2013年10月22日

◆ 中国の大気汚染と日本

 中国の大気汚染がひどいことになっている。では、日本はどうすればいいか? 対岸の火事として笑っていればいいか? ──

 中国の大気汚染がひどいことになっている。
 《 中国の大気汚染、計測器が振り切れる最悪レベル 》
 中国黒竜江省のハルビンで、20日から21日にかけ、大気汚染の指標(AQI)が最悪の状態を示す500を突破し、計測不能に陥った。中国の大気監視サイトによると、主な汚染原因である微小粒子状物質PM 2.5は、同市内の一部で 21日午前現在、大気1立方メートル中の濃度が最大 1000マイクログラムと、きわめて高いレベルに達した。
 新華社通信によると、ハルビン市内の視界は、21日午前に50メートル以下にまで低下。全市内の小中学校が臨時休校となったほか、省内の高速道路が閉鎖された。
( → zakzak 2013.10.21
 中国の大気汚染が再び深刻になってきた。東北部では大気中の微小粒子状物質「PM2.5」の濃度が上がっており、21日には6段階で最悪レベルの汚染を記録する都市が相次いだ。自動車の排ガス汚染などに加え、気温の低下で石炭を使った暖房が始まったため。
 工場や自動車の排ガスから出されるPM2.5に加え、20日から石炭を使った集中暖房が始まったことが原因とみられる。収穫を終えた農家が稲わらを大量に燃やした影響もある。
 中国では今年1〜2月にPM2.5が記録的な濃度に上がり、北京市を中心に日本の面積を大きく超える範囲が重度の大気汚染に覆われた。春から夏にかけてはいったん落ち着いたが、東北部で石炭暖房が始まったのをきっかけに再び深刻な大気汚染が発生した。
( → 日経 2013/10/21

 これを見て、対岸の出来事と見て笑っていられればいいのだが、現実には、この汚染は日本にもやって来る。偏西風に乗った汚染物質が、九州などの南日本に押し寄せるだけでなく、日本の西側の半分(名古屋以西)が影響を受ける。というのは、中国の汚染地域は、中国の広い国土全体ではなく、日本にごく近い東北部のあたりが多いからだ。(次の動画の地図を参照。)




 記事にもある。
  → 中国、大気汚染で経済危機が拡大! 日本に悪影響

 こういうふうに、日本にも被害がやって来る。
 しかも、これは今になって始まったわけではない。以前からそうだった。私は前にも何度か論じてきた。
  → 中国の大気汚染が日本へ
  → 中国の大気汚染が日本へ 2
  → 中国の大気汚染の画像

 これだけ問題になったのだから、中国は何か対策しそうだ。だが、現実にはひどいもので、「2017年までに 25%削減という目標」だという。(上の YouTube の 3:25 のあたり。)
 これは、「目標」であり「予定」ではない。現実には達成できそうにない。そもそも、たとえ達成されたとしても、たったの 25%削減ではほとんど意味がない。

 ──

 では、どうすればいいか?
 すぐに思いつくのは、こうだ。
 「日本が技術援助して、中国の大気汚染の解決に協力する」

 しかし、国民感情として、これは難しいだろう。というのは、中国は尖閣諸島などで、反日行為をしているからだ。反日行為をしている中国に援助するなんて、国民感情からして、許容しにくい。
 しかるに、何もしなければ、日本にも被害が来る。
 結局、中国の大気汚染の解決に、協力しても、協力しなくても、日本にとっては困ったことになる。ほとんど自家撞着だ。解決しがたい難題だ。いったいどうすればいい? 

 ──

 そこで、困ったときの Openブログ。名案を教えよう。以下の通り。

 「日本が技術援助して、中国の大気汚染の解決に協力する」
 ということを、まさしく申し出る。
 ただし、その際、通常の国家間の協力とはしない。つまり、中国政府に対して(公式に)申し出るのではない。
 かわりに、中国人民に対して申し出る。次のように。
 「日本は大気汚染の削減に協力する意向がある。もし受け入れてくれれば、数年間で半減させ、10年以内に汚染量を5%まで引き下げる」
 これは中国人民にとって、メガトン級の効果を及ぼす。中国があれほど敵視していた日本が、最大の援助をしてくれるのだ。そんな技術を持っているのは日本だけだし、それを資金援助してくれそうなのも日本だけだ。
 こうして、これまで悪魔のように敵視していた日本が、最大の天使だというふうに見えるので、これまでの方針を撤回して日本に感謝する人々が大幅に増える。
 ところが、である。中国人というのは、頭が固いから、たとえ自分の得になると思っても、「日本人の世話にだけはなるものか!」と思う保守的な人々が半数ぐらいはいる。これらの人々は「日本に頭を下げるくらいなら、排ガスとともに死んだ方がマシだ」と思うだろう。
 こうして、国論が分裂する。「親日・反日」に国論が真っ二つに割れる。そして、これこそが、日本にとって最大の利益となる。国論が分裂している間は、日本は1円も金を払わないで済む。1円も使わないで、日本に対する親日的な世論が大幅に醸成されるのだ。何と頭のいい方法!
 慎太郎は尖閣諸島を買おうとしたし、民主党はまさしく尖閣諸島を買った。いずれも大金を使う方針。それでいて、どれだけ得をしたかというと、反日暴動と対中輸出激減という莫大な損失をもたらした。大金を払って、莫大な損失を買ったわけだ。気違いですね。それに引き替え、私の案は、1円も使わないで、中国に親日的な気運を掻き立てる。しめしめ。
 
