2014年02月21日

◆ STAP細胞の今後の見通し

 STAP細胞は今のところ追試が成功していないが、今後はどうなるだろうか? 見通しを示す。 ──

 STAP細胞は今のところ追試が成功していない。
 ただ、これは「再現性がまったくない」とか「STAP細胞は存在しない」とかいうことではなくて、再現の手順がはっきりしていないからだろう。そこで、「たぶん温度管理が重要だ」と私は推測した。
 ここまでは、前項で述べたことだ。
  → STAP細胞の再現性 (前項)

 ──

 一方、今後はどうなるか、私なりに見通しを示す。

 (1) 実験プロトコル

 温度管理を含む実験プロトコルの詳細は、小保方さん自身も、まだ突き止めていないはずだ。なぜなら、その詳細は特許に記述されていないからだ。
 もちろん、成功したときの手順は、きちんと記録してあるのだろうが、そのうち、どれが有効でどれが無意味であるかは、まだ判明していないのだろう。
 今後は、それを突き止めるために、いくらかの時間がかかるはずだ。たぶん1カ月以上。

 (2) 特許申請

 実験プロトコルのうち、真に有効なものを突き止めたら、特許申請することが必要となる。これは、公開の前になされることになる。
 とすれば当然、公開は特許申請の後になる。だから、これから特許申請の書類作成のために、また時間がかかることになる。これも1カ月ぐらいはかかりそうだ。

 (3) 学会誌掲載

 以上の (1)(2) が終わったあとで、学会誌に投稿することになる。
 で、投稿してから、査読を経て、掲載されるまでには、10カ月ぐらいがかかる。( STAP細胞の場合には 10カ月かかった。)
 
 ──

 以上の (1)(2)(3) をすべて合わせて、12カ月。つまり、STAP細胞の作成方法が公開されるのは、少なくとも 12カ月後だということになる。実際には、もっと後になりそうだ。

 私は先に、「 arXiv みたいなオープンアクセスのところか、または、理研自身の機関誌に掲載しろ。そうすればすぐさま公開できる」と述べたが、これは専門家たちからは不評だった。
 というわけで、私の「即時公開」という提案が専門家たちから拒否された以上は、仕方あるまい。STAP細胞の作成方法が公開されるのは、12カ月後よりも先である。今からずっと先のことだ。そうなりますね。(皮肉っぽいが。)



 [ 付記 ]
 ただし、小保方さん以外の誰かが、別途、追試に成功して、勝手に公開するかもしれない。その人は arXiv みたいなオープンアクセスのところに投稿するかもしれない。……その場合には、追試が成功してすぐに、情報が公開されることになる。
 ただ、私のヤマカンだと、その時期は早くない。現在、追試がどんどん失敗していることと、小保方さん自身でも実験に長年の時間がかかったことからして、他人が追試に成功するには3カ月以上の時間がかかりそうだ。
 で、そのころ投稿しても、小保方さんがすでに学会誌に投稿済みとなる。だからせっかく第三者が新発見をしても、「小保方さんの投稿の方が先でした」と事後的に判明するだろう。
 なんか、皮肉っぽいですね。  (^^);

 ただ、それというのも、私の「即時公開」という提案が専門家たちから拒否されたからだ。悪いのは、私じゃないですからね。人々の頭が固いから、情報公開が遅れるだけです。



 【 関連項目 】
 
 → STAP細胞の掲載拒否は妥当だったか?
 次の提案がある。
 理研自身が学術誌を刊行して、そこに自分たちの研究成果を掲載する。たとえば、「 Riken Reports 」というような名称の学会誌を自力で刊行する。そこにおいて、理研の独自の成果を発表する。
 メリットとしては、次の諸点がある。
  ・ 掲載の時期がとても早い。
  ・ 掲載論文は、全世界規模で無償公開される。
  ・ そのせいで、多くの研究者の目に触れる。
  (他)



