2014年01月04日

◆ 気候変動と温暖化

 異常気象などの気候変動を防ぐために、温暖化の進行を阻止せよ、という見解がある。その通りか? ──

 異常気象などの気候変動を防ぐために、温暖化の進行を阻止せよ、という見解がある。IPCC が代表だ。新聞記事をいくつか引用しよう。
 地球温暖化によって食料生産が減少し人間の安全が脅かされると指摘した、国連の気候変動に関する政府間パネル(IPCC)の第2作業部会報告書原案が明らかになった。
 「温暖化が進むほど克服困難な悪影響が広範囲に生じ、人間や自然が適応できる限界を超える恐れが高くなる」と従来以上に踏み込んで警告。「今後数十年で温室効果ガス排出を抑制すれば、今世紀後半の気候変動リスクを軽減できる」として、対策の強化を促した。
 原案は熱波や洪水、生態系の異変などの気候変動の深刻な悪影響が「既に陸、海とも広範囲で観測されている」と指摘。
( → MSN産経ニュース 2014-01-04
 現在より気温が1度上がるだけで豪雨、洪水など異常気象のリスクが高まると予測する、国連の「気候変動に関する政府間パネル(IPCC)」第2作業部会の第5次報告書の最終草案が31日、判明した。温室効果ガス削減策を今後数十年強化すれば、今世紀後半の被害を軽減できると分析、早急な対策の必要性を指摘している。
 第2作業部会の草案は、気温が最大4.8度上昇するシナリオでは、今世紀中に二酸化炭素(CO2)濃度を下降に転じさせる場合と比べ、大規模な河川氾濫で被害を受ける人口が3倍に増えると予測。対策を取らなければ、洪水で被害を受けたり、海面上昇で移住を強いられたりする人が数億人に上ると指摘した。
( → 毎日新聞 Yahoo!ニュース 2014-01-01
 身動きがとれなくなる大雪が北日本で降ったかと思うと、夏には全土で猛暑。秋、過去最大級の台風がフィリピンを襲い多くの命が失われた。2013年、数々の異常気象が日本を含む世界を襲った。専門家は、地球温暖化対策を急ぐ必要があると警告している。
 マラソン選手の高地トレーニングで知られる米中西部・コロラド州のボルダー市周辺は9月、記録的な豪雨に見舞われた。
 数日間で1年分に近い雨が降り、川が決壊。広い範囲が水につかった。州政府によると8人が死亡、1万8千人以上が避難した。建物や道路の被害は20億ドル、日本円にして2千億円超に達するという推計もあり、いまも復旧作業が続く。雨の激しさは「100年に一度」という。
 その1年前の天候は正反対だった。コロラド州を含む穀倉地帯を厳しい干ばつが襲った。トウモロコシや大豆などの生産量が激減して穀物相場が高騰し、その影響は日本にも及んだ。
( → 朝日新聞 2013年12月30日

 以上の話を読むと、「大変だあ! 何としても温暖化を阻止せねば!」と思うだろう。
 ここで注意。ここでは、次のことが骨幹となっている。

 「異常気象の原因は、温暖化である」


 では、この骨幹は、正しいか? 実は、正しいとは言えない、とわかる。すぐ上の朝日の記事の後半には、次の文章がある。
 もともと自然界には、年によって気温が高かったり低かったり、雨が多かったり少なかったりする「ゆらぎ」がある。世界中で異常気象が相次ぐ背景に地球温暖化の存在が指摘されるが、個別の現象との直接の因果関係は分からない。温室効果ガスによる温暖化は、数十年規模の傾向として観測・予測されている。
 しかし「温暖化によって気温がかさ上げされれば、今年の猛暑のように経験のない現象をより頻繁に経験するようになる」と東京大大気海洋研究所の木本昌秀教授(気象学)は話す。
( → 朝日新聞 2013年12月30日

 この記事はほとんど狂気的だ。
 「直接の因果関係は分からない」

 と記しておきながら、その舌の根も乾かないうちに、
 「温暖化によって異常気象が起こる」
 という趣旨の話を書いている。(識者の話、という形だが、勝手に連続させている。)
 
 まったく、何を言っているんだ? 
 「AとBとの因果関係はわかりません」
 と書いておきながら、その直後に、
 「AゆえにBです」
 と書いているわけだ。狂気の沙汰としか思えない。
 称するに、「地球温暖化説」の信者は、頭が倒錯している狂人ばかりなのだ、と思ってもいいだろう。(全員がそうだとは断定できないが、おおむねそういう傾向がある。)

 ──

 では、真実は? 私としては、次の仮説を提出する。
 「異常気象に温暖化は影響するが、それは、異常の程度を増幅させているだけだ。根本原因は、他にある」
 「異常気象の根本原因は、緑地の減少(≒ 砂漠化)である。これはつまり、気候変動を抑制する森林部が減少し、気候変動を拡大する砂漠部が増大した、ということだ。このことは必然的に異常気象をもたらす」


