《 長文です。原稿用紙換算 45枚。》 ──
オリンピックのために新国立競技場が建設されようとしている。だが、その実現が危ぶまれている。巨額すぎて、国が金を出そうとしないのだ。「東京都も金を出せ」と言い張っている。
政府が都に対し、少なくとも3割の負担を求める方針であることが28日、分かった。
文部科学省は「改築で最も恩恵を受けるのは都だ」として一部負担を求めたが、都はこれを拒否、協議は暗礁に乗り上げている。
( → 読売新聞 2013年10月28日 )
ま、国が金を出そうとしないのは、当然だ。ただのオモチャにすぎない建物に 3000億円も出すなんて、正気の沙汰じゃない。どうせなら、リニアコライダー(直線加速器)に金を出す方がよほどマシだ。こちらは、ただのオモチャじゃなくて、まともな意義があるからだ。
ではなぜ、新国立競技場は「ただのオモチャ」なのか? 以下では、問題点を示して、かわりとなる代案を示そう。

画像出典
問題点
新国立競技場には、問題点がいくつもある。しかるに、問題点は隠蔽されて、かわりに虚偽が表明されている。
そこで、それらの虚偽を列挙しよう。こうだ。
・ 建設費は 1300億円
・ 新国立競技場は、オリンピックに必要だ。 (必要条件)
・ 新国立競技場があれば、競技開催に十分だ。(十分条件)
・ オリンピック以後も使うので、無駄にならない。
・ サッカー場としても使うので、無駄にならない。
これらが「建設の名分」として表明されているが、これらはすべて虚偽である。そのことを、以下で順に説明しよう。
(1) 建設費は 1300億円
建設費は 1300億円だ、と初めは報道された。しかし、のちにこの金額は 3000億円に訂正された。あちこちで報道されたので、知っている人も多いだろうが、とりあえず記事を示しておこう。
下村博文文部科学相は23日午後の参院予算委員会で、2020年に東京で開催されるオリンピックに向けて建設する新しい国立競技場について、「デザインコンクールで最優秀作品となったザハ・ハディド氏のデザインを忠実に実現する形での経費試算は、約3000億円に達する」と明らかにした。そのうえで「あまりにも膨大な予算がかかりすぎるので、率直に申し上げて縮小する方向で検討する必要がある」との考えを示した。
( → 日本経済新聞 )
下村氏は、「デザインをそのまま忠実に実現する形での経費試算は、約3000億円に達する。あまりにも膨大な予算がかかりすぎるので、縮小する方向で検討する必要がある」と述べた。
経費節減の対象については、「デザインそのものは生かす。競技場は国際オリンピック委員会(IOC)の基準に合わせるが、周辺は縮小する」と述べた。
( → 読売新聞 )
文科省は予算を1300億円と想定しているが、資材や仕様によっては費用は最高で3千億円になるとの試算を業者が出している。
文科省によると、競技場上部のアーチを細くしたり、周辺の回廊を縮小したりする案が検討されている。
( → 朝日新聞 )
ここで問題を整理しよう。
まず問題なのは、「虚偽を示した」ということだ。3000億円もかかるものを、1300億円だと詐称した。換言すれば、「1300億円です」と言って売りつけたあとで、「3000億円寄越せ」と言い出すようなものだ。
これは詐欺である。このような詐欺を認めることは、犯罪を認めるのと同じであり、とうてい許されない。ま、建築業界では、こういう詐欺(あとで値を吊り上げること)が、長年まかり通っている。だから、感覚が麻痺してしまっているのかもしれない。だが、こういう詐欺は許されるはずがない。特に、建設開始以前に詐欺が発覚したのであれば、詐欺師に発注することなど、とうていありえない。
なお、詐欺ではなく、「計算違いだった」ということが理由かもしれない。その場合には、なお悪い。なぜなら、設計者は建設費の見積もりもできないという無能な人間だからである。業界の人間であれば、建設費の見積もりぐらいは、できるはずだ。それができないのだとしたら、ひどい無能だということで、なおさら信用できない。下手をすると、信用できないのは、建設費だけでは済まないかもしれない。「安全です」と言って建設したあとで、全体が崩落するかもしれない。無能な設計者の設計は、まったく信用するに値しないのである。こんなものは、あっさり門前払いとなる。
さらに、「文科省によると、競技場上部のアーチを細くしたり」という改定案がある。これは別の意味で心配だ。こんな改訂をしたら、本来の設計よりも強度が低下して、崩落する可能性がある。
また、「周辺の回廊を縮小したりする案が検討されている」とのことだが、これはひどい計算ミスかペテンかだ。それっぽっちのことをやっても、3000億円という経費が大幅に節約されるはずがない。せいぜい 100億円だろう。とすると、「 3000億円では経費がかかりすぎるので、たったの 2900億円で済ませます」と言って、大幅削減に見せかけるようなものだ。馬鹿げている。ペテン。
