2014年05月14日

◆ 炭酸ガスの削減は不要

 地球温暖化を阻止するためには炭酸ガスの削減が必要だ、と言われるが、実は必要ない。IPCC 自身がそれを認めている。 ──

 地球温暖化のせいで南極の氷がすべて溶けてしまう、という記事があった。
 アメリカ航空宇宙局(NASA)は5月12日、過去40年に及ぶ観測の結果、南極西部の氷床が温暖化の影響で急速に溶け出し、遅くとも数百年で完全に消失する可能性が高いことを確かめたと発表した。氷床がすべて溶けた場合、海面上昇は少なくとも1.2メートル、最大で5メートル前後に達する可能性もあると指摘している。
 一方、この研究とは別に、アメリカ・ワシントン大学の研究チームは12日、南極西部の同じ地域で、沿岸氷河の融解によって氷床が崩壊し始めているというコンピューターによるデータ解析結果をアメリカの科学誌「サイエンス」に発表した。早ければ200年〜千年後に巨大氷床が崩壊して大規模な海面上昇が起きると予測している。
( → 南極西部の氷床、数百年で消失か NASA「後退は制止できない」

 これをもって、「大変だあ! 大急ぎで炭酸ガスを削減せねば!」という声も出ているようだ。
 しかし、あわてる必要はない。南極の氷がすべて溶けるとしても、それは 200年〜千年後のことだ。それまでに人類の歴史は大きく変化しているはずだから、今の時点で大騒ぎする必要はない。
( ※ それはいわば、19世紀初めの人々が、現在の我々のことを想像して心配するようなものだ。コンピュータの存在も予想できなかった人々が心配するようなことはないのだが。)

 ──

 大騒ぎは別として、現実にはどうなるか? 「地球温暖化を阻止するためには炭酸ガスの削減が必要だ」と言われる。それを主張していたのは IPCC だが、実は、今では IPCC 自身がその主張が誤りだったことを認めている。
( ※ 誤りという言葉を使っているわけではないが、以前とは正反対のことを主張している。)
 以下で朝日の記事を紹介しよう。
 国連の気候変動に関する政府間パネル(IPCC)が4月に公表した報告書……が挙げているのは、原発と、風力や太陽光などの再生可能エネルギー、排出される CO2 を回収して地中に封じ込める CCS と呼ばれる技術を活用した火力発電所の三つだよ。
 人類が CO2 を大量に出し始めた18世紀半ばの産業革命のころと比べて、気温の上昇を2度以内に抑えようとすれば、電力に占める低炭素エネルギーの割合を現在の3割から2050年までに8割に引き上げる必要があると言っている。
 IPCCが今ある原発を耐用年数まで使い、新しい原発をつくらないというシミュレーションを検討したら、温暖化対策全体の費用の面ではあまり上がらず(費用の上昇率は7%)、風力や太陽光発電と置き換えられるという結論になった。一方、 CCS が使えないと費用は大幅に上がるそうだ(同138%)。IPCCは原発より CCS を重視していると言えるね。
( → 朝日新聞 2014年5月14日

 ここで示されているように、ことさら無理に炭酸ガス削減の努力をしなくても、次の二つがあれば問題はないのだ。
  ・ CCS (炭酸ガスを地中に封じ込める)
  ・ 風力や太陽光発電

 
 これらは、現時点では完成された技術ではない。だが、今後数十年のうちに十分に実用化されると見なされている。
( ※ そもそも太陽光発電の推進派の理屈が、「補助金を出せばすぐに太陽光発電が実用化する」というものであった。実際にはそれほど短期間では済まないだろうが、数十年の期間があれば十分に可能だ。)

 ──

 結局、上記の二通りの技術があるがゆえに、炭酸ガス削減の必要はことさらない。つまり、IPCC の大騒ぎは、ただの嘘だったのである。「狼が来た」と叫ぶオオカミ少年と同様に。
 この件は、実は、私がずっと前から指摘しておいたことだ。

 (1) 地中封じ込め

 炭酸ガスを地中に封じ込めればいい。このことは、2008年07月10日の時点で、「これこそ唯一の方法」というふうに指摘した。
 地球温暖化論者の意見が正しい、ということも考えられる。その場合には、どうするべきか? 実は、うまい対処法がある。炭酸ガスを、地中に固定することだ。
 実を言うと、「炭酸ガスの固定」というのは、炭酸ガスを削減するための唯一の方法である。
( → 炭酸ガスの固定

