JR北海道や JR四国の路線を廃止せよ、と述べてきた。だが、路線を廃止するだけでは、地方の交通手段がなくなる。その代替手段は、バスが筆頭だが、遠隔地からの客を呼ぶには、バスでは足りない。かといって鉄道も駄目だ。となると、残るは航空機である。
ところが、航空機を飛ばそうにも、「羽田は過密で満杯だ」という問題がある。これを解決するには、横田基地の返還が有効だ。次の図式。
・ 現状の国際便の枠を、横田に移す。
・ 空いた早朝・深夜の枠を、国内便に回す。
たとえば、羽田の早朝発と深夜着の枠をあける。これによって、国内の過疎地向けの飛行機を飛ばせる。次のように。
・ 羽田 05時発、地方 06時着。
・ 地方 23時発、羽田 24時着。
いずれも、交通機関は動いていない。タクシーや自家用車を使うしかないように思えるが、そんなことはない。近くの宿に泊まればいい。宿といっても、ホテルだと金がかかりすぎるから、健康ランド(スパ)を利用すればいい。
早朝に羽田に向かう場合は、通常ブランではなく「深夜パック・Flightコース 2900円」という特別コースを選べばOKです。(前日の18:00〜早朝バス時間までの滞在)
羽田への早朝バスは、AM4:00発とAM4:50発の2便
( → 天然温泉・平和島から早朝の羽田空港国際線に行ってみたの編 )
これで十分に航空機を利用できる。
「そんなに早朝に動くのはイヤだ。安いとは言え、宿泊費を払うのもイヤだ」
と思うかもしれないが、よく考えてごらんなさい。早朝の飛行機に乗れば、朝早く目的地に到達する。その分、現地で有効に使える時間が増える。到着が深夜でも同様で、この場合も、飛行機に乗るまで、昼間の時間をたっぷりと有効に過ごせる。有効な時間が半日延びたようなものだ。お金をかける価値はある。(現地滞在日数が半日延びるようなものだ。一泊することと比較してみるといい。半分以下のコストで、半分の効果が得られる。旅行ならば、十分に割が合う。)
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残る問題は、横田基地の返還だ。これはずっと前から話題になっているのだが、なかなか進捗しない。その理由は? 「米軍が容認しないから」というのが、普通の説明だ。だが、本当は、政府が要求しないからだろう。
米軍が横田を返還しない理由は何か? 横田がどうしても必要な空域だからか? 違う。空域ならば、よそにたくさんある。何だったら、北海道や四国の空域を与えてもいいだろう。(といっても、すでにずいぶん与えているが。)
実は、米軍が横田を返還しない理由は、軍事的な理由じゃない。「首都圏に近いところに軍人が住みたい」という、日常生活上の理由だ。
「横谷基地があれば、軍人や家族は首都圏に住める。一方、四国や北海道に基地があれば、軍人や家族はど田舎に住むことになる。そんな僻地に住むのは、まっぴらごめんだ。だから、どうしても横田は返還したくない」
軍人のくせに、ずいぶん贅沢な理屈だ。カンザスやアリゾナあたりに赴任する軍人だっているのに、東京のそばに住みたいというのだから、まったく贅沢だ。
そこで、私としては、次の提案をしたい。
「福島県あたりの沿岸部の平地に、軍事基地を新設して、そこに米軍を移転させる」
これだったら、太平洋側に飛行機が流れるから、騒音被害も少ない。というか、そもそも、人口が少ない地域だから、被害も発生しにくい。
現地の人も、「放射線被害」や「風評被害」のかかった土地を大量に購入してもらえるから、ありがたいだろう。土地を売って、大金をもらって、どこかで贅沢な暮らしをすればいい。
米軍の軍人も、福島あたりなら、ど田舎というわけでもないから、かろうじて我慢の範囲内だろう。
ま、それでも「イヤだ」と言うかもしれないが、それだったら、グアムにでも行ってもらえばいい。
あと、横田の全面返還ではなくて、半分返還という手もある。これだったら、参謀本部の高級将校はそのまま横田に残れるので、我慢の範囲内だろう。下級軍人などの実務部隊の大半が福島に行ってもらうだけで済む。
というわけで、何とか横田の返還(もしくは半分返還)を推進してもらいたいものだ。米国に尻尾を振るだけが首相の仕事じゃない。「集団的自衛権」なんて叫んで媚びを売るより、「横田の返還」を堂々と唱えてもらいたいものだ。それが日本の首相の仕事だろう。
何のために? 米軍をいじめるために? 違う。地方の振興のためだ。
[ 付記 ]
東京でも東部を起点とした場合には、成田も横田も距離はほとんど同じだ。しかし東京でも新宿あたりを起点にすれば、横田の方がずっと近い。
大きな地図で見る
なお、横浜方面からも、横田の方がずっと近い。距離を知るには料金を見るとわかる。ずっと安く済む。
( ※ ただ、現時点では特急は走っていないので、時間は結構かかることが多い。)
【 関連項目 】
→ 北海道の交通整備