学術専門誌については、論文の公開と審査を分離することが好ましい。それによって費用の低減を図れる。 ──
読売新聞・朝刊 2013-11-25 に、ノーベル賞学者の野依良治教授の提言があった。次の趣旨:
学術専門誌は、ほとんど電子化されている。費用も低下しつつある。しかし販売価格は高額で、さらに急上昇しつつある。これは学術専門誌が、欧米の出版社に牛耳られているからだ。そこで、学術専門誌を日本で独自につくればいい。公開は無償として、執筆者から金を取ればいい。編集長は海外の有名人を招けばいい。
──
話の趣旨には、基本的に賛同したい。ただし私としては、次の一点を追加したい。
「学術専門誌については、論文の公開と審査を分離することが好ましい。それによって費用の低減を図れる」
ここでは「公開と審査を分離する」ということが重要だ。つまり、次のことだ。
・ 公開は、ほとんど無制限で受け入れる。(自動処理)
・ 審査は、高名な査読者が審査する。
販売は、次のようにする。
・ 論文自体は、無償で公開する。
・ 審査結果は、有償で販売する。
野依教授の提案では、「玉石混淆では学術誌の水準が保てない」とのことだが、そのような玉石混淆の全体は、単にデータベースみたいにして、無償公開すればいい。( arXiv.org みたいに。)
精選されたものは、講評などを付けて、「精選集」として販売すればいい。ここでは、「優れたものだけを精選する」という付加価値があるから、販売価値がある。
──
ただし注意。後者の「精選」というのは、審査機関だけが実行できるわけじゃない。他の誰もができる。有力な評価者がいれば、その人が代行することもできる。
また、「集合知」のような形で、多くの評価者の賛同を得たものが高く評価される、という仕組みを作ってもいい。たとえば、「はてなブックマークのはてなスター ★ をたくさん集めた論文が上記にランクされる」というようなシステムだ。このようなシステムならば、コストをゼロ同然にして、きわめて低コストな評価が可能となる。
以上を、私の提案とする。
[ 付記 ]
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【 関連サイト 】
(1) 査読はどうあるべきなのか - システム論ブログ - 永井俊哉
…… 本項と似た趣旨。
(2) 学術誌問題の解決に向けて - 日本学術会議 [PDF]
…… さまざまな情報。包括的。
(3) 外国雑誌のRenewalと価格問題
…… 高額さを指摘する。
(4) 学術雑誌の価格高騰と 学術コミュニケーションの危機 [PDF]
…… 価格高騰の影響
(5) あまりにも異常な日本の論文数のカーブ
…… 日本だけが論文数低迷。理由は研究費削減。
(6) Open ブログ: 論文投稿の費用
…… 査読料など。(私が以前書いた項目)
(7) 情報の値段:論文誌出版社を学者がボイコット
…… 暴利に反対する学者たちが、高額専門誌をボイコット。
2013年11月28日
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引用がしっかりしてないと学術として訳わからなくなりませんか?
どうするのかって、別にどうもしません。それぞれは別の学術誌ですから、それぞれの名称をつけて引用すれば、問題ありません。何も不思議なことはない。
形式審査はそのままジャーナルがしっかり行って
内容審査は本来、引用やその成果にて行うのが筋なのでオープンにすべきですね。
→ http://www.yomiuri.co.jp/science/news/20131213-OYT1T00638.htm
その はてブ
→ http://b.hatena.ne.jp/entry/www.yomiuri.co.jp/science/news/20131213-OYT1T00638.htm