2014年05月20日

◆ 美味しんぼの鼻血騒動

 美味しんぼの鼻血騒動は、どこが問題か? (放射線の影響に関して。) ──

 「福島では被曝のせいで鼻血を出す人が多い。そんな危険なところに人は住むべきではない」
 という話を描いた漫画(美味しんぼ)が批判されている。この件を整理しよう。


 § 概略

 話の概略は次の通り。
 山岡親子(雄山・士朗)が福島に行った。すると親子ともども、鼻血が出た。その理由は?
 「放射線のせいだ。放射線で酸素のラジカルが発生して、それが生体を傷つけるからだ」と関係者が語った。そして「これぞ真実だ」というふうに漫画で示している。


 § 詳細

 台詞の詳細は、下記にある。
  → 「美味しんぼ」福島の真実23話(一部セリフ書き出し)

 ──

 以上が話題になって、いろいろと批判が出た。では、この漫画のどこが問題か? 


 (1) 真実性

 漫画では「被曝のせいで鼻血が出た」と記してあるが、これは医学常識に反する。それゆえ、この記述の真実性が否定されている。「この漫画はデタラメを書いている。けしからん」というふうに。……これが普通、批判されていることだ。
 たとえば、下記。
  → 美味しんぼ問題が全くナンセンスである医学的理由 - Togetterまとめ


 (2) 関係者はトンデモ

 「被曝のせいで鼻血が出た」と記してあるが、それはまともな医者の見解ではない。語っているのは、松井英介という人物だが、放射線医学の専門家であり、ちゃんとした肩書きがある……というふうに紹介されている。ま、一応、そうであるようだ。
 しかし、彼の語っていることは、実際にはトンデモな内容である。
 水の分子(H2O)は放射線で切断されて水酸基(-OH)という様な、毒性の強いラジカルと呼ばれるものになる。しかも、ラジカルがくっついて分子に戻った時、今度はオキシフルとして消毒液に使われるくらい毒性の強い過酸化水素分子(H2O2)になることがある。このように、放射線は直接粘膜や毛細血管の細胞・DNAを傷つけますが、同時に水の分子が切断されて細胞の中にできる、ラジカルによる間接作用が大きいのです。
( → 「美味しんぼ」福島の真実23話(一部セリフ書き出し)

 ここに書いてあることは、デタラメだ。
 水酸基(-OH)は、毒性が強いものではない。アルカリ性の溶液にはすべて含まれる。それどころか、中性や酸性の溶液にもたくさん含まれる。これを危険だと言うことは、「私は化学の授業をサボっていたので理解できません」と言っているだけだ。
 また、オキシフルの過酸化水素水は、普通は 2.5%の溶液であり、それを 2〜3倍に稀釈して使うから、1%程度の濃度である。それでようやく殺菌作用が出る。一方、今回の放射線の場合だと、過酸化水素が1分子か2分子ぐらい(あるいはもうちょっと)できたとしても、その濃度はごく微量であろう。まったく問題にならない。

 そもそも、「活性酸素は体に良くない」ということはしばしば言われるけれども、活性酸素は体内に豊富に生じるものだ。(特に不健康な状態では。)
  → 活性酸素が発生する原因
  → 活性酸素が導く「ストレス」と「老化」の関係
 要するに、活性酸素が発生する理由は、化学物質や体調など、いろいろな理由があるが、特に「ストレス」が有害である。低線量の放射線の影響なんて、それをはるかに下回るのだ。
( ※ 仮に影響があるとしたら、現状の100倍以上の放射線を浴びた場合だろう。現状程度ならば、放射線以外のものの影響の方がはるかに大きい。それに比べれば、放射線の影響は誤差レベルにすぎない。)
( ※ この医師がトンデモであることは、このページでも紹介されている。)


 (3) 真相は? 

