ここでは、
・ 映画そのものが嘘八百である
・ 映画の内容を「最新の科学的成果」と報道するメディアが嘘八百である。
このように、
──
まず、報道を引用しよう。
「ウォーキング with ダイナソー」は、この時代に生息していたと推測するに足る学術的な根拠がある恐竜だけを登場させた。
群れで生活し、卵がかえるのを親が見守り、季節によって食べ物を求めて移動する生態や、体を覆う羽毛や、鮮やかな色彩や模様といった外観など、最先端の研究成果を取り入れた。
ニール・ナイチンゲール監督は「7千万年前の彼らを実際に見た人はいないから、当然、科学的データに私たちの推測を加えて恐竜のイメージを作り上げた。古生物学者たちがやっているのと同じこと」と話す。
( → 朝日新聞 2013年12月19日 )
ネイチャードキュメンタリーに定評のある英BBCが製作した3DCGアドベンチャー映画。最新の研究で明らかになった恐竜の生態を盛り込み、7000万年前のアラスカで繰り広げられる恐竜たちの冒険を描いている。
( → 映画.com )
【 追記 】 以下の文言は取り消します。正しくは「同題の作品が 1999年にも公開された」です。(まぎらわしいことをやるので、こっちは勘違いしてしまった。)
ここでは、「最先端の研究成果」「最新の研究」という言葉があるが、とんでもない。
この映画は、日本の映画館で公開されたのは 2013年12月だが、実は、DVD なら何年も前から発売されていたのだ。( → 右図のリンク先:画像をクリック )
それもそのはず、この映画が制作されたのは 1999年である。
『ウォーキングwithダイナソー〜驚異の恐竜王国』 (Walking with Dinosaurs) は、1999年にイギリスのBBCが製作したテレビシリーズである。
1999年の『ウォーキングwithダイナソー』の後にも、「ウォーキングwith〜」と銘打ったテレビシリーズが制作された。
( → Wikipedia )
Wikipedia によれば、映画化されて上映されたのは 2013年になってからのようだ。推察される限りでは、リマスターみたいに画質を向上させて、映画館で上映できる品質にしたようだ。(たぶん画像補間などの技術を使って精細化したのだろう。)
とはいえ、画像は新しくなっても、内容は昔のままだ。つまり、1996年の企画から、1999年の公開までの時点の情報に従っているにすぎない。今から 15年も前の情報だ。
とすれば、それを「最先端の研究成果」「最新の研究」という言葉で表現するのは、嘘八百だ。ここには、マスコミ報道の嘘八百がある。だまされないようにしよう。ここにある内容は、最新科学の情報ではなく、せいぜい 15年前の情報だ。
次に、内容の問題がある。まずは、画像を見よう。
これを見ればわかるように、あまりにも動きが速すぎる。一般に、巨大な肉体をもつ動物は、その肉体の重量の慣性ゆえに、機敏な動きはできない。なのに、上記の画像は、慣性などはないかのように、機敏な動きをしている。これは、物理法則に反している、とも言える。要するに、嘘八百だ。
ちなみに、同じぐらいの大きさの肉体をもつ象の動画を示す。
象はこのくらい ゆったりとした動きを取る。恐竜もそのくらいであったはずだ。なのに、映画の恐竜は、あまりにも俊敏すぎる。これじゃまるで犬や猫のサイズだ。ありえない。つまり、映画の恐竜の動きは、嘘八百。
【 補足 】
さらに、次のことがある。
「爬虫類の代謝速度は遅いので、筋肉は俊敏な動きができるほどのパワーを持たない」
実際、カメやワニなどの動きはとても緩慢だ。これらは水生生物なので、哺乳類のカバが水中にいるときのように、動きがことさら緩慢なのかもしれない。その分を差し引きするとしても、恐竜の動きはかなり緩慢であったはずだ。(カメやワニほどではなくとも。)
ただ、後期の鳥型恐竜(右図:velociraptor)の場合には、半恒温性を備えていたと推定されるので、代謝速度もかなり速くなって、動きもかなり俊敏であったと推定される。(体型からしても、俊敏そうな体型だ。)
それでも、
──
次に、恐竜の気質だ。