 【 追記 】
 「実験プロトコルを公開せよ」
 という要求は、よく考えると、無理筋な要求だよね。

 私の前項の推測に従えば、STAP細胞の作成には、温度管理が必要だ。つまり、Nature に発表した論文は、未完成未熟だったことになる。(画竜点睛を欠いていた。)
 とすれば、温度管理の点を記述して、新たな論文を書く必要がある。(同時に特許も申請する。)
 このような手順を踏むのが、学界の常識というものだ。
 なのに、新論文の内容を、学会誌でもないところにいきなり公開せよというのは、速報性ばかりを重視して、査読などの過程を経ないことになる。これは、「厳密な査読が必要だ」と主張した専門家たちの主張に反する。

 「大事な情報はさっさと公開せよ」
 という気持ちはわかる。しかし、それは、私の主張だった。一方、専門家たちは、私の主張に反対して、「厳密な査読に時間をかけよ」と主張した。
 だったら、「さっさと実験プロトコルを公開せよ」という要求は、自己矛盾というものだろう。自分勝手すぎる。二枚舌。ご都合主義。だよね? (^^);
 
( ※ これはただのイヤミです。マジレスは不要。……後日注)
posted by 管理人 at 19:45| Comment(15) |  STAP細胞 | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
STAP細胞の作成手順の公開を準備中、と理研が声明した。
 「A leading Japanese research institute said Friday that it was preparing to release a more-detailed description of the method its scientists used to create stem cells after the credibility of their work was questioned.
 A spokeswoman at the Riken Center for Developmental Biology said detailed procedural methods for the studies led by Riken biologist Haruko Obokata "will be open to the public when preparations are...」
 → http://j.mp/1e1uNEL
Posted by 管理人 at 2014年02月22日 13:00
基本的に、実験論文というのは読んだ人が結果を再現できるように書かれてなきゃいけない。
論文だけ読んでもSTAP細胞を再現できない人がこれだけ出てきてるってことは、STAP細胞の論文の記述が不十分だったってこと。
ここまでは管理人さんは正しいけど、その後の考えがおかしい。

こういうときは研究者は新しい論文を書くんじゃなくて、追加情報として直ちに足りなかった記述を発表するのが筋。
というか、そもそも前の論文に足りなかった情報を補足だけでは論文として認められない。
研究室のサイトで詳細な実験手順を公表するというのが妥当なところでしょう。
追記にある「専門家たち」への苦言は、まったく見当違いです。

前のエントリのコメントでも散々、査読や論文出版に関する思い込みや勘違いを指摘されてましたけど、ここでも同じ間違いをしてます。
この手のことは、もうちょっと勉強されてからエントリにするか、せめてコメントに素直に耳を傾けては?
Posted by 通りすがり at 2014年02月23日 09:13
私の考えを理解していないようなので、別項「STAP細胞の再現性が低いわけ」を熟読してください。そうすれば誤解しないで済みます。

> 細胞の論文の記述が不十分だった

 違います。記述が不十分だったのではない。実験そのものが不十分だった。
 そもそも、「いっぺんにすべてを解明すること」なんて、もともと無理筋です。一人でその学問分野をすべて完成した、なんてことは、アインシュタイン以外ではやった人がいません。(たぶん。)
 ついでだが、次に報告するべきこと(STAP細胞の核心の解明)は、ノーベル賞をとれるだけの成果です。これほどの大発見を、学会誌でないところで公表するべきだとは言えない。実験手順を含めて、次の正式論文で公表するのが、常道でしょう。

> 詳細な実験手順を公表するというのが妥当なところでしょう。

 ま、そういう考え方は成立するし、それを否定するつもりはありません。
 ただ、そうすれば、特許権を奪われる、という問題が別途生じることを念頭に置いてください。

> 追記にある「専門家たち」への苦言

 それは、最後にちょっとイヤミを書いただけ。「まったく見当違いです」なんて、まるで学術論議みたいなつもりでいるようだが、たかがイヤミにぐちゃぐちゃ言うところが、そもそもの見当違い。

> 査読や論文出版に関する思い込みや勘違いを指摘されてました

 そうじゃないでしょ。よく読んでごらん。正しくは次の通り。

専門家 「査読や論文出版に関する思い込みや勘違いを指摘してやるぞ! おれの言うことが正しい! おまえの言うことは素人の間違いだ!」

私 「そんなことはもともと議論の対象になっていない。単に新聞記事に事実誤認があったから、私の記述に齟齬があっただけ。文句を言うなら、新聞社に言うべきだ。私に文句を言うのは筋違い。文句ばかりを言って得意になるな」