 福島で鼻血を出す人が多い、ということは事実であるようだ。では、鼻血を出す人が多いのは、なぜか? 真相は何か? それを明かそう。

 (i)福島以外も

 福島では鼻血を出す人が多いが、別に、福島に限ったことではない。日本中のどこでも、鼻血を出す人は多い。
  → 福岡の子供、福島の8倍も鼻血を出す? 小児科医が調査
 上の理屈に従えば、「福岡では福島以上に放射線を被曝している」ということになるが、もちろん、そんなことはない。
( ※ PM 2.5 の影響は多大にあると推定されるが。)

 (ii)ストレス

 鼻血の最大の原因は、ストレスであろう。そのことは、医学的に常識となっている。
  → Google 検索
 つまり、福島で鼻血の人が多いとしたら、その理由は、「福島ではストレスを感じる人が多い」ということだ。それは十分にあり得る。
  ・ 避難生活でストレスがある。
  ・ 「被曝の影響があるらしい」と思うストレスがある。
  ・ 「被曝の影響があるらしい」と聞くストレスがある。

 最後の点によれば、美味しんぼが不安をあおるから、そのせいでストレスがかかって鼻血が出る、ということになる。

 (iii)ストレスと血圧

 ではなぜ、ストレスによって鼻血が出るのか? 理由は二つ考えられる。
  ・ ストレスのせいで、毛細血管が破れやすくなる
  ・ ストレスのせいで、血圧が上がる

 前者は、素人考えでは信じられそうだが、医学的にはとうていありえそうにない。そのくらいのことで細胞質が短期的に変化することはないからだ。
 後者は、十分にあり得る。実際、私は毎日血圧を測っているが、仕事で疲れた日に限って、血圧が 10ぐらいアップする。つまり、「疲れると血圧がアップする」「疲れないと血圧が下がる」という関係だ。それは実に高い相関性がある。……とすれば、「ストレスによって血圧が上がって、鼻血が出やすくなる」ということは、医学的には十分にあるだろう。
 結局、鼻血の原因は、放射線被曝ではなくて、「放射線被曝は危険だ」と思うことに代表されるストレスを受けて、血圧が高くなったことなのだ。
( ※ なお、ストレスが体調に影響することの医学的なメカニズムは、「自律神経失調」とか「副交感神経系の不調」などのが概念で説明される。 → Google検索


 (4) 真実性

 美味しんぼに書かれていることは、医学的には間違いだ。
 それでも、「表現の自由がある」と主張する人もいる。なるほど、たしかに表現の自由はある。つまり、書いてあることが嘘だとしても、嘘を書くことは構わない。
 また、「関係者がそう語った」というのは事実であるから、その事実をそのまま描くことも問題ではない。(間違った意見を言う人はたくさんいる。たとえば、青プリンや、山本太郎議員。それらがいちいち大問題になることはない。)
 では、美味しんぼの何が問題か? 問題なのは、虚偽を「真実だ」というふうに示していることだ。トンデモ医師が語ったことを、そのまま描写して、「トンデモ医師の一人がこう語った」というふうに示すならば、ただの意見紹介であるにすぎないから、別に問題ない。
 ところが逆に「放射線医学の専門家が語った」というふうに示して、あたかも放射線医学の標準的な見解がこの通りであるかのように示している。そこが問題なのだ。
 比喩的に言えば、「早川由紀夫・群馬大教授の見解によれば、微量放射線はものすごく危険である。彼の言う通り、微量放射線のせいで多数の死者が福島で生じている。これが真実である」と述べるようなものだ。……世の中にはトンデモ学者というものがいるが、そのトンデモ学者の意見を単に紹介するだけでなく、その意見を真実であるというふうに紹介したならば、そこには多大な責任が発生する。そういうことなのだ。
 実は、先の放射線専門家であれ、青プリンであれ、その見解を「自分の見解」というふうに個人的に示しているのであれば、そこには特に問題はない。それはただの言論の自由だ。(多大な迷惑が生じるが、それでも言論の自由はある。)
 一方、新聞社がその見解を「真実だ」というふうに示したならば、そこには「誤報」のような問題が生じる。虚偽を真実だというふうに報道するからだ。
 美味しんぼの場合も、これと同様だ。どこかのトンデモ医師の見解を、「これぞ真実だ」というふうに描写する。そこには多大な社会的な責任が生じるのである。特に、その見解が、「放射線に関する一つの見解」という形を取らずに、「グルメ漫画」という枠内で語るのであれば。

