2014年03月25日

◆ STAP細胞の所感

 現時点での所感を簡単に述べる。こうだ。
 「捏造ではなくて、実験ミスだった」 ──

 あれこれと書いてきたが、現時点での所感を簡単に書く。(論説ではなくて、感想です。あくまで個人的な所感です。いちいち「〜と思う」とは書き足さないが、その趣旨で読んでください。)

 (1) 実験ミス

 基本的には、実験ミスだった。理由は、「検体やデータの取り違え」だ。この件は、先に詳しく述べた通り。
  → STAP細胞:取り違えが原因か?
 原因は、小保方さんのずさんさだ。自分が何をやっているかも理解できていないという、ずさんさ。

 (2) 論文のずさんさ

 実験ミスを認識できなかったのは、論文のずさんさだ。この責任は、小保方さん自身よりも、周囲の人々にある。
  ・ プロジェクトリーダーの位置にあった笹井さん
  ・ Nature の査読者 (自家蛍光のチェックも示さず)

 (3) 捏造ではない

 捏造論が強いが、基本的には捏造ではなかったと考える。なぜなら、「だます」という意図がないからだ。
 捏造は、「虚偽を真実に見せかける」という形で、「だます」という趣旨のものだ。しかし、今回は違った。
  ・ 真実を虚偽と見せかける
  ・ 虚偽を虚偽と見せかける
  ・ 真実を別の真実と見せかける

 こういうものが多かった。つまり、「だます」意図はなかった。
 ここでは、「本人が世間をだます」というよりは、「本人が自分自身にだまされている」(間抜けすぎるせいで)という形になっている。「本人が真面目になって語れば語るほど、かえって馬鹿が目立つ」という形だ。ほとんど漫才である。

 ──

 以上からして、次のように言える。

 (i) 「捏造だ」という捏造説は、間違いだった。巧妙な捏造とは逆に、あまりにもずさんすぎたのだ。性格的には、捏造とは対極にあると言ってもいい。

 (ii) 「捏造でも誤認でもないから、真実らしい」という推定をした私は、間違えていた。「捏造でも誤認でもないが、取り違えである」という可能性を見失っていた。論理に欠陥があった。情けない。論理主義を標榜する私としては、顔がつぶれてしまう。「物事を白黒で考えるな」というのは、私の大切なポリシーであったが、「物事を白黒で考える」という陥穽に、まんまと陥ってしまったようだ。……これについては深く反省する必要がある。

 ──

 今後の予想。
 先はまったく見通せないが、いくつかの可能性がある。

 [a] STAP細胞は真実である。Oct4発光や STAP幹細胞が確認される。……この可能性は、あまり大きくないが、ゼロではない。
 [b]STAP幹細胞は、ES細胞のコンタミ(異物混入)ふうの取り違えだった。STAP幹細胞については全否定される。ただし Oct4発光については確認される。STAP細胞の多能性については保留。……この可能性は、けっこうある。
 [c] Oct4発光も含めて、すべてが実験ミスだった。 Oct4発光が確認されたというのは、自家蛍光の誤認だった。……この可能性は、いくらかあるが、下記を参照。

 ──

[c]の場合には、Oct4発光を確認したという先の理研の判断が間違っていたことになる。この場合、自家蛍光と Oct4発光の区別を、理研ができなかったことになる。こんなのを区別するのは、機械を使えば簡単なのだが。
  → SONY スペクトル型セルアナライザー
 というか、そもそも、目視だけでも可能なのだが。
  → Oct4-GFP と自家蛍光の区別
 だから、[c]の場合には、理研(神戸)という組織そのものに壮大な疑問符が突きつけられる。こうなったら、壮大なスキャンダルだよね。まさか、とは思うんだが。
 理研(神戸)の能力を信頼するのであれば、[b]の可能性が高くなる。組織的ないし人間的に未熟であるとしても、研究者として未熟であるとは思えないのだ。それは、換言すれば、「専門家の能力を信頼する」ということだ。
 
 ただ、今は専門家を自称する人々が、(専門家中の専門家である)理研に疑惑を突きつけている。いったい、どうなっているんでしょうね。共食いみたいなものか。



 【 追記 】
 新たな報道が出た。小保方さんが若山さんに渡した細胞が、STAP細胞ではなく ES細胞であったらしい、ということだ。(細胞の種類が、そっちの細胞の種類であった。)
  → STAP細胞 実験マウスに新たな疑問

 これが故意の「すり替え」であれば、「捏造説」の主張の通りとなる。一方、ずさんさゆえの「取り違え」であれば、本項の主張の通りとなる。(私としては後者だと思う。……現時点ではどちらとも判明していない。)
 なお、この件については、私は先に予測した。(3月19日)
  → STAP細胞事件の解明1
 第1に、緑色画像が ES細胞である……(以下略)
 第2に、緑色画像が ES細胞であるとしたら、キメラマウスも ES細胞による捏造である可能性が非常に高い。

