「倒産すると予測したくせに、実際には倒産しなかったぞ」
と私に文句を言う人がいそうだ。そこので念のために、過去記事を検証してみる。
「シャープは倒産する」というような記事を、私は前に書いた。
→ シャープについての予想 (過去記事)
しかし実際には、シャープは倒産しなかった。2012年にはひどい経営悪化があったが、かろうじて持ちこたえて、倒産を免れた。
→ 2012年の経営悪化 (過去記事)
→ 「当面の危機は抜け出せるのではないか」
とはいえ、この先は安泰というわけではなく、まだまだ厳しい経営状況は続く。
→ シャープの憂鬱、経営再建への試練
→ シャープ、経営再建に向け、今年「正念場」
全体として見れば、シャープは今すぐ倒産するという状況ではない。とすれば、「シャープは倒産する」という私の予想ははずれたことになるのか? 「予測の的中の高さを誇る Openブログは失点した」ということになるのか?
それを検証しよう。
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実は、私は「シャープは倒産する」とは言っていなかった。「倒産しかねない」と言っていただけだ。
→ シャープについての予想 (過去記事)
具体的には次の表現だ。
「倒産の可能性が高い。」
「倒産のリスクに追い込むようなものだ。」
「シャープやサンヨーは「ゴミとしての工場を造ったせいで倒産する」ということになりかねない。」
というわけで、「倒産しそうだ」とは述べても、「倒産する」と断言したわけではない。その意味で、予測がはずれたと言うことはない。
一方、当時のマスコミは「シャープは太陽光発電の工場を作ったりして絶好調」なんて持ち上げていた。そのさなかに、「そんな工場を作ると倒産しかねない」と指摘した私の見解は、まさしくどんぴしゃりで当たったことになる。なぜなら、その後、シャープはまさしく倒産寸前になったからだ。
→ 2012年の経営悪化 (過去記事)
以上の点からして、私の予想は「はずれ」ではなくて「的中」と言っていいだろう。「倒産しかねない」と予想して、まさしく「倒産しそう」になったからだ。
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特に興味深い話を過去記事から探ると、次の二つがある。
まずは、次の記事がある。
→ 太陽光発電の支援とコスト
ここには、読売新聞の過去記事が引用されている。再掲しよう。
《 シャープ、低価格の太陽電池量産へ 》
シャープが、家庭の電気料金並みのコストで発電できる太陽光発電システムを2010年度に実用化し、日米欧で量産する方針を固めたことが2日、わかった。
現在の平均的な太陽光発電システムの設置費用は、耐用年数20年として補修費を含め1キロ・ワット時当たり49円(07年)。発電効率を高めることでシステムの設置費用を家庭用の電気料金(1キロ・ワット時当たり23円)並みに引き下げる。
( → 読売新聞 2009-04-03 )
こういうふうに「1キロ・ワット時当たり23円まで下げる」と大見得を切った。
これは、経産省などが「そうなるだろう」という見込みを出したことと関係する。しかしながら、そういう甘い見込みは成立するはずがない、と私は批判した。次の項目で。
→ 太陽光発電の嘘(朝日1)
一部引用しよう。
「3〜5年で大幅にコストダウンして、一般電力料金並みになる」
というのは、荒唐無稽の大ボラにすぎない。連中は、大ボラにすぎないことをわかっているからこそ、「自力でやります」とは言わずに、「莫大な補助金を寄越せ」と主張しているのだ。
結局、太陽電池の普及派というのは、ただの詐欺師である。「エコ」を名目にして、ホラを吹いて、国民の金をガッポリとちょうだいしよう、というわけ。
要するに、シャープや政府は「3〜5年で大幅にコストダウンして半額にする」と述べたが、実際には、そういうことは成立しなかった。その点では、批判した私の予想の通りになった。
( ※ 「大量生産で価格が半額になる」なんていう甘い見通しは成立しない、ということ。詳しくは上記項目に記してある。)
──
さて。事実は私の予想通りになった。つまり、シャープは倒産しそうになった。
ではなぜ、倒産しなかったか? 倒産しそうになったという点では私の予想通りになったわけだが、最終的には倒産を免れているのはなぜか?
理由は二つある。
(1) 現時点では「綱渡り」みたいな未定状況になっているだけだ。シャープは決して「倒産を免れた」(優良企業になった)わけではない。宙ぶらりんの状態(未決定状態)であるだけだ。今後、倒産する可能性は、まだ十分に残っている。実際、次の記事にあるように、状況は厳しい。
→ シャープの憂鬱 〜増資空振り、IGZO苦戦
(2) 太陽光発電は大幅赤字を出すはずだったのに、最近では受注が好調で、大幅赤字にはなっていない。では、なぜ? 簡単だ。菅直人の再生エネルギー促進法案によって、太陽こパネルの需要が激増したからだ。
これは、「電気代の値上げ」という形で国民から金を吸い上げるから、補助金と同様である。つまり、莫大な補助金を投入して、シャープ(など)の太陽光パネルの購入を促進しているから、シャープの太陽光パネルの工場向上は大幅赤字を出さないで済んでいるわけだ。
で、そのための金はどこから来たかというと、「電気代の値上げ」という形で、国民から来ている。
結局、シャープの太陽光事業が大幅赤字を出さずに済んでいるのは、国民が財布の金を奪われているからだ。シャープが倒産しないでいられるわけは、あなたが金を奪われているからなのだ。
皮肉ですね。
( ※ ただし、私が皮肉っているんじゃないので、念のため。 (^^); )
今年、まだ堪えるなら来年、再来年・・・
シャープには早く倒産して欲しいです。
今後も、いろんな記事を参考にします。