2014年01月30日

◆ STAP 細胞の原理は?

 話題になっている STAP 細胞について解説する。特に、原理について言及する。 ──

 1. 発見の経緯


 生物の細胞は、胚の時期には多能性(多様な細胞に分化する性質)をもつが、いったん分化したあとでは、多能性を失う。この多能性を回復させることを「初期化する」という。
 細胞を初期化することは、植物の細胞では可能なこともあったが、哺乳類の細胞では不可能だ、というのが常識だった。これを覆したのが、ES 細胞と iPS 細胞だった。しかし、どちらも特殊な手順が必要であったし、また、範囲の限界があった。
 ところが、ごく簡単な手順を経て、哺乳類の細胞を初期化することができる、という画期的な研究成果が出た。こうしてできた細胞が STAP 細胞である。

 ここで、その「簡単な手順」というのが、単にストレスにさらすことだけだった。たとえば、「弱い酸性液にひたす」とか、「細い管に通す」とか。そういった単純さゆえに、「これまでにない画期的な業績」と見なされるようになった。

 これはどういうことか? 次のことだ。
 「今回の手法は、特別な高度な技法を発見したのではない。小学生でもできるような単純な技法を適用しただけだ。それにもかかわらず、従来の生物学を根底から覆すような結果をもたらした」
 これは要するに、次のことを意味する。
 「これまでの生物学は、重大な見落としをしていた」


 これは実に驚くべきことである。
 比喩的に言えば、こうだ。どこかの変人が、「今の生物学の常識はまったくの間違いなんだよ」と唱えていた。その変人を見た学者たちが、「既存の学問を否定するなんて、おまえはトンデモだ!」と非難していた。ところが、その変人の提出したレポートを見て、実際に実験してみたら、まさしくその変人の言うことが正しくて、「今の生物学の常識はまったくの間違いだ」ということが証明されてしまった……というわけ。
 それと同様のことが、今回は起こったわけだ。専門家たちは驚くと同時に、顔面蒼白かもしれない。
 専門家たちが「変人」だと見なしていたのは、実は天才であった。そして、天才を「変人」だと見なした専門家たちが、ただの間抜けだったのである。
( ※ 「あきめくら」という言葉がぴったりだが、この言葉を使うと差別用語と見なされかねない。ちょっとごめんなさい。しかし、他にぴったりの言葉な見つからない。)

 
 これはちょっと、推理小説に似ている。
 大きな謎があって、どう考えても真相が見つからない。ものすごく複雑なトリックが使われているのかな、と思う。そこへ名探偵が出現して、人々に教える。
 「真実は隠されていたわけじゃない。実は真実は人々の目の前にぶら下がっていた。しかし人々は気づかなかった。なぜなら、その真実はあまりにも目の前にあったので、人々はそこに真実があるとは思わなかったのだ。自分で自分の心に蓋をしてしまったのだ。そのせいで真実を見ても見えなかった」

 似た例はある。次のような推理小説だ。
 「秘密の手紙が隠されていると思って、部屋をいくら探しても、見つからない。どこにあるか? 名探偵が現れて、それを教えた。秘密の手紙は、手紙差しに入っていたのだ。だから、そこが盲点となって、誰もがそこにあると気づかなかった」
 実を言うと、探している手紙は、そのままの形ではなかった。手紙の体裁を変えて、別の手紙であるように見せかけていた。だから、それを見ても、それがめざす手紙だとは気づかなかった。
 とはいえ、手紙を探す人々は、机の奥とか、隠し扉とか、そんなところばかりを探して、手紙差しを探そうとはしなかった。そのせいで、真相に気づかなかった。

 今回の研究成果も、同様である。
 酸性液にひたすとか、細い管に通すとか、その程度の実験なら、誰もが思いつく。小学生レベルのことだ。しかしながら、そうすれば初期化が可能になるとは、誰も思い至らなかった。人々は、遺伝子の注入とか何とか、特別に難しい方法ばかりを研究していた。簡単な方法で初期化が可能になるとは誰も思わなかった。
 
 いや、それだけではない。「簡単な方法で初期化が可能になる」という事実は、実は、非常に多くの人々がすでに観察していた、当り前の実験結果だったのである。しかし、その当り前の実験結果を見ても、人々はその実験結果を理解できなかった。自分で自分の見たものを理解できなかった。
 ここに今回の研究の本質がある。
 記事を引用しよう。
 幹細胞は、ふつうの細胞よりサイズが小さいという特徴がある。マウスの体から取ってきた細胞の中から小さい細胞だけをより分ければ、幹細胞を集められるのではないか。指導教授のアイデアに従い、細いガラス管に通して小さい細胞を選別する実験をしていた。
 内径 0.03 〜 0.05ミリのガラス管を通すと、確かに幹細胞のような細胞が出てきた。ところが、ガラス管を通す前の細胞の中には、幹細胞はまったく見つからなかった。
 ふつうなら、あるはずなのに見つけられないだけ、と考える。だが、小保方さんは違った。幹細胞が「より分けられている」のではなく、細いガラス管の中に押し込められるという刺激によって、幹細胞のような細胞が「作られている」のではないか――。現象をありのままに解釈した。
( → 2014年1月30日

   ※ 幹細胞の解説は下記にある。(読まなくてもいい。)
  → Wikipedia

 ともあれ、ここでは、現象をありのままに解釈したということが決定的に重要だ。
 ひるがえって、他の研究者は、どうだったか? 研究を、ありのままに解釈するかわりに、既存の知識によって解釈した。
 つまり、「いったん分化した細胞が簡単に初期化することはない」という常識によって解釈した。そのせいで、自分の目で見たものを、自分で信じられなかった。「それ以前にはない」という事実を見ていながら、「自分の実験がまずかったから見つからないだけだ。本当はあるんだ」と思い込んでいた。
 これはいわば、「裸の王様」と同じである。「王様は服を着ている」と頭で思い込むから、現実には裸である王様を見ても、「王様は裸だ」と言えない。
 それと同様に、「(幹細胞は)それ以前にはない」という事実を見ていながら、「(幹細胞は)ある」と頭で思い込むから、「(幹細胞は)それ以前にはない」と言えない。
 
