2013年11月29日

◆ 弱測定とは (量子力学)

 量子力学における「弱測定」という概念について説明しよう。

   ※ 前項の続きです。
   ※ 物理学の専門的な話題です。
 ──

 話の発端は、前項である。まずは、そちらを読んでほしい。また、そのリンク先の記事(下記)も読んでおいてほしい。
  → 量子力学の“常識”に挑む 見なかった過去も推測

 特に、この記事にある「右が4で、左がマイナス3」という記述を念頭に置いてほしい。

 ──

 さて。Wikipedia の「弱測定」という項目には、次の記述がある。
 一般的に、量子状態の重ね合わせにある物理系を観測してその状態を測定しようとすると、重ね合わせが壊れてしまう。その壊れの程度は、観測によって得られた情報量の2乗に比例するので、得られる情報量を極限まで減らした測定を行えば、重ね合わせにある量子状態そのものを壊すことなく知ることができる。
 一回の測定で得られる情報量も微小であるが、前後の状態を特定したうえで繰り返し測定することで、誤差を減らすことができる。

 これはもっともらしい記述だが、「重ね合わせ」という概念で表現しているので、あくまでコペンハーゲン派の解釈だ。
 超球理論では? 量子は粒子または波のいずれか一方であり、その中間状態などはない。では、どう説明するべきか? それは簡単で、単に次のように表現すればいい。
 「波の局所的な値」
 
 たとえば、Ψx)という関数があったとして、この x は変数として理解されるが、特に x の値として
   xx0
 というふうに特定の値 x0 を与えれば(つまり特定の位置を与えれば)、 Ψx) のかわりに Ψx0) という値を得る。これがつまり「波の局所的な値」だ。

 シュレーディンガー方程式(もしくはファインマンの経路積分)では、このような Ψx) の積分値が、最終的な粒子の分布を与える。
 ただ、それとは別に、途中状態の Ψx0) を考えることもできる。(積分しないで。)
 それが今回の話だろう。


 このような話は、従来の物理学では出てこなかった話題だが、だからといって、従来の物理学と矛盾するわけではない。ただ,あまり話題にならなかったニッチな領域だ、というだけのことだ。また、測定技術が進歩したので、こういう微小な測定もできるようになった、というだけだ。
 特に騒ぐようなことではない。ごくマイナーな話題であるにすぎない。

  ────────────
       【 脚注 】
        正確に言えば、Ψx0) ではなくて、Ψx) の局所的な積分値だ……と思ったのだが、そうではないですね。
       通常の積分は、空間の全域の積分値だが、そうではなくて、ごく局所的な積分値を得ることもできる。しかしその値は、局所的な「粒子」の値だ。そいつは問題外だ。
       本項で述べているような「弱測定」の値は、「粒子」の値ではなくて、「波の値」なのだから、積分値を取っては駄目だ。生(なま)のままの Ψx0) を取るべきだ。当然ながら、その値は複素数値だ。したがって、|Ψx0)|2 を取って考える必要があるが……ここまで考えると、話が込み入りすぎて面倒になるので、ここでひとまず打ち切っておく。



 [ 付記1 ]
 「右が4で、左がマイナス3」
 という数値を見ると、
 「右を4個の粒子が通って、左をマイナス3個の粒子が通る」
 と解釈されそうだが、そうではない。
 仮にそうだとすれば、それぞれの値を維持したまま、最終的な到達点にまで到達するはずだ。しかし、そうではない。この数値は振動するのだ。
 つまり、それぞれのスリットの位置ではその値になるのだが、スリットから少し先の進んだところ(スリットのちょっと先の位置)では、まったく異なる数値になる。右のスリットを通ったものは、4という数字を維持せずに、3とか0とかの値を取る。左のスリットを通ったものは、マイナス3という数字を維持せずに、2とかマイナス1とかの値を取る。このように、数値は振動する。したがって、
 「右を4個の粒子が通って、左をマイナス3個の粒子が通る」
 ということは、ありえない。なぜなら、通るものは(個数の定まった)粒子ではなくて、(量の変動する)波であるからだ。
 以上のことからしても、「粒子の通った経路」という発想を取るコペンハーゲン派の認識はおかしい、とわかる。
( ※ つまり、「粒子の重ね合わせ」という発想そのものがおかしい。正しくは「粒子ではなくて波である」ということだ。確定していない量子は、「粒子の重ね合わせ」ではなくて、ただの「波」であるのだ。)

 [ 付記2 ]
 「右が4で、左がマイナス3」
 という数値を見ると、不自然だと感じられるだろう。しかし、超球理論の発想を取れば、何も不思議ではない。
 この数値は、粒子の個数ではなくて、あくまで波の数値である。しかも、この場合には、特定位置に到達する波の数値である。
 とすれば、実際にスリットを通る波は、「さまざまな位置に到達する波の総和」となる。
 スクリーン(感光板)の位置を L と書くと、L0 に到達する波 φ(L0)だけでなく、さまざな L について φ(L)が考えられる。それらのさまざまな φ(L) という波の総和が、スリットを通り波である。
 この φ(L) は、4とか、マイナス3とか、かなり極端な数値を取れる。それでも、たくさんの φ(L) の総和(というよりは平均値)を取れば、その値は、0と1の間に収まっている。そういうことだ。
 特定位置に到達する波だけを考えると、途中のスリットでは、
 「右が4で、左がマイナス3」
 という極端な値になることもあるだろう。しかし、その波だけでなく、他の波をすべて考慮すれば、途中のスリットでは、
 「右も左も、0と1の間」
 というふうに、きちんと収まるのである。
posted by 管理人 at 23:59| Comment(2) | 物理・天文 | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
本項の前半は、前項から移転したものです。
 本項の [ 付記1 ] [ 付記2 ] は、新たに加筆したものです。
Posted by 管理人 at 2013年11月30日 00:39
まずは細谷さんの解説から出発しいいる時点でアウトです。論文よみましょう。
Posted by Taro at 2014年03月11日 00:16
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