 美味しんぼの作者が、その見解を語りたければ、その見解を自分の見解として個人的に語れば良かった。それならば、誰も批判しなかっただろう。
 しかるに、作者はグルメ漫画という形で、そのことを語った。また、「ただの作者の個人的見解」という形で語らず、「一般的な真実」という形で語った。
 これはもう、「美味しんぼ」という漫画を利用することで、「美味しんぼ」という漫画を破壊してしまっている、と言える。
 比喩的に言えば、極左過激派とか、オウム真理教とかが、自分たちの狂信的な信条を宣伝するために、どこかの漫画家のストーリーを改変させるようなものだ。
 たとえば、次のように。
  ・ けいおん で「集団安保は合憲だ」と宣伝する。
  ・ ラブライブ で「尖閣諸島は中国領だ」と宣伝する。
  ・ アイドルマスター で、「捕鯨は悪だ」と宣伝する。

 こういうふうに、漫画やアニメを、特定の思想のために利用することが考えられる。これはもう、原作への破壊行為であろう。
 そして、それと同様のことをやったのが、美味しんぼの作者だ。自分の作品を、自分の政治的信条のために利用した。そのことで、自分の作品を殺してしまった。我が子を殺すように。




 [ 付記1 ]
 美味しんぼの最新号(2014-05-19 発売)では、次のような主張がある。
 (1)「低線量の被曝が危険だという知見は出ていない。わからないだけ」
 (2) 「福島から出ていきたがるのは当然だ。それを支援するべきだ」

 しかし、これらはおかしい。

 (1) は、「低線量の危険性はわかっていない(不明だ)」と述べているが、実はわかっている。「あったとしても誤差レベルにすぎない」ということだ。
  → LNT 仮説に基づく死者数の計算について
 つまり、科学的にはわかっているのだが、美味しんぼの作者はそれを理解できないだけだ。「自分は無知なのでわかりません」と書くべきところを、「誰にもわからないので不明です」というふうに書いている。誤り。

 (2) は、「福島は危険だから出ていくのは当然」と述べている。
   → 【美味しんぼ】「危ないところから逃げる勇気を」
 だが、「危険だ」というのが成立しないのだから、その主張もおかしい。

 結局、美味しんぼの作者は、無知ゆえの誤認ゆえに、デタラメを記して、風評被害を起こしている。どうせ書くならば、きちんと取材をして、放射線医学の専門家の意見を広範に聞けばよかった。なのに、たった一人のトンデモ医師の意見ばかりを「これぞ真実である」というふうに記述している。
 この漫画自体が(虚偽ゆえの)風評被害をもたらしている。

 [ 付記2 ]
 現実には、福島の放射線はどのくらいか? ごく一部の特定領域を除けば問題ない、というふうに言える。次にデータがある。
  → 福島県放射能測定マップ

 この図で、安全か否かは、次のようにして判定できる。
 数値が 1.00 以下(μSv/h)の場所。 まったく問題ない。
 数値が 1.00 〜2.00(μSv/h) の場所。 ほぼ問題ない。

 いくらか気にになるとしたら、次の2条件をともに満たす場合だろう。
  ・ その場所にずっと留まっている。(移動しない)
  ・ 乳幼児である

 この2条件をともに満たす場合には、少しぐらいは気にしてもいいだろう。(気にしなくてもいい。)
 また、そのうちの一方の条件を満たさないなら、ほとんど心配はいらない。

 気にする方がいいのは、図で 2.00 〜3.00(μSv/h) の場所だ。つまり、 黄色 の場所だ。それは、原発に近い区域と飯舘村の一部だけだ。そこは、居住禁止または居住制限の区域であるから、もともと話の対象外だ。