( ※ あとで考えると、次の事情が想定される。「元の案はヨーロッパの基準で設計したが、日本の建築会社は日本の基準で見積もりを出した。そこでは日本の耐震基準が適用され、非常に強度のある設計を求められた。そのせいで費用の見積もりが 2.5倍になった。……そう推測される。もしそうだとすれば、費用がかかるだけでなく、構造そのものが大幅に大変なことになるかも。)
(2) 新国立競技場は、オリンピックに必要だ。 (必要条件)
「たとえ 3000億円がかかっても、新国立競技場はオリンピックに必要だ」
という見解がある。しかしこれは、論理がズレている。
オリンピックに必要なものは、8万人規模の陸上競技場だけである。この程度のものは、1300億円の半額、つまり、650億円で作れる。(理由は後述)
なのに、1300億円とか、3000億円とか、超巨額の金がかかるのは、陸上競技場のためではなくて、デザインのためだ。つまり、莫大な金は、新国立競技場という施設の機能のために費やされるのではなく、施設のデザインのために費やされるのだ。そして、施設のデザインというものは、オリンピックにとっては必要性は皆無だ。
はっきり言っておく。新国立競技場は 650億円で作れる。いくらか贅沢にしても、800億円で済む。1300億円とか 3000億円とかは、論外である。たかがデザインのためにこれほどの巨額は必要ないのだ。
(3) 新国立競技場があれば、競技開催に十分だ。(十分条件)
それでも、「 1300億円か 3000億円の新国立競技場があれば、競技開催ができる」というのであれば、まだいい。しかし、実際には、この新国立競技場は、オリンピックの競技場としての条件を満たしていない。つまり、十分条件がない。
これはどうしてかというと、施設をデザインだけで決めてしまって、施設の機能性をまるきり無視しているからだ。
特に、次のことが決定的に駄目だ。
「屋根部分にアーチがあるせいで、フィールド部分にアーチの陰ができる」

この図で、フィールドの右側には陽が射しているが、左側はアーチの陰になっている。さらに左端はまた陽が射している。
このように部分的に陽が射したり陰になったりしているのでは、とても使いにくい。陸上競技で使いにくいだけでなく、サッカーでも使いにくい。サッカーでは非常に見づらいだろう。選手にとって見づらいだけでなく、観客にとっても非常に見づらい。はっきり言って、サッカー場としては、欠陥建築と言うしかない。
ではなぜ、こういう「機能性を欠いた欠陥建築」が最優秀賞になったのか? それは、選者を見ればわかる。審査委員長は、安藤忠雄だ。で、安藤忠雄とは? 悪名高い東急渋谷駅を設計した建築家だ。
→ 東横線・渋谷駅は欠陥駅
この駅がいかにひどい欠陥駅であるかは、上記項目で示した。そして、この欠陥が安藤忠雄に由来することも示した。一部抜粋しよう。
確かに、デザイン的には、面白いところもある。しかし、デザインばかりを重視したせいで、肝心の駅としての機能はほったらかしにされたようだ。
建築家にはよくある例だが、「人のいない場所での、静物としての建築物」というのを考えたのだろう。デザインふうに。
こうして、問題の理由が判明した。こうだ。
「東急が設計を依頼した相手が、世界的に高名な建築家であったこと。そのせいで、人のいない建築をデザインすることになった。そこでは、肝心の駅としての機能はないがしろにされて、ただの静物としてのデザインばかりが優先された」
結局、設計の一部が悪かったというより、設計思想そのものが根源的に間違っていたことになる。
安藤忠雄は、生涯において、最大の失敗作を作ってしまった。
こういうふうに、「デザイン優先で機能性を無視した」というデザインの結果が、「駅としての機能性を欠いた東急渋谷駅」になった。こうして、およそ使い物にならない駅ができてしまったわけだ。
そして、今また、同じ愚が繰り返されようとしている。「デザインばかりが優先されて、競技施設としては欠陥品」という施設のために、莫大な巨費が投入されようとしているのである。
つまり、「普通に金を払って、普通の建物を作る」ということのかわりに、「莫大な金を払って、使い物にならない建物を作る」というふうになっているのである。なぜ? 見映えばかりを優先するからだ。
( ※ さらに言うと、もうひとつ、問題がある。この施設にあまりにも巨額の金が投入されるので、練習場としての第2競技場を作るための金がなくなってしまった、という点だ。しかし、第2競技場[サブトラック]がなければ、練習ができないので、まともな競技施設にはならない。ゆえに、オリンピックのあとで、国内の陸上競技大会には使えない。この件は、下記ページで指摘されている。
→ 新国立競技場が炎上中 | 建築と活字
→ 五輪できても陸上できず - Yahoo!ニュース )
(4) オリンピック以後も使うので、無駄にならない。
「たとえ巨額を投じても、長年にわたって使えるので、投じた金は無駄にならない」
という見解もある。しかし、これもまた詭弁である。
たしかに、フィールドは使えるし、実際に使うことになるだろう。しかし、フィールド以外は使うことはないはずだ。
