2014年04月09日

◆ 電子式の実験ノート

 紙の実験ノートのほかに、電子式の実験ノートというのもある。 ──

 先に、紙の実験ノートについて言及した。
  → 実験ノートの取り方

 この項目のコメント欄で、電子式の実験ノートというものが話題になったので、これについて新たに言及しておこう。

 ──


 (1) Wikipedia

 Wikipedia に、電子式の実験ノートについての言及がある。
  → 実験ノートの電子化 ( Wikipedia )
 ここでは、「ブログベースの実験ノート」というものが提案されている。上記記事には、「Wikiに近いシステムである」と書いてあるが、「記事を書かれた時間順に表示する」という要件があるので、まさしくブログのようなものだと考えていいだろう。


 (2) 製品

 具体的な製品(ソフトウェア)は、島津製作所と塩野義製薬から販売されているそうだ。(上記記事)。
 価格はいくらか? 島津製作所の製品は、ライセンス数によるが、少数ならば 500万円程度で、多数ならば 2000万円程度。塩野義製薬の製品は、一般販売はされておらず、見積もりの注文を受けつけているだけだが、島津製作所の製品と大同小異だと推察される。
 要するに、どちらも馬鹿高値である。普通の大学の研究室だと、それだけで研究費の大部分がすっ飛ぶ。つまり、購入は不可能。


 (3) 無料製品

 無料で済ませるにはどうするか? 無料のブログを使えばいい。ただし、たいていのブログは、アクセス制限ができない。アクセス制限ができるものをネットで探したら、次のものが該当するという情報を得た。
  ・ はてなダイアリー/はてなブログ (はてなのIDで、アクセス許可を与える)
  ・ Blogger というブログ ( Google のアカウントで、アクセス許可を与える)
  ・ mixi (もともと閉鎖的な SNS である。ただし永続性に不安がありそう。)

 これらのものならば、「無料のブログ」「限られたグループだけがアクセスできる」という条件を満たす。


 (4) 改ざんの記録

 すぐ上の無料ブログは、「ファイルの履歴管理」という機能はない。それゆえ、改ざんの有無を記録できない。あとで勝手に改ざんがあったとしても、それは見逃されてしまう。
 その意味で、「真正さ」を保証することはできない。そこまで保証したいのであれば、ファイルの履歴管理のあるファイルサーバーを利用するしかないだろう。(クラウド上で使うのであれば、Dropbox にその機能がある。)
 しかしまあ、他人に「改ざんのないこと」を証明するのではなく、「グループ内で情報を共有してチェックし合う」ということだけが目的であるならば、(3) の無料製品でも十分だろう。私としてはこれをお薦めする。


 (5) 他のソフト

 コメント欄では「 MS-Word の文書に記録する」という案も示されていたが、これは、ブログに比べて、共有制や検索性が低いので、お薦めできない。
 どちらかというと、ネット上の共有システムの方がいい。具体的には、OneNote というソフトだ。
  → Microsoft OneNote

 これは、個人用途は無料。
  → 最新のMicrosoft OneNote 2013が突如無償に
  → http://www.onenote.com/ (ダウンロード)

 業務用途は有料だが、Microsoft Office の高級版には含まれているので、それを買えば済む。(どっちみち研究費で買うのだし、Office はもともと買っているはず。)




Microsoft Office Home and Business 2013



 OneNote を実験ノートとして使うとどうなるか……という話は、ネット上に体験記がいっぱいあるので、それを参照するといいだろう。
  → onenote 実験ノート - Google 検索

 【 追記 】
 OneNote では履歴管理もできるそうだ。
  ・ 変更箇所だけを拾い上げる。
  ・ 以前のバージョンを取り戻す。
 このいずれも可能であるそうだ。詳しくは、ググればわかる。
  → Microsoft OneNote 履歴 - Google 検索
posted by 管理人 at 23:43| Comment(6) | 科学トピック | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
ファイルのコミット、バージョン管理、無料であること、さまざまな観点からして、SubversionとかGitとかが最適なのではないでしょうか?
Posted by はるお at 2014年04月10日 05:51
> SubversionとかGitとか

テキストファイルしか扱えそうにないようですけど。
画像や表は扱えるんでしょうか?
Posted by 管理人 at 2014年04月10日 06:59
その用途でしたら、サイボウズLiveが最適かも。
定番の無料グループウェアです。
https://cybozulive.com
Posted by 深海誠 at 2014年04月10日 10:46
> サイボウズLiveが最適かも。定番の無料グループウェアです。

無料はチームごとに1GB。それを越えると、1人月100円。払わないと、アクセスできなくなる。
Posted by 管理人 at 2014年04月10日 13:01
自分のところの環境ではもちろんバイナリファイルもすべて含めてバージョン管理しています。
オライリーで充分、バージョン管理の基礎から運用まで学べると思います
Posted by はるお at 2014年04月10日 16:54
> SubversionとかGitとか

ちょっと見たけど、バージョン管理専用であって、文字や画像の書き込みは別にアプリがいるみたいですね。

OneNote ならば、文字や画像の書き込みと、バージョン管理が、いっしょにできます。あと、スマホからも使える。

なお、OneDrive のアカウントをもっていさえすれば、OneNote のファイルを自分のクラウドに作成できる。これも便利。
 たとえば、サンプルとして作ったファイル。
  → http://1drv.ms/1kNaStS
( 公開ファイル。表示するには、マイクロソフトのアカウントが必要。)
Posted by 管理人 at 2014年04月10日 19:47
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

過去ログ