2014年03月19日

◆ STAP細胞事件の解明2

 前項の続き。
 容疑者は捏造について理解していないことがわかる。 ──

 前項では、緑色の画像(胎盤の蛍光の画像)が捏造である、と指摘した。(理由はゲノムインプリンティングという概念。)
 ここで、捏造の意味を考えてみよう。

 そもそも、捏造するなら、胎盤の蛍光の画像を使うべきではなかった。単に胚の蛍光の画像があるだけで十分だった。胎盤の蛍光の画像があったからといって、STAP細胞の実在性を示すことの証拠にはならない。
 いや、それどころか、胎盤の蛍光の画像があったせいで、この画像が捏造であることが判明してしまった。(前項)

 これはどういうことか? こうだ。
 捏造をするのであれば、「真実らしさ」を高めるための画像を捏造すればいい。ところが逆に、「虚偽であること」を証明する画像を呈示してしまった。何もしなければ(こんな画像を呈示しなければ)、別に疑われもしなかったのに、この緑色の画像を呈示したせいで、「虚偽であること」を証明してしまった。
 これは、通常の捏造とは正反対である。

 ──

 これはきわめて異常なことである。
 どのような捏造者も、その捏造によって、真実性を訴える。ES細胞の捏造であれ、iPS細胞の捏造であれ、超伝導の捏造であれ、捏造者はいずれも、「これは真実です」と訴えるための捏造をしている。
 ところが、STAP細胞の緑色の胎盤画像では、逆に「これは虚偽です」ということを訴えるための捏造をしているのだ。
( ※ 多くの人は気づかなかったが、理論的に考えれば、それは「これは虚偽です」と訴えていることになる。前項で述べた通り。)

 この観点でとらえ直すと、他の捏造(もしくはミス)も、いずれも同様だとわかる。

 (1) テラトーマの画像は、捏造であるとされた。だが、仮に真実であると見なされたとしても、その場合には、「新生児マウスとしては不自然であり成体マウスとしか思えない」と見られている。つまり、「この画像がコピペでなくて真実だとしたら、実験では成体マウスが使われたことを示すので、実験が捏造であったことを意味する」となる。つまり、テラトーマの画像が真実であるとしたら、この画像は「実験が捏造であること」を示そうとしていたことになる。

 (2) 実験機器のコピーは、他論文からのコピペであるとされた。だが、仮に真実であると見なされたとしても、その場合には、「入手不可能な機器を使った」と見られる。つまり、「この文章がコピペでなくて真実だとしたら、実験ではすでに存在しない機械を使ったことを示すので、実験が捏造であったことを意味する」となる。つまり、文章がコピペでない(事実である)としたら、この文章は「実験が捏造であること」を示そうとしていたことになる。

 ──

 以上で、三つの例を示した。
  ・ 胎盤の蛍光の画像(緑色)
  ・ テラトーマの画像
  ・ 実験機器のコピペ


 これらについて、人々は「捏造だ!」と批判した。なるほど、捏造だろう。それはそれでいい。
 しかし、それらの捏造は、捏造によって何を示そうとしたか? 「STAP細胞が存在することを示そうとしたのだ」と人々は思っていた。しかし、そうではないのだ。
 これらの捏造が示そうとしたことは、「実験が捏造だったこと」だったのだ。本人がそのつもりであったかどうかはともかく、結果的には、「実験が真実だったこと」でなく、「実験が捏造だったこと」を示すような、そういう逆説的な捏造だったのだ。

 比喩的に言おう。普通の犯罪者は、犯行をしても、犯行の証拠を残すまいとする。そのために、「実際には犯行をしていない」という偽の証拠を残そうとすることもある。ところが、今回の犯人は、「実際には犯行をしていない」という偽の証拠を残すかわりに、「実際には犯行をしている」という偽の証拠を残している。

 これは、まったく道理が通らない。
 捏造があったというのを認めるにしても、その捏造が「犯人を有利にするためでなく不利にするための捏造である」としたら、これはいったいどういうことなのか? 
 捏造があったというのを認めるにしても、その捏造が「STAP細胞が真実であることを示すための捏造ではなく、STAP細胞が虚偽であることを示すための捏造である」としたら、これはいったいどういうことなのか?
 
 ──

 さて。これまでの状況を考えよう。事件があって、容疑者がいる。ここで、どう思うか? 
 普通の人はこう思う。「こいつは怪しいから、こいつが犯人だ」
 私はこう思う。「怪しいから犯人だ、とは言えない。利口な犯人なら、ヘボな証拠を残すはずがない。怪しいということは、むしろ犯人である可能性を下げる」

 ところが、本項の話を読むと、容疑者はまったくおかしなことをしている。この容疑者は「自分は捏造をしています」ということをあえて告白するような、奇妙なふるまいをしているのだ。

 この謎を解明するには、次の可能性を考えるといい。
 「この容疑者は、馬鹿げたニセ証拠を残した。犯行を隠すための証拠ではなくて、犯行を露見させるニセ証拠を残した。それも、大量に。ということは、本人は自分が何をしているか理解していないのだ。自分では何をしているかわからないまま、捏造を実行した」
 「この容疑者は、無実ではないが、犯人でもない。真犯人(?)は別にいる」


 こうして事件はまったく新たな様相を見せる。




 ※ 次項に続きます。
posted by 管理人 at 21:57|  STAP細胞 | 更新情報をチェックする
  ※ コメントが掲載されるまで、時間がかかることがあります。

過去ログ