 今回の研究者がなしたことは、特別な技術や知識だったのではなくて、「王様は裸だ」と言うだけの「真実を見る目」だったのである。
 ただ、これは、「言うは易く、行なうは難し」だ。自分の目で見たものをそのまま信じるということは、普通の人にはできない。それをするためには、「自分は間違っていない」と断言できるだけの知識と同時に、ある種の勇気が必要となる。

 では、彼女は、その勇気をどうやってつかんだか? 
 小保方晴子(おぼかたはるこ)さん。
 早稲田大学理工学部に、人物重視で選考するAO入試の1期生として入った。当時、面接で「再生医療の分野に化学からアプローチしたい」とアピール。ラクロスに熱中し、「日々、大学生の青春に忙しかった」というふつうの学生生活を送っていた。
 応用化学科の研究室で海の微生物を調べていたが、指導教官から「本当は何をやりたいか」を問われ、最初の夢を思い出し、大学院から、再生医療の分野に飛び込んだ。
( → 朝日新聞 2014年1月30日

 これを見ると、AO入試の効果のようにも見えそうだ。だが、大学に入学しても、そのこと自体はろくに効果はなかった。ラクロスに熱中したぐらいだ。
 彼女がこの分野で進歩したのは、大学院進学後だ。大学ではなく、大学院で方向転換して、猛勉強した。AO入試や大学はあまり関係なかった。(記事を読めばわかる。)

 では、何が大切だったか? 私の考えでは、化学畑の出身だった、という点が大きいと思う。それゆえ、生粋の生物学者にありがちな先入観を持たなかった。どちらかと言えば、物理化学的な、「実験こそが真実」という科学者本来の立場を固守した。ここが大事だったと思う。
 彼女は余計な先入観を持たなかった。自分の目で見たものだけを信じた。自分の目で見なかったものを信じなかった。余計な知識には惑わされなかった。物事をゼロから考えた。そこが他の人と違う。

 普通の人の発想とは、こういうものだろう。
 「学界の定説こそ正しい。学界の定説に反する発想は、トンデモだ!」
 こういうふうに、学界の定説を固守する。しかし、そういうところからは、画期的な新業績というものは生まれないのである。
 学術研究というと、「多くの情報を得て、そこに自分の新見解を加えて、研究成果を出そう」と思う人が多い。しかし、多くの情報を詰め込めばいいのではない。他人の情報をいくら蓄積しても、そこからは独自の業績は生じない。独自の業績を得るには、他人の情報を探るのではなくて、自分だけで新たな情報を探り当てなくてはならない。そして、自分だけの新たな情報というのは、他人の業績のなかに見つかるのではなくて、(実験などの)事実のなかに見つかるのである。
 つまり、新たな真実は、自然のなかにひそんでいるのであって、学術雑誌のなかにひそんでいるのではない。なぜなら、学術雑誌のなかにひそんでいるのは、すでに既知の真実ばかりであるからだ。他人の探し当てた宝をいくら見つめても、そこには自分だけの宝は見つからないのである。
 新しい真実というものは、自然のなかに見つかる。それを探りたければ、物事をゼロから考えるという方針を取るべきだ。そうすれば、既存の知識に左右されずに、物事を素直に見つめることができる。
 物事をゼロから考えるということ。物事を根底から考え直すということ。それは、発想そのものを初期化するということだ。── そのことの大切さを、彼女は我々に教えてくれる。

 ──

 なお、今回の研究は、彼女一人でなしたものではなくて、周囲のバックアップが大きかった。特に、次のことは大きかった。
 刺激で細胞を変化させるという今回の成果につながるアイデアが浮かんだのは08年に留学していた米ハーバード大でのことだった。
 実験で極細のガラス管にマウスの細胞を通すと、予想より多い幹細胞ができた。「狭い場所を通る刺激がきっかけになったのではないか」と発想を転換して研究を続けた。
 しかし、米国の専門家にも共同研究を持ちかけても、実績のない若手は相手にされない。救いの手を差し伸べたのは10年、センターで研究中の若山照彦・現山梨大教授(46)だった。世界初のクローンマウスを作った若山さんは、突然訪ねてきた小保方さんの協力依頼に「最初は信じられなかったが、僕が証明できれば米国に勝てると思った」と応じた。
 毒素を使ったり、細胞に栄養を与えず飢餓状態にしたり……。11年にセンター客員研究員になった小保方さんは実験を続け、その年の冬、若山さんと、STAP細胞からできた細胞を持つマウスを誕生させた。
( → 2014年1月30日 読売新聞

 この助力はきわめて大きかった。彼女としても、大きな協力を得て、勇気百倍になっただろう。
 ただ、やはり一番大きかったのは、彼女自身の勇気だ。当初はたぶん、「トンデモだ」というような扱いを受けたのだろう。また、論文を最初に提出したときも、Nature からトンデモ扱いされた。
 それでも、理研の優秀な先輩たちの助力もあって、挫けずに突き進めた。そういう助力も大切だったが、やはり、初志貫徹のできた彼女の勇気が、最大のポイントだったと思う。
 そして、このような勇気と、最初の「ありえそうもない真実を見て、それをあるがままに見る」ということとは、実はつながっているのである。
 物事の真実を見抜くということは、ただの知性の問題というよりは、既存の学術常識と戦うだけの勇気を持つことを意味する。そういう勇気を持つことは、きわめて難しい。なぜなら、たいていの人は、次のように思っているからだ。
 「新たな知識は、既存の知識よりも、一歩先にある」
 こう考えて、既存の知識の上に、もう一段を加えようとする。
 しかし、このような方針からは、画期的な業績というものは生まれない。画期的な業績をもたらすものは、何か? 「既存の知識を全否定すること」か? 違う。「物事をあるがままに見る目」である。そして、それを持つことは、きわめて難しい。それを持つには、大きな勇気を必要とするからだ。

 2. 研究の解説


 今回の研究について解説しよう。
 内容自体は、各種の新聞などに簡単に報じられている。たとえば、産経。
  → 酸の刺激だけで万能細胞作製 新型「STAP」

 理研のサイトには、もうちょっと詳しいまとめがある。
  → 理化学研究所 60秒でわかるプレスリリース

 さらに詳細な解説もある。
  → 理化学研究所 プレスリリース (詳細版)

 最も詳しいのは、Nature の論文だ。
  → Stimulus-triggered fate conversion of somatic cells into pluripotency (有料)

