津波対策にはいろいろある。広く知られているのは、
・ 防潮堤
・ 避難ビル
だが、やたらとコストがかかる割に、効果は少ない。防潮堤は、先の震災では、あっさり壊れた。避難ビルは、そこそこ有効だが、寿命が 50年ぐらいしかない。また、普段は使い道がろくにないので、無駄金を使うことになる。
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一方、私が前に述べたのは、「内陸堤防」だった。これは、市街地を守るためには、有効だろう。かなりのコストがかかるが。
ただ、市街地でなく、人家がまばらな田舎では、内陸堤防はコストがかかりすぎる。平地が少ない東北沿岸ならば、人家が密集していることが多かったが、平地の多い静岡あたりでは、人家がまばらなことが多い。となると、内陸堤防はコストがかかりすぎる。
うまい案はないか?
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朝日新聞・夕刊 2013-09-30 によると、「命山」と呼ばれる人工高台が建設されているそうだ。別記事を書きに紹介する。
→ 袋井市が「平成の命山」を建設、掘削残土で津波避難
→ 袋井市の命山 (中日新聞朝刊)
要するに、土を7メートル(12メートルという情報もあり)ぐらい盛り上げて、台地にする。斜面はスロープと階段にして、てっぺんは平坦な公園にする。これだと、かなり広い面積を造成することができて、多くの人々を収容できるので、一人あたりのコストはビルの2割程度で済むそうだ。格安である。
さらに素晴らしいのは、いったん造成すれば、半永久的に使えることだ。寿命が 50年ぐらいのビルとは違う。50年後以降は費用がゼロで使える。
また、普段は公園として使えるので、用途のないビルよりもずっと有益である。
いろいろと有益性が高いようだ。
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では、これで津波被害を防げるか? よく考えると、「ノー」と言える。福島の場合も、津波の被害が生じた最大の理由は、「逃げ遅れ」である。津波が起こっても、家に 30分以上留まって、着替えをしていた。そして、30分以上たってから家を出て、逃げようとしたら、後ろから津波が急速に追いかけてきて、あっという間に飲み込まれてしまった。「津波は遅いから、津波を見ながら逃げればいいや」と思っていたら、津波は意外にもものすごく速かったのだ。そのせいで死者が多数出た。
その教訓は何か? 「逃げる場所がなかったのではない」ということだ。だから、「逃げる場所を整備する」という発想だけでは、解決しないのだ。いくら逃げる場所を整備しても、人々はそこには来ないで、家で着替えをしているのである。年寄りほど、そういうものだ。
( ※ 福島でも、「早く逃げてください」と呼びかけられたあとも、いつまでも着替えをしていた例が多数ある。)
この問題を解決するには、どうすればいいか? こうだ。
「超強力スピーカーを用意して、家には留まれないほど、大音量で避難を促す。否応なしに追い立てる」
だいたい 100デシベル以上の音量が妥当だ。「うるさくてたまらない」という程度の音量で追い出す。最初は 80デシベルぐらいでいいが、最終的には 110デシベルぐらいにして、とても家にはいられないようにする。避難を促すのではなく、強制的に追い立てる。
具体的には、こんな製品だ。
ホーン型コールスピーカー(アンプ内蔵型)
こういうのを有線または無線で結んで、強制的に追い出すといい。費用の2〜3万円程度は行政で負担してもいいだろう。そのあと毎年 1000円ぐらい返済してもらってもいい。
とにかく、こうでもしないと、強制的に追い出すことができない。となると、次の震災でも、数万人の死者が発生するだろう。
それを避けるためには、このようなスピーカーがぜひとも必要なのだ。必要なのは、巨額の土木工事じゃなくて、デカい音量なのである。
[ 逃げろ! >
[ 付記1 ]
「着替えをするな」と言っても、着替えをしたくなるのが人情だ。そこで、次のように促す。
「着替えは、今はしないで下さい。服を袋に入れて、すぐに外へ逃げてください。着替えるのは、避難所に着いてからにしてください」
これならば、服を袋に入れるだけだから、簡単に済む。
[ 付記2 ]
「トイレにも入らないでください」
と言った方がいいかもしれない。(いや、トイレぐらいの時間ならば、許容できるかも。)
そのことを考えると、次の必要性が思い浮かぶ。
「避難所の公園には、トイレが必要だ。特に、バイオトイレ」
上記の「命山」には、トイレの設備がないようなので、トイレの設置を望みたい。トイレがあると知られていれば、人々はいちいちトイレによらずに、すぐさま避難するだろう。また、避難後の衛星を考えても、トイレは必要だ。特に、女性には必要だ。
【 関連項目 】
→ 使えないIT
土砂災害対策の専用システム、というIT技術。双方向性のある高度なものだが、誰も使えなくて、宝の持ち腐れ。
そんな高度なIT技術は必要ない。ただの大音量スピーカだけで人命は救える。
必要なのは、ハイテクじゃなくて、知恵だ。

地震発生から1分後には津波警報が出ます。この時点で警報しておけば、余裕は30分ほどありますから、この時点で警報を鳴らすべきです。
テレビは警報を放送します。先の大震災でも、気象庁の津波警報をずっと示していました。
逃げなかった人は何をやっていたか? テレビの電源が切れていたらしい。スマホも混雑で通じず。ツイッターだけは機能していた。ツイッターで「地震」を検索すれば、津波警報もずいぶん流れていました。
ま、老人対策が主なので、ローテクなスピーカーが最善でしょう。
枯れた技術の製品は安いので、本当に素晴らしいアイデアだと思います。