特別映像は、古生物学者のスコット・サンプソン氏が恐竜たちの表情をいかにして表現したかを解説。人間は言葉のみならず顔の表情でもその心情を表わすことができるが、恐竜には表情を作り出す表情筋がない。しかし、たかが爬虫類にすぎない恐竜に、感情表現があったとは思えない。何でまた、そんな発想が湧いたのか? そう思って調べると……
そのため製作陣は、鳥類とほ乳類を比較検証し、体のどこを動かして感情を表すかを徹底的に研究。目の見開き方や頭、体、尻尾の動きなど細部や鳴き声についてもさまざまな検討を重ね、恐竜たちの感情を表現。デフォルメされたアニメーションキャラクターではなく、リアルな恐竜たちの細やかな感情まで再現することに成功した。
( → 映画.com )
ティラノサウルスは単独で行動していたと、かつては考えられていた。しかし近年では、家族または同種族の様々な世代で集団を構成し、社会生活を営んでいたのではないかとの意見もある。この説は、とうてい歩けそうもない骨折が治癒した形跡のある個体が発見され、狩りができない期間に仲間が餌を運んでいた可能性があることに基づく推論である。
( → Wikipedia )
家族単位で骨が見つかっている肉食恐竜ゴルゴサウルスは、狩りも家族単位で行っていたと推論。ライオンの狩りを参考にシーンを描いた。
( → 朝日新聞 2013年12月19日 )
これらの情報は、「恐竜に感情があったこと」の根拠としては、あまりにも薄弱だ。
(i) 「歩けそうもない骨折が治癒した形跡のある」といって、そこから「仲間が餌を運んでいた」と結論するのは、あまりにも論理が飛躍している。別に、仲間が餌を運ばなくたって、そばに大型草食竜の死体が一つあれば済むだけのことだ。また、「歩けそうにない骨折」と言っても、せいぜいひびが入っただけだろうから、実際にはかろうじて歩けた可能性が高い。骨が完全に二つに割れて、動けなくなってしまった、というふうになったとは思えない。仮にそうであれば、治癒することもなかったはずだ。つまり、治癒したということからして、実際にはたいしたことがなかった可能性が高い。このくらいのことで「仲間が餌を運んでいた」と結論するのは、あまりにも論理が飛躍している。
(ii) 「家族単位で骨が見つかっている」というが、恐竜の DNA はボロボロになっているから、正確な血統まではわからないはずだ。とすれば、単に親子の年齢の個体がいっしょにいたというだけだ。本当に親子関係があったかはわからない。単に群れの同居があっただけかもしれない。(その可能性が強い。)
また、仮に親子だったとしても、せいぜい(給餌する)鳥の親子ぐらいの関係であるにすぎない。そこには哺乳類の親子のような密接な関係があったはずがない。なのに、哺乳類の親子のような密接な関係があったと見なすのは、あまりにも論理が飛躍している。つまり、嘘八百。
──
より生物学的に考えれば、大脳の大きさからして、恐竜に感情があったはずがない。恐竜よりもさらに脳が発達した鳥類でさえ、たいした大脳はもっていない。なのに、恐竜に人間並み or 高度な哺乳類並みの感情があったと見なすのは、あまりにも非科学的だ。
特に、個体を区別して認識するだけの高度な認識力を持っていたはずがないから、個体の区別が必要となる「家族」という概念があったはずがない。
( ※ 同種のものをまとめて理解することは可能だっただろうから、群れを構成することは可能だっただろう。恐竜よりも下等な両生類や魚類や昆虫ですら、群れを構成することは可能だ。一方、家族を構成するには、個体同士を区別する必要があるが、それは、爬虫類には無理。)
そもそも、家族の感情を持つとしたら、次のことが前提となる。
・ 鳥類のように給餌する ( → 動画 )
・ 哺乳類のように哺乳する
このように親子の密接な関係があれば、家族というものが成立して、何らかの感情が成立するかもしれない。しかるに、恐竜は、給餌もしないし、哺乳もしない。なのに、家族という概念が成立するはずがない。
──
結論。
恐竜には、群れの概念はあっても、家族の概念があったはずがない。
また、(哺乳類のような)感情があったはずもない。
さらに、俊敏な動きをしたということは、生理的に言ってありえない。
なのに、家族が成立したとか、感情をもったとか、俊敏な動きをしたとか、そういうのを勝手な思い込みで映像化するのは、嘘八百にすぎない。ほとんどトンデモだ。