( ※ 別途、英文の短い解説記事もある。
  → Acid bath offers easy path to stem cells : Nature )

 ──

 研究の詳細は、上の話を読めばわかるのだが、あまりにも専門的すぎて、よくわからない人が多いだろう。そこで、私が解説しておく。

 基本は、彼女が最初に見出した通り、「ストレスによって初期化が起こる」ということだ。あとは、これを実験で実証すればいい。では、どうやって?
 初期化したことは、多能性があることでわかる。多能性があることは、多能性細胞に特異的な遺伝子である Oct4 の発現をチェックすることでわかる。そのチェックのためには、Oct4遺伝子の発現がオンになると緑色に蛍光するタンパク質「GFP」を用いる。

 ここで「GFP」というのは、2008年にノーベル化学賞を受賞した下村脩が見出したものだ。
  → Wikipedia
 こんなところでも日本人の業績が役立っている。今回、下村脩の貢献に言及している人はほとんどいないようだが、実はしっかりと貢献しているのだ。忘れないでおこう。

 さて。この GFP を使うと、分化した細胞が初期化したことが判明する。すると、次の動画のような結果が判明する。


酸性処理したリンパ球より初期化され、STAP細胞になってゆく最初の3日間の過程を示します。緑色の蛍光は、Oct4という多能性細胞マーカー遺伝子が活性化していることをGFPタンパクの発現レポーターで示したものです。もともとGFPタンパクの蛍光を発していないリンパ球が、2日程度で蛍光を発現しだすことが判ります。


 このような方法で、さらに何種類かの方法を用いて、いろいろと多能性細胞独自の点を検証した。

 さらに続いて、実際に多能性が発揮されることを検証する。
 まずは、分化培養やマウス生体への皮下移植により、外胚葉(神経細胞など)、中胚葉(筋肉細胞など)、内胚葉(腸管上皮など)の組織に分化することを確認した。


rfig4.jpg
図の出典


 また、マウス胚盤胞に注入してマウスの仮親の子宮に戻すと、全身に注入細胞が寄与したキメラマウスを作成できた。


rfig5.jpg
図の出典





 こうして、多能性を持つことが実証された。
 さらに、付随して、あれやこれやと実証する実験を付け加えた。その詳細は、ここでは省略する。理研のサイトを読めばわかる。
 かくて、初期化がなされたことは、完璧に証明されたことになる。
( ※ 有無を言わせないほど、完璧な証明。文句を付けた Nature の側は、「ぐうの音も出ない」という感じかな。)

 3. 原理は?


 現象そのものについては、すでになされた実験で十分と言えるだろう。特に何かが足りないということはないと思う。(文句を言いたい人がさんざん文句を付けたはずなので、今さら他の人がいちいち口を挟むようなことはないだろう。)

 問題は、原理だ。現象はわかったが、その現象をもたらす原理はどうなっているのか? いったいどういう過程で、分化した細胞が初期化されるのか? ここが最も興味深い点だが、実は、判明していない。
 
 次のように述べた人もいる。
 論理的に納得できるようになるには、この現象の背景にあるメカニズムを理解する必要がある。
 酸や他のストレスでエピジェネティック機構が影響を受ける事は私も想像できる。再現性の高い実験結果である事も十分示せていると思う。しかし、エピジェネティック機構の揺らぎが、なぜ全能性のネットワーク成立に落ち着くのかなど、納得できない点が多い。おそらく体細胞では厳密に押さえられている多能性遺伝子が、酸や様々なストレスで開放され、多能性の転写ネットワーク形成を自然に促すのだろう。Octなど多能性ネットワークの核になる遺伝子の決定力が他の分子を凌駕しているなら、あり得る話だ。まただからこそ、多くの多能性に関わる遺伝子が体細胞では絶対に発現しない様抑制を受けているのかもしれない。事実Octだけでリプログラムが進むと言う話はこれまでも報告されている。ただ、これは全て私の想像だ。
( → AASJ 西川伸一

 この人の疑問はもっともだ。(メカニズムがわからないので知りたい、ということ。)
      【 以下は、誤りなので、取り消します。】
     だが、彼の想像した話は、相当に見当違いだろう。
     「酸や他のストレスでエピジェネティック機構が影響を受ける事は私も想像できる」
     と書いているが、そんなことはありえそうにない。理研の文書には、次のように書いてある。

     DNAメチル化パターンを解析すると、エピジェネティックな情報も多能性細胞型に変化していた。
    ( → 理研

     つまり、細胞が初期化されたときに、エピジェネティックスも初期化されていたことになる。
     そもそも、エピジェネティックスというのは、細胞が分化したあとで後天的に修飾される過程なのだから、初期化とは何の関係もないはずなのだ。
    ( ※ 比喩的に言うと、白髪が発生するという過程は、老人に特有の過程なのだから、個体が赤ん坊に逆戻りするという過程においては、関係があるはずがない。老化の過程は、若返りの過程とは、何の関係もない。方向が正反対である。)


 では、正しくはどうなのか? 

 ──

 以下では、私なりに見解を述べよう。

 そもそも、多能性とは何を意味するのか? あらゆる遺伝子が発現可能であるということだ。
 そして、それは、遺伝子や個体に新たに追加される性質ではない。一見、新たに追加される性質のように見えるが、そうではない。そのような性質は、最初から備わっていたのだ。
 ただ、個体が成熟したあとでは、その性質(多能性)が失われる。それがつまり「分化した細胞」の性質だ。
 そして、分化した細胞が初期化されるということは、新たな形質が追加されるわけではなく、いったん失われた性質(多能性)が取り戻されるだけだ。
 では、多能性はなぜ失われるのか? 

 さて。ここで、重要な事実を指摘しよう。
 人々は、DNA というものを一本の細長い紐のように思っているようだが、そうではない。見かけ上はそうだが、実は、折り畳まれて、きつく固まって、棒のようになっている。一本の DNA は、伸ばせば長さが2メートルにもなるのに、細胞内ではごく短い棒のような形状になっている。
  → DNAがもつれないわけとは?

