2014年03月28日

◆ ずさんさ/愚かさ

 「ずさんさで説明できることに、愚かさを見出すな」。
 これは格言のようなもの。「ハンロンの剃刀」のもじり。 ──

 先に、ハンロンの剃刀を紹介した。下記だ。
 「愚かさで説明できることに、悪意を見出すな」


 これのもじりで、次のことを示そう。
 「ずさんさで説明できることに、愚かさを見出すな」


 つまり、いちいち「愚かだ」というふうに貶(おとし)める必要はない。単に「ずさんだ」というだけで済むならば、それで片付けた方がいい。

 ──

 これは何のことかというと、次の報道があったからだ。
 「 STAP細胞を ES細胞にすり替えたのだろう、という推測があったが、実は、コンタミ(異物混入)を疑わせる根拠があった。小保方さんは実験室で、STAP細胞のそばに、ES細胞を並べておいたのだ」

 つまり、STAP細胞の培養皿と、ES細胞の培養皿を、並べておいたのである。何でまたそんな馬鹿なことをしたのかというと、「対比用」とのことであった。(絶句!)

   ※ 本日発売の週刊文春による。
   ※ 発言者は、小保方さんの実験室を覗ける立場にある人だろう、
     というふうに推測されている。

 上記情報は、ソースが匿名掲示板らしいので、信頼性は高くない。だが、十分に考えられることだ。というか、まともな人間がそばで見ていれば、黙っているわけには行かないから、ソースを明かさない形で、2ちゃんねるあたりで暴露するのは、正義感からして当然とも言える。

   ※ 上記の情報が現実かどうかは、今は特に問題ではない。

 ──

 ここまで、「 STAP細胞を ES細胞にすり替えたのだろう」という推測があった。そして、その根拠として、「悪意の捏造」とか、「計画的な捏造」とか、「人格障害」とか、さまざまな理由が想定された。しかし、そのような特別な想定は不要なのだ。

  ・ 単に「ずさんさ」のせいで、コンタミが起こりうる。(上記)
  ・ コンタミがあれば、ES細胞は急激に増殖する。( → 別項[ 付記2 ])


 こんな単純な二つのことで、「 STAP細胞が ES細胞にすり替わった」ということが説明される。そして、この説明は、さまざまな状況証拠に整合的である。
( ※ これは、性格のずさんさと知性の低さに、整合的である。)
( ※ 捏造説や人格障害説は、緻密な計画性や高度な知性を必要とするので、性格のずさんさと知性の低さに、不整合である。)

 ──

 というわけで、冒頭の言葉を当てはめたい。
 「ずさんさで説明できることに、愚かさを見出すな」

 さらに、ハンロンの剃刀も。
 「愚かさで説明できることに、悪意を見出すな」



 [ 付記 ]
 本質的に言えば、今回の出来事は、先の [ 付記2 ] が重要だ。再掲すると、こうだ。
 「やたらとコンタミの起こる環境(ずさんな環境では)では、ES細胞が混じっただけで、ひとりでにシャーレの中身は ES細胞に置き換わってしまう。というのは、ES細胞は、増殖力がものすごく強いからだ。いちいちすり替えをしようと思わなくても、ずさんであるだけで、すり替えと同等の結果になってしまう」
 仮に、ES細胞でなければ、この問題は発生しなかっただろう。少しぐらい別の細胞のコンタミがあったとしても、それは微量であるに留まるからだ。
 しかるに ES細胞の場合には、増殖力が強すぎるので、ちょっとコンタミがあっただけで、全体が ES細胞に置き換わってしまう。……ここが「捏造疑惑」のポイントだと思う。
( → 別項

 ここでは、最初にあったのは、一つのずさんさだけだった。それは通常ならば、微量のコンタミをもたらすだけだった。ところが、今回は、ES細胞が急激に増殖して、微量のコンタミを莫大に増殖した。その量は、10の 60乗(10^60)というレベルである。(ほとんど天文学的な巨大さだ。)
 こうして、たった一つのエラーの結果(それはごくちいさなものだった)が、ものすごく莫大に増殖した。ES細胞の特殊な性質のせいで。

 そのあと、人々は思った。
 「これほど巨大な結果を起こしたからには、その原因もまた巨大であったはずだ。この捏造をもたらした人には、ものすごい悪意や計画性があったはずだ」