恐竜は、哺乳類のように、「状況に即して俊敏に行動を変える」というようなことは、とうていありえないのである。(脳が発達していないがゆえに。) だから、真実を映像化するのであれば、恐竜は、哺乳類のような動きをするのではなくて、カメやワニのような動きをするべきなのだ。せいぜい後期の鳥型恐竜において、鳥のような動きをするぐらいだ。(人間を見てもすぐには逃げることのできないハトみたいな。)
今回の映画は、映像としてみる限りは、面白いとも言える。しかしそこには、真実以外のもの(虚偽)が大量にまぎれこんでいる。
はっきり言えば、この映画は、ディズニーのようなファンタジー映画なのである。虚構の世界で面白おかしく見るだけの、嘘八百の物語だ。ディズニーの2Dのアニメの代わりに、3Dのリアルな映像があるだけだ。内容自体は、ディズニーと同様の、ファンタジーなのである。
そして、そう思って鑑賞する限りは、特に悪くはない。
しかし、この映画を「最新の科学研究に基づく真実」と報道するようでは、その報道は、壮大なホラとして糾弾されるべきだろう。
ついでに言えば、そういう報道を仕向けた映画会社こそ、最大の詐欺師である。報道数メディアは、詐欺師にだまされて報道している、とも言える。
いずれにせよ、世間の人々は、これらの詐欺師グループにだまされるべきではない。それが私の警告だ。
[ 余談 ]
「骨折した恐竜は動けない」
という見解に対して、次の反論が成立するだろう。
「足を骨折したとしても、巨大なシッポがあるから、起きて動くことも可能だろう。恐竜にとってシッポとは、第3の足のような働きがあるのだ」
私としては、そう考えたい。つまり、シッポの存在を忘れちゃ駄目ですよ、と言いたい。
※ 以下は特に読まなくてもいい。
【 追記 】
次の反論が来た。
(1) ワニは緩慢ではない。この動画ではすばやく移動する。
(2) ワニも給餌する。この動画では親が子に餌を与えている。
この反論に答える。
なるほど。このような情報は知らなかった。その意味では、本文はいくらか修正の必要があるかもしれない。ただし、基本的にはそのままでよく、ここで若干の注記をしておくだけで足りると思う。理由は次の通り。
(1) 本文中で述べたワニの動きの緩慢さは、特に水中における緩慢さなので、陸上ではいくらか俊敏な動きをしたとしてもおかしくない。特に、変温動物であることを考えると、暖かな陸上では俊敏な動きは可能だろう。ただし、それも短距離に限る。俊敏に動くと、すぐに体温が上昇してしまうので、長距離の運動は不可能だろう。代謝を考えても、長く続くとは思えない。俊敏な動きはあるとしても、あくまで例外的なものだ。
また、そもそもこのワニの動きは、単に高速なだけだ。それは筋肉量があれば足りる。一方、動画の恐竜は、とても俊敏である。急激な方向転換(それも随意運動としての臨機応変な変化)がある。このためには、高度な神経と、高度な脳(特に小脳)を必要とする。それを爬虫類が備えているということは、とうていありえない。
(2) ワニの給餌は、哺乳類や鳥類の給餌とは同様だとは思えない。親が積極的に子に流動食を与えているわけではない。単に食い残した獲物を地面に放り出しているだけだ。したがって、「哺乳類の親子のような密接な関係があったはずがない」という本文中の記述は、変更の必要はないだろう。
なお、参考のために鳥類の給餌について言及しておく。
私の見解では、鳥類は爬虫類の一種ではない。鳥類は恒温性をもつがゆえに、恐竜のような爬虫類よりもはるかに脳が発達した生物であって、爬虫類とは別部門に属する。系統的には、鳥類は爬虫類の子孫であるが、それは鳥類が爬虫類の一部門であることを意味しない。(仮にそんな変な分類が成立するなら、人間もまた爬虫類であり、両生類であり、魚類であり、無脊椎動物であり、単細胞生物であり、古細菌であることになってしまう。人間は、それらのものを祖先とする子孫であるからだ。)
鳥類は恐竜の一種ではなく、恐竜よりも(特に脳が)はるかに発達したものである。とすれば、鳥類では給餌があって、恐竜では給餌がないとしても、何も不思議はない。
タイムスタンプは 下記 ↓
ナレーションが台無しにしてる」とほざいてますが、