 このように「かたまり」状になった DNA は、そのままでは、遺伝子を発現させることはできない。( RNA と接触することもできないからだ。)
 遺伝子が発現するためには、いったんその箇所で DNA がほぐれることが必要だ。
 DNAはきつく(曲率半径数〜10数nm)折り曲げられることで遺伝子としての機能が抑制され、折りたたまれたDNAの一部がほどけることで、機能を発揮すると考えられている。
( → マイナビニュース

 ここまでは、すでに知られた事実だ。このあと、私の考えを述べよう。

 ──

 分化した細胞では、その分化した細胞に特有の遺伝子が働くだけで十分だ。他の遺伝子は眠っている必要がある。さもなければ、体のあちこちで、新たな胎児が出現したり、全然関係の体細胞が誕生したりしてしまう。そんなことでは困る。
 どの細胞にも、その細胞において必要な少数の遺伝子だけが発現すればいい。他の遺伝子はすべて眠っていていい。
 ここでは、遺伝子というものは、個体発生のためにあるだけでなく、生命活動全般のために働いていることになる。(その場その場で、特定の遺伝子が働いている。)……この件は、前にも述べた。
 DNAと遺伝子とは、(細かい点を除けば)同一視される。しかし、DNAは「遺伝子」と呼ぶよりは、「生命子」と呼ぶべきなのだ。そうしてこそ、DNAの本質を言い表す。
 DNAは、個体発生のときに個体を形成するためだけに働くのではなく、それ以後のすべての段階で働くのだ。人間で言えば、誕生前の 280日ほどの期間だけに働くのではなく、それ以後の 80年ぐらいの人生のすべてにおいて働き続けるのだ。すべての遺伝子が毎日働く、というわけではないが、とにかく毎日、莫大な数の遺伝子が働いている。(もちろん、働いていない遺伝子もたくさんあるが。)

( → 遺伝子の意味(生命子)

 さて。ここで問題がある。
 そのように働くDNAは、細胞内のどこにあるか? 真核生物で言えば、それは、真核細胞のなかの細胞核のなかにあるはずだ。

sinkaku.png  saiboukaku.png

chromosom.png
 上左図は、真核細胞の図だ。@は 核小体であり、Aは細胞核である。
 上右図は、細胞核の図だ。Dは、クロマチンと呼ばれる糸状のもので、DNA のことだと言っていい。
( ※ 図の詳細の説明は → Wikipedia ) 

 さらに言うと、このクロマチンというものは、DNA が折り畳まれて長い棒状になったものである。(右図)
 
 DNA というものは、以上の図のような形で、真核細胞のなかに存在する。

 さて。前述の通り、分化した細胞では、その細胞の働きを規定するのは、 DNA である。これは、どういうことか? 
 私は、次のように考える。
 「真核生物においては、細胞核のなかにある DNA が、その細胞の働きを規定する。つまり、細胞核のなかにある DNA が、その真核細胞を支配する」


 DNA というものは、体のあちこちで勝手に働いているのではない。それぞれの細胞のなかの細胞核のなかで、それぞれの細胞ごとに、別々の働きをする。つまり、それぞれの細胞ごとに、別々の DNA が独立して働いているのである。それは、「 DNA が細胞を支配する」という表現で示すことができる。
 
 ここで、環境の激変が起こる。(つらい環境というストレスがかかる。)すると、どうなるか? 
 環境の激変にさらされて、大半の細胞は死滅する。しかし、生きるか死ぬかの境界において、かろうじて生き残った細胞は、必死に生き延びようとする。そのとき、次のことをなす。
 「折り畳まれた DNA をほぐして、あらゆる遺伝子が発現可能であるようにする」


 これがつまり、多能性を獲得する(初期化される)ということだ。

 つまり、分化した細胞が初期化されるということは、「折り畳まれた DNA がほぐされる」ということと、同義である。
 それはまた、「特定の遺伝子だけが発現可能である」という状況から、「すべての遺伝子が発現可能である」という状況へと、遺伝子の発現状況が変わることでもある。

 以上のように私は考える。

( ※ ただし、それ以外のこともありそうだ。先に述べたように、エピジェネティックスの意味でも、STAP細胞は初期化されている。ということは、DNA そのものが何らかの形で当初状態に戻っていることになる。)


 4. 初期化の理由

   ( ※ すぐ後で述べるように、この箇所は取り消しの扱いとする。)

 ではなぜ、このような機能(分化した細胞がふたたび多能性を回復すること)が、細胞にはもともと備わっているのか? 
 それは、フェイルセーフのためであろう。具体的には、「個体発生の安全装置」である。
 個体発生の途中で、何らかのエラーが起こるかもしれない。その際、エラーが起こったままだと、エラーをもつ欠陥状態の個体が生じる。それだとまずい。
 そこで、エラーが起こったとき、それを補修するための装置があるといい。それが、「初期化」だ。
 たとえば、個体発生の途中で、体のごくごく一部が欠損するというようなエラーがあったとする。そのままだとまずい。そこで、その欠損した部分を補修するために、多能性細胞が使われる。こうして、微小なエラーの発生にもかかわりなく、エラーの補修された個体が発生する。
 以上のように推定できる。(仮説)

 【 注記 】
 この 4. の仮説については、取り消しの扱いとしたい。その後、新たに次の仮説を出した。こちらを取りたい。
  → STAP細胞と細胞分裂 (原理・再現性)

 5. 初期化の限界


 上のことが初期化の理由だとしたら、それが働くのは、個体発生の途中だけである。例外的に、その機能は、誕生直後にまで維持されるかもしれない。(余裕を見た機能継続。)
 このことが「誕生後 10日間までは多機能性がある」ということの理由となる。
 いったん誕生したあとでは、もはやエラーの補修は必要ない。個体の新規形成はなされず、個体の成長だけがある。「欠損の補修」というような課題は発生しないのだ。それどころか、そのような多能性細胞は、かえって邪魔になる。「 DNA がほぐれたままである」なんていうのは、かえって有害だ。だから、多能性は失われる。
 こうして、「誕生後 10日間を越えると、多機能性は失われる」というふうになる。
 とはいえ、(私見だが)この日数の限界は、何らかの化学物質によって打ち破ることが可能だろう。「 DNA がほぐれない」という状態は、何らかの化学物質によって制御されているはずだから、その化学物質を阻害するような新物質を導入すれば、日数の限界を打ち破ることもできそうだ。

 6. 臨床への適用


 臨床への適用はどうか? 
 すでに実験事実で判明しているのは、「キメラ状にさまざまな細胞に分化した」ということだ。これは次のことを意味する。
 「遺伝子の発現を制御する状況が、もともとまわりに用意されているならば、その制御を受けて、STAP 細胞も分化する」