 結局、ほとんど心配しなくていい。乳幼児のいる家庭のみが、少し気にすればいい程度だ。
 ただし、気にするとしても、局地的にちょっと数値が高い場所の話だ。一方、他のほとんどの場所では、乳幼児ですら気にする必要はない。
( ※ とはいえ、乳幼児のいる家庭は、もともとすでに避難している人が多いだろう。今さら騒ぐようなことじゃない。まして、「大人が鼻血」なんて騒ぐべきではない。)

 [ 付記3 ]
 美味しんぼでは、「福島での農業の再興」ということを声高に掲げているが、実は、これは否定した方がいい。
 そもそも、「福島は危険だ。人は出ていくべきだ」と唱えながら、「福島で農業の再生を」と唱えるなんて、主張が矛盾している。
 福島の農地の上を歩いても、その放射線量はたかが知れているが、福島で農作物を栽培すれば、その農作物から放射性物質が検出されることはある。(地域による。特に、原発に近い地域は危険だ。)
 日本には、農業用地はありあまっているのだから、あえて危険な土地で農業を再興する必要はないのだ。土地ごとに放射線量を測定して、安全な場所では農業を再興すればいいが、危険な農地ではそこを除染して再興する必要はない。除染コストが僅少になるならともかく、通常は危険な農地は放棄するのがベストだろう。
 そもそも日本の農業は赤字産業なのである。補助金をもらってようやく成立しているだけだ。そんなものは放棄して、その分、輸入品を増やせば、その方がかえって赤字は減るのだ。「あえて赤字産業を増やすためにコストをかける」というのは、方向が根本的に狂っているのである。



 [ 補足 ]
   ※ 以下は細かな話なので、読まなくてもいい。


 美味しんぼに出てくる話はすべて嘘ばかりかというと、そうでもない。一部には、部分的に正しい話も出てくる。
 「いくら除染しても、放射性物質が風によって運ばれてくるから、除染の効果はない。元の木阿弥となる」
 という主張だ。これは、部分的には正しい。
  ・ たしかに、除染しても効果は限定的だ。
  ・ ただし、除染の効果が皆無というわけでもない。

 この意味で、部分的に正しく、部分的に間違いだ、とは言える。「除染すれば万事解決」と述べるような政府の楽観的な見解は否定されるべきだろう。
 一方、ここでそう語る准教授の見解のように、「除染はまったく無効だ」というのも正しくない。ある程度は、除染は有効である。(環境省などが早速、反論の声明を出した。ググればわかる。)
 美味しんぼでは、この准教授の見解として、「福島にはずっと住めなくなる」というような悲観的な見解を示して、「これぞ真実だ」というふうに示しているが、これもまた風評被害をもたらすデタラメだろう。
 特に、「放射線量は時間とともに減衰する」ということが大切だ。次のグラフを見ればわかる。
  → 東日本大震災 福島県各地の環境放射能測定値の推移グラフ(最新)
 時間とともにどんどん低下していっていることがわかる。
 
 また、除染の効果もかなりあるし、特に、屋内で床掃除をすれば、埃とともに放射性物質を除去できる、という点も重要だ。これはけっこう効果がある。

 《 追加 》

 すぐ上の准教授の話は間違いが多い、ということを指摘したサイトがある。下記。
  → 「美味しんぼ」 荒木田准教授は自然が放射能の天敵だと知らない

 どうやらこの准教授の言ったことは全面的に間違っているようだ。「除染しても効果はない(汚染物が雨や風によってどんどん再来する)」ということはまったくなく、除染は十分に効果を上げているようだ。さらに、(私も述べたことだが)時間の経過とともに放射線量はどんどん減っている。
 しかも、最も重要なことだが、放射線量のレベルそのものが低い。高いのは(沈殿物が集積した)側溝など、ごく一部に限られている。
 結局、「危険だ」「福島には住めない」という准教授の主張は、全面的に間違っている、と言えるだろう。




 【 関連サイト 】

 (A)
 参考記事。今回の美味しんぼについての話題。
  → ITmedia ニュース

 (B)
 美味しんぼは、豚骨スープでも、「嘘を書いた」と批判されたことがある。「添加物だけで豚骨スープができる」と書いたが、実は漫画の絵では「添加物ではなくて調味料を使っている」と示している。
  → 画像
 