それ以前の問題に気づいてない奴が大半でした。
連中の生物学的な視野の狭さが露見しましたね。
海外でも意外と似たようなもんですね。
>映画の恐竜は、あまりにも俊敏すぎる。これじゃまるで犬や猫のサイズだ。ありえない。
>つまり、映画の恐竜の動きは、嘘八百。
ゾウの動画と比較しても,物理的にあり得ないレベルの俊敏さには見えませんね
> 「爬虫類の代謝速度は遅いので、筋肉は俊敏な動きができるほどのパワーを持たない」
> 実際、カメやワニなどの動きはとても緩慢だ。
あまり動かない印象のあるワニですが,いざという時は俊敏に動きますよ
↓動画の後半,クロコダイルがかなりの速度で走り,ジャンプして水に飛び込みます
>Big Gecko - Freshwater crocodile movement
https://www.youtube.com/watch?v=Co7bJlJliEs
↓「ワニは緩慢だ」と思い込んで岩の上にいるワニに近づいた結果,意外な速さで走り出したワニに驚く若者
http://www.liveleak.com/view?i=d2f_1355792938
> このように親子の密接な関係があれば、家族というものが成立して、
>何らかの感情が成立するかもしれない。しかるに、恐竜は、給餌もしないし、
>哺乳もしない。なのに、家族という概念が成立するはずがない。
恐竜が給餌しないと,どうして言い切れるのでしょうか?
恐竜の生き残りである鳥類にはヒナに給餌するものが多いですし,
爬虫類のワニの仲間にだって給餌するものがいますよ
http://niconicoplay.com/detail/sm12980993
(1) ワニの俊敏さ
(2) ワニの給餌
(3) 鳥類の給餌
以上の三点については、本文の最後の <FONT COLOR="#dd0000">【 追記 】</FONT> の箇所でお答えしました。そちらをお読みください。
(1)(2)は、例外とか何とかの扱いで済むので、本文は訂正せず、最後に加筆して情報追加する形にしておきました。
興味深い情報をありがとうございました。
(3) は、見解の違いがあるので、私の見解を示しました。
> 恐竜が給餌しないと,どうして言い切れるのでしょうか?
これは誤読です。言い切っている(断定している)わけではなくて、「その可能性が高い」という強い推定です。
──
象の動きについては、「物理法則」の意味をご理解していただけないせいです。ここで言うのは、「絶対にありえない」という意味ではなくて、「生物では不可能」という意味です。画像のような動きを生物がするには、次の二点が必要です。
・ 骨は鋼鉄レベルの硬さをもつこと。
・ 筋肉は筋肉繊維が切れてしまう程度の強力な収縮力(単位面積あたり)をもつこと。
このような動きは、ロボットのような機械では可能ですが、生物では不可能です。(もしやれば、筋肉が断裂します。いわゆる肉離れ。)
どうしてそうなのかは、物理学で加速度やモーメントなどの計算をすればわかります。ここで物理学というのは、周波数や振動数と加速度(ニュートン N )を合わせて計算することを意味します。わからなかったら、物理学の教科書を読んでください。
一方、どこかの掲示板では、「象の鼻の進化」や「ネアンデルタール人との混血」をめぐって、本サイトを批判している人がいます。ただし、そこにある批判は、いずれも誤読による勘違いです。きちんと読めば、そのような誤読をするはずがないのですが、勝手に「 Openブログは間違ったことを主張する」という信念を持ったあげく、わざと間違った主張であると曲解します。(本サイトの内容をねつ造してから批判しているわけです。)
こういう藁人形論法に答えるのは、ただの時間の浪費です。だかから、その手の反論をしないよう、お願いします。いちいち私が回答しなくても、元の Openブログの内容を素直に読めば、望む情報は得られます。(批判するべきことはないとわかります。)
わからない人が質問することもありますが、その場合には、私は、生物学的な説明をする代わりに、「どこをどう誤読しているか」という国語的な説明をするだけです。生物学的な説明は、本文中に書いてあることだけです。それを素直に読めば、疑問を感じることはないでしょう。一方、誤読・曲解すると、難癖を付けたくなるでしょう。