 
 とすれば、STAP 細胞を分化させるための制御機構が、もともと周囲にあることが必要だ、と言える。
 たとえば、STAP 細胞を単独で置いても、それがどんな細胞に分化するかは、まったくわからない。STAP 細胞を特定の細胞に分化するためには、それを制御するための状況が、周りにあることが必要だ。

 ただ、この問題は、すでに iPS 細胞でも研究が進んでいるから、その研究を応用するといいだろう。
( ※ 細胞の分化を制御するためのホルモンまたは代替物質を使うことで、分化を制御できる。)

 もっと簡単なのは、高度な分化を必要としない一様な細胞に分化させることだ。たとえば、肝臓の細胞ならば、一様な細胞なので、これに分化させることはかなり容易だ。
 このようなことは、iPS 細胞ではすでに実現しているから、その方法を適用するといいだろう。

 他にも、同様の例はいくつか思い浮かぶ。
  ・ パーキンソン病の治療
  ・ 白血病の治療
  ・ 脊髄損傷(中枢神経の損傷)

 などだ。

 このうち、最後のものについては、すでに猿による実験が進んでいるという。
 脊髄損傷で下半身が不自由になったサルを治療する実験を進めていることを30日明らかにした。
 研究チームの同大医学部・小島宏司医師によると、脊髄損傷で足や尾が動かなくなったサルの細胞を採取し、STAP細胞を作製、これをサルの背中に移植したところ、サルが足や尾を動かせるようになったという。
( → 新万能細胞、サルの治療で実験中…ハーバード大[読売新聞]

 すでにこんなところまで実験が進んでいるんですね。
    ( ※ なぜこんなことになったか? Nature が論文掲載の拒否をしていたからですね。本当なら、もっとずっと前に公表されていて、あちこちで同様の研究が進んでいたはずなのに、Nature がやたらと掲載延期を続けていたから、仕方なく、内輪だけでいろいろと応用研究まで進めてしまったわけだ。)
    ( ※ Nature は世界の研究を停滞させた、といってもいい。厳密さにこだわるあまり、慎重になりすぎて、研究の発展を遅らせてしまった。)


 7. 特許


 特許はどうか? 日本特許にならず、共同研究したアメリカに特許を奪われるのではないか? ……そういう心配をする人もいるが、心配ない。
 実は、特許はすでに日米共同で出願済みだ。
  → 発明者に小保方さんの名も、既に国際特許出願
  → 小保方晴子さんのSTAP細胞の特許出願が公開されています

 というわけで、特許の心配はない。京大の例にならえば、人類全体が無償でこの特許を使えることになるだろう。
 



 ※ 急いで書いたので、間違いが含まれているかもしれません。
   お気づきの点があれば、ご指摘ください。

 


 【 関連項目 】

 → STAP細胞と iPS細胞の類似

  ※ 本項の関連。「両者の原理は同じ」という仮説を実証するための実験方法を示す。



 【 後日記 】
 原理については、続編となる記事を書きました。
  → STAP細胞と細胞分裂 (原理・再現性)
  → STAP細胞の原理 3
 これらの項目を、本項と合わせてお読みください。(続編の方が、重要な内容を含んでいます。)
 
 ※ ただし、いずれも「 STAP細胞は真実だ」ということが前提とされています。一方、真実であるか否かは、未確定です。少なくとも今回の実験は、「実験ミス」である可能性が非常に高いようです。
posted by 管理人 at 22:23| Comment(24) |  STAP細胞 | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
朝からこの話が気がかりでした。
DNAを解きほぐす何らかの化学物質があると、メルモちゃんみたいなことが起こりそうですね(ネタが古すぎますが)。

トンデモへの皮肉も混じって楽しく読ませていただきました。
Posted by 京都の人 at 2014年01月31日 00:33
※ 下記の箇所は、誤りなので、取り消しました。(取り消し線で。)

 ──

 そもそも、エピジェネティックスというのは、細胞が分化したあとで後天的に修飾される過程なのだから、初期化とは何の関係もないはずなのだ。

 ──

 ※ なお、この件は、STAP細胞への言及ではなくて、STAP細胞への感想を述べた人(つまり第三者)への言及なので、本項の大筋には影響しません。
Posted by 管理人 at 2014年01月31日 00:37
小保方さんへの私の個人的な希望。

 できれば、下村脩さんにお礼の言葉を述べてほしい。それも、なるべく早く。
 私がいちいち言うまでもなく、彼女は「お礼をしたい」と思っているはずだ。いかにも心の優しそうな人だからだ。ただ、同時に、「ノーベル賞学者に会いに行くなんて、差し出がましくて、畏れ多い」とも思っていそうだ。

 そこで私としては、注釈しておく。
 「差し出がましいということはない。あなた自身がノーベル賞は確実だし、ノーベル賞学者のなかでも特別傑出した存在だ。だから、何も臆することはない」
 「それより、下村脩さんがとても喜ぶはずだ。基礎研究者にとって、一番嬉しいのは、自分の研究をまさしく社会に役立つ形にして生かしてくれる人だ。下村脩さんは小保方さんの研究を本当に喜んでいると思う。小保方さんがお礼を述べたら、ノーベル賞をもらうのと同じぐらい嬉しい、と喜ぶはずだ。」
 「あと、小保方さんはかわいいので、会うだけでも喜びそうだ。」(これは蛇足ね。)
Posted by 管理人 at 2014年01月31日 00:49
単刀直入に伺いますが、この論文をどの程度読みましたか? abstractだけでも読んで理解していたら、こういう記事書けるはずはないと思います。

> 「酸や他のストレスでエピジェネティック機構
> が影響を受ける事は私も想像できる」
> と書いているが、そんなことはありえそうに
> ない。

一報目の論文のabstractには、DNAのメチル化について言及されていますよね。そして、

>Thus, our findings indicate that epigenetic
> fate determination of mammalian cells can
>be markedly converted in a context-dependent
> manner by strong environmental cues.