 【 関連項目 】

 放射線量がどのくらいだと危険か……というような話は、前に何度も記したので、そちらを参照。
  → サイト内検索

 ──

 なお、 μSv/h を mSV/年 に換算するには、数値を(およそ)9倍すればいい。
  例。  1 μSv/h ≒ 9 mSV/年

 9倍が面倒なら、10倍でもいい。たいして違いはない。
  例。  1 μSv/h ≒ 10 mSV/年
 
( ※ 換算の根拠: 1年 = 8.7658 × 103 時間 )
 


 【 参考書籍 】
 例の危険をあおる医師の著作。



見えない恐怖 放射線内部被曝

 こういう本で危険をあおって、金儲けするわけだ。(詐欺師にはよくある例。)

 で、こういう偏った情報をあえて好んで吸収したがる人々がいる。一種の情弱である。頭の弱い人には、よくあることだ。
posted by 管理人 at 20:42 | Comment(22) |  放射線・原発 | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
そういえば捕鯨の話が出て来る回もありましたね
美味しんぼの作風は社会派なんですね。そう社会派
Posted by 先生 at 2014年05月20日 21:09
いや、捕鯨のときだけ、浮いていましたよ。やたらと政治色が強すぎて、面白さがなかった。捕鯨の回のときは、美味しんぼとしては例外でしょう。今回もそう。

 本来ならば、こっちのようになる。
  → http://kazutoshimaru.net/?post_type=naomie&p=4360
  「勝手に『美味しんぼ』を初期設定に直してみた」
Posted by 管理人 at 2014年05月20日 21:14
「美味しんぼ叩きで集団ヒステリーに陥る世間を斬る!」って内容じゃないんですね。。。
Posted by あれ at 2014年05月20日 21:17
叩き方が間違っている( or 不正確だ)、という話です。
 叩くならきちんと正しい理屈で叩かないと、という話。

 いつもの話ふうに見るなら、「危険だ、危険だ、とあおって金儲けする詐欺師連中にだまされるな」という話です。
Posted by 管理人 at 2014年05月20日 21:37
この記事を、もっと沢山の方々に(冷静に)読んでほしいと思いました。
Twitterとか見てると、「美味しんぼ」を批判した政府関係者や評論家に対し、隠蔽!とかチェルノブイリを見ろ!とか、とにかく物凄い狂騒ぶりで辟易します。
危険なほうが良いんでしょうかね・・・不思議です。
Posted by 丸義 at 2014年05月20日 21:52
「放射線医学の専門家が語った」というふうに示して、あたかも放射線医学の標準的な見解がこの通りであるかのように示している。そこが問題なのだ。
その意見を真実であるというふうに紹介したならば、そこには多大な責任が発生する。そういうことなのだ。

真実であるかのように紹介していると書かれていますが、単に登場人物が同意しているだけではないですか?
漫画の登場人物がそろって間違えた意見に同意してはいけないということですか?


ある韓国史の歴史学者『日本人は強制的に多くの韓国人を慰安婦にした』
山岡『怒りがこみ上げてくる』
海原『これが真実なのだ』

という漫画があったとしても別にいいのではないでしょうか。作者のイデオロギーとして楽しむだけで別にそれが事実だとか思わないですよ。
Posted by ゆう at 2014年05月21日 01:34
まず内部被曝に対する疫学調査は存在しないことを認識する必要があります。放射能に対するリスク認識は広島長崎での疫学調査が前提なのです。しかしチェルノブイリではその計算通りの結果だったでしょうか?甲状腺がんもその増加に対して、今と同じように非科学的だとかスクリーニングが原因と言われていたのです。それとの因果関係が合意されるまで10年ぼどかかっています。http://blog.goo.ne.jp/tomorrow_2011/e/7ad11f46d1ea5963d6213c87c86d8456
Posted by gunts at 2014年05月21日 04:41
無い危険をあおる毒商売って儲かるんだな〜いいなー
ねずみ講でもありましたよね?経皮毒でしたっけw
Posted by 先生 at 2014年05月21日 07:07
>  漫画の登場人物がそろって間違えた意見に同意してはいけないということですか?