第1に、アーチ部分は、最初から使い道がない。単に邪魔になっているだけだ。(陰を作るだけだから。上述の通り。)
第2に、スタンドは8万人ものスタンドは不要だ。8万人もの客が来るのは、オリンピックのときだけだ。それ以外ではまったくの無用の長物である。というか、維持費がかかるだけのガラクタだ。オリンピックの終了後は、さっさと解体してしまうのが利口だろう。実際、中国では、この問題に悩まされている。
→ 北京五輪会場「鳥の巣」など、巨額維持費用の負担ずしり
→ 【画像】北京オリンピックの舞台が悲惨なことになってる
中国の例を見てもわかるように、巨大施設は、オリンピック後は「大きなお荷物」になるだけなのだ。
(5) サッカー場としても使うので、無駄にならない。
「オリンピックのあとでサッカー場に使えるから、W杯のサッカー場に使えるので、無駄にはならない。また、以後もJリーグのサッカー場に使えるので、無駄にはならない」
という見解もある。しかし、これも問題がある。
なるほど、単にサッカー場として使うことは、いちおうできる。特に、1階席は、陸上競技のときに比べて、フィールドに近づくように可変的に移動されている。

図で、1階の観客部分は、たしかにフィールドの近くまでせり出している。だから、フィールドとの距離感が近くて、見やすいように見える。しかし、違う。
よく見てほしい。この競技場は、陸上競技向けに、巨大なサイズとなっている。一方、サッカー場としてのフィールドは、小さめである。そのせいで、普通のサッカー場とは、大きく異なる。
・ 2階席と3階席は、フィールドからとても遠いので、よく見えない。
・ 1階席は、傾斜が緩すぎる。前席の人の頭が邪魔で、よく見えない。
どっちにしても、よく見えない。これでは、普通のサッカー場に比べて、大きく劣る。
この問題は、次の項目でも述べたことがある。
→ マリノスの赤字解消法
ここでは、次のことが指摘された。
最大の問題点は、「陸上競技場と併用しているせいで、ピッチまで遠すぎる」ということだ。ネットにも上記と同じ意見が多い。
マリノスのホームスタジアム(日産スタジアム)には、この問題がある。そのせいで、せっかく首位争いをしているトップチームだというのに、大幅な赤字である。なぜなら、客が来ないからだ。なぜ来ないかというと、(上記項目のリンク画像で示したように)観客席からフィールドがあまりにも遠すぎるからだ。
通常、ファンが競技場に足を運ぶのは、臨場感を求めてのことだ。ところが、マリノスのホームスタジアムでは、それが成立しない。ファンが述べているように、「ピッチまで遠過ぎて、テレビで見た方がマシ」なのである。わざわざ金を払っても、テレビで見るよりもずっとひどいレベルでしか見ることができない。これでは、客が来ないのだ。
そして、新国立競技場も、ほぼ同様の状況にある。2階席と3階席は、日産スタジアムと同様だ。1階席だけは、日産スタジアムよりも近づけるが、そのかわり、傾斜が緩くなるので、前席の人の頭に遮られて、よく見えなくなる。
実は、日産スタジアムは、正式名称が「横浜国際総合競技場」であって、横浜市が2008年夏季オリンピックに立候補した際に作られたものだ。本来ならばこれが「新国立競技場」と呼ばれてもおかしくなかった。そして、その設計理念は、今回の新国立競技場と同様で、「陸上競技とサッカー場との共用」である。そして、そのあとどうなったかというと、「競技場がデカすぎるので、観客が来てくれずに、マリノスは大幅赤字で事実上の倒産状態」というありさまだ。
ひるがえって、サッカー専用球場(埼玉スタジアム)のある浦和レッズは、63,700人という収容人員の大半を満たすほどの観客を集めている。
→ 埼玉スタジアム Jリーグの試合数・観客動員数
浦和レッズは大量の観客を集めてJリーグ最高の高収益なのに、横浜マリノスは観客がちっとも来ないでJリーグ最大の大幅赤字だ。その理由を不思議に思う人も多いだろうが、理由はある。それは、球場の差だ。埼玉スタジアムは、サッカー専用球場であり、観客とフィールドとの距離が短い。日産スタジアムは、陸上競技との共用球場であり、観客とフィールドとの距離が遠い。そのせいで、大差が付くのだ。
換言すれば、「サッカー専用でない競技場(陸上競技場との兼用競技場)は、サッカー場としては価値がまったくない」と言えるのだ。(テレビ以下の臨場感しか与えないからだ。また、赤字しかもたらさないからだ。箱がデカいだけで、客が来ない。サッカー場というより、ただの空き箱。)
代案の要件
以上のように、現在の新国立競技場のプランは、全然ダメだ。金ばかり食って、まったく価値がない。ただのオモチャにすぎない。
ではどうすればいい? 文句ばかりを言っても仕方ない。代案を出すべきだろう。そこで、以下で代案を示す。代案とは、次のようなものだ。
・ オリンピックの競技場として、まともな機能を有する。
・ 費用は格安で済ませる。1000億円を大きく下回る額。
まずは、機能だ。機能の要件を列挙しよう。
[1] 6万人規模
規模はどのくらいか?
