2013年12月04日

◆ 炭酸ガス削減は地球規模でやれ

 炭酸ガス削減は、国別に目標がある。しかし、国別よりも、地球規模でやるべきだ。つまり、個別量でなく総量の削減をめざすべきだ。 ──

 国際条約(COP19)では、炭酸ガス削減は、国別に目標がある。
 19回国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP19)は23日、すべての国が参加する2020年以降の新たな国際枠組みについて、各国が温暖化ガス削減の自主的な目標を導入することで合意した。
( → 日経

 このように、国別の目標がある。だが、これではすでに削減の努力をした日本ばかりが苦労しなくてはならず、米国や中国のように炭酸ガスをたくさん出す国が有利である。
 ただ、それは外向的な駆け引きだから、まだ我慢もできる。問題は、効率だ。
 
 日本は努力目標に従って、多大な炭酸ガス削減の努力をしている。しかし、日本で努力しても、「コストばかりがかかって、成果は少ない」というふうになる。
 どうせなら、炭酸ガスをいっぱい出している国で削減した方がいい。その方が、低コストで、多大な効果が出る。
 たとえば、米国では石炭発電が多大にある。そのせいで、炭酸ガスをたくさん出すだけでなく、排ガス(煤煙など)のせいで、呼吸器疾患の患者や死者をたくさん出す。
  → NRDCによると、全米の大気汚染による死者は年間10万人以上
 こういう問題のある石炭発電を廃止して、代わりにシェールガス発電にすれば、低コストで莫大な効果が出る。(炭酸ガス削減でも、死者数減少でも。)
 あと、もう一つ。中国で同様のことをやってもいい。中国では、石炭発電のせいで、大量の煤塵が出ている。これは何度も話題になった。ここで、日本の技術を入れて、石炭発電を LNG 発電などに転換させて、それを日本の炭酸ガス削減努力に勘定するのであれば、日本にとってもメリットがある。(日本に来る PM 2.5 の量が減るので、日本の健康にとってメリットがある。炭酸ガス削減の数値以外にも。)

 とにかく、日本なんかで「炭酸ガス削減」の努力をするよりも、米国や中国で「炭酸ガス削減」の努力をする方が、ずっと効率的なのだ。
 たとえば、日本では、電気自動車やハイブリッド車の推進のために、莫大な費用を払っている。電気自動車の補助金は 100万円程度だし、さらに税の減免も何十万円かになる。ハイブリッド車も同様の減免がある。たった1台の炭酸ガス削減の効果など、たかが知れているのに、これほどにも巨額の金を支出するのだ。
 だったら同じ金を、米国で「石炭発電の転換」のために使う方が、ずっと効率的だろう。
 炭酸ガスの削減をめざすならば、国別でやるより、国境を越えた地球規模でやる方が、ずっと効率的なのだ。

 そもそも、炭酸ガスの削減は、国別でやっても意味がない。大気は地球全体で共有されるからだ。なのに、国別で炭酸ガスの削減の努力をするなんて、あまりにも非科学的である。
 「炭酸ガス削減は、どこでやろうが関係ない。国境なし」
 というふうにするべきだ。これが、私の結論だ。



 [ 付記 ]
 同趣旨の狙いで、次の制度もある。
 「排出権取引制度」
 これはこれでいい。ただ、制度を導入して事足れり、というのでは、馬鹿げている。実際にその方針で行動するのでなくては。
 特に、現状では「再生エネの普及促進」という名目で、太陽光発電や風力発電などに莫大な補助金が出されているが、これこそ無駄の極致だろう。それによって削減できる炭酸ガスの量など、たかが知れている。原発停止によって増加した炭酸ガスの総量に比べて、太陽光発電や風力発電によって削減できる炭酸ガスの総量など、九牛の一毛にすぎない。(スズメの涙、とも言える。焼け石に水、とも言える。)
 こんな無駄なエコごっこに大金を費やすよりは、米国で石炭発電の停止のために金を使う方が、圧倒的に多くの効果を持つはずだ。

 