はっきりとepigeneticという言葉が使われています。これが著者の解釈です。

もちろん、論文がメチル化という代表的エピジェネティック・メカニズムを支持していることを承知で、それに反論するのはありです。しかし、現実には、このブログの記事ではそうはせず、論文の内容と合致する妥当な「想像」だけを正当な理由もなく「見当違い」呼ばわりしているわけです。

記事全体の再点検を期待します。
Posted by Mochimasa at 2014年01月31日 00:56
ええと、クロマチン構造の調節もまた、エピジェネティック制御の一種です。
Posted by しん at 2014年01月31日 01:09
エピジェネティックの認識は、私の間違いでしたので、該当箇所をすべて取り消しました。(取り消し線。)
 修正して、お詫びします。

 ──

 ただ、先にも述べたように、これは第三者の見解への言及ですから、今回の研究の話題自体には影響しません。
 エピジェネティックうんぬんは、あくまで余談ふうの扱いです。
Posted by 管理人 at 2014年01月31日 01:22
エピジェネティックスについての私の話は間違いだ、という指摘が、別途、専門家からも来ました。
 
 なお、福岡でエピジェネティックスの会議があるそうです。本日31日から。
Posted by 管理人 at 2014年01月31日 01:34
たしかにあなたが何に主眼をおいて記事を書くかは自由ですよ。

しかし、

> 今回の研究の話題自体には影響しません。

これはないでしょう。

エピジェネティクスは正に研究の話題ですよ。これが余談というなら、あなたにとって研究内容はどうでも良かったということになりはしませんか?
Posted by Mochimasa at 2014年01月31日 01:36
何か、私の間違いを見つけて、鬼の首でも取ったかのように大喜びしている人がいるようですけど、私は別に、完全無欠じゃないですよ。そんなことを言ったこともない。
 それどころか、あらかじめ本項の末尾に、「間違いがあったらご指摘ください」と書いておいたでしょ? 間違いが含まれていることは、最初から予想されていました。

 ま、いくら間違えたといっても、この人ほどひどい間違いはしていません。
  → http://fm7.hatenablog.com/entry/2014/01/30/133326

 これを書いた人は、はてなの人気ブロガーで、しかも生物の専門家なんだから、上記に文句を言えばいいのに。
 文句を言いやすい相手にばかり文句を言う、というのは、何といいますか、アレですな。
Posted by 管理人 at 2014年01月31日 01:39
> エピジェネティクスは正に研究の話題ですよ。

 本項は、STAP細胞 の基本を扱うだけです。

 なお、私は理研のプレスリリースしか読んでいません。エピジェネティックスという語も、 epigenetic という語も、見ていません。見ていない概念は、頭の外にあるので、言及外となるだけです。
 
 あと、あなたはたぶん誤読していると思うけど、私は、

> 今回の研究には影響しません。

 とは書いていません。私は、

> 今回の研究の話題自体には影響しません。

 と言ったのであって、それはつまり、「本項の主題には影響しません」ということです。本項ではエピジェネティックスは扱っていませんから。要するに、第三者の話題は、本項とは関係ない、と言っているだけです。
 なお、本項は、STAP細胞のすべてを論じているわけではなくて、初心者向けに一部をつまみぐいしているだけです。
 Mochimasa さんは、本項を専門家向けの論文だとでも思っているの? そうじゃないですよ。今回、エピジェネティックスは扱っていない解説記事は、いっぱいあります。
Posted by 管理人 at 2014年01月31日 01:51
この世界には専門家から順番に間違いを指摘するべきという指針があり、非専門家への間違いの指摘は専門家よりも難しいというコンセンサスがあるのですか?
私はそんな指針は知らないし、そういうコンセンサスを共有していません。

だいいち、そのブログは私が見た時点で訂正されていたし、ここにあるような見苦しい言い訳も見当たらないじゃないですか。

間違いをなかったことにする人がいるなかで、このブログはきちんとそれに対応する良心的なブログと見込んで真剣に書き込みましたが、大変期待はずれでした。
Posted by Mochimasa at 2014年01月31日 01:56
エピジェネが「本項の主題には影響しません」ということは
この記事がSTAPについて何も語っていない中身のないものだと
言ってるのとかわりませんよ。この研究の正に主題なのですから。

エピジェネの話を扱っていない解説記事が多くあると書かれてますが、
それはエピジェネが解説の主題に影響を与えないからではありません。
そんな風に思ってSTAP関連の「解説」記事を書いている人はあなたぐらい
ではないでしょうか。

少なくとも、文頭においてSTAP細胞の「原理」について解説・言及するとうたっておきながら、
エピジェネが主題に影響しないなんてことはありえません。
エピジェネティクスこそが原理の主要な部分なのですから!

管理人様のご認識、ご対応がmdr52さんのそれよりも酷いのは明らかです。
Posted by Chrite at 2014年01月31日 07:06
> by Mochimasa

 あなた、相当に誤読していますね。日本語を読めないの? 
 私は、「間違いを指摘するな」と言っているのではありません。間違いにはお詫びして修正しています。
 私が言っているのは、「間違いを指摘するのならともなく、下品な攻撃をしないでほしい」ということです。間違いを指摘するのなら淡々と指摘すればいいのであって、いちいち相手を人格攻撃する必要はありません。
 学術の世界は2ちゃんねると違います。相手への人格攻撃は必要ありません。

> エピジェネが「本項の主題には影響しません」ということはこの記事がSTAPについて何も語っていない中身のないものだと言ってるのとかわりませんよ。

 その言葉の対象は、理研でしょう。私に言わないで、理研に言うべし。
 「理研のニュースリリースには、エピジェネティックスという言葉が欠けている。おまえたちは STAP細胞 について何ももわかっていないんだ! わかってもいないくせに STAP細胞 について書くな!」
 と理研に文句を言えばいいでしょ。ね? どうせあなたは理研よりもずっとお利口なんだから、理研に文句を言えばいいんですよ。 
 そもそも私の文章は、理研のニュースリリースのそのまた一部しか扱っていません。

> エピジェネティクスこそが原理の主要な部分なのですから!