フィールドの規模は、どの競技場でも同じだ。
違うのは、観客席の規模だ。これは、6万人規模であることが必要条件となる。朝日新聞に記事があった。引用しよう。
国際オリンピック委員会(IOC)が陸上会場の収容人数を6万人以上と定める。
( → 朝日新聞朝刊 2013-10-19 )
というわけで、6万人規模が必要となる。
なお、サッカー場としても使うのであれば、W杯のサッカー場としては8万人規模が必要条件となる。下記に記してある。
→ 東京オリンピックスタジアム - Wikipedia
→ FIFAワールドカップ - Wikipedia
ただし、8万人というのは、W杯のサッカー場としての規模だ。今回の新国立競技場の案では、これを念頭に置いて、8万人という数にしたようだ。しかし、オリンピックだけならば、この数字は必要ないのだ。陸上競技場としての必要条件は6万人である。
( ※ W杯のサッカー場については、後述箇所で8万人規模の競技場を別に示す。そちらを参照。)
[2] 屋根(ドーム)
屋根は必要か? ドーム球場にするべきか? 実は、この点は、まったく必要性がない。実際、日産スタジアムには屋根がない。
一方、今回の案のようにアーチがあると、陰できるので、好ましくない。また、建設費用も、やたらと超巨額になるので、好ましくない。
一方、単なるドームであれば、あってもなくてもあまり違いはない。次の数値がある。(典拠はググればわかる。)
・ 福岡ドームは、開閉式のドームで、760億円。
・ 札幌ドームは、閉鎖式のドームで、422億円。
札幌ドームでは、可動式のスタンドがあって、野球場としてもサッカー場としても使われている。これが 422億円という格安のコストで建設されたのだ。
福岡ドームのように開閉式でも、760億円で済んだ。
これらの球場は、観客席の数は6万人には及ばないが、かなり低コストで球場が作れるということがわかるだろう。
その意味で、屋根なしでも、ドーム式でも、大差はない。実際、屋根なしの日産スタジアムは約 600億円だった。
そしてまた、ドーム式ならば、雨天でも使えるので、稼働日数が増える。その意味で、コストの回収はたやすくなるので、採算性がよくなる。コストとの兼ね合いでは、大差あるまい。
だから、屋根があろうとなかろうと(ドームであろうとなかろうと)、どっちでもいいのだ。
( ※ ただし、今回の案のような「アーチ」というのは、論外だ。あまりにも金がかかりすぎる。このアーチだけで 2000億円以上もかかるのだ! 愚の骨頂。)
[3] 仮設スタンド
スタンドについては、建築家の槇文彦「一部を仮設スタンドにすればいい」と提案している。ロンドン五輪の場合の「本設2.5 万人、仮設5.5万人のスタンド」というのを例示している。
→ 新国立競技場を問うシンポ、槇氏の問題提起
このように「大半を仮設スタンドに」という案は、十分に考慮に値する。
のみならず、「全部を仮設スタンドにする」という案があってもいい。この場合は、「オリンピック後はスタンドを取り壊すことを前提とする」というふうになる。
それは問題か? 実は、問題ではない。この件は、サッカーのW杯のスタジアムとも関連する。後述箇所を参照。
[4] サブトラック
現状の案では、サブトラックが用意されていない。しかしオリンピックその他の国際大会では、サブトラックが必要だ。現状の案では、そのことが考慮されていないので、十分に考慮することが必要だ。
[5] 再開発
サブトラックの問題とも関連するが、現場一帯を再開発する必要がある。特に、神宮球場が老朽化しているので、神宮球場もいっしょに更新するべきだ。
つまり、神宮球場・神宮第2球場・テニスコートなどを一帯として再開発するべきだ。
大きな地図で見る
この地図で、神宮第2球場のすぐ左側には「日本青年館ホテル」というものがあるが、これは撤去されることが決まっている。移転先は、現在のテニスコートがある場所。
→ Wikipedia
だが、ただでさえ敷地が足りない状況で、ここに日本青年館ホテルを建築する必要性は薄い。日本青年館ホテルは、都内のまったく別の場所に移転するべきだろう。もっと交通の便のいいところがあるはずだから、そっちを適当に探して移転するべきだ。
つまり、日本青年館ホテルとテニスコートは、どちらも撤去した方がいい。ついでに、神宮第2球場も撤去した方がいい。神宮球場は、ここで再建した方がいいだろう。(別のところに移転してもいいが。)
かわりに、ここには新国立競技場とサブトラックを新設する。場合によっては、W杯用のサッカー・スタジアムを別個独立して建築してもいい。(それはたぶんないが。)
[6] 費用
費用は、総額で 1000億円を大幅に下回ることを前提としたい。変なアーチさえなければ、それは十分に可能だ。具体的な費用については、先の [1] を参照。
三つの代案
以上の要件を考慮した上で、三つの代案を示す。基本的には、次のようなものだ。
A案:
「仮設スタンドで新国立競技場を建築してから、仮設スタンドを取り外して、サッカー・スタジアムに作り直す」
B案:
「原則として8万人規模のサッカー場を作るが、1階部分は撤去可能にする。1階部分を撤去したあとの敷地を、陸上競技で使う」
C案:
「長方形のフィールドをもつ新国立競技場を建築する。そこでは将来、サッカー場を 90度回転させて使う」(日産スタジアムの利用方法と同様。)
以下では順に説明しよう。
──
《 A案 》
「仮設スタンドで新国立競技場を建築してから、仮設スタンドを取り外して、サッカー・スタジアムに作り直す」
ごく平凡な陸上競技場を建設する。屋根はない。費用は、日産スタジアムの約 600億円と同程度を見込む。
規模は6万人。ただし、スタンドは仮設スタンドとする。(その分、費用は安くなるかもしれない。) オリンピックの終了後は、この仮設スタンドをすべて撤去する。