 【 関連項目 】
 (1)
 日本の技術で中国の PM 2.5 の量を減らせ、という話題は、前にも述べた。(別の理由だが)
  → 中国の大気汚染と日本

 (2)
 排出権取引と似た概念に、「ピグー税」といものがある。下記項目で言及した。
  → ピグー・クラブ・マニフェスト

 (3)
 現在の国際条約は、日本にとって不利なものだ、ということは、下記項目で言及した。
  → 薪と森林破壊
 ここで記されているように、1990年が削減の基準年となっている。だが、その時点では、日本ではすでに多大な削減をなしたが、欧州や米国は削減をなしていない。そのせいで、サボっていた欧州や米国ばかりが「たくさん減らします」と宣伝できて、真面目に削減していた日本は「もう削減の余地がない」というふうに不利になる。
 この問題は、「削減率」でなく、「炭酸ガスの排出量の絶対量」を取れば解決するのだが、政治的な外交力のせいで、日本はやたらと不利な条約を押しつけられる。不平等条約。……なのに、それにも気づかないで、「日本は努力せよ」とばかり唱えて、「日本は太陽光発電を普及させよ。補助金を出せ」とヒステリックに騒ぐのが、朝日新聞。
 非科学的なエコ馬鹿。(地球規模でものを考えることができない。大気は地球で共有されている、ということを忘れている。)
posted by 管理人 at 19:46| Comment(11) | エネルギー・環境2 | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
だけど協力してくれなきゃ話にならない。
鳩山みたいなアホにやらせると自分たちだけ苦しい思いをするだけ。
Posted by えうぇ at 2013年12月04日 20:16
資源エネルギー庁の数年前の数値では、日本のCO2排出量は世界の4%なんです。その内産業は約半分で一般家庭は世界の2%なんですね。日本が削減しても地球規模では誤差の範囲内です。アメリカと中国の排出は、世界の三十数%位に上りますので、日本でちまちま減らすより、よっぽど効果ありますね。これは政治的な取決めなので各国国益優先の為に行動してますね。アメリカは減らす気なし。中国は発展途上国グループで減らす意思無し。ヨーロッパ各国も色々言って結局同じく。
京都から続く温暖化会議はほぼ茶番です。それより中国の煤塵がそろそろ気象に影響してくるんではないかなと思います。太陽光を遮って、寒冷化が始まるかも。
Posted by ossan110 at 2013年12月05日 11:05
排出量は削減する必要は無く、処理能力を増やすのが現実的だと思いますね。
たとえば、ジャングルを抱えている南米や東南アジアの国々に報酬を払って森林を保護してもらいます。保護されているかはスパイ衛星でも使えば簡単に関しできますので、森林が減ったら金はストップの方向で。
砂漠の国もそういうお金が欲しければ自国を緑化しようとしてくれるかもしれません。
Posted by クルマ好き at 2013年12月05日 19:18
森林保全が大切だ、ということは、私も別項で言っています。あちこちで何度も。
 → http://urx.nu/5U3n

 だけど森林は減るばかりで、増える見込みはありません。いくら保全をしても、炭酸ガスは現状よりも減ることはありません。現状維持さえ無理。
 森林保全は、長期的な見通しです。木を植えてから、育つまでには、30年ぐらいかかりますから。一度に全部やるのも無理なので、100年後の改善をめざした、息の長い方向性です。

 目先の対策としては、炭酸ガスの削減努力は必要です。

> 森林が減ったら金はストップ

 もともともらっていませんよ。ブラジルも、中国も。さらに言えば、アフリカは無政府状態です。個人が勝手に森林を破壊している。
 一方で、炭酸ガスを大量に排出しているのは、米国と中国です。米国に「金をやらない」と言っても意味ないでしょう。砂漠の国も、お金はありあまっています。
Posted by 管理人 at 2013年12月05日 20:09
日本人は欧米コンプレックスがあるようで、人為起源CO2温暖化教を無邪気に信じている数少ない国です。