漫画の登場人物の個人的な一見解にすぎない(多くの見解の中の一つにすぎない)、というふうに示してある(つまり相対化されている)のならば、OKです。しかし今回は、そうではありません。
  ・ 批判する意見はなく、全体が「これぞ真実」という調子だった。
  ・ 漫画の枠外(編集者の言葉や、予告編など)でも、「危険の強調」が示されていた。
  ・ 作者自身が「危険性」を強調していた。 → http://j.mp/1gN6fTC

 こういうふうに「これぞ真実」というふうに示していることが問題なのです。登場人物が語ったからいけない、という話ではありません。
Posted by 管理人 at 2014年05月21日 12:06
> まず内部被曝に対する疫学調査は存在しない

内部被曝の影響があろうがなかろうが、内部被曝そのものが存在しません。
内部被曝の意味がわかっていますか? 食物も水も、ほとんどは検出限界以下です。
また、仮にその影響があるとしても、それは福島産の食物を摂取した場合のことであり、福島に住むことの影響ではありません。
結局、ここで内部被曝を持ち出すのは、あらゆる意味で見当違いです。

> チェルノブイリではその計算通りの結果だったでしょうか?

チェルノブイリでは、食物に対する検査をしなかったので、汚染ミルクを大量に摂取した結果、甲状腺癌が多数発生しました。福島とはまるきり状況が違います。
あなたの言う理屈は「青酸カリを飲むと人が死ぬから、青酸カリを見ただけでも人は死ぬ」と言うようなもの。理屈にならない与太です。
Posted by 管理人 at 2014年05月21日 12:09
内部被曝は呼吸からのも含まれますよ。仮に現在の食料水が安全だとしても、事故当時それなりに放射性ヨウ素が巻き散らかされたことは判明してます。ただし100msv超えて数%リスクが初めて上がると言っている外部被曝の基準からしたら対したものではないとされてますが。
汚染ミルクにしても誰もその汚染度を測定したものはいないのです。つまり自分の都合の良いように汚染度合いを推定する(作る)ことが可能です。放射性ヨウ素の半減期を考え、かつ飲料による被曝影響を計算するとあり得ない数字しか出て来ません。
一度現実的な数字が出るか計算されてはいかがてしょうか?
Posted by gunts at 2014年05月21日 14:35
疲れると血圧が上がると記述していますが、疲れるのは「頑張ったから」ですよね?
体が頑張るために、血圧を上げて酸素を体にいつもよりめぐらせて細胞を活性化させているんですよね?
疲れたからではなく、頑張ったから血圧が上がっていると思うのですが???
Posted by ひとつ気になることが at 2014年05月21日 15:20
> gunts

放射性ヨウ素の半減期はごく短いので、もし影響があったとしても、それは事故発生当時の短期間だけのことに過ぎません。現時点で福島に済むことに対しては、影響がありません。つまり、現時点で福島に住もうが福島から出ていこうが、過去の放射性ヨウ素とは関係ありません。

本項は美味しんぼの「福島に住むと危険だ」ということを話題にしています。過去の放射性ヨウ素の影響については何も述べていません。過去の放射性ヨウ素の影響は、あったかもしれないし、なかったかもしれない。この件については、私は何も述べていないし、美味しんぼも述べていません。無関係のことは書かないでください。

> ひとつ気になることが

血圧が上がる理由は、放射線とは関係ないので、私はお答えしません。お医者さんにでも聞いて下さい。あるいは、自分で医学情報を調べるといいでしょう。
Posted by 管理人 at 2014年05月21日 19:09
最後のあたり(灰色の小さな文字の箇所)に 《 追加 》 を加筆しました。
 「福島で除染しても無効だ」という准教授の見解は全面的に間違いだ、という話。

