2014年02月05日

◆ 乳酸菌による多能性細胞

 STAP細胞にそっくりなものがすでに報道されていた。乳酸菌によって人の皮膚細胞を多能性細胞にすることができたという。(小保方さんのノーベル賞受賞は消滅か?) ──

 まずは報道を引用しよう。
 熊本大大学院生命科学研究部の太田訓正准教授(48)の研究グループは30日までに、乳酸菌を使って様々な種類の細胞のもとになる多能性細胞を作製することに成功したと米科学誌プロスワン電子版に発表した。
 神経、筋肉、骨、軟骨、脂肪へ分化させることに成功しており、今後は血液など他の細胞への分化も可能か検証する。
 グループはヒトの皮膚細胞の表面を覆うタンパク質を酵素で除去し、細胞に乳酸菌を取り込ませて培養。その結果、胚性幹細胞(ES細胞)に似た細胞の塊ができた。
 ほぼ無限に増殖する万能細胞である iPS細胞と異なり、直径0.3ミリ程度まで成長すると増殖が止まるのが特徴。マウス実験でがん化する可能性がほとんどないことを確認した。
( → 日経 2012/12/30

 別の記事もある。
  → 熊本新聞 (図つき)

 詳細な解説は、下記にある。
  → 公式発表 (PDF)

 原論文は、下記にある。
  → 英語論文 (無料)

 ──

 この研究はあまり報道されていないが、STAP細胞と同様のものだと見なしていいだろう。しかも、すでに人の成人の細胞で作成に成功している。その意味では、小保方さんの STAP細胞よりも、応用が進んでいる。
 ただ、原理としては、小保方さんの STAP細胞とほとんど同様である可能性が高い。

 前項では、ES細胞 ,iPS細胞 ,STAP細胞 の原理が同一であることを推定したが、そこに、本項の細胞(名前はまだない?)も加わることになりそうだ。
 
 細胞の初期化というのは、かなり広範囲に見られる現象なのかもしれない。
 「原理は一つだが、発現の仕方がいろいろある」
 という前項の認識が、いっそう裏付けられる、とも言える。
 


 [ 付記1 ]
 この研究が小保方さんの研究に似ていると推定されるのは、次の可能性があるからだ。
 「乳酸菌にひたしたことぐらいで多能性細胞になったということは、乳酸菌に何か特別な因子があったからではなくて、単に弱酸性のストレスが働いたことだけが理由である(のだろう)」
 もしそうだとすれば、ここで出現したものは STAP細胞そのものであることになる。増殖が不完全であることや、癌化しないことも、STAP細胞そのものであることを窺わせる。
 この研究は、小保方さんの 2009年ごろの研究に匹敵するだろう。ただ、発表された時点は、小保方さんの発表よりも1カ月早いので、発表された時期で言えば小保方さんよりも先行している。研究そのものはずっと遅れているのに。
( ※ Nature の却下[2010年〜2013年]のせいで、そうなった。)
( ※ 乳酸菌の作用は、いくらかあるとも考えられるが、実は乳酸菌の作用は何もなくて、ただのストレスだけが大切だった[他の要因は無影響だった]……という可能性がある、という趣旨。あくまで可能性の話だ。実際は、そうではないかもしれないが。)

 [ 付記2 ]
 この研究の発表は、小保方さんの発表よりも、1年以上古い。
 Received: March 1, 2012; Accepted: November 7, 2012; Published: December 26, 2012
( → 原論文のページ

 ひょっとしたら、この人にノーベル賞が行くかも。もしそうだとしたら、Nature が却下したせいで、小保方さんはノーベル賞をもらい損ねることになるかも。
 
 「 Nature が却下したことは正しい」
 と言い張る人は、どう弁明する? 学会誌が拒否したせいで、他の人に業績を先取りされてしまってもいいのか? 学会誌の頑なな判断のせいでノーベル賞をもらい損ねることになってもいいのか?
 
