2013年12月21日

◆ 癌と免疫療法 2

 米科学誌サイエンスで、癌の免疫療法が話題になったが、それほど高く評価するべきものか? いや、そうではあるまい。 ──

 癌の免疫療法が話題になった。米科学誌サイエンスで、今年の「科学10大ニュース」の1位に挙げたのだ。
  → 今年の科学ニュース、1位はがん免疫療法の進歩 米誌
  → 2013年のbreakthrough of the yearはがん免疫療法
  → がん免疫療法、年間の最重要研究成果に サイエンス誌

 では、本当に素晴らしいものだのだろうか? すぐ上の記事から一部抜粋すると、こうだ。
 米医薬品大手ブリストル・マイヤーズスクイブ(Bristol-Myers Squibb)が開発した新薬「イピリムマブ(ipilimumab)」は、2011年に承認された。治療単位当たりの価格は、12万ドル(約1250万円)だ。
 この薬は高額で、さらに完治が保証されるものでもない。2012年に300人のグループを対象に行われた調査では、イピリムマブで腫瘍が半分以上縮小した患者の割合は、メラノーマで31%、腎臓がんで29%、肺がんで17%だった。
 今年発表された、イピリムマブを与えられた黒色腫患者1800人を対象とした調査では、3年後の生存率は22%だった。
 関連する治療法の1つで、患者自身のT細胞に腫瘍を攻撃させるためにT細胞を作り替える「キメラ抗原受容体(CAR)」の技術を用いた療法については、白血病患者75人中45人のがんを完全に消滅(完全寛解)させることに成功したと研究者らが今年発表している。
( → AFPBB

 つまり、1250万円もの金がかかるのに、治療効果はたいしたことがない。いろいろと数字が挙げられているが、いくらかは効果があるにしても、画期的というには程遠い。ざっと評価すれば、「抗ガン剤ぐらい」という程度か。
 要するに、次の評価が正しいらしい。
 「これまではほとんどエビデンスの得られなかった癌の免疫療法だが、ようやく抗ガン剤程度のエビデンスが得られるようになった。ただし、一部でのみ」
 
 これでは、患者にとっては、ほとんど意味がない。研究としてなら、「新たな分野が開発された」という意味合いがあり、「何十年も後では、まったく新たな薬ができるかもしれない」という効果はあるかもしれない。しかし、あと数年ぐらいのレベルでは、とうてい抗ガン剤を越えることはできまい。

 たとえば、すぐ上の転載記事には、次の記述があった。(再掲)
 「白血病患者75人中45人のがんを完全に消滅(完全寛解)させることに成功した」

 これは素晴らしいことか? いや、抗ガン剤と同程度か それ以下であるにすぎない。というのは、白血病はもともと治りやすくなっているからだ。
  → 白血病、近年、治癒率が最も良くなったがん
 具体的な数字は下記。
 急性リンパ性白血病の完全寛解率は65%から85%程度といわれています。しかし、5年生存率だけを見ると25%から40%程度になっています。
 急性骨髄性白血病の場合は、完全寛解率は60%から80%程度といわれています。この場合の5年生存率は20%から30%といわれています。
( → 白血病の生存率と症状

 この数字からしても、抗ガン剤の治療率と同程度であるにすぎない。

 ──

 結論。

 癌の免疫療法は、研究者にとっては興味のある話題かもしれないが、一般人(患者)にとってはたいして意味はない。「ものすごく高額だが、効果は標準療法と同程度」ということにすぎない。実用レベルの効果は、ほとんどない。
 ただ、保険が適用されない自由診療なので、「藁にもすがりたい」という患者から、数百万円〜千万円もの金を奪うための金づるとしては、有効かもしれない。悪徳医には、いい金儲けのタネだろう。

 米科学誌サイエンスとしては、こんなのを「年間1位」のニュースにするべきじゃないね。だまされて大金を奪われる人が続出しそうだ。
 「米科学誌サイエンスでこんなに高く評価されているんです。ですから 1000万円を払っても惜しくはありません」
 てな具合に。
 で、それで医療効果が出ないかというと、そういうことはなく、まさしく医療効果は出るのだろう。ただ、同程度の医療効果は、そんなに大金をかけなくても、もともと効果が出るのだ。
 
 米科学誌サイエンスは、もしかして、金をもらって提灯記事を書いているのかもね。
 その疑いの理由はある。それは、全体の8割が医学・生物学系の研究だ、ということだ。( → 前出ブログ
 どうして、こういうことになったのか? 「製薬会社が多大な寄付をして、選出してくれと圧力を掛けたから」としか、思えないですね。自分たちの利益のために、米科学誌サイエンスに巨額の金を提供したのだろう。……そう考えれば、今回の記事の不自然さは、すべて氷解する。

( ※ その証拠があるわけではないから、断言するわけには行かないが、推理としては成立する。そうでもなければ、この程度のつまらないことが、大々的に評価されるはずがないんだよ。)
( ※ Openブログは、詐欺師の摘発をするのが、一つの責務です。  (^^)v
 


 【 関連項目 】

 → 癌と免疫療法

 これは3年前(2010年11月16日)の情報。
 この時点では、「癌の免疫療法はまったく当てにならない」という評価がある。(私の評価ではなく、新聞に掲載された、医師の評価。)……これが当時の評価だった。
 その後も、少しずつは研究が進んできたが、たいした進展はなかったようだ。( Wikipedia などの情報による。)

 それでも、今回の米科学誌サイエンスの評価では、素晴らしいブレイクスルーがあったことになっている。といっても、1が 100になったわけではなく、1が 10 になったぐらいのことでしかあるまい。先行者(抗ガン剤)にちょっとは追いつきかけた、という程度。
 一般人としては、騒ぐようなことじゃないですね。
 


 [ 付記1 ]
 癌についての画期的な治療法……という触れ込みは、これまでにも何度か語られた。
  ・ 丸山ワクチン
  ・ 紅茶キノコ ,アガリクス
  ・ がんもどき理論(自然治癒)
  ・ 分子標的薬(イレッサなど)
 どれもこれもが竜頭蛇尾に終わっている。「まったく無効」と断定していいかどうかは別として、標榜された通りのブレイクスルーではなかったと言えるだろう。

 [ 付記2 ]
 どちらかと言えば、私がお薦めするのは、各人の遺伝子に応じた治療法、つまり、オーダーメード医療だ。これがうまく行けば、「効果が 30%」なんて中途半端にはならず、「0%か 100%か」というふうになるかも。そうなったら、「効果もないのに副作用だけを受ける」ということはなくなりそうだ。
 ただ、オーダーメード医療は、検査が主流であって、新薬ではない。あまり儲からないようだ。だから製薬会社は、あまり推進しないのだろう。
 しょせんは金儲け、というのが、医業と医学界の主流なのかもね。そう言えば、医者は金儲け商売の代表だな。
posted by 管理人 at 21:02| Comment(0) | 医学・薬学 | 更新情報をチェックする
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