 わかりやすく言おう。
 森林には保水力がある。そのことによって、雨水を蓄え、一定の水分蒸発を維持し続ける。そのことで、気候の変動を抑制する。
 砂漠(砂地とは限らず乾燥地を含む)は、植物がないので、保水力がない。雨が降っても、そのあとすぐに乾燥してしまうので、水分蒸発はすぐになくなる。そのことで、雨の日と晴れの日との、気温変動も湿度変動も大きくなる。こうして変動が大きくなるので、地球全体で気候の安定性をなくしてしまう。

 要するに、森林というのは「気候の自動安定装置」なのである。そして、そのような「気候の自動安定装置」を削除すれば、気候の変動が大きくなるのは当然だ。つまり、異常気象が起こるのは当然だ。
 ここでは、気温の上昇それ自体は、気候の変動にはあまり影響しない。単に平均値を動かすだけだ。(世界の平均気温を上昇させる。)
 気温の平均値を上げるものは、気温の上昇である。一方、気象のバラツキの度合い(統計用語で言えば分散)を大きくするものは、森林の減少である。
 異常気象というものは、平均値の上昇とは異なり、分散の増大を意味する。それは、地球の温暖化とは別の現象なのである。

 だから、異常気象を阻止しようとするのであれば、「地球温暖化を阻止せよ」と叫ぶのではまったくの見当違いだ。むしろ、「地球の砂漠化を阻止せよ」と語るべきなのだ。

 以上が、私の見解だ。



 【 関連項目 】

 本項に似た趣旨のことは、前にも述べた。「温暖化の阻止のためには、砂漠化の阻止(緑地の増大)が大事だ、という趣旨。
 本項では、「温暖化の阻止のため」ではなく、「異常気象の阻止のため」というふうに、話の方向が少し違っている。

 なお、以前に述べた似た趣旨の話は、下記の一覧で。
  → サイト内検索(項目一覧)

 代表的なのは、次の三つ。
  → 陸地温暖化説 (緑地減少説)
  → 開墾による森林消失
  → 太陽と雲 (気温・温暖化)



 [ 余談 ]
 「じゃあ、何で欧米の人々は緑地減少を阻止しようとしないのか?」
 という質問には、前に答えた。次の趣旨。
 「欧米は、これまで大幅に森林を開墾してきたという歴史がある。一方、日本は森林を保持してきた、という歴史がある。森林の減少を阻止しようとすると、森林を減少させた欧米が損をして、森林を減少させなかった日本が得をする。それでは癪に障る、という欧米人の損得勘定が原因だ」
 
 要するに、欧米人は、地球環境のことなんか、本当はろくに考えていないのである。あくまで「日本よりもおれたちが得したい」とだけ考えている。そのせいで、エコ優等生の日本にばかり過大な要求をして、エコ落第生の欧米には甘くしようとする。…… 一種の人種差別か帝国主義みたいなものだろう。
 
  → 地球環境の変化(緑地減少)を画像で見る
  → 薪と森林破壊
 


 【 関連動画 】

 フィリピンを襲った台風の動画 (2件)






posted by 管理人 at 23:19| Comment(5) | エネルギー・環境2 | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
エジプトで雪が積もった映像とともに、「温暖化の影響で……」なんていう説明があったりしましたね。
「復興」「強靭化」「温暖化対策」など、とにかく予算付けの名目が立ちさえすれば良いという考えなんじゃないでしょうか。(たとい復興名目でゆるキャラ経費に流用されようが気にしない、と)
Posted by けろ at 2014年01月05日 16:56
>欧米は、これまで大幅に森林を開墾してきたという歴史がある。一方、日本は森林を保持してきた、という歴史がある。
>森林の減少を阻止しようとすると、森林を減少させた欧米が損をして、森林を減少させなかった日本が得をする。
>それでは癪に障る、という欧米人の損得勘定が原因だ

 困ったもんです。言いなりですね。日本国民は、自分で因果関係に立ち戻って考える教育トレーニングを受けて
いないので、「欧米はこう言っている」とマスコミなどで言われると、「正解」として受けとりがちです。 
 「地球温暖化は悪いことばかり起きるぞ」、「地球寒冷化は良いことばかり起きるぞ」は科学というより恐喝です。
朝日新聞は科学雑誌「サイアス」を発行しているまでは、まだ科学に関心があったのですが、利益追求で廃刊にして
から、質の低下が激しいです。CO2温暖化一神教をやっています。政治・経済の記事も客観性度外視が目立ちます。

 地球温暖化という名目で仕事をしている人は、「温暖化してるぞ」の看板を下ろせないでしょうね。看板を掲げて
最前列に立っている人は、後ろを見ると人が減っているので「ババを引くのは嫌だな」と思っているのでは。

 誠実な科学者は、気候変動を調べる場合、都市高温化の影響のある観測点と、都市高温化の影響の少ない観測点
とを分けて調べるでしょう。その1例に、小川克郎名誉教授による、地球寒冷化を示す最新の研究成果のグラフが
あります(*)。
 日本は、誠実な研究を進め、欧米に対してきちんとディベートできるようになりたいものです。借金大国の日本なのに、
なぜか「世界のお財布」になりたい人が国際会議に出て行く不思議。赤い服着た女性が、馬鹿らしい「京都議定書」
をまとめて、日本に理不尽な大損害を与えました。

