Chromebook が日本でも発売されることになった。(¶)
→ Chromebookが日本上陸 「Acer 720」がGoogle Playで「近日発売」
¶ 「近日発売」は、後に取り消された。コメント欄を参照。
価格は、この機種なら米国で 249ドル(約2万6000円)。他の安い機種なら、199ドルのものもある。
これほど安くて実用的に使えるものは、他にはない。
→ Chromebook を購入すべき6つの理由と、購入すべきではない6つの理由
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以上のことからして、次のように提案したい。
「教育用 PC には、iPad や Windows タブレットよりも、 Chromebook を使うべきだ」
ここでは、コストが決定的に重要となる。コストが安いということゆえ、1人1台の配備が可能となる。
ちなみに、現状では、次の二通りが実行されている。
(1) もっと高価な Windows パソコンを教室に配備するが、5〜10人に1台ぐらいの配備率である。1人1台にはならない。
(2) もっと高価な Windows パソコンを1人1台で配備するが、親に対して5万円の負担を求める。(行政負担が 3.5万円程度。)
後者は、とんでもない方針だと思えるが、実行してしまった自治体がある。例によってトンデモな自治体である佐賀県だ。公式情報を引用しよう。
平成26年度に県立高校全校で新入生が使用する学習用パソコンを決定しました。
OS Windows8 Pro
CPU インテルAtom Z3770プロセッサー
価格(予定) 7万4千円(消費税抜き)
教材を含む合計金額 約8万4千円程度(消費税抜き)
保護者負担額 5万円
何とも呆れた話だ。この程度の Windows タブレットならば、現在では4万円で買える。それを 7万4千円という価格で高値づかみする。かくて保護者負担額が5万円だ。
一方、Chromebook ならば、2.5万円程度で購入できるから、行政負担の 3.5万円でお釣りが来る。教材費の1万円を込みにしても、全額自治体負担でいいはずだ。
( ※ 教材費に2万円をかけるなら、保護者負担は1万円になる。しかし教材費に2万円もかける必要はない。)
ちなみに、Android 版の電子辞書ならば、ごく安価で購入できる。
Android ジーニアス英和・和英MX+明鏡国語MX・新漢語林MX
Windows 用でも、ATOK とのセットで使うなら、ATOK 組み込み版がかなり安価で買える。
明鏡国語辞典・ジーニアス英和/和英辞典 /R.4 for ATOK
こういう状況があるのだから、教材費に2万円をかける必要はないだろう。どうせなら、安価な Android に、上記の Android版の電子辞書でもつけた方が、安価に済む。
ひょっとしたら、現状では、「 Android 版タブレットと電子辞書」という形がベストかもしれない。(コストの点からして。)
そして、Android タブレットで小学生〜中学生時代に数年間を学んだあとで、Chromebook を使う、というふうにすれば良さそうだ。生徒は2台持ちとなる。辞書ならば、Android タブレットを使えばいい。( Chromebook では辞書は不要だ。)
Android タブレットは何がいいかというと、下記にいろいろとある。
→ Amazon Android タブレット (一覧)
安価なものでは、NEC製品が 10500円だ。これはちょっと低スペックすぎる(解像度 800x480)。だが、子供が使うのならば、これでもいいかもしれない。
もうちょっとまともなのがいいのなら、18000円ぐらいで、結構まともなものが買える。
いずれにせよ、「保護者に5万円の負担を求める」なんていうのに比べれば、はるかにまともであろう。
[ 付記1 ]
自治体には、かなりコスト負担がかかるように見える。だが、いったん1人1台を配布したら、そのまま数年間は使えるので、1人1台の出費が毎年かかるわけではない。
今回2万円ぐらいの Android を配布したあとで、数年後には Chromebook を配布する、という手もある。そのころには、Chromebook はかなりコストダウンしているだろうから、自治体の費用負担はかなり低下することになる。
[ 付記2 ]
佐賀県の教材費というのがどうしてこんなに高いのかと思ったら、余計なソフトが付いているせいらしい。
教員用端末で生徒用端末の画面を切り替えたり、ロックをかけたりできる制御機能を重視している。
( → 佐賀新聞 )
生徒のハードを制限・制御するためのソフトの費用がかかるようだ。しかし、生徒にとっては邪魔なものを購入させて、そのための費用を転嫁するとは、呆れたものだ。いわば、盗人猛々しい、という感じ。
[ 付記3 ]
そもそも、「たいていの高校生がスマホを操作している時代に、Windows タブレットなんかを教育用に使う」という発想がおかしいと思える。
すでにスマホを使っている、ということを前提とするのであれば、次の二点でいいだろう。
・ iOS か Android のスマホかタブレットを自分で購入する。
それでネットサービスやアプリの利用を学ぶ。(機種不問。)
・ 高校生向けには、Chromebook を供与する。
それでキーボードの操作を学ぶ。
「タブレットで使う教育用ソフト」なんてものは、必要ないと思える。つまり「タブレット型コンピュータを教育に生かす」ということ自体、必要ないと思える。やるべきことは、次のことだけだ。
・ 電子辞書などの教育アプリの利用。
・ ウェブ上の教育サイトの利用。(無料講座など)
IT教育というものは、この程度で十分だ。いちいち専用の教育ソフトを開発しよう、なんてことは、思わない方がいい。既存のソフトやサイトを利用するだけで十分だ。
https://play.google.com/store/devices/details/Acer_C720_Chromebook?id=chromebook_acer_c720_black_wifi_2gb
「日本での発売も近いといわれるChrome OS搭載のノートPC Chromebook」
http://techtarget.itmedia.co.jp/tt/news/1404/18/news08.html
佐賀の授業用タブレットで不具合続出
http://www.yomiuri.co.jp/it/20140502-OYT1T50111.html