先に、紙の実験ノートについて言及した。
→ 実験ノートの取り方
この項目のコメント欄で、電子式の実験ノートというものが話題になったので、これについて新たに言及しておこう。
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(1) Wikipedia
Wikipedia に、電子式の実験ノートについての言及がある。
→ 実験ノートの電子化 ( Wikipedia )
ここでは、「ブログベースの実験ノート」というものが提案されている。上記記事には、「Wikiに近いシステムである」と書いてあるが、「記事を書かれた時間順に表示する」という要件があるので、まさしくブログのようなものだと考えていいだろう。
(2) 製品
具体的な製品(ソフトウェア)は、島津製作所と塩野義製薬から販売されているそうだ。(上記記事)。
価格はいくらか? 島津製作所の製品は、ライセンス数によるが、少数ならば 500万円程度で、多数ならば 2000万円程度。塩野義製薬の製品は、一般販売はされておらず、見積もりの注文を受けつけているだけだが、島津製作所の製品と大同小異だと推察される。
要するに、どちらも馬鹿高値である。普通の大学の研究室だと、それだけで研究費の大部分がすっ飛ぶ。つまり、購入は不可能。
(3) 無料製品
無料で済ませるにはどうするか? 無料のブログを使えばいい。ただし、たいていのブログは、アクセス制限ができない。アクセス制限ができるものをネットで探したら、次のものが該当するという情報を得た。
・ はてなダイアリー/はてなブログ (はてなのIDで、アクセス許可を与える)
・ Blogger というブログ ( Google のアカウントで、アクセス許可を与える)
・ mixi (もともと閉鎖的な SNS である。ただし永続性に不安がありそう。)
これらのものならば、「無料のブログ」「限られたグループだけがアクセスできる」という条件を満たす。
(4) 改ざんの記録
すぐ上の無料ブログは、「ファイルの履歴管理」という機能はない。それゆえ、改ざんの有無を記録できない。あとで勝手に改ざんがあったとしても、それは見逃されてしまう。
その意味で、「真正さ」を保証することはできない。そこまで保証したいのであれば、ファイルの履歴管理のあるファイルサーバーを利用するしかないだろう。(クラウド上で使うのであれば、Dropbox にその機能がある。)
しかしまあ、他人に「改ざんのないこと」を証明するのではなく、「グループ内で情報を共有してチェックし合う」ということだけが目的であるならば、(3) の無料製品でも十分だろう。私としてはこれをお薦めする。
(5) 他のソフト
コメント欄では「 MS-Word の文書に記録する」という案も示されていたが、これは、ブログに比べて、共有制や検索性が低いので、お薦めできない。
どちらかというと、ネット上の共有システムの方がいい。具体的には、OneNote というソフトだ。
→ Microsoft OneNote
これは、個人用途は無料。
→ 最新のMicrosoft OneNote 2013が突如無償に
→ http://www.onenote.com/ (ダウンロード)
業務用途は有料だが、Microsoft Office の高級版には含まれているので、それを買えば済む。(どっちみち研究費で買うのだし、Office はもともと買っているはず。)
Microsoft Office Home and Business 2013
OneNote を実験ノートとして使うとどうなるか……という話は、ネット上に体験記がいっぱいあるので、それを参照するといいだろう。
→ onenote 実験ノート - Google 検索
【 追記 】
OneNote では履歴管理もできるそうだ。
・ 変更箇所だけを拾い上げる。
・ 以前のバージョンを取り戻す。
このいずれも可能であるそうだ。詳しくは、ググればわかる。
→ Microsoft OneNote 履歴 - Google 検索

テキストファイルしか扱えそうにないようですけど。
画像や表は扱えるんでしょうか?
定番の無料グループウェアです。
https://cybozulive.com
無料はチームごとに1GB。それを越えると、1人月100円。払わないと、アクセスできなくなる。
オライリーで充分、バージョン管理の基礎から運用まで学べると思います
ちょっと見たけど、バージョン管理専用であって、文字や画像の書き込みは別にアプリがいるみたいですね。
OneNote ならば、文字や画像の書き込みと、バージョン管理が、いっしょにできます。あと、スマホからも使える。
なお、OneDrive のアカウントをもっていさえすれば、OneNote のファイルを自分のクラウドに作成できる。これも便利。
たとえば、サンプルとして作ったファイル。
→ http://1drv.ms/1kNaStS
( 公開ファイル。表示するには、マイクロソフトのアカウントが必要。)