 しかし実は、そうではなかったのだ。巨大な結果は、ごく小さな原因から起こったのだ。そして、その両者を結びつけるものは、「急激な増殖性」という ES細胞の特殊な性質だったのである。この特性を見失ったせいで、人々は真相に目をふさがれたのである。
 


 【 後日記 】
 小保方さんの会見(4月09日)では、「 ES細胞の混入はありえない」という彼女の発言があった。
  → 小保方氏一問一答
 しかし、「ES細胞の培養はしていなかった。混入は起こりえない」という回答は、彼女の思い違いとしか思えない。というのは、すでに知られている通り、若山さんが渡したマウス(129系)とは違うマウス(B6系)の STAP幹細胞が若山さんに渡された、という事実があるからだ。
  → 保存細胞にも疑念 実験と別種のマウスと判明

 会見における彼女の発言は、嘘か? いや、「彼女が故意に嘘をついた」とは思わない。だが、「勘違いした」ということだろう。ES細胞の培養はしていなくても、混入は起こりうる。 なのに彼女はその事実に気づかないでいる、というだけのことだろう。
  


  ※ 以下はオマケの話です。


 【 追記 】
 「都合のいいデータだけが残っているのはなぜか? データを改ざんしたからだろう」
 という疑いがある。(コメント欄にも来た。)
 これについて回答しておこう。

 改ざんの可能性もあるが、証拠もなしに疑惑だけで決めつけるのは妥当ではない。また、改ざんしたにしては、データがずさんすぎる。というのは、改ざんによって整合性がなくなっているからだ。
 「うまくつじつまがあるように虚偽のデータに書き換える」というのなら、改ざんが疑われる。しかし実際には、「ちょっと見るとまともだが、きちんと調べればただのデタラメ」「まともに調べれば、検体の取り違えにしか見えない」というふうになっている。
 これは、改ざんしたというより、正直に報告しているとしか思えない。(実際に検体の取り違えをして、それを正直に報告した、と見なせば、つじつまが合う。)
 
 ではなぜ、都合がいいデータばかりがあるように見えるのか?理由は簡単だ。何度も実験をして、都合のいい場合だけを取り上げたからだ。そもそも、「実験は一回しか行われていない」と思うのが錯覚である。実際には何十回もやったはずだ。そのうち、都合の良さそうな場合(検体の取り違えのあった場合)だけを抜き出して、それを報告したのだろう。……こう考えれば、すべてつじつまが合う。
 一方、改ざんしたとなると、そのデタラメなデータの具合が意味をなさない。「本当らしく」改ざんしたのならわかるが、「嘘らしく」改ざんしたのでは意味がない。
 というか、そもそも、小保方さんにデータの解釈をする能力があるかが疑わしい。機械の操作法もわからない人が、データの意味をまともに理解できているとは思えない。改ざんをするには、データの意味を理解するだけの知性が必要だが、これまでの情報を得る限り、とても改ざんするだけの知性があったとは思えない。
 「改ざんした」と思う人々は、彼女の能力を買いかぶりすぎている。彼女はとても、高温超伝導や ES細胞の捏造事件のときの人のような、高度な知性は持っていないはずだ。
posted by 管理人 at 19:40| Comment(21) |  STAP細胞 | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
ずさんであることは、それ自体が愚かだと思うますけど。
私はそもそも悪意があったと思っていますが、それを抜きにしても良く分からない理屈。
「愚か、ずさん」と「悪意」は明確に区別できるけれど、「愚か」と「ずさん」は国語辞典的な意味はともかく、人間性とはして分けては考え難いパーソナリティだと思います。
Posted by 春 at 2014年03月28日 21:05
頭のいい人でも、ずさんなことはしばしばあります。(理論家に多い。物をいじるのが苦手なタイプ。手先が不器用なタイプ。)

知能指数は低くても、几帳面な人はいます。(手先が器用なタイプが多い。)

なお、本項で言う「愚かさ」は、特に前項で示したようなものだと解釈してください。つまり、認知能力に欠けているタイプ。

小保方さんの場合は、明らかにずさんだが、頭がものすごく悪いわけではない。知能指数が超絶的に低いわけじゃない。愚かだということはない。じゃ、何か? 専門家としての素養がないということ。つまり、素人だということ。(素人ゆえのずさんさ。)