 原論文を見てから書きましょう。原理が何かはまだ判明していません。一部についておおまかな推察がついてるだけです。
 しかも、エピジェネティックスは原理そのものではなくて、原理への引き金であるに過ぎません。
 だいたい、エピジェネティックスが原理そのものだとしたら、生体内のあちこちでエピジェネティックスが働くたびに初期化が起こってしまうでしょ? 生体内のすべてで初期化が起こってしまう。ありえない。
 あなたは原論文のエピジェネティックスの箇所をまったく理解できていない。私は読んでなかったから知らなかっただけだが、あなたは読んでもまだ理解できていない。

> 管理人様のご認識、ご対応がmdr52さんのそれよりも酷いのは明らかです。

 私はSTAP細胞の原論文(ニュースリリース)への解説ではエピジェネティックスについては言及していません。第三者の想像について言及しているだけです。あなたはそこを勘違いしている。
 しかも、私が間違いを認めて修正したのに、それ以上の何を求めるの? 裸踊りをしろとでも言うの? 

 結局、あなたは単に他人を人格攻撃したいだけでしょ? そういうことをしたいのであれば、2ちゃんねるにゆくべし。そこで勝手に悪口を書けばいい。
 あなたの居場所は、学術の世界ではありません。居場所を間違えている。 

> 文頭においてSTAP細胞の「原理」について解説・言及するとうたっておきながら、

 それはあなたの脳内妄想または誤読による歪曲。もう一度読み直してごらん。また、本文中の、「実は、判明していない。」という箇所を読んでごらん。
Posted by 管理人 at 2014年01月31日 07:20
日本語を読めない人の意味不明な文章(ブローカ失語ふう)が1件あったので、削除しました。
Posted by 管理人 at 2014年01月31日 12:20
コメントを書いた人が、あまりにも可哀想なので、少し教えて上げる。
 他人を攻撃すると、「自分は利口だ」というつもりになって、得意になっているのだろう。だが、第三者の目に、自分がどう見えているか、気づくといい。
 他人を攻撃ばかりしていると、「こいつはこういう人なんだ」と思われるだけだ。「現実世界では決して近づきたくないタイプだな」と思われる。
 2ちゃんねるには、他人の悪口ばかりを書いて、憂さ晴らしをしているニートがいっぱいいる。そういう連中と同様の人間だな、と思われる。
 ただ、2ちゃんねるの連中は、自分のみっともなさを理解しているから、必ず匿名である。あくまでも名無しである。ところが、本項では、はてなのハンドルを使ったりして、自分の素性を明かしている人がいる。
 実に可哀想だ。それは、2ちゃんねるでみっともない文章を書いたあげく、自分の素性を明かすのと同様である。自分で自分の恥さらしをしている。
 つまり、相手を攻撃すれば攻撃するほど、自分で自分の恥さらしをしている。相手を攻撃すれば攻撃するほど、自分のみっともなさがさらけだされるだけだ、と気づいていない。
 本項のコメントでも、いろいろと恥さらしな文章を書いて残している人がいるが、本当に哀れだと思う。「私はこういう人間なんです」とネット上で恥さらしをしているのだが、そのことに気づいていない。
<!--
 あまりにも可哀想なので、私がここで教えて上げるわけだ。
 私が意地悪だったら、「見て見ぬフリ」をして、相手が今後も馬鹿な恥さらしを続けるのをほうっておいて、「けけけ、猿回しの猿だな」と笑っているだろう。しかし、私はそれほど意地悪じゃないので、猿回しの猿を見たら、「あなたは猿回しの猿をやっているんですよ」と忠告してあげる。
 
 ただ、相手がそれを理解できるかどうかは、私の関知するところではない。猿には人間の言葉が理解できないかもしれない。そのあげく、「キーッ」と奇声を上げて、相手を引っ掻こうとするかもしれない。
 ま、エテ公相手というのは、やってられないよね。無視するしかないかな。「コメント拒否」という手もあるし。
 
 細胞が初期化して、元の状態に戻ることがある。
 人間も、進化が初期化して、猿に戻ることがある。(????)
 -->
Posted by 管理人 at 2014年01月31日 13:02
あ、いつも以上に南堂さんのこのテーマに気合感じますし、良くも悪くも反響もありますね。

ひゃまは思うんですけど、数百年の科学の積み重ねは重要ではあるけれど、それに固執しない姿勢こそ自然に向かう真の科学者の姿なんでしょうってことを痛感しました。

ってことで、万能細胞ならず、万能持論の紹介ですw
万能時間の量子重力理論(Quantum gravity theory on the universal time)
http://note.chiebukuro.yahoo.co.jp/detail/n233229
Posted by ひゃま at 2014年01月31日 19:05
学術誌 Nature の論文へのリンクが間違っていたので、リンクを付け直しました。
Posted by 管理人 at 2014年01月31日 20:20
悪口コメントを言う人は、誤読しているのだが、どこを誤読しているか、解説しておく。

 私が言ったのは、次の二点。
 (1) 第三者の見解についての私の批判は、妥当ではなかった。なぜなら、エピジェネティックスの適用範囲について、私は間違えていたから。ゆえに、私の間違いを認めて、上記の批判を全面的に取り消した。同時に、間違いをお詫びした。
 (2) しかしながら、私が取り消したことは、第三者の見解についての批判に限定されるから、他の部分(理研の成果についての解説)には、適用されない。実際、取り消した部分以外については、何ら訂正の必要がない。つまり、(1) の間違いゆえに論旨全体が損なわれること(親亀こけたら皆こけたとなること)は、ない。

 要するに、「一部分に間違いはあったが、その間違いは他部分には波及しない」と述べたわけだ。

 ところが、これを誤読した人は、次のように解釈した。
 「エピジェネティックスについての認識が間違っているから、論旨全体が間違いだ。なぜなら、エピジェネティックスは今回の成果の根幹をなすからだ」
 
 これに対して、私は次のように指摘した。
 「理研のニュースリリース(詳細版)には、エピジェネティックスについての言及はない。エピジェネティックスが今回の成果の根幹をなすのだとしたら、理研のニュースリリース(詳細版)そのものが、今回の成果を正しく述べていないことになる。それは変でしょ?」 

 ま、簡単に言えば、エピジェネティックスが今回の研究で重要であろうとなかろうと、私はそれには言及していないから、エピジェネティックスについての訂正は、他の部分には波及しない、ということ。
 「エピジェネティックスはどうでもいいということか?」
 という文句を付けてくる人もいるが、それは難癖というものだ。理研のニュースリリース(詳細版)も、私の解説も、それには言及していない、というだけのことだ。話の範囲が全然違う。
 比喩的に言うと、日本について解説した話について、「おまえはアメリカのことを無視してもいいと言うつもりか?」と難癖を付けるようなものだ。もともと話の対象が違っている、と理解できていないですね。誤読。
 そもそも、「エピジェネティックスについて言及していないぞ!」と文句を言う相手は、私じゃなくて、理研ですよ。