その後に、8万人規模のサッカー場に作り直す。といっても、大工事にはならない。フィールドを縮小して、フィールドに芝生を張るぐらいだ。あとはスタンドだが、今度は恒久施設としてのスタンドにする。シート(座席)は、仮設スタンドのシートをそのまま流用していい。床面や骨組みなどは、恒久施設として、きちんと作る。(主として鉄骨で。)
結果的に、8万人規模のサッカー場だけが残る。これはサッカー専用球場なので、とても臨場感があり、多くの客を呼び込める。
陸上競技場は? サブトラックとして使ったものを、以後は陸上競技場として使えばいい。その意味では、この地区の再開発はかなり重要である。神宮第2球場とテニスコートは、どうしても撤去する必要がある。別の場所に移転すればいい。
( ※ 移転先の候補地は、お台場の空地だ。特にお薦めなのは、築地市場の移転先だ。ここは、重金属で汚染されているので、莫大な除染コストがかかる。総額で 4000億円にもなりそうだ。だったら、ここに築地市場を移転するのはやめた方がいい。かわりに、ちょっと盛り土するだけで、野球場やテニスコートとして使えばいい。なお、築地市場の移転先は、すぐ上にも示したお台場の空地でいい。このあたりには空地がいっぱいあるから、どこかを適当に選んで、築地市場の移転先とすればいい。)
ともあれ、A案は「仮設スタンドのある陸上競技場を建設してから、サッカー場に作り直す」という案だ。これは、作り直す費用を込みにしても、1000億円で足りるだろう。
なお、次の点に注目するといい。
「サッカー場に作り直したあとは、フィールドが小さくなり、スタンドもフィールドに近づくので、当初の陸上競技場に比べて、専有面積がかなり少なくて済む」
このことによって、現在の緑地帯などを削らずに残すことができる。自然環境の維持という目的も果たされる。
私としては、これがお薦めだ。「まともなサッカー場ができて、今後もずっと使える」という点で、最も有益性が高い。
《 B案 》
「原則として8万人規模のサッカー場を作るが、1階部分は撤去可能にする。1階部分を撤去したあとの敷地を、陸上競技で使う」
最初から8万人規模のサッカー場を作る。サイズはサッカー場のサイズであり、大きな陸上競技場用のサイズではない。このままでは、フィールドが狭くて、陸上競技には使えない。
そこで、最初は1階部分のシートを撤去する。というか、最初は1階部分のシートがない形で、陸上競技場を建築する。
その後、オリンピックの終了後には、1階部分のシートを設置して、サッカー場として使う。
( ※ なお、一階部分がどうしても必要とあれば、一階部分を小さく設置することは可能だろう。ちょっとだけ、という感じ。)
この案は、かなり頭のいい案だ。私としては、これもお薦めだ。
《 C案 》
「長方形のフィールドをもつ新国立競技場を建築する。そこでは将来、サッカー場を 90度回転させて使う」(日産スタジアムの利用方法と同様。)
これは、「日産スタジアムの利用方法」として、前に提案したものと同様だ。
→ マリノスの赤字解消法
日産スタジアムは、フィールドが長方形である。( → 座席の案内図 )
この長方形のフィールドの中央に、サッカーコートがある。このサッカーコートを 90度回転させて、片側に寄せればいい。そうすれば、その片側では、サッカーのプレイを至近距離から見ることができる。
この場合、フィールドの残り半分は不使用となる。スタンドの残り半分も不使用となる。かなり無駄が生じるが、どっちみち、観客が8万人も来るはずがないのだから、4万人分の席があれば十分なのだ。
この案の難点は、「陸上競技場としては使えなくなる」ということと、「無駄な場所がいつまでも残る」ということだ。「無駄な場所がいつまでも残る」ということは、「そのぶん周辺の土地が削られる」ということであり、現在の緑地帯などは削られることになる。
一方、(建て直しなしで)1回の建築だけで済むので、建築費は格安となる。総額で 700億円で済みそうだ。といっても、たったの 300億円しか節約できない。さまざまなデメリットを考慮すると、A案やB案の方がお薦めである。
( ※ ただし、いったん巨大な陸上競技場を作ってしまったあとでは、C案しか取れなくなる。たとえば、すでに完成している日産スタジアムがそうだ。)
──
上記で、A案、B案、C案を示した。
このうち、コストパフォーマンスで最善なのは、B案だろう。 ただ、B案はちょっと技巧的すぎるので、頭の固い人々には、理解しがたいだろう。論理的には最善ではあるが、頭の固い人々には受け入れられそうにない。だから、実現性は低いと感じられる。人々が受け入れるのは、革新的なものよりは、平凡なものなのである。
なお、「コストが低くて済む」ということは、次のことを意味する。
「コストが低くなった分、金が余る。その金によって、この地区の再開発ができる。神宮第2球場を撤去してサブトラックをつくる、ということも可能になる」
つまり、新国立競技場に大金をかければ、「一将功成りて万骨枯る」というふうになる。新国立競技場だけは立派なデザインのものができるが、サブトラックや神宮球場には手が回らなくなる。それでは国全体のスポーツ施設としては貧困化する。それで喜ぶのは、デザインフェチの安藤忠雄だけだ。
[ 付記1 ]
参考情報として、コストなどの数値を示しておく。
東京スタジアム (味の素スタジアム)
収容人数: 50,000人
建設費: 307億円
埼玉スタジアム
収容人数: 63,700人
建設費: 356億円
日産スタジアム
収容人数: 72,000人
建設費: 603億円
出典は
→ How much is スタジアム建設費
──
なお、「今から代案を考えても、東京オリンピックには間に合わないのではないか?」という心配もあるだろうが、大丈夫だ。次の工期を参照。
福岡ドーム …… 工期2年( 1991年4月1日 工事着工、1993年3月31日竣工.)
