2013年11月26日

◆ 新国立競技場の解決案

 新国立競技場の問題の解決案を示す。それは、初めの公募の条件を守ることだ。つまり、建設費 1300億円の厳守。 ──

 そもそも、新国立競技場の公募では、「建設費1300億円」ということが条件だった。(出典は下記。)
  → 建設費1300億円でデザインを公募
  → 総工費についてJSCは「1300億円はデザイン公募にあたっての目安として提示した

 だとすれば、最初のこの条件を守ればいい。つまり、
 「建設費 1300億円でコンペ(入札)する」
 というふうにすればいい。
 ( ※ 追加の工事費はなしとする。途中放棄には莫大な違約金を課す。)

 で、それで引き受け手がいれば、引き受けさせてもいい。
 一方、引き受け手がいなければ、「予算内で工事不可能」を理由に、この案を取り消せばいい。
 この場合には、何の問題もなく、採用案を取り消せる。なぜなら、採用案は公募の応募条件を満たしていなかったことになるからだ。(費用の超過)
 かくて、問題は解決する。
  ※ 別の現実的な案を採用すればいい。

 話は簡単ですね。
  ※ 「簡単すぎてつまらない」と思う人は、以下を読んでほしい。



 [ 付記1 ]
 最新のニュースでは、次のように報道されている。
 《 新国立競技場、床面積2割縮小…費用縮減に努力 》
 日本スポーツ振興センター(同)は26日、基本設計案の検討会議を開き、延べ床面積を当初計画の約29万平方メートルから、約22万5000平方メートルへと約2割縮小する方針を決定した。
 新たな計画ではスポーツ博物館やレストラン、駐車場などを縮小して約6万5000平方メートル減とする。一方で、常設の客席による8万人規模の収容人数や開閉式屋根などの基本機能は、「今後100年間にわたり、大規模なスポーツ大会やコンサートなどのイベントに使う」などとして当初計画を維持することにした。
 建設費用については、現在の競技場の解体費を含めて約1850億円を想定し、「可能な限り縮減に努める」という。今後、具体的な設計作業に入り、19年3月完成を予定している。
( → 2013年11月26日 読売新聞

 ここでは次のことに注意。
  ・ これは日本スポーツ振興センターの方針であり、政府の方針ではない。
  ・ 費用は 1850億円
  ・ 今後100年間の耐久性が求められる。


 初めの二点が問題だが、これはまだ確定したわけではない、ということに注意。今からでも十分にひっくり返せる。
 そもそも、こんな欠陥建築が構築されることがおかしいのだ。

 [ 付記2 ]
 すぐ上に述べたように、「今後100年間の耐久性」が要求されている。しかし、それは可能だろうか?
 一般に、コンクリ製のビルは、耐用年数が 50年ぐらいである。実際にはもっと長持ちするとしても、いろいろと不便になったり、機能不足になったりして、「古いものは使い物にならない」という形で取り壊される。代表例は、東急文化会館( 1956 〜 2003 )だ。
 そうでなくとも、コンクリの耐用年数は 100年もあるとは見なされない。現在のコンクリの建物は、100年もたっていないものがほとんどだから、100年の耐用年数は保証されない。
 ただ、問題はもっと別のところにある。「日本では地震が多発する」ということだ。このことゆえに、諸外国に比べて、コンクリの耐用年数は低く見込まれる。先の東日本大震災でも、ビルの多くは揺さぶられたから、耐用年数がいくらか縮んだと思える。高速道路や橋脚もまた同様。とにかく、コンクリというものは、地震には強くないのだ。
 
