2013年11月14日

◆ 小惑星に小惑星を衝突させろ

 小惑星が地球に衝突する、という危機を回避するには、どうすればいいか? 小惑星に小惑星を衝突させればいい。 ──

 先に、ロシア上空で小惑星が爆発したことがあった。
 隕石の大気圏突入時の速度は、音速の50倍以上となる秒速19キロに達した。直径は約19メートルだったが、上空30キロ〜45キロで爆発したときには太陽の約30倍の明るさとなり、爆発の規模はTNT火薬換算で約500キロトン、広島原爆の30倍以上だったとみられる。
( → 朝日新聞 2013-11-14

 これと同様のことが、ふたたび起こるかもしれない、と危惧されている。しかもそれはまんざら夢物語でもない。具体的な危険性が想定されている。
  → 400メートルの小惑星が、2032年に地球と衝突する危険性

 精度の点から断定的なことは言えないのだが、かなり地球に近いところに来るらしい。
 また、これでなくても、将来的には何度も小惑星が接近しそうだ。そのうちいくつかは衝突の可能性もある。

 ──

 では、この危険を回避するには、どうすればいいか?
 「小惑星を網で捕獲して軌道変更する」
 「小惑星をミサイルで爆破する」

 という案がある。
 NASAが直径 10メートル程度の小惑星を網のような装置を使って捕獲・移動させる技術開発に乗り出している。最終的にはミサイルで小惑星を破壊する方法も選択肢のひとつとされている。
( → 朝日新聞 2013-11-14

 網という案は、小さな小惑星(直径 10メートル程度)のみだろう。もっと大きな小惑星だと無理だ。では、大きな小惑星ならばどうする?
 アイオワ州立大学が、そのために核爆弾を積んだ宇宙船開発コンセプトを考え出してくれたんです。
 考え方は映画『アルマゲドン』とだいたい同じで、小惑星にまず穴を空けて、そこに核兵器を入れて爆破するんです。
( → ギズモード・ジャパン

 これはこれで、一案だ。しかし、平凡すぎる。核兵器なんて、誰もが思いつく案だ。「穴をあける」というところにちょっとアイデアがあるが、これも平凡だ。おまけに、いかにも粗っぽい。芸がないですね。
( ※ 直系が数百メートルの小惑星だと、うまく破壊できないで、巨大な塊が残骸として残る可能性がある。それが地球に落下するかもしれない。「何もしない方がマシだった」というふうになりかねない。)
( ※ どうせなら、穴をふさがない方がいいかも。それならば、小惑星が爆破されるかわりに、噴出のエネルギーが穴から放出されるので、軌道が大幅に変更されるはずだ。核エネルギーは、爆破のためではなく、軌道変更のために使われる。爆破より、こっちの方がマシだ。)

 もっとうまい案はないか?

 「光の圧力で小惑星の軌道を変える」

 という画期的な案がある。
  → 反射性の塗料で小惑星の衝突から人類を救う--MIT院生のアイデアが国連で優勝
 記事から一部抜粋しよう。
 ペイントボールの弾を、小惑星に命中させる。弾の中には反射性の塗料を入れておく。院生Sung Wook Paekの研究によると、小惑星の全表面がその塗料によって光を反射するようになったら、太陽からの光子の圧力が増し、それによってコースがそれる。
 
 なかなかうまい案に思える。
 だが、光の圧力では規模が小さすぎるだろう。少しぐらい軌道を変えても、地球の引力によって、小惑星が引き寄せられてしまうだろうから、軌道変更の効果はかなり相殺されてしまう。よほど大きく軌道変更をしないと無理だが、それには光の圧力では足りそうにない。
 では、大きく軌道変更をするには? 

 ──

 ここでいよいよ、私のアイデアを示そう。こうだ。
 「小惑星Aに、別の小惑星Bを衝突させる。BはAよりもずっと小さな小惑星なので、人為的に軌道を変えることが容易である」

 つまり、小さな小惑星Bの軌道を大幅に変えて、大きな小惑星Aにぶつかるようにする。小惑星Aは、小惑星Bの運動量を受けて、大幅に軌道が変更される。

 これは、「わらしべ長者」みたいな発想だ。実際に人間が操作するのは、何らかの人工物体だけだ。その人工物体によって、小惑星Bの軌道を変更させる。ここまでは、人間の生んだエネルギーだけを使う。
 その後、軌道の変更された小惑星Bの運動量を利用することで、小惑星Bをぶつけられた小惑星Aの軌道を大幅に変動させる。
 結局、最初の小さな人工的な力が、最終的には巨大な力となって発現する。
 
 比喩的に言うと、似た例があった。
 「駐車場から国道に出た自動車Aが、国道を走ってきた自動車Bに軽くぶつかった。その自動車Bが、反対方向から走ってきた自動車Cに正面衝突した。そのせいで、自動車Cに乗っていた運転者は死亡した」
 この例では、駐車場からそろそろと出た自動車Aのせいで、自動車BとCの正面衝突という大事故が発生した。最初はわずかな運動量があっただけなのに、巨大な質量が正面衝突するという大規模エネルギーの大事故が発生した。
 

  ______________________
   自動車C →
                   ←自動車B
   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|↑| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
             自動車A





[ 付記 ]
 本項で提案した方法を、「ビリヤード法」と名付けよう。
 これは、
 「地球に寄せた小惑星Aの衝突を避けるために、別の小さな小惑星Bを動かして、BをAに衝突させる」
 という方法である。










 【 関連商品 】



 【 内容紹介 】 「小惑星アクシズを地球に落下させようと企てる」






 【 内容紹介 】 「衝突すれば確実に地球は全滅する。人類が生き残る方法は唯ひとつ。小惑星の地下深くで核爆発を起こし、その軌道を変えるのだ。」

 
 


 [ 余談 ]
 心配性の人のために、参考記事。
  → 小惑星アポフィス、地球との衝突はない
 
 ※ これは、「400メートルの小惑星」というのとは別の話。
posted by 管理人 at 22:31| Comment(3) | 物理・天文 | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
普通、素人が思い浮かべるアイデアと言うのは先人が思いついた物の欠陥があり放棄されたアイデアが殆どです。
だが、あなたのアイデアは本当に誰も思いつかなかった抜け道を模索し、
かつ思慮も忘れていません。
本当の天才とはあなたの様なことを言うと思います。
Posted by 虫宇日 at 2013年11月18日 21:42
「ビリヤード法」は小惑星Aと小惑星Bの初期相対速度がゼロであるかのような印象を与えるから適切でない気がします。
この方法のポイントは、もともと小惑星Bが持ってる運動量を利用して小惑星Aに大きな影響を与えることではないのですか?

ビリヤードだと別に手玉(小惑星B)を突かなくても、直接目的のボール(小惑星A)を突いたほうが断然良いんじゃないかと思ってしまったので。
Posted by くらげ at 2013年12月06日 20:53
ビリヤードは、ただの名前ですから、あまり気にしないでください。別の名前でもいいですよ。「相手の力を利用して投げる柔道法」でもいい。
Posted by 管理人 at 2013年12月06日 22:01
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