札幌ドーム …… 工期3年( 1998.6 着工、2001.5 竣工.)
※ 冬にはまともに工事のできない北海道ですら、3年で済んだ。福岡ならば2年。東京でも、2年もあれば十分に間に合う。2020年8月開催だから、2018年8月に着工すれば間に合う。あと5年ぐらいの余裕がある。
[ 付記2 ]
「陸上競技場をサッカー場につくりかえると、陸上競技場がなくなってしまうので困る」
という心配がある。しかし、大丈夫。
第1に、サブトラックとして使ったものが残る。これは、その後も陸上競技場として使える。スタンドなどは不十分だが、小規模の記録会ぐらいには使えるだろう。(そもそも現行案は、サブトラックがないので、大きな大会には使えない。その点では現行案と大同小異。)
第2に、大きな大会向けには、すでに味の素スタジアム[調布市]がある。これは、サブトラック(西競技場)が併設されているので、大きな大会にも使える。まだできたばかりの新施設だ。(味の素スタジアムは 2001年、西競技場は 2012年)……だから、新国立競技場がなくなっても、別に困ることはない。
《 オマケ 》
下記は、新国立競技場のデザインに似ている、ヘルメット。
(ダジャレみたいなものだ。 (^^); )
とにかく、この程度のデザインを取るためだけに、2000億円以上もの金をかけるのは、馬鹿げている。
建築にデザインは大切だが、金をかけすぎるのは言語道断だ。特に、機能性のない「形だけのデザイン」というのは、最悪だ。
丹下健三は、代々木体育館という建物を作ったが、そのデザインには、機能美というものがあった。
→ 代々木第一体育館 (画像一覧)
一方、安藤忠雄のデザインは、機能性を無視して、「カッコだけのデザイン」というものが多い。その代表が東急渋谷駅だろう。形ばかりにとらわれたせいで、駅としての機能は最悪になった。
新国立競技場も似たようなものだ。機能はひどく低くて、金ばかりはウルトラ級にかかる。あまりにも馬鹿げた建築物だ。
「平成のピラミッド」みたいな感じの愚行であろう。
【 追記 】
デザインとしても失敗している、と言えそうだ。
そもそも、冒頭の写真を見てもわかるように、このデザインは「空から見るとカッコいい」ことを狙いとしている。しかし、「空から見る」なんてことはありえないのだ。
( ※ 通常は地上から見るだけだ。空から見るのは、小型飛行機かヘリコプターに乗って遊覧飛行をしたときだけだ。なお、大型飛行機に乗ったときは、下方の建物は小さすぎてろくに見えない。)
一方、地上から見ると、このデザインの全体像はよくわからない。屋根の形が漠然とわかるだけだ。
→ デザイン画 ,デザイン画 (大)
では、室内から見たときはどうか? 先の図を見ればわかる通り、室内から見ると、頭上に圧迫感ばかりがある。本来ならば青空が一面に広がっているはずなのに、デカいアーチが頭上にあると感じられて、大きな圧迫感がある。
これだったらまだしも、「全面が天井」というドームの方がマシだろう。その場合には、特に頭上に何があるかを意識しないで済むからだ。(実際、東京ドームに行ったことはあるが、ドームゆえの閉鎖感はあったが、特に圧迫感などは感じなかった。むしろ、「ずいぶんとデカい空間だな」という巨大空間の感じがするだけだった。)
実を言うと、今回の案のデザイン(前掲)は、嘘が入っている。再掲しよう。

画像出典
この図では、青空とアーチが同じ明るさで描かれているが、そういうことは実際にはありえない。真夏の東京であれば、日照はものすごく強い。したがって、青空の部分はやたらとまぶしく感じられるだろう。他方、アーチの部分や、室内の陰部分は、ものすごく暗くなるはずだ。
つまり、図ではアーチが灰色で描かれているが、実際には黒に近い感じになるだろうし、地面の陰部分も黒に近い感じになるだろう。そのくらい、明暗のコントラスト比が大きくなるはずだ。
要するに、夏の昼間の競技場としては、使い物にならない。使うためには、ドームを全面閉鎖して、明るさを均等にする必要がある。だが、それだったら、最初から全面ドームにする方がマシだろう。あるいは、福岡ドーム のように、北側の観客席だけが陰になる(フィールドは陰にならない)ようにする方がいい。
要するに、今回の新国立競技場のデザインは、競技場としてはまったく使い物にならない。空から見たときのデザインばかりが考慮され、室内から見たときのデザインはまともに考慮されていないからだ。というか、虚偽の形で考慮されているからだ。
デザイン画では、コントラスト比の大きな陰があるということが失念されている。かわりにコントラスト比の小さな画像を示している。これは嘘のデザイン画だ。こういう嘘で国民をだまして、使い物にならない欠陥品を国民につかませようとしている。それでいて、3000億円のものを売りつけようとする。最初は 1300億円と偽って。それで出来上がるものは、ただの欠陥品だ。