 ──

 結局、「悪口を言ってやろう」と意地悪な根性ばかりが先走るから、支離滅裂な論理に従って、誤読しながら相手を批判する。相手を攻撃しようとすればするほど、論旨が空回りする。
 相手が一部の誤りを認めたなら、それを正しく受け取ればいい。「一部が間違っているから全部は間違っているはずだ」というのは、論旨が飛躍しすぎている。そういう「一事が万事」という発想は、科学的認識からは遠く隔たっている。
Posted by 管理人 at 2014年01月31日 23:15
ちょっとメモしておく。

 今回の成果の基本概念は、どこから生まれたか? 米国の指導教官が「2001年ごろからこの分野の研究をしていたが、誰にも注目されなかった」というようなことを述べていたので、「もしかしたら米国の指導教官のアイデアが先にあったのかな?」とも思った。
 だが、そうではなくて、やはり彼女の独自の発想であったようだ。以下、記事を引用する。

 ──

 早稲田大大学院を平成20年に修了後、米ハーバード大医学部に留学。担当教官との議論から始めた実験で、動物細胞を外部刺激で初期化できるのではないかという感触を初めて得た。
 しかし、当時の実験データだけでは証明することができず、周りの研究者からは「きっと間違いだ」と言われた。くやしくて、泣き明かした夜は数知れないという。5年越しの努力で、ついに立証にこぎ着けた。
 → http://sankei.jp.msn.com/science/news/140129/scn14012921250003-n1.htm

 ──

 第一段落で、「〜感触を初めて得た」と書いてあるので、彼女の独自の発想であったことがわかる。
 ただ、上司との議論がそのヒントになったようだ。当然だが、上司もその研究をサポートしていたのだろう。(指導ではなくてサポートだったろう。)
 
 ※ とりあえず、メモしておく。
Posted by 管理人 at 2014年01月31日 23:28
そこらへんの伝え方は日米で微妙かもしれません。
まあ、共同ってことで

http://edition.cnn.com/2014/01/29/health/stem-cell-discovery/
Posted by ひゃま at 2014年02月01日 14:36
基本的な誤解を指摘しておきます。
多能性とは「将来的にほとんどの遺伝子が発現可能になりうる状態」と言う事はできますが、その時点であらゆる遺伝子が発現可能である、ということでは決してありません。
ゲノム上には未分化状態を保つ方向に働く遺伝子もあれば、特定の系譜に細胞を分化させる遺伝子もあります。前者を活性化させると同時に、後者を確実に抑制することもまた、多能性の獲得には不可欠です。また、細胞老化や細胞死を誘導する遺伝子を活性化させてしまっては、そもそも細胞が生存できません。なので、シンプルにDNA全体を緩めるというストラテジーでは抑制の方が達成できないわけです。初期化の際にはiPS・STAP細胞に必要十分な特定の遺伝子セットだけを動かし、不要な遺伝子は(その時だけは)発現不可能にするという特殊な過程を経ていると考えられています。
ただ、それまで強固に凝縮されていたDNAを一部緩める必要があるのも事実で、実際にDNAを緩める化学物質を山中因子と組み合わせることでiPS細胞作製効率が格段に上昇するという報告は何年も前から多数なされています。STAP細胞にも同様の展開が起こることは十分に考えられます。
Posted by 生物学をかじってる人 at 2014年02月25日 20:04
加えて、フェールセーフの仮説について、否定ではなくコメントを。
細胞の分化は多段階を経て進行する複雑極まりない現象であり、ある細胞が特定の細胞に分化するためには、その細胞内部で特定の現象が起こるだけでなく、周囲に特定種類の細胞が存在する必要もあります。
なので、例えば胎児のマウスの皮膚の中にSTAP細胞が1個ポンと生じたとして、その細胞が自然に適切な細胞に分化する事はまずありえません。受精卵から発生が進む間、将来皮膚になるべき細胞の周囲に本来あるべき(発生時期によって異なる種類の)細胞が、誕生前の胎児の皮下には存在しないからです。教科書レベルの事実として、ES細胞をマウスの皮下に注射しますと、筋肉、神経、心臓から骨までありとあらゆる系譜の細胞が入り交じったテラトーマと呼ばれる腫瘍を形成します(これは正常なES・iPS細胞の性質であり、一般に問題視されているiPSのがん化とは意味が異なります)。
出現場所によっては正しい方向の分化が起こり、そのまま生着することもありえますが、STAPの初期化はより幅広い細胞種で起こるようなので、これはフェールセーフというよりはリスクなのではないかと、現代の生物学の常識からは考えられます。
もちろん、そんな常識を打ち壊す発見が小保方グループから相次ぐことを祈っているのですが、それは先人が(予想ではなく)確かに証明した事実を無視していいという意味ではありません。ご参考になれば幸いです。
Posted by 生物学をかじってる人 at 2014年02月25日 20:33
フェイルセーフについては、本項の 4. で提出していますが、私としてはこれはもう捨ててしまっています。
 今では下記の方を取っています。
 → http://openblog.meblog.biz/article/21158242.html
Posted by 管理人 at 2014年03月03日 22:23
いつも楽しく拝見させていただいてます。

こちらで詳しく書かれていてふと思いだしたのですが、
ドラッグストアで販売しているオバジCというビタミンC(アスコルビン酸)の美容液をシミに塗るとピリピリするのですが、シミが薄くなるんですよね。
米国皮膚科医ゼイン オバジさんの肌再生プログラムでは、
皮膚に麻酔をしてフェノール酸で真皮層まで溶かすブルーピーリングや、トレチノインを使用することで一旦肌を赤くバリバリにして、
その後には生まれ変わったような肌があらわれるそうです。

フルーツ酸(AHA)、オバジC、ハイドロキノンなど私も試してみましたが、どれもピリピリして...
一般に流通している市販のものなどはたいした効果はないのでしょうが、
意外と美容業界では実際に人体でSTAP細胞が生まれていたりするんじゃないかと思い、
ど素人すぎて恥ずかしいのですが、
書き込みさせていただきました。
Posted by mayumi at 2014年03月03日 22:58
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