 世間では「論文の画像の捏造ゆえに、キメラマウスも捏造だろう」という疑惑を向けた。
 一方、私は「ゲノム・インプリンティング」という概念をもって、「緑色の画像は捏造である」「ゆえにキメラマウスも捏造だ」と判定した。(断定というほどではないが、それに近い。)
 この意味では、私の判定(3月19日)が当たっていたことになる。
 ただ、「キメラマウスができるはずだ」という予想(3月09日)は、はずれたことになる。
( ※ ただしここでは「予想」である旨を明示していたので、私が科学的に間違ったことを言ったわけではありません。予想というものははずれることがあるのは当然です。天気予報みたいなもの。)

 捏造説が当たったかどうかは、これは「故意」によるか否かによる。
 (1)「故意」であることが確認されれば、「すり替え」が成立して、捏造説の言った通り。かつ、私が間違っていたことになる。
 (2) 「故意」ではなく「ずさんさゆえの取り違え」であれば、捏造説の「すり替え」は成立せず、プロファイリング的には私の言った通りとなる。ただし結果的には、私の言ったこととは異なるので、私の推定も間違っていたことになる。ここでも、本項に述べた「事実でも捏造でもない、第三の道」が成立したことになる。捏造説も私も、どちらも敗北する。
 ……上の(1)(2)のどちらになるかは、いまだ判明していないが、私としては(2)が正しいと推定する。あまりにもあちこちでずさんさが目立つからだ。
 また、「緑色の画像は捏造であり、かつ、キメラマウスも捏造である」と判定したときの私の判断(3月19日)も、「ずさんさ」を結論している。今回、「キメラマウスが捏造であった」という私の判定が確認されたことで、「ずさんさのせいだ」という私の判定もたぶん確認されるだろう。(個人的な予想。)

 なお、「故意か否か」は、どう影響するか? 次の差が生じる。(理研の問題)
  ・ 故意であれば、理研は、だまされた被害者である。
  ・ 故意でなければ、理研は、ずさんさを見抜けなかった管理責任を問われる。「何やっているんだ」ということになる。
( ※ 「理研」は「理研・神戸」のこと。)

 [ 余談 ]
 キメラマウスのミスが確認されたことで、捏造説が大喜びしそうだが、それは筋違いというものだ。むしろ私の判定(3月19日)が当たっていたことから、「取り違え」であった可能性が高まり、捏造説が否定される可能性も十分に出てきた。
 もっとも、「捏造説は完全な誤り」というふうに判断した、私の当初の予想もはずれたことになるが。痛み分けふうだ。

 というわけで、私と捏造説の対決は、「故意か否か」に移る。
  (i) 「故意だ」と判定されれば、捏造説の勝ち。
  (ii)「ずさんさだ」と判定されれば、(3月19日の)私の勝ち。一方、当初の私は負けで、捏造説も負け。(痛み分け)

( ※ 本項の冒頭では「捏造ではなくて実験ミス」という趣旨で書きはじめた。その後、NHK のニュースを知ったわけだが、これは「実験ミス」という本項の判定とも矛盾しない。むしろ本項を補強するとも言えそうだ。……実際にどうかは未確定だが。)


 [ オマケ ]
 今後のなりゆきを予想する。(あくまで個人的な予想です。)
 今回のマウスの食い違いを知った世間は、小保方さんを「悪意ある詐欺師!」というふうに大非難するだろう。単にずさんさゆえの間抜けだった可能性もあるのに、それを無視して、「悪意ゆえに巧妙なすり替えをした、高度に計画的で知性抜群の大悪党!」というふうに大非難するだろう。
 そしてまた捏造説を唱えた人々は、「おれたちの言った通りだ! 知性抜群で、Nature すらもだました巧妙な詐欺師を、はっきりと指摘したぞ! 理研を巻き込んだ史上最大の捏造事件を、見事に指摘したぞ!」と、鼻高々になるだろう。さらに言え言えば、「巧妙な詐欺師なんてことはありえないと判断した Openブログは間違っていた!」と悪口を言うだろう。
 以上のようになる、と私は予想する。

( ※ この予想もたぶん当たると思う。……とはいえ、予想は予想なので、はずれるかもね。それでも「予想」という点を理解できないで、「Openブログは科学的に間違えたぞ!」というふうに文句を言う人も出てきそうだ……とも予想しておく。)
( ※ 一方、次の可能性もある。「本当は巧妙な詐欺師ではなくて、単にずさんなだけの間抜けだった。それを指摘した 3月19日の Open ブログは当たっていた」という声が広がる。……こういうふうになる可能性もある。もしこうなったら、私のすぐ上の予想は、全面的にはずれたことになる。その場合には、「予想ははずれました」と頭を下げる予定。)



 [ 付記 ]
 本項は、ただの雑感か感想みたいなものなので、コメントを受けつけません。
(別に他人を説得するつもりはありません。ただの独り言みたいなものです。)
posted by 管理人 at 22:53| Comment(0) |  STAP細胞 | 更新情報をチェックする
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