 タイムスタンプは 下記 ↓
Posted by 管理人 at 2014年05月24日 13:02
> by odyssey

本項へのコメントではない、自分の意見の表明は、削除しました。自分の意見の表明をしたければ、次の形にしてください。
  ・ 本項への(短い)コメントを付ける。
  ・ 自分の意見はリンク先で、という形でリンクを記す。

──

 ゆうちゃんの話は、別項をご覧ください。
Posted by 管理人 at 2014年05月25日 07:11
作品内に閉じた話でも、矛盾が発生してますよね。
福島第一内で作業してた人たちや、非難区域で農業、畜産業に携わってた人たちは鼻血が出てなかったのでしょうか?
また、過酸化水素が体内から傷つけるのが正として場合、鼻血のみに影響が閉じていることの説明がつかない。眼球の血管だって切れて充血しやすいのに。

これが、鼻血を出したのが、ギャグ担当の富井副部長とかで机の横にチョコレートの空き箱いっぱい…とかいうオチなら漫画的で良かったように思うのですが。
(実際にはチョコの食べ過ぎで鼻血というのも俗説だそうで)


同じ小学館の漫画雑誌連載で、同じ福島を同時期に取り上げたのに扱いがまったく異なる「そばもん」との対比をさせてみるのも、おもしろいかもしれません。
「そばもん」の作者の方は福島県在住、赤旗日曜版にも連載持ってますし、「九条の会」傘下団体の呼びかけ人というバリバリの反原発派の人ですが、論調はまったく異なります。
Posted by えまのん at 2014年05月26日 10:29
こんにちは、皆さん。

> まず内部被曝に対する疫学調査は存在しない

どういう調査を指して疫学調査とするかという違いがあるかも知れませんが、人がどの程度の放射性物質を体内に持っているかの調査は放医研が1960年代からずっとやっています。

>http://www.nirs.go.jp/db/chi/doc/sen_006.pdf

内部被ばく量を測定するホールボディカウンターは1960年頃には開発され市販されています。そういう測定器がありながら、研究者が何もしないでいるという認識はどこからくるのか、私には理解できません。

1960年頃に市販されたというのは意味があります。その当時、大気中核実験が非常にさかんで、世界中に放射性物質が降ってきたわけです。もちろん降下量のモニタリングもしていますが、それを人がどの程度体内に取り込むかの結果も欲しいからホールボディカウンターの購入とモニタリングが行われたわけです。

疫学調査という言葉からは、この内部被ばく量と健康影響の調査ということになりますが、報告書には特に健康に関する記載は特に無いようです。あれば書いたのではないかと思いますけどね。

1964年がもっとも降下量の多い年ですが、その時でも人の内部被ばく量は600ベクレル弱であったようです。人はもともと4000ベクレル程度の放射性カリウム40を体内に持ちますし、出すγ線もそんなに違うものではないので、600ベクレル程度の上積があっても何の影響も観測されなかったのではないでしょうか?
Posted by 分析化学者 at 2014年05月27日 16:22
雁屋哲という人はこれまで漫画というフォーマットの上で好き放題言い散らしてきました。ジャズを擁護してクラシック音楽を非難するとか国産車を擁護して外国車を貶めるとか・・・

ばかばかしいですが漫画なら許されてもいいでしょう。NHKのクローズアップ現代に呼ばれてコメントしてるのはどうかと思いますが、これは呼んだNHKが悪い。

今回の騒動で滑稽なのは作者本人が「責任は私にある」などとコメントしていることです。ただのエンターティメントに何の責任があるのか。おそらく本人はジャーナリストのつもりなんでしょう。雁屋哲にとって「表現の自由」などという擁護は擁護に感じないはず。むしろ問題にして欲しいはずです。

エンターティメントと言論の境界は昔から曖昧でした。ボブ・ディランが偉大なのは問題にされるフィールドに問題を持ち込んだことです。雁屋哲はそうではない。表現の場に政治を、具体的場に抽象性を、抽象的思想に具体的問題を持ち込んでいます。つまり反則なのです。