 さて。その後は? 次のいずれかだ。
 (1) 中国はいつまでたっても、日本の協力を受け入れない。そのかわり、メンツに賭けて、自力で対処しようとする。 → その場合は、日本に寄せる汚染物質も減る。日本は1円もかけずに、寄せてくる汚染物質を減らせる。
 (2) 中国は最終的には、日本の協力を受け入れる。「技術援助をお願いします。あと、資金援助もね。全額とは言わないから、20%ぐらい援助してくださいよ」 → それはそれでOKしてあげる。たとえば、排ガス削減のために 10年で 5兆円かかるとしたら、10年で 1兆円を援助して上げる。これは日本にとっては莫大な負担である。しかし、である。これによって中国は残りの 80%の負担をしなくてはならないのだ! 日本の4倍もの負担を強いられる! これによって中国の国力は大幅に低下する。現状では、汚染物質を垂れ流すことで、やたらと国際競争力が強くなっているが、環境保護の負担をすることで、国際競争力が弱められ、中国の国力は大幅に低下する。(たとえば、環境保護負担が 4兆円増えれば、それに応じて、軍事費などを負担する余力がなくなる。)
 

 うまいでしょう? 日本はいくらか損をするが、中国はその4倍も損するのだ。
 その一方で、地球環境は改善するし、中国人は日本に「環境汚染を解決してくれてありがとう」という。また、日本企業は、環境保護のための設備などを輸出することで、いろいろと売上げや利益が増える。日本の不況解決にも役立つ。日本で無駄な公共事業をする代わりに、中国で有益な公共事業をする、というようなものだ。
 「無駄な公共事業」と批判を浴び事実上凍結されていた、全国6海峡をトンネルや橋で結ぶ構想「海峡横断プロジェクト」の復活をめざす動きが始まった。
 うち一つの「関門海峡道路」(北九州市―山口県下関市)では、福岡県が事業化に向けた調査を6年ぶりに再開する方針を固めた。……総工費は 400億〜2千億円に上る。
( → 朝日新聞 2013-10-22

 超巨額の赤字を垂れ流すことしか意味がないような、こういう無駄な公共事業をやるつもりらしい。それだったら、中国で大気汚染を削減する方が、はるかにまともだ。
 ついでに言えば、東北の津波被害の土地で、無意味な防潮堤のために数千億円も巨額をいくつも投入するのも、同様に無駄の極みだ。(東北復興の総額は 16兆円。その半分ぐらいは、ただの無駄。)
 こういう無駄のオンパレードに何兆円も投入するくらいだったら、日中の半世紀にわたる問題を解決するために、ある程度の金額を投入するとしても、決して無駄ではあるまい。しかもそのことで、日本に押し寄せる汚染物質を減らせるのだ。
 かつて、福島の原発事故のあとで、
 「東北や関東に押し寄せる放射性物質が怖い」
 と言って、西日本に逃げた原発難民がいた。だが、彼らは西日本で中国からの汚染物質を浴びる。その被害の量は、「東北や関東に押し寄せる放射性物質」に比べて、圧倒的に大きい。「東北や関東に押し寄せる放射性物質」は、無も同然だったが、「西日本に押し寄せる中国からの汚染物質」は、決して無視できない被害となる。
 そういう被害を解決するために、ある程度の金を払うとしても、それは、「情けは人のためならず」(自分のためになる)ということになる。中国の大気汚染の解決は、日本自身のためにもなるのだ。
posted by 管理人 at 23:34| Comment(9) | エネルギー・環境2 | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
"イイネ!"ボタンが無いんだよねぇ・・・。
Posted by 京都の人 at 2013年10月23日 00:19
受け入れるだけ受け入れて結局日本が殆どを負担するハメになる。加えて協力の期間が終わればまた反日のカードを切ってくる。
が正解では?
Posted by 先生 at 2013年10月23日 08:56
> 日本が殆どを負担するハメになる。