 専門家ってのは、やたらと他人を攻撃して、自分が利口であることを証明したがる人が多い。
 利口であることを証明したければ、きちんとした論文を書けばいいのに、かわりに他人を攻撃しようとする。……こういう人は、業績を上げることは無理ですね。物事の本質とは違う、脇道ばかりを重視したがるので。
Posted by 管理人 at 2014年02月23日 09:23
>違います。記述が不十分だったのではない。実験そのものが不十分だった。

論文を発表するということは、そこで述べられた結果について、少なくとも自分の実験環境においては再現性がなくてはいけない。
著者は論文において、同様の再現性を他の研究室で実現するのに十分な詳細で、その実験環境を記述する必要がある。
不十分な実験だろうがなんだろうが、小保方さんは再現性のある結果をその実験から得たはずで、それが再現できるように書いてないんだから、それは論文の記述が不十分だということなんです。


>「まったく見当違いです」なんて、まるで学術論議みたいなつもりでいるようだが、たかがイヤミにぐちゃぐちゃ言うところが、そもそもの見当違い。

学術論議みたいなつもりでいたなら、「見当違いです」なんかで済まさないで、どこがどう見当違いなのか細かく指摘しますがね。
そんなつもりじゃなくて、最後にちょっとイヤミを書いただけです(笑)
Posted by 通りすがり at 2014年02月23日 09:47
> それが再現できるように書いてないんだから、それは論文の記述が不十分だ

 再現できるための仕組みの核心を小保方さん自身が知らなかったんだから、「記述が不十分だ」というのではなく、「実験そのものが不十分だった」というのが私の認識です。
 で、小保方さんは「ストレスをかけるだけでSTAP細胞ができる」と誤認した。本人が誤認していたんだから、「自分でも知らなかった真実を書かなかった」ということを、「記述が不十分だ」とは言いません。

 ま、「実験手順を公開するべきだ」という主張が間違いだとは言いませんけどね。それへの対抗意見も十分に成立する、ということを示しているだけです。白黒を付けているわけじゃない。
 両論並立が可能だ、と受け止めてくださればOKです。私は別に、相手をこてんぱんにしてやろう、という意地悪じゃないので。
Posted by 管理人 at 2014年02月23日 10:05
どうも論点がずれてるようなので、何点かはっきりさせときます。

実験の手順のうち、どの部分がSTAP細胞の作成に重要なのかを明らかにすることと、実験の手順の詳細を公表することとは、まったく別のことです。
私が言ってるのは、後者はそれ自体で論文にはなり得ないということと、速やかに公表されるべきだということです。

管理人さんは前者と後者をごっちゃにしてるんじゃないですか?
前者は論文になりうる重要な知見ですが、それがなくても後者は今すぐにでも実行可能です。
管理人さんが

>ま、「実験手順を公開するべきだ」という主張が間違いだとは言いませんけどね。それへの対抗意見も十分に成立する、ということを示しているだけです。

というとき、これは後者を否定していることになりますが、その自覚はありますか?
Posted by 通りすがり at 2014年02月23日 10:31
やはり誤読しているようですね。

> 後者はそれ自体で論文にはなり得ない

 それ自体では論文にはならないが、次の論文を書くためには必須の情報だ、と述べています。簡単に手の内を明かすべきだとは言えない。
 今回の論文のことだけで済む話ではない。もっと先のことまで見据えて私は述べているのに、あなたは今回のことばかりを述べている。私の論点を理解していない。

> 後者は今すぐにでも実行可能です。

 そのメリットはわかっています。ただし同時に、「特許権を他人に奪われる」という長期的なデメリットを指摘しています。(別項)
 短期的に良いと思ったことが、長期的に良いとは限らない。その長期的な見方を示しているのに、あなたは短期的な良し悪ししか考えていない。
Posted by 管理人 at 2014年02月23日 10:38
あとね。根本的な誤解があるようだが、私は別に「公開するな」と言っているわけじゃないですよ。
 公開するか否かなら、すでに理研が「公開する」と公式発表しているのだから、今さら論議の対象にはなりません。コメント欄の冒頭を参照。
Posted by 管理人 at 2014年02月23日 10:57
了解、前者・後者の区別はついている上で、後者を実行する必要はない、と言ってるわけですね。
そこをはっきりさせたかっただけです。