素人であれば、ずさんになるが、愚かだということにはならない。素人が愚かだというのなら、世の中の99.9%は愚かになるので、無意味。
Posted by 管理人 at 2014年03月28日 21:13
>素人であれば、ずさんになるが、愚かだということにはならない。素人が愚かだというのなら、世の中の99.9%は愚かになるので、無意味。

素人が素人であることを理解せず振る舞えば愚かですが、素人であることを理解して先人に教えを請えばそれは賢明と言えます。
管理人さんの言うことも理解出来なくはないのですが、すでに言葉遊びの類じゃないかと。
Posted by 春 at 2014年03月28日 21:34
10の60乗はあくまでも理論値であって、実際にそこまで増える訳では無いですよ(太陽より重くなってしまいますから)。

ある程度増えたら半分を廃棄→同じところまでまた増えたら半分を廃棄、みたいなことをしながら、十分に増殖可能な環境(地球上で作り出すことは不可能)が保たれた場合にどこまで増えるかという理論値のようです。
Posted by ステムセル at 2014年03月28日 21:35
先の投稿は少し文章が変でしたので修正します。

ある程度増えたら半分を廃棄→また同じところまで増えたら半分を廃棄、みたいなことをしながら、増殖能を観察したものであって、仮に無限に広がる理想的に整えられた培地が存在した場合に(もちろん実際にはありえない)、どこまで増えるかという理論上の値のようです。

実際には一定のところで増殖は止まります。
Posted by ステムセル at 2014年03月28日 21:42
↑ そういう説明を書いたのは、私ですよ。私の説明を私に教えてくれなくてもいいのに。
Posted by 管理人 at 2014年03月28日 21:52
>>素人であれば、ずさんになるが、愚かだということにはならない。素人が愚かだというのなら、世の中の99.9%は愚かになるので、無意味。

ということは、やはり「素人は愚か」が正解なのでしょう。

世の中の99.9%の愚かな人々の迷妄を、残り0.1%である管理人氏が啓蒙するのが、openブログのはずですから。
Posted by ふむふむ at 2014年03月28日 22:02
私は熟年のエンジニアですが、性格はズサンていうかめんどくさがりです。
なので、失敗は数知れず経験してます。
失敗する度に大汗かいて頭をフル回転させてきました。
おかげで、成果物も沢山あるわけですが。
±ゼロよりちょっとプラスかな・・・

今回のことでは、ES細胞の新事実発見てなことを
期待してます。
Posted by ムギ at 2014年03月28日 22:18
> 世の中の99.9%の愚かな人々の迷妄を

いやいや、私はそれほど自惚れてはいません。
正しくは

「世の中の99.9%の常識的な人々の錯覚を〜」です。錯覚ぐらいは、誰でもありますから。
Posted by 管理人 at 2014年03月28日 22:24
どこかに書いてあったのですか?
見つけられなかったもので、大変失礼しました。
Posted by ステムセル at 2014年03月28日 23:33
上の本文中の 10^60 という青字のリンクをクリックしてから、「半分」で検索すると、2番目に見つかります。
Posted by 管理人 at 2014年03月28日 23:39
確かにありました。コメント欄を最後まで見ずに大変すみませんでした。
もし該当コメントに飛ぶようにリンクされていたのであれば、上手く飛ばなかったのはこちらの閲覧環境のせいです。申し訳ありませんでした。
Posted by ステムセル at 2014年03月29日 00:15
>Posted by 管理人 at 2014年03月28日 22:24
錯覚と真理を科学的に見極めることのできる0.1%の人間が自分であり、99.9%の人たちの錯覚を正すのが当該ブログの目的である。
ということを管理人さんは仰っていると理解すればよろしいですか?
Posted by 質問 at 2014年03月29日 01:22
> 錯覚と真理を科学的に見極めることのできる

誰だってできますよ。コロンブスの卵。
0.1%の人があらかじめ決まっているわけじゃない。

STAP事件でも、私と同じようなことを言っている人はいます。下記。
→ http://www.j-cast.com/tv/2014/03/27200293.html

先入観に凝り固まらない、というぐらいは、誰でもできます。誰でもできるけど、実際にはしない人が多いだけ。人は多数派になびく。
Posted by 管理人 at 2014年03月29日 07:26
「ずさんさで説明できることに、愚かさを見出すな」は,STAP細胞事件には適用できません.
もし,杜撰な実験で,コンタミが起こり,ES細胞をSTAP細胞と誤認したと仮定しても,まともな研究者であれば,比較用ES細胞の実験データと比べれば,それがES細胞であることに気付くはずですので,これに気付かないとしたら,研究者としては "愚か" です.
(結局,"ずさんさ" と" 愚かさ" を兼備えていることになります.)
 