1)「地球の気候変動は、都市化の影響のない観測点を精選して時系列推移を調べましょう」と主張すべきです。
  まともな科学者は、そのような集計をして結果を出し始めています(ほとんど温暖化していないようです)。
2)温暖化と寒冷化、どちらが深刻? 仮に東京が鹿児島程度の気候になると不都合ですか? と問うべきです。
  東京が、樺太程度に寒冷化したら嬉しいですか? (可能なら)氷河期を先延ばしする方が望ましいでしょう。
3)「CO2削減」より、「汚染の少ない生産方式を目指そう」と主張すべきです。こちらが、より本質的です。
  中国のように、「金儲けできれば、汚染など気にしない」やり方の生産方式を批判すべきです。
  中国の9割の人には、国土が健康を害するほど汚染されるだけの迷惑でしょう。
  中国が世界の工場になること自体が、地球環境の悪化を加速させています。
4)「クリーンな生産方式は、技術開発とコストがかかる。それは支払うべき対価です」と主張すべきです。
  「それができる国で、生産すべき」と主張すべきです。
5)当たり前の正論をきちんと述べることができる人を、国際会議に出せば良いです。
5)中国に、技術と生産設備を提供したり、資金提供したりは、もうやめる時期です。
Posted by 思いやり at 2013年12月05日 21:11
なるほど、あなたの反応を見ていてどういう人かなんとなくわかってきました。
それはともかく、まず、私は排出国に金をやるやらないといったことは一言も書いていません。ただ、砂漠の国での考慮漏れは、中東のオイルマネーのある国々も砂漠の国であったことですね。私がイメージしていたのは、アフリカ北部や、あなたが米国と並べて書きながらぼやかした中国ですね。排出国であると同時に、広大な砂漠を持つ国でもあります。(アメリカにも砂漠ばっかりの州はありますけどね)

>もともともらっていませんよ。
それは当然です。これからそういう仕組みを作って保全に対する報酬を日本などが払えばどうかという話ですから、現在はびた一文払っている筈が無いのです。

ともかく、あなたが素晴らしいと思ったことを書いている時は、別のアイデアを出してはいけないことがわかりました。:p
Posted by クルマ好き at 2013年12月05日 21:58
> 別のアイデアを出してはいけない

 そうじゃないです。
 「そんなことは他の項目ですでに言及しているから、そっちを読んでくれ。私のサイトを読みもしないで、私が述べたことの一部を、いちいち繰り返さないでくれ」
 ということ。釈迦に説法というか、車輪の再発見というか。
 とにかく、人の話を読みもしないで、あれこれ言う人は、好きなれない。最低限、私の話を読んでからにしてほしい。本サイトで書いてあることの一部を繰り返されても、うんざりするだけ。

 私の語っていないことなら、歓迎しますよ。反論であっても。

 ──

 なお、私の見解を一言でいうなら、「ggrks」です。何か自説を発見したと思ったら、それをググりましょう。たとえば、次の検索語。
  「緑地 減少 温暖化」
 検索してごらん。
Posted by 管理人 at 2013年12月05日 22:46
あなたが他人に対してだけは誤読するなとかそういったことを繰り返すことは知っていますし、緑の減少が根本的な問題であることを書いていることは知っています。しかし、それに対する対策として私の挙げたような方法は書かれていなかったように思います。(だから私が書きました)
べつに温室効果ガスの処理に木が最もローコストで手っ取り早いことを再発見したと書いているわけではありません。

この件についてはあなたには理解できないようですので、忘れてください。

あなたがいつだったかシケインの再発見に自惚れていたように、ご自分にも思慮の浅いことがあることを認識し、少し謙虚になられるといいですね。
Posted by クルマ好き at 2013年12月08日 09:16
> 私の挙げたような方法

 とは、次のことですか? 

> ジャングルを抱えている南米や東南アジアの国々に報酬を払って森林を保護してもらいます。

 これは、排出権取引という概念そのものであり、何十年も前から唱えられていた常識です。私の考えでもなくて、誰でも知っている常識。
 衛星監視も、常識。
Posted by 管理人 at 2013年12月08日 09:35
>  by クルマ好き

 よく考えたら、本件はスルーすべき事案でしたね。
 余計なことをいろいろと書いて、不愉快な思いをさせてしまった私に、全面的に非があります。謹んでお詫び申し上げます。

 また、以後は同様のことを繰り返さないよう、反省して、肝に銘じます。
 このたびは失礼をして、申し訳ありませんでした。
Posted by 管理人 at 2013年12月08日 12:29
こちらこそ申し訳ありませんでした。
排出権取引が森林による温室効果ガスの処理能力を買うということを含んでいることを知りませんでした。
(あくまであまり排出しない国の割り当て分を買い取ることができる仕組みだと思い込んでおりました)
Posted by クルマ好き at 2013年12月08日 14:04
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