反則攻撃でジャッジの判定を意に介さずジャーナリスト面して得意になってる様は滑稽としか言いようがありません。表現の自由とは実は血みどろの歴史なのです。
Posted by tubird at 2014年05月28日 19:46
>水酸基(-OH)は、毒性が強いものではない。アルカリ性の溶液にはすべて含まれる。
>それどころか、中性や酸性の溶液にもたくさん含まれる。
>これを危険だと言うことは、「私は化学の授業をサボっていたので理解できません」と言っているだけだ。

美味しんぼは
「水酸基(-OH)という様な、」 とあるように、「という様な」スーパーオキシドアニオンラジカル(通称スーパーオキシド)、ヒドロキシルラジカル、過酸化水素、一重項酸素のことをさしているのだが?

しかも、活性酸素による多くの生体損傷は過酸化水素よりもヒドロキシルラジカルによるものとされているんだが?

どちらが授業をサボっていたのかな?
Posted by タコ at 2014年05月31日 08:30
>鼻血の最大の原因は、ストレスであろう。そのことは、医学的に常識となっている。

放射性壊血病
放射性血友病(?)

血液凝固カスケードも知らんのか?

似非理系さん?

http://blog.livedoor.jp/tacodayo/archives/7254594.html

【被爆による鼻血のメカニズム】
放射線被爆→活性酸素などの遊離基処理でビタミンC消費
様々なストレス→ビタミンC消費
(ビタミンCは抗ストレスホルモンのアドレナリンの生成で補酵素として消費されます)
さらに日々の代謝→ビタミンC消費

ビタミンC欠乏

コラーゲン生成不能

体内のあちこちで内部出血

コラーゲン欠乏でvWFが機能しない

血小板が固まらない

『壊血病』発症

コラーゲン欠乏でvWFが機能しません→血小板が固まらない

鼻血止まりません

□高線量被爆→骨髄細胞やられる→血小板だけでなく白血球や赤血球も少なくなる

□低線量被爆→ビタミンC欠乏によるコラーゲン不足からvWFに始まる一次止血のメカニズムが働かない

以下
内科医 小野俊一氏講演
20130117熊本赤十字 福島原発災害の真実と内部被曝: http://youtu.be/Dk1S76dtZ3w

耳鼻科学会(45分)フクシマの真実と内部被曝: http://youtu.be/CaaGE3A8-J8

水戸平和フォーラム 元東電社員が「福島」報告: http://youtu.be/xMO6bqbUOMM
Posted by タコ at 2014年05月31日 08:46
> by タコ

 水酸基については、本文中で引用したように、
「水酸基(-OH)という様な、毒性の強いラジカルと呼ばれるものになる」
 という台詞があるから、それをそのまま引用して述べたものです。私は「水酸基は毒性の強いラジカルじゃない」と述べただけですよ。あなたの言っているのはピンぼけ。狙うマトが違う。

> 活性酸素による多くの生体損傷は過酸化水素よりもヒドロキシルラジカルによるものとされているんだが?

 その濃度(量)が低すぎる、というのが本文中で述べたことです。あなたの言っていることはピンぼけ。
 どうせなら水道水に含まれているヒ素の量でも心配したら? ヒ素だって危険物ですよ。飲んだら死にますよ。それがあらゆる水道水に含まれています。(ものすごく微量だけど。)

> 被爆による鼻血のメカニズム

 (そんなものが推定できるとしても)現実には起こっていない、というのが本文中の話です。現実に、福岡などの他地域よりも、ずっと少ない頻度です。
 起こってもいない現象の過程を推測しても無意味です。現実に起こっているのは、「福島だけで起こる鼻血」ではなくて、「どこでも起こる鼻血」(ストレスによるもの)だけです。
 
 ──

 あと、あなたの誤読の一例を示すと……
 「理系」というのは、「私が理系だ」と述べているのではなくて、「このサイトが理系の話題を扱います」ということです。
 このことを理解できるぐらいの日本語力をもちましょう。
Posted by 管理人 at 2014年05月31日 09:49
低レベルのゴミコメントが来るので、コメントの受付を停止します。
Posted by 管理人 at 2014年05月31日 11:19
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