しかし,実際には,小保方氏は,都合の悪い実験データを改竄し,ES細胞をSTAP細胞に見せかけているのです.実験やデータ処理などの途中経過が杜撰で支離滅裂なのに,最終結果だけが,STAP細胞の存在を証明する整合性を持つのは不自然です.これは,故意のデータ捏造以外の何ものでもありません.最終的には,意図的にES細胞を混入した可能性もあります.何れにしても,意図的な操作をしてSTAP細胞を捏造しています.
これは,STAP細胞捏造事件なのです.
Posted by kiz at 2014年03月29日 09:19
>Posted by 管理人 at 2014年03月29日 07:26
うう。このへんから私のようなアホには(汗)

誰だってできるなら0.1%でなく99.9%のよな。
んでこの大多数は素人なんでコロンブスの卵なんすね。なるほど。
でも実際の大多数の素人は誰かえらそうなひとが右向けば右むいちゃいます。真理が左にあることを知っててもです。
Posted by 質問 at 2014年03月29日 09:21
>Posted by 管理人 at 2014年03月29日 07:26

ははあ。私は玉川さんに同感ですが、だめですか?
Posted by 質問 at 2014年03月29日 09:25
それにやっぱ小保方さんが素人ってのがよくわからんです。
私は生物学で食ってませんから、生物学にどんだけ詳しくたって自分は素人だと認識してしまうのです。もちろんぜんぜん詳しくないですけど。
Posted by 質問 at 2014年03月29日 09:31
> もし,杜撰な実験で,コンタミが起こり,ES細胞をSTAP細胞と誤認したと仮定しても,まともな研究者であれば,比較用ES細胞の実験データと比べれば,それがES細胞であることに気付くはずですので,これに気付かないとしたら,研究者としては "愚か" です.

 それは同意します。「研究者としては "愚か" です.」には。
 私が言ったのは、「意図的な混入ではなくて、ずさんさでコンタミが起こった」ということだけです。「小保方さんは愚かではない」と弁護しているわけではありません。むしろあちこちで「愚かだ」と書いています。
 本項のテーマは「小保方さんは愚かか」ではなくて、「コンタミはいかにして起こったか」です。
 一方、チェック不足が駄目だという点は、小保方さんにも、まわりの共著者にもあります。これは弁護できません。(むしろ厳しく指弾しました。)

> 最終結果だけが,STAP細胞の存在を証明する整合性を持つのは不自然です.これは,故意のデータ捏造以外の何ものでもありません.

 それについては今まで説明しませんでしたが、【 追記 】に加筆しておきました。
Posted by 管理人 at 2014年03月29日 09:33
> ははあ。私は玉川さんに同感ですが、だめですか?

駄目ってことはないですよ。
捏造派の人々は、私の意見に「駄目だ!」と批判してきますが、私は別に、捏造派の人々に「駄目だ!」という批判はしません。私はこれまで、特定の人を攻撃したことはないでしょ? 私は「捏造ではない」というふうに主張していますが、他人がそういう考えをもつことを否定はしません。考えはご自由に。他人がどの意見を持つかを批判するつもりはありません。私はそれほど偏狭ではありません。(私を攻撃する人々がそうするからといって、私も彼らと同様のことをするとは思わないでください。)

> それにやっぱ小保方さんが素人ってのがよくわからんです。

ど素人だという意味ではなくて、専門家としての能力を備えていないということです。
自動車で言うと、「車をまったく運転できない」という意味ではなくて、「プロとして業務をするだけの高度な水準にない」ということです。
Posted by 管理人 at 2014年03月29日 09:40
> 質問改めここで消された前科もの

 という人へ。
 学術的な内容が皆無で、特定個人への誹謗中傷だけがあるコメント(★)は、無条件で削除されます。
 たとえ私の主張と合致していてもね。
 
 削除の基準は、「私の意見に合致しているか否か」ではなくて、★です。
Posted by 管理人 at 2014年03月29日 10:03
  ※ コメントが掲載されるまで、時間がかかることがあります。

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