2014年04月29日

◆ 粒子と波の転換

 (物理学の超球理論で) 粒子と波は、いかにして転換が起こるか? ──

 この問題については、前に簡単に説明した。
  → 粒子の出現
 そこでは、次のように述べた。
 超球理論では、次のように考える。
 「波にはエネルギーがある。粒子にもエネルギーがある。両者の間にはエネルギー保存則が成立する。波のエネルギーが消滅して、粒子のエネルギーが生じるときに、『波から粒子へ』という転換が起こる」


 ここでは、エネルギー保存則が成立する。そのおかげで、全体としてはエネルギーが保たれたまま、エネルギーの形態が変わる。それが「波から粒子へ」という転換だ。
 つまり、その本質は、エネルギーの形態が変わることだ。

 これはこれでいいのだが、いささか説明不足でもある。そこで、いっそう深く考えよう。
 「粒子と波の転換とは、何を意味するか?」

 ──

 そもそも、粒子と波は、いかにして区別されるのか?
 通常は、次のように区別される。
  ・ 静止している量子は、粒子である。
  ・ 光速に近い速度で運動している量子は、波である。

 ここで、粒子であるか波であるかは、次の指標によって決まる。
  ・ 粒子 …… 局在している(狭い範囲内)
  ・ 波  …… 空間全体に分布している(広い範囲内)

 後者の発想は、ファインマンの「経路積分」の発想と同じだ。この件は、前に述べた通り。
 ※ 「空間全体に分布」といっても、均等ではなくて、濃淡がある。
   存在確率の高い領域では、濃くなっていると考えるといい。


 ──

 さて。上記の指標に従うなら、次の中間的な場合も考えられる。
 「中間的な速度では、やや狭い領域に存在する確率が高い(その領域でのエネルギー密度が高い)」
 ここでは、次の二点が同時に成立する。
  ・ 速度は中間的である
  ・ 存在する領域も中間的である

 この場合には、粒子と波の中間的な状態にある。
 「何だ、それは?」
 と思うかもしれないが、別に、不思議ではない。「指向性の高い波だ」と考えればいいだろう。光でいえば、振動数の高い(波長の短い)波が、それに該当する。

 さて。以上のように考えると、粒子と波の区別は付くが、粒子と波の転換の仕方がうまく説明しがたい。粒子と波はいかにして転換が起こるのか?

 ──

 まずは、次のこと(前出と同じ)を示す。
 「粒子と波は、それぞれ、エネルギーの形態である。波が粒子になるときには、波のエネルギーが粒子のエネルギーになる。粒子が波になるときには、粒子のエネルギーが波のエネルギーになる」


 これに基づいて、次の発想が成立しそうだ。
 「波が粒子になるときには、空間のエネルギーが粒子という一点に凝縮する。そのようなことが起こるような原理がある。その意味で、コペンハーゲン解釈のようなこと(確率や波束の収束)が、実際に起こっている」


 しかし、そのような原理があるというのは、わかりやすくはあるが、いかにも不自然である。空間全体に作用する特別な原理があるというのは、あまりにも御都合主義だ。自然というものは、人間にわかりやするするための原理をもつのではなくて、シンプルな原理をもつものであるはずだからだ。
 その意味で、上記のような解釈(コペンハーゲン解釈に準じた解釈)は、成立するとは思えない。真実はもっとシンプルであるべきだ。

 そこで、新たな発想を呈示しよう。こうだ。
 「波が粒子になるというのは、エネルギーの転換が起こるように見えるが、実際は、エネルギーの転換は起こっていない。単にエネルギーの消滅と発生が起こっているだけだ」


 これに基づいて、次のような発想を呈示する。
 「波が粒子になるときには、粒子エネルギーの発生と、波エネルギーの発生が、同時に起こっている。ただし、その総和はゼロである。粒子エネルギーの発生はプラスであり、波エネルギーの発生はマイナスである。差し引きしてエネルギーの総和は同じである。(エネルギー保存則)
 ここで、粒子が発生するとき、粒子エネルギーはプラスになる。同時に、粒子の発生に伴う波のエネルギーはマイナスになる。この《 マイナスのエネルギーの波 》と、もともとある波とが、同時に存在する。すると、遠方では、二つの波がたがいに干渉して、打ち消し合うので、波がまったく存在しないように見える」


 この場合、結果的には、次の三つが存在する。
  ・ 粒子 (プラスのエネルギー)
  ・ 波  (上記の分で、マイナスのエネルギー)
  ・ 波  (もともとある波で、プラスのエネルギー)


 ここで、後者の二つの波が打ち消し合う。だから、残るのは「粒子」だけである。

 以上のことを、初めから最後まで並べると、次の順次なる。

 (1) 波(+) 
 (2) 波(+) & 粒子(+) & 波(−)
 (3) 粒子(+)


 【 解説 】

 初めは、プラスのエネルギーの波だけがあった。
 次に、プラスのエネルギーをもつ粒子と、マイナスのエネルギーをもつ波が、同時に発生した。
 最後に、プラスのエネルギーをもつ波と、マイナスのエネルギーをもつ波が、打ち消し合った。
 結果的に、空間における波は消滅して、局所における粒子だけが残った。

 ──

 以上のようにして、「粒子と波の転換」が、シンプルな原理で説明される。

 【 注記 】

 この解釈のためには、「マイナスのエネルギー」という概念が必要である。その点、注意。
 この概念は、やや不自然に思えるかもしれないが、量子力学ではどうしても必要となる概念であろう。(ディラックの「陽電子」という概念に似ているかもしれない。)
 「マイナスのエネルギー」という概念は、超球理論では、一般相対論や加速度を考えるときにも、必要となる概念だ。
  It is the idea of "negative energy" or "energy of minus value".
( → Superballs and Superstrings

 ※ 英語版のみです。和訳はありません。



 【 関連項目 】

 → 負のエネルギー/負の確率
 
 → 量子の非局在性
  この項目では、本項と同じ話題を扱っている。わかりやすい解説があるので、
  この項目もぜひ読んでほしい。
posted by 管理人 at 19:23| Comment(0) | 物理・天文 | 更新情報をチェックする
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