2013年10月02日

◆ 不定不満攻撃性

 不満がたまると、漠然たる攻撃性というものが発露されることがある。現代では、あちこちに見られる。 ──

 不満がたまると、漠然たる攻撃性というものが発露されることがある。
 このような事実は明らかにあるのだが、特に心理学的に命名されていないように思う。ローレンツの「攻撃」が、ちょっと似た概念だが、これは動物についての生物学的な話だから、ちょっと違う。本項で述べているのは、主としてストレスを原因とする、人間の行動だ。

 (1) いじめ

 典型的なのは、「いじめ」だ。学校で成績の悪い生徒や、家庭環境に問題がある生徒は、不満が溜まる。ストレスが溜まる。すると、攻撃性があらわになる。どこかの弱そうな攻撃対象を見つけて、攻撃する。……これが「いじめ」だ。

 (2) 同調批判

 同様のことは、ネットにも見られる。たとえば、乙武さんがちょっとまずいことをしたら、ネット上の連中がわんさと襲いかかって、攻撃する。川越シェフが批判されたこともあった。
  → 安倍首相・乙武・川越シェフ(炎上)
 ま、攻撃される側に多少の落ち度があったのは事実だ。しかし、まるで大量殺人でもした極悪人でもあるかのように、ネット上で大々的に攻撃するのは、いかにも度が過ぎている。

 女性でも、攻撃された例があった。
  → 峯岸みなみ&ほしのあき
  → CM の嘘は許されないか?(ほしのあき)
  → 安藤美姫を擁護する
  → 「美人すぎる市議」問題
 ここでも、小さな落ち度を理由に、ネット上で大々的な批判が湧き起こった。

 これらの例を見ると、「本人が巨悪をなしたから責められる」のではない、とわかる。では、何か?
 「ネット民が攻撃したいから、自分の攻撃したがる感情を発露するために、適当な獲物を見つけて攻撃する」

 ということだ。

 (3) 匿名攻撃

 このような攻撃性が極端に表れた例がある。2ちゃんねるその他の匿名性を利用して、あることないことを書いて、ものすごい攻撃性を発露したことだ。
 ところが、あるとき突然、その匿名性が崩れる。ものすごい悪口を書いていた履歴が、すっかり公開されてしまう。「このひどい悪口を書いていたのは、実は××に所属の△△だよ」とバレてしまう。8月末のことだが、下記の事件があった。
 有料サービス「2ちゃんねるビューア」の会員情報およそ3万件が流出。この1ヶ月前後の投稿履歴まで一緒に流出したため、個人情報と照らし合わせることで誰がどんな書き込みをしていたのかを突き止めることが可能になってしまった。
 実名では言えないような誹謗中傷やデマ、恥ずかしい自作自演、個人の性癖、企業秘密の暴露や会社への批判などを書き込んでいた人物の正体が白日の下に晒されることになった。
 人気まとめサイトの管理人が有名な“荒らし”と同一人物だったことも判明し、サイト閉鎖に追い込まれる事態も発生した。
 大手新聞記者と思われる人物がAKB48の大島優子を熱烈に支持する書き込みを繰り返し、大島のライバルであるセンター・指原莉乃のファンに対しては「指オタはブス・カルト集団」などと中傷していたという事実も明らかになっている。
( → 2chの情報流出で人生崩壊!!?

 ここでも「誹謗中傷やデマ」が匿名で書かれた、と記されている。

 こうして「ストレスゆえに、不満が溜まって、誰でも構わず攻撃する」という心理傾向が見出される。それは、いじめにも当てはまるし、ネット上の匿名の誹謗中傷にも当てはまる。

 ──

 これらの攻撃性には、明白な特徴が見られる。それは、「漠然たる攻撃性」だ。つまり、その相手を特定するような個別の恨みがあるわけでもないのに、適当に落ち度のある相手を見つけて、やたらと攻撃を仕掛ける。
 相手が悪いことをしたから攻撃をするのではなく、自分が攻撃をしたいから攻撃する。そして、その攻撃したい心の獲物にされてしまう人(運の悪い人)が、被害者となる。
 ここにあるのは、「憂さ晴らし」だ。そして、「憂さ晴らし」が成立するのは、その根底に不満があるからだ。それというのも、ストレスがあるからだ。
 そういう心理的な傾向があるのだ、と理解しよう。そして、そういう現象を認識するために、新概念を提出しておきたい。
 
 その新概念を、どう名付けるか? ここでは、次のことが特徴的だ。
  ・ 攻撃の相手は、もともと特定されてはいない。
  ・ その意味で、攻撃の相手は「不定」と言える。

 そこで、このような心理傾向を、「不定不満攻撃性」という新名称で呼ぶことにしたい。短くして、「ストレス攻撃性」でもいいが。

 不定不満攻撃性(ストレス攻撃性)の原因は、攻撃相手に落ち度があることではない。攻撃する側に、攻撃したがる心理傾向があることだ。その原因は、ストレスだ。
 現代では、このような心理傾向があふれている。特にネット上ではそうだ。それが大きな潮のような流れになると、乙武・川越の炎上事件みたいな事態になるわけだ。

( ※ その意味で、本項は「ネット世相」の分析記事でもある。ただの心理学の話じゃない。)



 [ 付記 ]
 いわゆるアルファブロガーと呼ばれるような有名な人でも、やたらと特定の相手を攻撃することに熱中している人がいる。これらも同様だと言えるだろう。
 この場合は、1回ごとに相手は特定化されるのだが、自分のなかでブームが終わると、今度は別の相手を選んで攻撃する。Aに粘着したあとはBに粘着し、次はCに粘着し……というふうに。そうやって、不特定の相手に次々と粘着する。

( ※ そういうことをする人が誰であるかは、指摘しない。私は、攻撃的な趣味はないので。……私が攻撃するとしたら、その相手は、政府みたいな巨大組織だ。個人を相手に攻撃を吹っかけることはない。攻撃するかわりに、女性を防護することなら、たびたびあるが。)




 【 関連サイト 】
 → 知らない人に悪口を言われたら
 → 思い通りの人生をつくる!"性格"を変える方法 - NAVER まとめ
 → 人を操って望みどおりのことをさせるトリック : ライフハッカー[日本版]
posted by 管理人 at 19:59 | Comment(0) | 一般(雑学)2 | 更新情報をチェックする
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