地球温暖化の原因として、「温暖化ガスのせいだ」という主張は、長らく優勢だった。その総本山は IPCC だった。
ところが、最近の IPCC の報告では、「温暖化ガスのせいだ」という主張は消えて、「人間活動のせいだ」という主張に替わっている。
新聞記事から抜粋しよう。
IPCC……報告書案に基づいて作られる政策決定者向けの要約文では、20世紀半ば以降の上昇の半分以上は人間活動によってもたらされた可能性が「極めて高い」(95%超)と踏み込んでいる。
( → 朝日新聞 2013-09-08 )
1951〜2010年の間に観測された世界の平均地表温度の上昇の半分以上を、人間が気候に与えた影響によりもたらされたことは、ほぼ間違いない。人間の活動による影響で、海水の温度が上がり、雪や氷を融かして平均海面水位が上昇し、20世紀後半の異常気象をもたらしたことは間違いない。
( → AFPBB 2013年08月21日 )
ここでは、原因(影響をもたらしたもの)は、「人間の活動」であって、「温暖化ガス」ではない。ひところのように「炭酸ガスのせいだ」というヒステリックな声はもはやなくなっているのだ。
このことに注意しよう。世間ではあまり耳目を浴びていないようだが。
──
なお、「炭酸ガスのせいでなく人間活動のせいだ」という見解は、私は前から主張していた。次のように。
地球温暖化は、19世紀以後に継続的に起こっている。ここではたしかに、何らかの人為的な影響が考えられる。しかし、である。それは炭酸ガスであるはずがないのだ。なぜなら、炭酸ガスが大量に生じたのは、社会が文明化したあとではなく、社会が工業化したあとだからだ。具体的には、20世紀初頭ごろから、一部先進国(米国)でのみ、工業化はなだらかに生じた。もちろん、大部分の国(欧州・日本)では、工業化はわずかだったし、工業的な炭酸ガスの排出もわずかだった。さて。20世紀なかば[1950年ごろ]になると、世界中で工業化が大幅に進んだ。しかし、これ以後では、温暖化は進むどころか、逆に寒冷化したのだ。
結局、こう言える。
・ 地球温暖化が起こったときには、炭酸ガスの増加がなかった。
・ 炭酸ガスの大幅な増加があったときには、温暖化がなかった。
というわけで、人類の発生する炭酸ガスは、地球温暖化には大して影響しないのだ。それが歴史的な事実である。
( → 陸地温暖化説 (緑地減少説) )
これについて、グラフを示してより詳細に分析したのは、次の項目だ。そちらを読んでほしい。
→ 温暖化の原因は炭酸ガスでなく緑地減少

つまり、グラフを見る限り、次のことが言える。
「地球の温暖化は、人類の近代化にともなって、19世紀以後、急激に進展した。しかしそれは、(石油消費量が激増によって)炭酸ガスの排出が急増した時期である 20世紀後半とは、時期に大幅なズレがある」
地球温暖化をもたらしたのは、炭酸ガスの排出ではなく、人類の近代化だったのである。ではなぜ、人類の近代化が地球温暖化をもたらしたのか?
私は次のように推定した。
「緑地の減少(砂漠化みたいなもの)が原因である。森林が開墾されて、緑地がなくなったせいで、水分の蒸発量が減った。そのせいで、陸地は過熱し、また、雲量は減っていった。こうして気温はどんどん上昇していった」
そのことを実感するには、夏の路上と緑地を比べてみるがいい。
・ アスファルトの路上
・ 芝生の上や、樹木の陰
どちらの気温が高いかは、簡単にわかる。そして、こういうことが地球規模で起こったのだ、と考えればいい。
→ 陸地温暖化説 (緑地減少説)
→ 温暖化の原因は炭酸ガスでなく緑地減少
IPCC は、私の主張に一歩近づいた、と言えるかもしれない。のうち、「炭酸ガスを減らせ」と叫ぶかわりに、「砂漠化を阻止して、緑地を増やせ」と叫ぶようになるかもしれない。そのときこそ、IPCC は真実を語ったことになるのだろう。(「炭酸ガスのせいだ」という嘘をやめたあとで。)
ビルの林立による緑地の減少が問題の本質ですね。特に日本の大都市は、アスファルトとコンクリートで埋めつくした為、
殺伐とした風景と暑苦しさが苦痛になっています。
高知の江川崎は田舎なのに41℃になるのか? 森田正光氏が、まっとう疑問を提示されています。観測現場の写真を
見ると、アスファルトの広場の片隅に設置されています。日照りの真夏にはアスファルトの広場は50℃を超え、その熱気
が温度計のところへ移動してくれば、41℃になるでしょう。
【観測地不適正】2013年最高気温40.1℃を記録の群馬県・館林市の「気象観測所」環境が悪い。
http://matome.naver.jp/odai/2134727728998081101
高温化が出やすい観測環境になった(あるいは、意図的にそうした)のは、世界的な傾向です。
クライメイトゲート事件第6回 観測ステーション設置場所疑惑
http://arinkurin.cocolog-nifty.com/blog/2009/12/post-1.html
「アスファルトなどで熱せられた人工環境の気温を測っています」といえばいいのですが、それを「地球温暖化です。
地球はホッケースティックのように急激に高温化しています」というのはアンフェアです。
IPCCのいうことを妄信する人は、さすがに少数派になりました。
地球気温の推移を見るためには、八丈島とか、米国や豪州の田舎とか、都市化の影響が及ばない世界の定点を選別して
推移を見ればよいのだから、難しいことではありません。気候変動を監視することは重要な仕事です。
2020年の東京五輪が決定されたのは、稀有なチャンスです。透過性の路面や都市の緑化やエコロジカルなビル建設等を
進め、外国のお客さんたちに快適な都市空間を提供したいものです。7年間あれば、かなり改善できると期待します。
シンガポールは、より住みやすい国を目指して、緑したたるガーデンシティを実現しました。
まるで植物園! ユニークすぎるシンガポールの新ホテル
http://www.excite.co.jp/News/photo_news/p-1432855/
緑化すれば共存する事になります。
上記サイトの図1にあるように、IPCCは人為の大気汚染物質は気温を下げる働きをしていると見積もっています。
戦後しばらくは、経済成長で大気汚染が進み、気温が下がったが、1970年頃に排出規制始まり、その効果が出始めると、CO2などの働きの方が勝るようになり、気温を押し上げたと考えられているのです。
IPCCを引き合いに出すのなら、IPCCの報告書の内容に目を通してからにすべきですし、理解してからにすべきでしょう。
> 戦後しばらくは、経済成長で大気汚染が進み、気温が下がったが、
これは変でしょう。
20世紀前半は、気温が上昇しましたが、同時に、石炭によるエアロゾルが急上昇しました。
戦後は、今度は石炭よりも石油が増えてきて、エアロゾルの増加ペースは落ちてきたが、気温は上がらなかった。また、そもそもエアロゾルの効果は、炭酸ガスの効果よりも小さいから、気温を下げるほどの効果はない。なのに、いくらか下がった。
そもそもの話、本項の話題で述べているように、IPCC 自体が過去の IPCC の方針を否定しています。私に文句を言ったって仕方ない。それより、IPCC に文句を言えばいい。「人類の活動って何だよ。ゴマ化さずに、きちんと言えよ」と。
「温暖化ガスの排出減少と吸収」
温暖化ガスについては、ガスの排出減少ばかりが着目されるが、ガスの吸収にも着目するべきだ。
→ http://openblog.meblog.biz/article/16005254.html