 ※ 小保方さんの最初の論文投稿は、Nature に 2012年4月に投稿したものだ、という記事がある。
 ※ 一方、もっと前から投稿されていた、という情報もある。Wikipedia から引用しよう。
 ハーバード大学留学中の2008年にSTAP細胞の着想を得た。2009年8月にSTAP細胞の原形となる論文が完成したが、2010年春、論文は科学雑誌『Nature』に採用されなかった。
( → Wikipedia毎日新聞

 


 【 追記 】
 別項のコメント欄で教わったが、次の記事も新たに出た。
  → 成人の皮膚細胞から毛の生える幹細胞できた
 一部抜粋しよう。
 ペンシルベニア大が成人の皮膚細胞を、毛包再生可能な幹細胞に戻すことに成功した。
 まずヒトの皮膚細胞の種別のひとつである皮膚線維芽細胞を用意。これを多能性幹細胞(人体のどんなタイプの細胞にでも形を変えることが可能。2004年に実現したテクニック)に変える遺伝子を加え、さらに遺伝子操作を行い、上皮幹細胞(成長した毛包の中に見つかるタイプの幹細胞)に変えました。
 で、この上皮幹細胞をマウスに移植してみたら、毛包がしっかり装備されたヒトの肌ができ、そこから毛皮質の成長も確認された、というわけです。

 ハゲの治療が実用化するにはまだ不十分だとのことだが、富士山の登頂で言えば、麓(ふもと)から五合目まで一挙に登ってしまったようなものだ。偉大なる成果! (ハゲにとっては。)

 いや、話のポイントは実用化の有無じゃない。上記の方法だ。この方法は、STAP細胞とはまた違う方法だ。
 やはり、初期化のための方法は、いろいろとあるようだ。そのことがポイントである。
posted by 管理人 at 22:03| Comment(6) |  STAP細胞 | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
文中に、次の情報を加筆しました。
 「2009年8月にSTAP細胞の原形となる論文が完成したが、2010年春、論文は科学雑誌『Nature』に採用されなかった。」
Posted by 管理人 at 2014年02月05日 23:33
最新ニュース。

> 人で初めてとなる万能細胞「STAP細胞」の可能性がある細胞の顕微鏡写真を、米ハーバード大のチャールズ・バカンティ教授のチームが5日公表した。
 → http://www.47news.jp/CN/201402/CN2014020601000763.html

 英文情報(詳細)
 → http://www.newscientist.com/article/dn25004-extraordinary-stem-cell-method-tested-in-human-tissue.html
Posted by 管理人 at 2014年02月06日 11:42
>学会誌が拒否したせいで、他の人に業績を先取りされてしまってもいいのか?

科学の歴史上そういうことは数え切れないほどあったし、研究者もみんなそんなことは重々承知の上で仕事してる。
ていうか、そもそも太田グループの発見が小保方さんの発見よりも前だったっていう可能性は考えないの?
太田グループの研究のヒストリーも知らずに、一方的に小保方グループの肩を持つのはフェアじゃないでしょう。
Posted by nanashi at 2014年02月06日 16:41
> 科学の歴史上そういうことは数え切れないほどあったし、研究者もみんなそんなことは重々承知の上で仕事してる。

 そりゃまあ、不正と言えば、同様に、殺人も泥棒も数え切れないほどあったけど、人類はそれを克服しようとして、社会体制を改良させてきた。また、病気などの問題も数え切れないほどあったけど、人類はそれを克服しようとして、科学を発展させてきた。

 向上心というものは人類を進歩させるんです。科学者というのは、そういうものなんです。「過去はそうだったから今後も過去のままでいい」とは思わないものなんです。
 科学に関心のない人には、なかなか理解してもらえないのでしょうが。

> 太田グループの研究のヒストリーも知らずに、一方的に小保方グループの肩を持つのはフェアじゃないでしょう。

 一方の肩を持つのではなくて、虚偽(真実の隠蔽)のかわりに真実に従え、という主張です。
 科学者というのは真実を求めるものです。人間の好き嫌いではありません。なかなか理解してもらえないのでしょうが。
Posted by 管理人 at 2014年02月06日 19:13
Posted by 瑠璃の葉 at 2014年03月17日 23:49
柑橘系の汁がハゲに効く、という話を昔から目にすることがあるが、こういう作用が起きていたのか!?w
Posted by chiha2525 at 2014年03月19日 12:01
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