災害救助ロボットコンテストが催されている。日本チームのロボットは優秀で、初日では首位だという。下記の記事に、画像や動画がある。
→ グーグル買収の東大ロボ首位:日本経済新聞
→ 災害救助ロボコン、日本が初日首位:朝日新聞
→ 災害ロボットコンテスト、日本チームが初日トップ - MSN産経
→ 米 災害対応ロボットの競技会 NHKニュース
もっと詳しい動画は YouTube にある。
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好調のように見えるが、問題もある。
読売の記事によれば、トップの日本のロボットは、転倒して起き上がれなくなってしまった(そのまま時間切れになった)そうだ。
二足歩行ロボットには、このように「転倒する」という問題がある。何とか解消しようとして、加速センサーなどで対策を取ろうという研究はあるが、現実にはあまりうまく行っていない。ASIMO もひっくり返ったりする。
どうしてか? それは、当り前の話で、人間ですら、後ろに倒れやすいからだ。二足歩行というのは、もともとアンバランスなのである。
「なかなか倒れないように」という目的のためには、四つ足のロボットにするしかない。具体的には、「四つ足と二本の腕」というケンタウルス型ロボットが好ましい。
→ ケンタウルス型のロボット
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ただし、今回のコンテストでは、「自動車の座席で自動車を運転する」という項目もあった。これは、ケンタウルス型では無理であり、人間型のロボットである必要がある。
しかし、人間型だと、二足歩行であるがゆえに、倒れやすい。あちらが立てば、こちらが立たず。
うまい方法はないか? ある。
それは、「3本足」もしくは「1本の補助足」というタイプだ。具体的には、「シッポのある二足歩行」だ。
・ 後ろに倒れかけたときに、シッポで支える。
・ 前に倒れかけたときは、腕で体を支える。
こういう感じで、倒れにくくすることができる。この点では、人間以上に、倒れにくい。
たとえば、後ろに倒れかけたときは、大急ぎでシッポを地面に付けて、倒れるのを軽く防ぐ。そのあと続けて、足を後に出して、倒れるのを完全に防ぐ。
ここでは、シッポは俊敏な動きによって、応急措置ふうの働きをなす。とりあえずはすばやく、転倒速度を遅くする。そのあとで、足の動きで体重の全体を支える。
これでOKだろう。
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そもそも、人間にシッポがないことを「動物として進化した」と見なすのがおかしい。人間はシッポがないが、そのせいで他の動物以上にうまく動けるわけではない。むしろ、他の動物よりもずっと鈍い動きしかできない。地上を走るのでさえ、(四つ足で走る)日本猿よりも遅い速度でしか走れない。まして、犬に比べれば、ずっと遅くしか走れない。
人間の肉体は、動物としてみれば、かなり低いレベルにある。なのに、その肉体を「進化した肉体だ」と思うのは、勘違いだろう。人間の肉体は、手をもつことで、多大な自由度を獲得して、道具を使えるようになった。その一方で、静止して活動することが主体となり、動くことは苦手となってしまった。
伸び縮みのするシッポのあるロボットこそ、災害救助のためには最適だろう。
[ 付記1 ]
動物の尻尾は、無用の長物ではない。たとえば、下記の動画。
チーターは、走るときはともかく、方向転換をするときは、シッポを激しく動かす。体のバランスを取るために、シッポはとても役立っているのだ。
[ 付記2 ]
恐竜の尻尾は、太くて巨大である。これは敵である恐竜をなぎ倒すぐらいの破壊力があったようだ。また、体中の一部を支える効果もあっただろう。
恐竜の尻尾については、前項の最後でも言及した。
→ 前項
とるすと3本目が真ん中から前にのびるタイプの3本足がいいのかなと思います。
MT自動車も操作できますし。
> ロボットの体重を支えられる
倒れるのを防ぐだけです。非常に大きな力がかかったときには、支えきれなくてもいい。
炭素繊維なら太さ5ミリ程度で十分でしょう。
「たとえば、後ろに倒れかけたときは」の箇所を参照。