 最初に条件をきちんと定めればいい。「2割負担」の条件で「10割負担」になることはないはず。(もしあるとしたら、日本がよほど間抜けなだけでしょう。日本が痴呆化したことになる。そっちの方が心配。)
 現実には、「1年更新」にして、日本がいつでもやめられるようにすればいい。こっちは与える側であり、一方的に与えるのだから、強気に出られる。「交渉」ではなくて「一方的通告」。相手には諾否の権利しかない。
 従って日本が自分から「日本が殆どを負担するハメになる」という条件を出すはずがない。

> 協力の期間が終わればまた反日のカードを切ってくる。

 韓国ならばありえます。しかし中国人はそれほど馬鹿じゃない。たとえば、これを見てもわかる。冷静に現実を見据えている人が多い。(反日に凝り固まっているのは一部だけ。)
  → http://asiareaction.blog.fc2.com/blog-entry-262.html

 中国人はけっこうまともです。一般の中国人は特に反日というほどではない。反日なのは、年を食った上層部と老人です。若い人は現実を冷静に見ています。民主化しつつある世代ですから。「反日映画はうんざり」という人も多い。反日に凝り固まっている韓国人を見て、馬鹿にしている中国人も多い。中国人が韓国人を見る目は、日本人が韓国人を見る目と同様です。
 日本で「中国はみんな反日だから全部駄目」なんて言っているような人は、韓国人の反日家と同様で、現実が見えなくなっている。
Posted by 管理人 at 2013年10月23日 12:44
超名案です。中国人民への申し出方法はどうしましょうか。新聞広告は? ネットは?
共産党によって排除されたら、最後は口コミでしょうか。
Posted by 阿部比良夫 at 2013年10月23日 18:45
なるほど。
反日というカードが手元になくなれば違う切り札を探すのが中国人です。
反日というカードが手元になくなってもなお同じカードを探し続ける国とは違いますね。
Posted by 先生 at 2013年10月23日 22:27
主因は人口過多ですね。15億人が以前の数倍の勢いで煤煙等を吐き出せば、自然の浄化力を遥かに超えています。
利益追求主義、経済発展主義で、国土の土地、水、大気を汚染する道を驀進している。この先が大変です。
 現代のイースター島かもしれません。日本はかの国にかかわってろくなことはないという痛い経験もしました。
Posted by 思いやり at 2013年10月24日 23:46
いつもとても興味深く拝見しております。
こちらの案は外交に「上手くお金を使う」という日本離れしたとてもよい手法だと思います。今後は国内インフラにお金を使うのは対費用効果をよく考えて行うべきだと思いますし。
Posted by naugo at 2013年10月26日 13:04
北京の汚染。現状の画像。
  → http://labaq.com/archives/51787833.html
Posted by 管理人 at 2013年10月31日 00:28
関連情報。以下、一部抜粋。

 ──

 《 PM2・5が「男性機能」に悪影響! 日本人も他人事じゃない 》
 中国社会科学院が先日、深刻化するPM2・5(微小粒子状物質)などの大気汚染について、「生殖能力にも悪影響を及ぼす」という驚愕のリポートを発表した。これまで、がんへの影響が問題視されてきたが、日本の男性の下半身も直撃しかねない状況だ。
 実際に、日本国内でマウスを用いた研究では、微粒子をオスのマウスの肺に注入したところ、そうでないマウスと比べて、精子を作る能力が明らかに低くなったという結果が過去に出ている。
 「肺に微粒子が入ると、オスのマウスの精子を作る能力が低下し、精巣も傷害されることがわかりました。加えて、妊娠している母親マウスに微粒子を与えると、出生したオスの子マウスの精子を作る能力は低下し、その影響はマウスが成長した後も続いていたのです」
 → http://www.zakzak.co.jp/society/foreign/news/20131116/frn1311161449002-n1.htm#

 ──

 これで思い出したが、これと似た話は、前にも研究を紹介したことがある。
  → http://openblog.meblog.biz/article/1271286.html

 一部抜粋すると、下記。

 ──

 数マイクロメートルのPMは呼吸器に入り、ぜんそくなどを引き起こすことが知られていたが、ナノ粒子は呼吸器を介して血管の中に入り込み、心臓を初めとする循環器系、脳・神経系や生殖器にまで侵入することが、最近の動物実験で証明されてきた。

 ──

 つまり、PM2.5 だけじゃなくて、ナノ粒子という怖いやつもあるのだ。どっちも大気汚染で出る。それで男は種なしみたいになる。怖いですねえ。
 ひょっとして、少子化の理由は、中国の大気汚染だった、……とか。やだなあ。
Posted by 管理人 at 2013年11月16日 20:20
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