一般に、トンデモマニアというのは、勝手に誤読・曲解をした上で、自分の妄想した対象を攻撃します。上記の掲示板でなされているのは、そういう攻撃です。ばかばかしいので、本サイトにはピンぼけの攻撃を持ち込まないよう、お願いします。(ただの時間の浪費です。)
参考記事:
→ http://openblog.meblog.biz/article/1391280.html
>(人間を見てもすぐには逃げることのできないハトみたいな。)
ドバト(カワラバト)がヒトを見てもすぐに逃げないのは
「すぐには逃げることのできない」からではなく,
「すぐに逃げる必要がない」
からだと思いますよ
素手でハトを捕らえることができる人間なんてめったにいないので,ヒトを侮っているんです
試しに南堂さんも公園のハトを追いかけて見て下さい
たぶん触ることも難しいと思いますよ
また,日本では公園などでハトに餌を与える習慣が残っているので
ヒトのことは「餌をくれるかもしれない存在」として認識していると思いますよ
ちなみに,かつては日本でもドバトも狩猟対象でしたが,
伝書鳩,レース鳩等の飼鳩との判別が容易ではないので,
野外で飼鳩を誤って狩猟してしまう危険があるという理由で狩猟対象から外されました
https://www.env.go.jp/hourei/syousai.php?id=18000295
要するに,ドバトはヒトに捕まえられる危険なんてほとんどないのでギリギリまで逃げないんでしょう
ヒトの近くにいれば餌がもらえるかもしれないと認識しているでしょうし
>いくらか俊敏な動きをしたとしてもおかしくない。特に、変温動物であることを考えると、
>暖かな陸上では俊敏な動きは可能だろう。ただし、それも短距離に限る。俊敏に動くと、
>すぐに体温が上昇してしまうので、長距離の運動は不可能だろう。代謝を考えても、
>長く続くとは思えない。俊敏な動きはあるとしても、あくまで例外的なものだ。
必要ない時はゆったりと泳いでいますけど,水中でのワニは陸上よりも高速で移動できます
体型からも水棲に適応して進化していることが分かるでしょう
ワニの心臓は爬虫類の多くに見られるような2心房1心室ではなく,
哺乳類や鳥類と同じ2心房2心室です
哺乳類や鳥類と違うのは
右心室と左心室の両方から、体循環へつながる大動脈弓が出ていて
さらに,パニッツァ孔と呼ばれるバイパスで動脈が繋がっています
このパニッツァ孔と左大動脈弓,肺動脈についている弁が開閉することによって,
水中と陸上で血液の流れを切り替えることがでるんですよ
http://blog.miraikan.jst.go.jp/other/20131002post-412.html
水中では無用な肺循環を閉じて体循環だけを行うことによって
体内の血液に残された酸素を効率よく使い切ることができるんですよ
血液循環の仕組みからもワニが水中生活に適応して進化していることが分かりますね
> (2) ワニの給餌は、哺乳類や鳥類の給餌とは同様だとは思えない。
>親が積極的に子に流動食を与えているわけではない。
>単に食い残した獲物を地面に放り出しているだけだ。
動画を良く見て下さい
子ワニたちが食べ易いように,母ワニは肉をしっかりと咥えていますよ
決して「獲物を地面に放り出しているだけ」ではありません
また,子ワニには天敵が多いので母ワニの保護が必要なんですよ
> しかし、このような恐るべき外装をもったワニでも亀のように
>弱い一面があります。ワニは卵の中で大きくなる時と卵から
>孵った直後は、母親ワニの保護に頼らなければなりません。
>卵は簡単に見つけられ、いろいろな哺乳類などの動物の
>餌食にされたりもします。
http://www.i-younet.ne.jp/~wanien/index2no2-2.htm
ワニには枯れ草や枯れ葉などの植物で塚状の巣を作って産卵するタイプと,
砂に穴を掘って産卵するタイプがいて,
イリエワニ,マレーガビアル,ヨウスコウアリゲーター,ミシシッピーワニ,メガネカイマンなどは前者,
ナイルワニ,インドガビアル,キューバワニ.ニシアフリカコビトワニなどは後者だそうです.
