2014年03月02日

◆ STAP細胞:ストレスと圧力

 STAP細胞ができる原理は、圧力をかけることだろう、と私は推測した。では、ストレスと圧力とは、どう違うのか? ──

 この問題は、前項のコメント欄で与えられた。
 (小保方さんは)細管を通すストレスを与えるとSTAP細胞ができると言ってます。細管を通すことと「圧力を加える」ことは同じことではないか思えますが、詳しい方の説明がほしいです。
( → 前項のコメント欄

 小保方さんの発想のヒントは、トカゲの尻尾だったそうだ。トカゲの尻尾は切ってもまた生えてくる。それは切ったことでストレスを受けたからだ。だったら細胞もストレスを受けるとトカゲの尻尾みたいなことが起こるのではないか、と考えたらしい。
( ※ 通常の動物の細胞は初期化しないが、トカゲの場合だと、尻尾を切られると、胴体の細胞からシッポの細胞が出現する。これはかなり初期化が起こっていることになる。)

 ──

 さて。私なりに答えよう。(トカゲでなく STAP細胞で。)
 ストレスという言い方だと、外部的な刺激を細胞が認識して、その認識に応じて、細胞が自発的に変化したことになる。変化するメカニズムを細胞自体が備えていたことになります。これがつまり、「ストレスを受けて細胞が初期化される」という発想だ。
 私が「圧力」という言葉を使ったのは、「細胞が何らかの反応をする」と言うよりは、「細胞がなかば壊れてしまう」ということを意味する。「圧力」という言葉を呈示したとき、私はこう述べた。
 STAP細胞というのは、いわば、「壊れかけた細胞」である。特に、DNAの状態が大きく変化している。そのためには、酸性とか温度とかが強く影響するとは思えない。一方、圧力ならば、強く影響するだろう。細胞が壊れかけることもあるはずだ。
( → STAP細胞は真実らしい

 圧力が本当に核心であるのかどうかは、まだ判明していない。
 ただ、「圧力」という発想が出た理由を、上のことから理解してほしい。

 「ストレスに似たものとして圧力をかける」というのは、圧力をストレスとして認識する小保方説だ。
 「細胞を壊しかけるものとして圧力をかける」というのは、圧力を破壊力として認識する私の説だ。

 ストレスの場合には、細胞が自発的に正常な反応をしていることになる。
 圧力の場合には、細胞がなかば破壊されたことで異常な反応をしていることになる。

 比喩的に言えば、次の差だ。
 「パソコンを冷やすと、冷却されたせいで CPU が高速化する」
 「パソコンを冷やしすぎると、部品がボロボロになって、パソコンが壊れかけている。そこでは部品が異常状態となり、ソフトが消えてしまっている[初期化されている]。つまり、OSを再インストールする必要がある」
 
 あまりうまい比喩ではないが、イメージ的に理解してほしい。
 前者は正常な状況であり、後者はほとんど壊れた状況だ。
 
 ──

 核心が「圧力」である、というのは、証明されたわけではない。私が「 STAP細胞とは壊れかけた細胞だ」という仮説を出して、その仮説にもとづいて、「細胞を壊れかけた状況にするものは何か?」という疑問から、「圧力がそうだろう」というふうに推測したものだ。
 ここでは、圧力は、「ストレス」として導入されたのではなく、「細胞を壊しかけるもの」として導入された。その原理を理解してほしい。
 単に「ストレスと圧力は似ている」と考えると、小保方さんの発想になる。……だが、「ストレスで STAP細胞ができる」という発想は成立しないらしい、ということが、これまでの追試から明らかになりつつある。
 


 【 関連項目 】
 STAP細胞ができる原理については、下記項目で詳しく述べた。(推察・仮説)
  → STAP細胞と細胞分裂 (原理・再現性)
  → STAP細胞の再現性が低いわけ

 本項で述べたことは、上の二項目が前提となっています。あらかじめ、この二項目をお読みください。
 


 [ 付記 ]
  ※ 以下は読まなくても構いません。


  《 STAP細胞 という名称について 》

 STAP細胞(刺激惹起性多能性獲得細胞)の原理が、刺激でなくて圧力だ、と判明したとしよう。その場合、STAP細胞の名称も変更する必要がありそうだ。では、どう変更するか? できれば、同じ略称にしたいのだが。

 英和辞典で調べると、 stress には「精神的な圧力」と「物質的な圧力」の二通りの意味がある。前者は生理学的なものであり、後者は物理学的なものだ。小保方さんの方は(おおむね)前者の意味で使ったと思える。
 私の言う「圧力」は、もちろん物理学的な意味の圧力だが、上記の stress の後者の意味にも該当する。そこで、圧力を英訳するときに stress と訳すことにすれば、次のように対比できる。

 Stimulus-Triggered Acquisition of Pluripotency cells
   …… 刺激惹起性多能性獲得細胞
 Stess-Triggered Acquisition of Pluripotency cells
   …… 圧力惹起性多能性獲得細胞

 どちらも略称は「 STAP細胞」となる。だから、本当の原因が「刺激」でなくて「圧力」であるとしても、「 STAP細胞」という略称は変えなくていいだろう。ただし正式名称は、「 Stimulus 〜」から「 Stess 〜」へと変わる。
( ※ 「圧力」が本当の原因だ、と判明した場合に限るが。)
( ※ 「圧力ならば pressure だろ」というツッコミが来そうだ。しかしその場合には、略称が「 PTAP細胞」になってしまう。それじゃ、センスないしね。)
 
posted by 管理人 at 17:58| Comment(10) |  STAP細胞 | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
<STRONG>[ 付記 ]</STRONG> を加筆しました。
 タイムスタンプは 下記 ↓
Posted by 管理人 at 2014年03月02日 18:49
お教え頂きたいのですが,

”細胞が壊れかけた状態”というのは何を意味しているのでしょうか?
DNAが壊れかけているとおっしゃりたいのでしょうか.

