日

hamaoka12ken.jpg


 方針を立てたが、うまく方針通りに進んでいない……ということらしい。

 しかし、そもそもこの方針そのものがおかしい。
 上の図(朝日の図)を見ればわかるように、避難先である東京都は、浜岡原発から遠くない。それどころか、西風の影響を受けて、放射性物質の直撃を受けるところだ。

 ──

 ここで、先の原発事故のときを思い出そう。あの当時は、風は西風だったが、それを受けて放射性物質は太平洋に流された。それを示す図を再掲しよう。




出典 情報


 見ればわかるように、大部分の放射性物質は東側の太平洋に流された。北西の飯舘村に回った分は少なめだ。にもかかわらず、飯舘村にはかなり多量の放射性物質が襲来した。

 では、浜岡で事故があったら? もちろん、放射性物質は、東側の地域を直撃する。特に、東京と神奈川がやばい。この2地域は、ほぼ壊滅状態となるだろう。
 にもかかわらず、政府は「ここへ避難しろ」と言っているのだ。
 狂気の沙汰だ! 

 ──

 先の原発事故で何が起こったか、政府はまったく理解できていない。
 「原発から30キロ圏内が危険だ」ぐらいで理解しているだけだ。放射性物質が原発からの距離に反比例して押し寄せる、と思っているらしい。
 違う。放射性物質は原発からの距離に反比例して押し寄せるのではない。放射性物質は原発の風下に押し寄せるのだ。そして、福島の場合には、ごく短期間だけ風下になった北西の地域が大量の放射性物質に見舞われた。原発から 40km の飯舘村や、原発から 60km の福島市も、相当の放射性物質に見舞われた。とすれば、原発から 150km ぐらいにあたる神奈川県や東京都が放射性物質に見舞われても、不思議はないのである。特に、風下に当たる東側に位置するとすれば、なおさらだ。

 特に危険なのは、雨が降った場合だ。放射性物質は上空に拡散するが、雨が降れば放射性物質が地上に降下する。このこことは、先の原発事故でも事例があった。(福島からの距離は遠いのに、雨が降った地域では多めの放射性物質に見舞われた。)
 だから、浜岡原発のあとで東京や神奈川に雨が降れば、東京や神奈川に大量の放射性物質が降下するのは当然のことなのだ。
 それは、広島原爆のあとで雨が降った場合と同様だ。その雨を浴びた人々は、のちの放射性の障害を発症して、被爆者となった。直接的には原発の放射線を浴びなくても、雨を浴びただけで被爆者となってしまったのだ。
 (原爆投下後の)広島市では、主に北西部を中心に大雨となって激しく降り注いだ。この黒い雨は強い放射能を帯びているため、この雨に直接打たれた者は、二次的な被曝が原因で、頭髪の脱毛や、歯ぐきからの大量の出血、血便、急性白血病による大量の吐血などの急性放射線障害をきたした。
( → Wikipedia



黒い雨 (新潮文庫)


 これが浜岡原発の事故後に、東京や神奈川で起こることだ、とも言える。(原発は原爆ではないので、これほどひどくはないだろうが、いくらか似たことが起こると考えていいだろう。)
 そうなれば、福島原発が廃墟となったように、東京や神奈川は廃墟となるしかない。

 比喩的に、参考画像を示そう。
  → 破綻したデトロイトが町ごと廃墟になりつつある件 (参考画像)

 ──

 結論。

 政府は浜岡原発の被害を甘く見過ぎている。それは、「放射性物質は風下に襲来する」ということを理解できず、「距離に反比例する」と理解しているからだ。
 あまりにも非科学的な発想ゆえに、想定する被害が大幅に甘くなっている。そのせいで、浜岡原発の稼働に邁進して、東京と神奈川を廃墟にしようとしている。
 政府は日本を破滅させようとしているのだ。


( ※ ただし、政府とは、自民党政府のこと。つまり、AKB でなくて BAKA の ABE です。)





 【 追記 】
 コメント欄で次のように指摘された。
 「チェルノブイリの原発事故でも、200キロほど離れた地域で、原発周辺と同等の高濃度の汚染があった」

 その指摘に従って、原典を見た。次のページの図だ。
  → チェルノブイリ原子力発電所事故 - Wikipedia (サイズはデカい)

 この図を、日本の都道府県図と重ね合わせると、次の図になる。


chernobyl3.jpg


 上半分は、合成した図。(見やすくなるよう、色を薄くした。)
 下半分は、Wikipedia にある図。(色を薄くする前の図。)
 ( ※ 注。縮尺は合わせてある。少し回転させて、位置も調整した。)

 これを見ればわかるように、神奈川・東京・埼玉では、おおむね全域が高濃度に汚染され、人の住めない領域となる(かもしれない)。まさしく「廃墟化」だ。

 こういうふうにして、日本という国は、歴史上で滅びてしまうのだ。そして、このように日本という国を滅ぼすには、たった一人の愚かさがあればいい。「安倍」という名の政治家の。

( ※ それにしても、たった一人で国を滅ぼすとは、たいしたものだ。これほど巨大な力を持った人は、日本の歴史上でもほとんどいない。……安倍晴明ぐらいかな。もしかしたら、安倍首相はその子孫なのかな?)





我、天命を覆す 陰陽師・安倍晴明
( フィクションです。 (^^); )

posted by 管理人 at 21:43 | Comment(5) |  放射線・原発 | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
放射能=放射性物質を理解できていない。放射能の拡散ではなく、放射線強度が距離の二乗に反比例することに基づいているのでしょうね。
中途半端な理解。
Posted by 京都の人 at 2014年05月30日 07:07
wikiの「チェルノブイリ」の資料、「セシウム137の濃度に基づく放射能汚染地域」でも200km程度離れた地域の汚染が炉の周辺地域とさほど汚染濃度が変わらない地域がありますね。浜岡では通常の風向きを考えるに静岡県のこの避難計画自体杜撰かもしれません。通知を出す内閣府も・・・
Posted by sara at 2014年05月30日 13:38
千葉とか埼玉は大丈夫かなあ?
Posted by 進撃の中日 at 2014年05月31日 14:19
広島原発って何
Posted by at 2014年06月02日 10:50
> 広島原発

 広島原爆 に修正しました。
Posted by 管理人 at 2014年06月02日 12:42
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