 新国立競技場の場合は、この点がもっと顕著になる。頭上にアーチ状の構築物があるが、ここにコンクリがあると、頭上から落下する危険がある。それはとても危険だ。
 ゆえに、頭上にコンクリを置くような建築物は、事実上、不可能であろう。
 とすると、新国立競技場のアーチについては、どうしてもコンクリ以外のもので作るしかない。その最も有力な候補は、鉄鋼だろう。高機能な鉄鋼であれば、十分に強固なアーチを構築できる。強度の点では何も心配はない。
 ただし、別の心配が生じる。「鉄は熱で伸び縮みする」ということだ。新国立競技場のように巨大な構築物だと、アーチの大きさも巨大なので、伸び縮みは無視できない。(同様に、鉄道のレールも伸び縮みが無視できない。 → 出典
 この伸び縮みをどうするか? 同じような構築物でも、橋であれば、橋をいくつかに分割して、そのつなぎ目で伸び縮みを吸収できる。(レールの場合と同様だ。) そして、つなぎ目部分には、橋脚を置くことができる。これで大丈夫だ。
 しかし新国立競技場の場合には、橋脚はない。全体が一体化したアーチだ。となると、分割は不可能だ。かなりの難工事が予想される。特別な工法が必要だろう。となると、かなりの高コストになると見込まれる。この意味でも、上記の 1300億円という条件の範囲には、収まりそうにない。
 さらに、100年という耐用年数も、とても無理だと思える。日本では何度も地震が起こるのだから、「地震への耐性がなくなった」という理由で、途中で解体される可能性が大きい。
 それゆえ、どうしても建設するのであれば、次のことを条件とするべきだ。
 「 100年の耐用年数を保証する。若干の維持・補修費を支払うだけで、100年間の保証を義務づける。100年間のうちに、解体の必要性が生じたら、無償で再建築することを義務づける」
 こういう条件で、建設のコンペ(入札)をするといいだろう。
 引き受ける会社は、一つもないだろうから、ここでも自動的に、新国立競技場の採用案は否定される。



 [ 余談 ]
 トリビアふうの知識。普通のコンクリートよりも、ずっと強力なコンクリートがある。
  → ローマン・コンクリート - Wikipedia

 これだと、耐用年数でも強力さでも、いろいろと好ましい状況になる。
 ただし、実用的に使われることはない。コストがべらぼうに高くなるからだ。

 これを使うと良さそうなケースとしては、前出の「放射性廃棄物の最終処分場」がある。
   → 放射性廃棄物の地下貯蔵の研究:幌延
 これは、何万年も先のことまで考える必要があるので、エレベーターなども長い耐久性を考慮するべきだろう。
( ※ といっても、何万年ももつのは不可能だが、せめて少しでも長く。)



  【 関連項目 】

 新国立競技場の問題点の指摘は、下記で。
  → 新国立競技場の問題点と代案
posted by 管理人 at 23:59| Comment(4) |  東京五輪・豊洲 | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
規模縮小という改定案の詳細がわかった。下記。
  → http://kenplatz.nikkeibp.co.jp/article/building/news/20131126/641949/
Posted by 管理人 at 2013年11月27日 21:16
イラク系イギリス人のザハ・ハディットという女性建築家の案ですよね。AAスクール出身のスターです。今は分からないけど、かつて日本でも建築学生に人気がありました。この人のデザインは構造に無理があり当初のデザイン通りに完成したことがありません。それと、必ずと言っていいほど予算オーバーになる人です。新国立競技場の完成パースは私も見ましたが、1300億円の仕事じゃないですね。解体費込みですかね。3倍くらいみといてもらわないと。面白いなと思ったのは大屋根を2本の梁で支えしかも一部開閉式なのです。密閉式じゃないと軽い素材だと風で煽られますから難しいですね。世界広しと言えど日本のゼネコンじゃないと無理です。
Posted by 電子ちゃん at 2013年11月30日 14:41
ザハは三次元の造物主のような天才だからコンペでは優勝する。造形が圧倒的に優れているから。

でも結局造られないことは多い。アンビルドの女王にまたアンビルドの経歴を加えたってそれは勲章みたいなものだ。
Posted by tubird at 2013年12月04日 23:42
勲章ならばいくつあげてもいい。しかし日本人の財布から 3000億円も払うのはやめてほしい。700億円で済ませるべき。
Posted by 管理人 at 2013年12月04日 23:56
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