*元通産省地質調査所長、名古屋大学小川克郎名誉教授による、地球寒冷化を示す最新の研究成果のグラフ
日本地球惑星科学連合2012講演会発表、
「過去110年間の地球気温変化とCO2放出及び太陽活動との関係〜NASA/GISS気温データベースによる」

「もう地球は寒冷化しています、そのデータ、グラフなど」
http://eien33.eshizuoka.jp/e982387.html
Posted by 思いやり at 2014年01月05日 17:06
私は少々温暖化した方が穀倉地帯が増えるので減るよりは良いと考えています。
欧州は温暖化するとサハラが南欧を覆うことを恐れているのかもしれません。同様に米国の穀倉地帯がカナダに大移動かも。
Posted by 京都の人 at 2014年01月05日 22:21
>私は少々温暖化した方が穀倉地帯が増えるので減るよりは良いと考えています。
欧州は温暖化するとサハラが南欧を覆うことを恐れているのかもしれません。同様に米国の穀倉地帯がカナダに大移動かも。

 それは、あり得ることですね。温暖化というより人間の土地利用が近視眼的で、環境劣化を招いたようです。

テル :   スペインは砂漠になるだろうというのは本当ですか?
アンヘラ : 残念なことだけど、そのとおりです。100年後には、サハラ砂漠のようになるだろうと言われています。

 欧州は、南部は砂漠化、全域で土壌劣化(農薬の過使用)、移民による文化・治安・経済の劣化で苦悩している。
スペインのTV局から「スペインの砂漠化防止はどうすればよいでしょうか?」と取材を受けた方から、相談を受け、
少し対策を考えたことがあります。

 スペイン北西部は、英国などを襲う低気圧の一部が流れてきて、北部山脈に当たり降水をもたらします。なので、
それ以外の地域を対象とすればよい。
1)降水は海の水が起源なので、内陸部より海岸部が対策の可能性がある。
2)南部の乾燥地帯(アンダルシア)を、とりあえず対象と仮定する。
3)降水は気象じょう乱がもたらすので、年間の気象じょう乱の経路の傾向を知る必要がある。
4)世界の気象衛星の雲画像を1年分動画にして、アンダルシアを通過する経路を見た。
5)すると、大西洋の北西部から来るもの15回、南西部から来るもの20回あった。希望はある。
6)気象じょう乱が来ても、雨を降らすとは限らない。なるべく落としてもらう方策が大事。
7)数値モデル研究では、逆説的だが、陸地側で呼び水(湿り気)があると、降水が増える。
8)まず海岸に近い領域で緑地化(果樹・野菜)して、微気象を少しずつ改善していけばよい。
9)そのためには、・・・(あとは省略)

 「予備実験してはいかがですか」と助言した。日本の政府関係の助成金を申請されたが、「スペインは先進国なの
で日本は支援できない」という。スペインはというと、不動産バブル崩壊の経済事情があり、実現には至らなかった。

 1996年から2004年までスペイン首相を務めた保守派のアスナール氏は、当時、CO2気候温暖化説に激怒した。
「世界経済が冷え込む中、気候変動による世界の終末を信じる輩は、地球温暖化対策と称し数千億ユーロを要求し、
気候変動が人為的なものだという 一般的な見解を少しでも疑おうものなら、その者は疎外される運命にある」と。
 もっともな怒りです。CO2排出権のような馬鹿馬鹿しいものに、日本は自ら進んで財布を差し出した。省エネ技術を
世界で一番まじめに開発してきた日本が、環境汚染やり放題の中国へ膨大なCO2排出権費用を払うという、阿呆
らしいことをやってきた(少なくとも、逆でしょう)。
 その金等で不良工場を増やし、もっと環境汚染がひどくなった。日本の土地を買い占めたり、脅したりするように
なった。中国が日本を「葱鴨」と陰で言っていたのは、日本人として「残念ながら、おっしゃるとおり」と脱帽です。

 世界も日本も、もっと、まともな環境修復事業に貴重な資金を投入すべきですね。
Posted by 思いやり at 2014年01月06日 21:39
温暖化すると寒い極地と熱い赤道地方の間で、大気の循環が活発化すると思います。
温帯地方では、大気の流れは一定ではない為に変動の幅は拡大するでしょう。
平均がアップするだけで振れ幅が変わらないとう説は、腑に落ちません...

ゲリラ豪雨などへの対策としては、こんな事を考えました。
山間部は広いので植林。これは同意見です。
都市部は下水道整備などと、住居の断熱性向上による省エネ化の二本立て。
海岸部は、汽水域へのマングローブ植林(亜熱帯生物の受け入れにも役立つ)。

二酸化炭素については、大国を除外したザル法なのでやるだけ無駄な気がします。
Posted by MSどす at 2014年01月13日 11:23
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