こんな欠陥品を 3000億円でつかまされるとしたら、日本人は世界中の笑いものになるだけだろう。2020年の東京オリンピックは、日本が世界中で笑いものにされたことで記憶されるかもしれない。
【 関連サイト 】
→ 新国立競技場のデザインが巨大すぎて問題山積
※ 本項では記されていない問題点が指摘されている。
公募の難点とか、景観の破壊とか。
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神宮再開発についての情報。
→ 神宮と秩父宮、入れ替え構想 20年五輪を機に再開発
→ スポーツ振興センター/日本青年館と移転合築/規模は延3万uを想定
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陰ができると芝生が腐りやすい、という指摘。
「埼玉スタジアムでは芝に影がかかる時間が短いが、それでも一部は日当たりが悪くて腐ってしまう。新国立競技場では…(略)…」
→ 新・国立競技場「本当にこういう風に建てられるのか
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槇文彦による批判
→ 新国立競技場案を神宮外苑の歴史的文脈の中で考える
付帯施設が巨大すぎる、という問題点も指摘されている。
【 関連項目 】
本項の続編ふうの話。
→ 新国立競技場を無料で
※ 新国立競技場を無料で済ます、という画期的な提案。
その他の関連項目(一覧)。
→ サイト内検索
あとで気づいたが、B案には次の難点がある。
「陸上競技で使うとき、2階席のすぐ下のあたりのトラックは、近すぎて、見えない」
下図のような感じ。
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※ 斜線は2階席。そのすぐ下のあたりにあるトラックは、見えない。
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【 訂正 】
あとでまた考え直すと、ここで述べた心配は不要だろう。というのは、楕円形のトラックの周辺には、「余白」となる無駄なスペースがいっぱいあるからだ。
たとえば、日産スタジアムはこうだ。
→ http://www.nissan-stadium.jp/floor/sheet.php
つまり、「見えなくなる部分」は、楕円形のトラックの周辺だけであって、楕円形のトラックそのものはちゃんと見える。だったら、上に掲げた心配は、不要だろう。
本質を衝いたご指摘です。見映えについて言えば、醜悪です。機能美はなく、単に格好良く見せるという辻褄合わせのデザインだからです。ご指摘の通り、アーチは影を作る。不自然な明暗がある競技場は競技者にとって大変不都合です。棒高跳びなど、棒を挿す位置はどこ?と見難くなる。球技なら球を見失う。観客は観戦のために望遠鏡が必要になる。構造上、大地震で崩落事故が起きそう。責任は誰がとるの?
オリンピックが終れば、観客来ない無駄に大きい施設の維持管理費が重くのしかかる。誰が払うの? 建設費は、施設の運用利益から後払いするという条件なら3000億円でも5000億円でも結構ですが、「宴の後のつけは国民や都民に」という腹積もりなら計画変更が当然です。
安藤忠雄氏は選考を誤った。SANAAのデザイン等、自然さのあるものを選ぶべきだったのでは。今からでも、デザイン変更すればいい。十分間に合う。
アラブ系のおばさんには1億円の慰謝料を払えばいい。
ホンダ技研が青山ビルを建てるとき、本田宗一郎氏は2つだけ注文をつけたという。「ぴかぴかのガラス張り外装は駄目だ。地震のとき、割れたガラスの破片が通行している人に怪我をさせる」「会社が傾いたとき、オフィスビルとして売れるようなつくりにせよ」。特に前者は重要で、各階に受け皿を設けたデザインとなった。見識があった。
笑いものになった、かの○ン○ビルがありました
ね。今回ははるかに多額の金を掛けて世界中の笑
いものになる可能性があるわけですね。
タイムスタンプは 下記 ↓
デザインや見栄よりも市民の利益を取る達見だと思います。言い換えれば愛ですね。
そのような視点で建築して欲しいものです。
室内陸上にならないのか
やろうと思えば
100M競争など常に追い風にできる
投てき競技など最適の条件を作り出せる
もともとのザハ案も良くないですが、予算の関係で色々削ってしまうと、なおさら格好悪いデザインになるのは目に見えているし、設計も作りなおしになるところが多いので、2015年10月の着工には明らかに間に合わないはずです。
想像ですが日建の設計チームも先行きが分からないのでとりあえず待ち状態にはいっているんじゃないでしょうか?