(アメリカワニのように,水辺の地面に穴を掘ったり土や砂を積み上げた塚状の巣を作って産卵したりする中間型もいますが)
どちらのタイプのワニでも
子ワニが母ワニや父ワニの保護を受けて育つ種類は少なくないんですよ
アメリカアリゲーター(ミシシッピーワニ)
>卵が産み落とされてから65日ぐらいで、中の子ワニはふ化の準備が完了します。しかし
>卵の上には覆いがかけられているため、自力ではふ化することができま せん。そこで
>子ワニは卵の中で鳴き声を上げます。卵を産んでからずっと巣のそばに付き 添っていた
>母親は、この声を聞 くと急いで巣を掘り起こし、卵がかえる のを手助けし、卵から
>かえった子供を口にくわえて水辺まで運びます。産まれてくる子供は体が小さい
>(15〜20cmぐらい)ことを除けば、 すでに立派なワニの形をしており、体全体に親には
>ない黄色い縞が走っているのが特徴 となっ ています。
>
>さすがワニといった感じで、子ワニは生まれるとすぐに水の中に入りますが、この頃は
>体が小さく外敵に襲われる危険性が極めて高くなっています。そこで子供 同士で
>群れを作り、最初の5か月ぐらいは母親とともに生活して、その後一人立ちしていきます。
>しかしそれでも子ワニの敵はとても多く、鳥やアライグマ、カ ワウソ、ヘビの他、ブラック
>バスや大人のアメリカアリゲーターに襲われ、80%ものアメリカアリゲーターが子供の頃に
>死んでしまします。
http://animals.main.jp/reptile/american_alligator001.html
>ワニ(アリゲーター)は、他の爬虫類と違って、子供の世話をすることで知られています。
> 母親は卵が孵化するまでずっと巣を守り続けます。
> 卵から子供が生まれると、その鳴き声を合図に、父親も守りに入ります。
> 子育ては、父母が共同で行い、子供が危険な目に合わないように常にそばにいます。
> 背に乗せた子供が、水中に降りて遠くに泳ぎだそうとすると、尾で囲んで守ったという話もあります。
http://www.htokai.com/reptile/wani.html
クロコダイル(ナイルワニ)
>さらに意外な一面を見せるのが、子育てのときだ。は虫類は、普通、産んだ卵の面倒をみない。
>ところが、ナイルワニの母親は、卵を産んだ巣の近くにじっと待機し、見守りつづける。
>地中の卵は数十個。最初の数個がかえり、子ワニが地表に現れると、母親はふ化の遅れた卵を
>掘り出して、口に含む。口の中で割って、ふ化させるのだ。なるべく同じ時期にふ化させて、
>子ワニを安全な場所に運ぶためだ。その後、数ヶ月にわたって、子ワニを外敵から守る。
>今回、そんなワニの愛情あふれる子育ての撮影に成功した。
http://www.nhk.or.jp/wildlife/program/p065.html
>「絶対にありえない」という意味ではなくて、「生物では不可能」という意味です。画像のような
>動きを生物がするには、次の二点が必要です。
> ・ 骨は鋼鉄レベルの硬さをもつこと。
> ・ 筋肉は筋肉繊維が切れてしまう程度の強力な収縮力(単位面積あたり)をもつこと。
「恐竜の力学」(R.マクニール・アレクサンダー (著),坂本 憲一 (訳)地人書館 (1991/08))
http://www.amazon.co.jp/dp/4805203919
の中で,恐竜の肢骨が支える体重(Wx(GN))と断面係数Zから
運動能力の指数Z/Wxが計算されています
曲げモーメントによる応力はWx/Zに比例するため,2頭の動物が同じ動きをするとき,
応力もほぼ等しくなると仮定されます
指数Z/WxはWx/Zの逆数なので
Z/Wxが大きいほど危険な応力を生じさせることなく激しい運動ができることを意味するということですね