ちなみに、温度管理については論文にはっきり書いてあります。

>After cell sorting, 1x10^6 CD45-positive cells were treated with 50 ul of low-pH HBSS solution (titrated to pH5.7 by HCl) for 25 min at 37°C, and then centrifuged at 1,000 r.p.m. at room temperature for 5 min.

酸性溶液に浸してる間は37度にキープされてます。
Posted by 通りすがり at 2014年02月23日 11:02
> 酸性溶液に浸してる間は37度にキープされてます。

 それについては誰もが厳守しているはずなので、その時期以外の温度管理(など)に核心がありそうですね。
Posted by 管理人 at 2014年02月23日 11:11
STAP細胞を作り上げるのは、まるで卵を孵化させるみたいですよね。
大勢の大人が卵の前で生まれろ生まれろと願い、温度は適切か?とか、外見は変わらない卵の中身をはらはらしながら待つ姿を想像するとなんだか微笑ましいですよね。
Posted by しろーと at 2014年02月24日 12:31
共著者の若山さんが再現できなかったと告白した時点で、これはもう相当の筋悪だと思わざるをえませんね。

常温核融合を思い出します。
Posted by 通りすがりの研究者 at 2014年02月24日 15:27
>というわけで、私の「即時公開」という提案が専門家たちから拒否された以上は、仕方あるまい。


仕方ないでしょうね。
専門家が拒否したのではなくて、学術誌とはそう言う物です。
学術論文は、未公開データのみでしか受け付けられません。
画像などであれば別の学術論文に再掲載することもダメです。
なぜなら同じ議論は既に公開されたデータなので、引用という形でしか掲載出来ません。

何処かに掲載された時点で、公開されたので、何処の雑誌からも掲載されなくなります(例え些細なWebの記載でも)。
機関誌は成果と見なされませんし、オープンアクセスの所は査読無いでしょうし。
査読のない雑誌も成果とはカウントされませんし、そもそも学術的な価値が発生しない。

税金を使って行った成果に関して、成果を放棄するような事したら研究機関から追放されますよ。
Posted by 通りすがりの科学者 at 2014年02月24日 19:12
> 査読のない雑誌も成果とはカウントされませんし、そもそも学術的な価値が発生しない

 フィールズ賞を授与された(受け取らなかった)ロシア人の論文は arXiv で公開されました。

 望月新一はもっと過激で、abc予想の論文を(学会誌ですらない)サイト上で公開しました。

 どちらも学術的な価値はないの? 

 なお、下記項目も参照。
  http://openblog.meblog.biz/article/19919342.html
Posted by 管理人 at 2014年02月24日 21:10
> 査読のない雑誌も成果とはカウントされませんし、そもそも学術的な価値が発生しない

その内容に対する学術的価値ではなく、次のポジションを取るために成果として読み込むための実績としての学術的価値と言う意味ではゼロに等しい。

野依先生の提言ですが、現実的に無理ですね。
今でもやっていけないわけじゃないですが。
でもそちらがメインになったら、捏造の温床となり、結局、公開だけでは評価されなくなって終了。


フィールズ賞、望月新一さん、挙げられた2人とも数学者ですよね。
数学は理論なので、科学とは検証方法が異なる気が・・・
理論系は文章で説明が可能なので先に公開ありきでも良いかもしれませんね。


科学の場合、特に実験系は、画像やら実験データの加工が出来てしまうので、査読のない所への公開では捏造と区別するための真実性の検証が難しくなります。
STAP細胞のように世界的な大発見とされれば注目され、検証もすぐに行われるでしょうけど、科学者が全員、STAP細胞の様な大発見を日々している訳ではないので、たわいのない成果に対して捏造を回避し、検証するのには、査読有り気でないと難しいでしょう。
Posted by 通りすがりの科学者 at 2014年02月25日 12:04
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