間に合わないとわかった時点で、プロジェクト自体の大問題に発展しそうですね(すでに大問題山積みですが)。
いったいどう収まるのでしょうか。関係者にデスマーチの足音が着々と迫ってきている感じがします。死人がでないことを祈ります。
たまには良いニュースを目にしたいものです。
私のはたいてい、批判のほかに代案があります。ただの悪口だけというのは、原則として書きません。最低でも「なくせ」「ない方がマシ」という代案です。
悪口だけ書くというのは、私のポリシーではありません。「世の中を改善するための提案」がポリシーです。その際、改善される対象は、批判されるのは当然です。
良いニュース? それは普通の情報サイトで得られます。私の独自の見解じゃないし、私が書くまでもないでしょう。
良いニュースみたいなのがほしければ、それを提供している大手サイトに行くべきです。情報提供(= 他人の仕事の紹介)は、私の役割じゃないので。
これが出来れば、この手の施設の問題点である「稼働率」が劇的に上がるから。イベント空間としての利用が増えることになりますが。
ただ屋根は兎も角、床がどういうものになるのか見当が付きません。サッカーはJFA的に人工芝NGだし。
本文中に、次の話があります。
> 福岡ドームは、開閉式のドームで、760億円
だから、こういうドームなら、たいして金はかかりません。
金がかかるのは、巨大なアーチです。
神宮球場やテニスコートは明治神宮の所有なので遠距離に移転となると承諾してくれるか。
> 神宮再開発についての情報
のところで示したように、すでに話は進行中です。現在の計画では、新国立競技場の建設の終了後、2019年以降、特に 2021年以降に、いろいろと建設される予定です。
ま、いずれにせよ、保守的な団体なので、「お国のため」「東京オリンピックのため」と言えば、喜んで協力するでしょう。
遠距離に移転といっても、自分たちの仕事場が移転するわけじゃない。利用者にとっての問題にすぎない。問題視するとしたら、大学の野球部などです。明治神宮は(不便だという理由では)賛成も反対もしないはず。
そもそも、老朽化しているので、現状ではそのうち使用禁止になります。というか、すでに使用禁止になってもいい状態です。ぼろぼろだし。おまけに女性用のトイレは和式ばかりだし。外人が来たらどうするつもりなんだか。
タイムスタンプは 下記 ↓
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「椅子が全部8万席のわけがない。つまり5万席であって、例えば仮設の部分で、あと2000とか3000やればいいわけですからね、それを恒久化する必要なんか全くないわけですよ。ただ、8万ぐらいの席を入れようと、ロンドンもそうですからね。そういうことをやればいいわけですよ。あと、その後の維持管理、運営、そういうものを考えた場合に、コストがかかり過ぎるものはいけませんよね。1500億円でできるはずですよ。」
→ http://www.huffingtonpost.jp/2013/10/28/new-national-stadium_n_4171452.html
第1に、「8万席を5万席にすれば、仮設の部分で、あと2000とか3000」というのは、引き算ができないようだ。8万と5万の差は、3万です。「2000とか3000」じゃありません。小学校へ行って引き算をやり直せ。
(こんなのが都知事なんだよ。ああ、恥ずかしい。世界に恥さらし。)
第2に、仮設スタンドにして浮く費用は、せいぜい 100億円程度だ。3000億円から 1500億円まで 1500億円も減るはずがない。3000億円という巨額の工事費のほとんどは、スタンド部分ではなくて、奇天烈なアーチにかかる工事費だ。この部分を削らない限り、莫大な費用は減らない。
都知事が馬鹿すぎる。誰か、指摘して上げてください。
それにしても、建築家は、都知事のトンデモ発言を修正できないのだろうか?
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2020年東京五輪のメーン会場となる国立競技場の改築で、文部科学省が周辺施設も含めて最大3千億円と試算された整備費を圧縮し、1800億円を軸に調整していることが8日、関係者の話で分かった。当初1300億円で計画していた競技場の建物本体の改築費は、1500億円程度になると見込んでいる。
立体通路を縮小するなど簡素化し、資材コストを抑える方向という。開閉式の屋根など基本コンセプトは維持する方針。
→ http://sankei.jp.msn.com/sports/news/131108/oth13110812520009-n1.htm
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3000億円という見積もりが出たものを、1500億円で済ませようとしても、無理でしょう。途中で値上げを通告されるはずだ。
次項を参照。
→ http://openblog.meblog.biz/article/19482479.html
「新国立競技場の前例は3倍増」
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何より駄目なのは、この競技場がサッカー競技にはまったく不適切だ、ということだ。
サッカー協会は声を大にして、反対論を唱えるべきだ。こんなクソ競技場だと、W杯を招くという目論見も失敗しそうだ。
ちなみにリオデジャネイロ五輪はメインと陸上のスタジアムを分離しています。
陸上は味の素でして、メインの国立をサッカー専用に改築する案は可能です。陸上の商業的価値の低さからしたらトラック付きの新国立が第二日産スタジアムになるのは確実。ここはラグビーも使える様にして森喜朗大先生率いるラグビー連盟も巻き込めばもしや………。
誰のため? 人口減 税金スタン増 維持管理 どう済んのか このデザイン 機能で・・・
今 分かる過剰な負担は 回避しておかないと 負の遺産になることは必定。
技術に頼って 先進的であることが 人間の幸せに・ ならない。
「賢者」には 遠い アイデア
でも和式0にはならないんではないですかね?
というのも公共の場の洋式は肌が触れるから和式がいいというお客様のいるでしょうから。
長々と失礼しました。