トリケラトプスのZ/Wxの推定値を見ると,大腿骨が15〜21,上膊骨が12〜20です
この値はアフリカゾウ(大腿骨が7,上膊骨が11)よりも大きく
スイギュウ(大腿骨が22,上膊骨が21)に近い値になっています
アフリカゾウはギャロップができませんが(一番速い歩調でもアンブル),
Z/Wxの値からトリケラトプスはスイギュウのようにギャロップができたと推定されていますよ
同様に,アパトサウルスの指数(大腿骨が9,上膊骨が14)はアフリカゾウよりもわずかに大きいだけなので,
ゾウと同程度に走ることはできてもギャロップやジャンプはできなかっただろうと推定されますね
ハトは、動作の仕方の比喩として述べたものであって、動作の鈍さの原理(理由)を示したものではありません。
なお、ハトの動作が鈍いのは、品種改良のせいです。伝書鳩にするために、人に馴れたものを選んだので、人を見ても逃げないんです。それが野生化して、そこいらにいるだけです。
つまり、理由は品種改良。この件は、ネットを探せば、すぐにわかります。
(2) ワニ
> 水中でのワニは陸上よりも高速で移動できます
済みません。私の意図は、魚の意味の「水中を泳ぐ」ではなくて、「浅瀬を歩く」という意味でした。
> 母ワニは肉をしっかりと咥えていますよ
咥えているぐらいじゃ、給餌とは言えません。
> 決して「獲物を地面に放り出しているだけ」ではありません。
まあ、「何もしないわけじゃない」という意味で、いくらかは何かをしていることになりますね。ただ、私の言っているのは、「哺乳類や鳥類の給餌のような高度なことはしていない」という意味です。「低度なことをしている」は許容範囲です。そもそも、「低度なことをしている」というのだったら、ミツバチだってやっているし。かなり多くの生物種に見られることです。
私は「何もしていない」と述べているのではなく、「高度な給餌はしていない」と言っています。
簡単に言えば、「爬虫類は哺乳類や鳥類のような高度な脳をもっていない」ということです。「脳をまったくもっていない」とか、「飼育に類することをまったくしない」と述べているわけではありません。映画では、爬虫類の脳のレベルを、哺乳類や鳥類のような脳のレベルと、同様に扱っているので、それを批判しています。「爬虫類には脳がまったくない」というふうに批判しているわけではありません。
明確に言えば、「爬虫類は哺乳類や鳥類のような高度な脳による親子愛をもっていない」ということです。
(3) 「物理法則」
私が言っているのは、「象と同じ程度の運動ならばできる」ということです。つまり、「現実に起こる程度の運動ならばできる」ということ。だから、象の動画を示しています。この程度のことならば、可能でしょう。繰り返しますが、「象と同じ程度の運動ならばできる」ということです。
一方、映画は違います。象をはるかに上回る高速運動です。それは、猫やネズミのような俊敏な高速運動です。
このような俊敏な高速運動は、サイズの小さな猫やネズミならば可能ですが、サイズの大きな象や恐竜では不可能です。それが物理法則です。
ちなみに、親指と中指で丸を作ってから、中指をピンと弾いてみてください。中指はものすごく高速運動しますね? これは指が小さなサイズだからできることです。では、それと同じことを、足でできるか? できませんね。これは足が大きなサイズだからできないのです。サイズが小さければできることが、サイズが大きいとできない。これが物理法則です。先に周波数というふうに述べたことです。固有振動数はサイズに反比例します。振り子の場合には、サイズの平方根に反比例します。
→ http://j.mp/1mL9nyo
→ http://j.mp/1kgSivh
──
上記では、(1)(2)は国語の解説。(2)は物理学の解説。
どちらも生物学ではない解説ですね。レベルが落ちてしまいました。