 これまでマスコミは、「炭酸ガス削減のために、排出量を大幅に抑制せよ。そのために京都議場書を何とかせよ」というふうに主張してきた。だが、私は「排出量を今すぐ抑制する必要はない。むしろ地中に封じ込める技術を使えばいい。それも、数十年後に」というふうに主張してきた。
 そのことが、今回の IPCC の報告書で、追認されたと言えるだろう。(私から6年遅れて、IPCC もようやく気づいたようだ。)

 (2) 太陽光発電

 太陽光発電は、技術革新によって大幅にコストダウンすることが予想されているから、それまで待てばいい。今は特に普及を促進する必要はない。補助金はまったく必要ない。……という趣旨のことを、これまで何度も述べてきた。
  → 太陽光発電の将来と地域
  → 米国の太陽光発電
 というわけで、「炭酸ガス削減のために今すぐ大幅な努力を」などと叫ぶ必要はない。単に技術革新を待てばいいのだ。果報は寝て待て。

 ──

 結局、以上からわかるように、IPCC はただのオオカミ少年にすぎなかった。本当は、人々は何も騒ぐ必要はない。技術を開発する研究者がきちんと研究をすればいいだけだ。普通の人々がなすべきことは、ただ待つことだけだ。大騒ぎすることは、害があって益はない。
 ま、開発資金を出してくれるのならば、いくらかは意義があるが、日本の再生エネ促進法のように、無駄なことに金を使うのであれば、害があって益はない。やらない方がマシだ。
 どうせ私の言ったことと同じ結論に至るのだから、IPCC も、朝日新聞も、大騒ぎしないで、私の意見を聞いていればよかったのだ。



 [ 付記 ]
 炭酸ガス濃度の抑制のためには、地中封じ込めや、太陽光発電が効果的だろう。ただしそれは、「温暖化阻止」と同義ではない。
 「温暖化阻止」のためには、炭酸ガス濃度の抑制よりは、「緑地の増加」の方が有益だ。この件は、すでに何度も述べた通り。
  → サイト内検索



 【 関連項目 】
 参考情報。

 → 炭酸ガスを南極で封入
  炭酸ガスを封じ込めるための具体的な方法。低コスト。

 → 太陽光発電は長期的には?
  技術革新は具体的には? 当面はシリコン型でいいが、
  長期的には別のタイプが必要だ。ブレークスルーのために。
posted by 管理人 at 23:21| Comment(4) | エネルギー・環境2 | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
地中固化CSSが難しくても大幅な緑化も同時に進めるべきなのでしょう。現状の緑地面積では役不足と思いますが、草原ではなく森林にすることで気候変動の緩和も担えそうです。

南極の氷床融解は海水温の低下を引き起こすのでこのまま一次関数的に進行するのではなく、抑制機能も働いてそれほど深刻なことにならないのでは?と思うのですが、このあたりは騒いで金を取りたい方々の思惑が強そうです。

氷上に付着した煤煙の吸熱作用は二酸化炭素による揺るやかな温暖化よりも氷床融解への効果は大きいと考えられます。
これを抑制する為には、PM2.5を含む煤煙や強酸系酸性雨の元を大気中に撒き散らしているはた迷惑な国々が煤煙や硝酸、硫酸を除去する技術を導入する事が必要だと考えます。
このへん、技術貸与か提供か、色々めんどくさい政治的絡みが生じそうで、小さな島国の努力だけではいかんし難い様な気がします。
Posted by 京都の人 at 2014年05月14日 23:47
<STRONG>[ 付記 ]</STRONG> を加筆しました。
 タイムスタンプは 下記 ↓
Posted by 管理人 at 2014年05月15日 00:47
教えてください。
炭酸ガスと温度の関係、因果関係を逆に解釈しているときいたことがあります。
炭酸ガス濃度が原因で、温度があがる(結果)というのは本当なんでしょうか?
Posted by 覚蓮坊 at 2014年05月15日 04:35
温暖化で、南極の氷はむしろ増加するというのがIPCCの見解だったはずですが。
理屈の上でも、数度程度の気温上昇ならば、南極の氷の融解量の増加よりも、海水の蒸発の増加→南極への降雪量の増加のほうが大きいのは明らかかと。
Posted by たま at 2014年05月15日 05:23
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