この分野の知見は全くないので,実験手技を理解していないのですが,実験に使用した細胞は,全て細いcapillaryなどで採取し,そのため圧力が加わるから,圧力がこの現象の引き金になったのではないか,とのご主張ですか.

ご承知のように,これは水溶液中での反応であり,また,物質は(DNAでも良いですが)はその水溶液中のpHに応じてエネルギー的に最も安定な立体構造を示します.とすると,細胞の状態に最も影響の大きいparameterは,その水溶液中のpHとも思えるのですが.

ですから,氏らが提唱したpHを変化させた場合が,最も効率が良かったとの見解は納得できる部分もあります.
Posted by 右朝 at 2014年03月02日 19:28
↑ 本文中に  【 関連項目 】  と記してあるでしょ? 読んでないの?
Posted by 管理人 at 2014年03月02日 19:34
「STAP細胞というのは、いわば、「壊れかけた細胞」である。」
このことは
万能性を示す細胞は通常細胞に比し、サイズが小さい・・・という事実と関連がありそうですね。

素人の感想ですが・・・
Posted by ムギ at 2014年03月02日 21:54
温度の急激な変化が起きてないでしょうか?
ピストンの付いた容器の中に水が入っている場合、断熱的に圧縮しても温度上昇はほとんど観測されませんが、断熱的にピストンを引いた場合は気化が起こりますから温度が下がります。気化の起こる速度よりも速くピストンを引くと断熱膨張になるでしょうから。いかがでしょうか?
Posted by ムギ at 2014年03月03日 08:25
圧力に関する特許出願についてはどなたかコメントされているような気もしますが、取りあえず書通りすがりに書いておきます。。。


下記の公開案件のクレーム23に圧力に関する記載があります。

23. The method of claim 13, wherein the mechanical stimulus comprises exposing the cell to shear stress or/and high pressure.

因みに、クレーム13とは、

13. The method of any of claims 1-12, wherein the stress comprises exposure of the cell to at least one environmental stimulus selected from: trauma, mechanical stimuli, chemical exposure, ultrasonic stimulation, oxygen-deprivation, radiation, exposure to extreme temperatures, dissociation, trituration, physical stress, hyperosmosis, hypoosmosis, membrane damage, toxin, extreme ion concentration, active oxygen, UV exposure, strong visible light, deprivation of essential nutrition, or unphysiolosically acidic environment.

つまり、 mechanical stimuli, として high pressureも上げられています。


Publication number  WO2013163296 A1
Publication type  Application
Application number  PCT/US2013/037996
Publication date  Oct 31, 2013
Filing date  Apr 24, 2013
Priority date  Apr 24, 2012
Inventors  Charles A. Vacanti, Martin P. Vacanti, 6 More &#187;6 More &#187;
Applicant  The Brigham And Women's Hospital, Inc., Riken, Tokyo Women's Medical University

これを見ますと、2012年4月23日以前に出願
や公開されている場合のみこれに対向できる問題になるようです。
Posted by ただの通りすがり at 2014年03月03日 18:44
私の見解は「刺激」じゃなくて「壊しかける」という点がポイントなんですが。したがって stimulus という概念自体に当てはまりません。ま、私の見解は、という限定で。
Posted by 管理人 at 2014年03月03日 19:16
STAP発見?のきっかけになったのが細胞を細管に通すことだったことは小保方さんご自身がおっしゃっておられますが,今回の論文にまつわる実験において,論文に,加圧された事実,ないしは,加圧状態になったと思われるプロセス,が触れられているのでしょうか。
加圧により初期化が起こる可能性はあるのかもしれなくても,小保方さんが行われた実験において加圧された事実がないのであれば,加圧以外の初期化要因があるのか,それとも残念至極ですが捏造なのかということになりませんでしょうか。
なお,無意味かもしれませんが,私は捏造などなかったということが一刻も早く明らかになってほしいと願う素人です。
素人にすら捏造の可能性を憂慮せざるを得ない現状が辛いと感じているものです。
Posted by 単なる素人 at 2014年03月03日 20:11
特許クレーム13のの範囲が幅広い・・・いや、広すぎる。

これは、特許戦略上、細胞への刺激になるもの総てをあげておいて後の限定出願で固めるための気がします。
小保方氏がこれら総てを試して成功しているとしたら、最後のトリガーになるものは「何でもよい」けれどもそれらは十分条件ではなく、他の最初の決定的な原因がありそうです。小保方氏の意識に上がってないなにかが・・・
Posted by ムギ at 2014年03月03日 21:30
>論文に,加圧された事実,ないしは,加圧状態になったと思われるプロセス,が触れられているのでしょうか。

論文の図1にFACS(fluorescence activated cell sorting)という機器を使用したプロセスの説明があります。
FACSは〜5気圧程の加圧状態で使用されるようです。
Posted by ムギ at 2014年03月04日 22:06
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

  ※ コメントが掲載されるまで、時間がかかることがあります。

過去ログ