2013年08月11日

◆ スマートメーターの普及強行をやめよ

 スマートメーターは、規格が不統一のまま、普及を強行しようとしている。しかし、やめるべきだ。 ──

 スマートメーターとは、電力メーターに代わるもので、次のようなものだ。
 通信機能を備えた電力メーターで、電力会社と需要者の間をつないで電力使用量などのデータをやり取りしたり、需要先の家電製品などと接続してそれを制御したりすることができるもの。
 再生エネルギー活用の要として注目されるスマートグリッド(次世代送電網)を整備・構築していく上で、送電網や配電網の自動化と共に必要不可欠のものとされている。
( → コトバンク
 東日本大震災のあとの(原発停止による)電力不足に騒動のあとで、うまく需要を制御するためのものとして、スマートメーターは提唱された。それはスマートグリッドの一部をになうものとされた。おりからの節電ブームに乗って、朝日新聞などのエコ狂が盛んに提唱したこともあって、電力会社はこれを普及させようとしている。「コストがかかることをなぜ?」と思うだろうが、その分、まるまる需要側に料金を転化するつもりだ。
 電気料金の値上げとスマートメーターは密接な関係がある。企業や家庭にスマートメーターが普及すれば、電力会社は多彩な料金メニューを提供できるようになる一方、スマートメーターの設置に必要なコストが電気料金に反映される。電力会社は値上げの申請にあたって、スマートメーターの導入費用を原価に盛り込んでいる。
( → スマートジャパン
 ところが、その規格というのが、それぞれの電力会社でバラバラである。規格不統一。これじゃ、ひどいことになるのに決まっているのだが、ガラパゴスどころか国内の群雄割拠みたいな状態で、勝手に別々の規格で普及させようとしている。
 結局のところ、スマートメーターは「東電仕様」と「関電仕様」の2種類に分かれて、さらに通信機能の仕様は各電力会社で不統一のまま開発が進んでいく可能性が大きい。
( → スマートジャパン
 もちろん、こんなことをやれば問題が山積みになるのは目に見えている。
 全国で8000万台の設置が見込まれるスマートメーターの開発には、電力会社やメーカーの思惑が入り乱れ、さまざまな動きが水面下で繰り広げられている。今のところ仕様の統一も実現できていない。
 関西電力が調達するスマートメーターでは、計量ユニットの仕様は4社の電力会社で共通に決めたものだが、通信ユニットは独自の仕様になっている。
 各電力会社がスマートメーターの通信仕様を統一できないと、相互接続とコストの両面で問題が残る。このほかにスマートメーターのデータを管理するセンター側のシステムが必要で、すでに東京電力が開発に着手している。センター側のシステムの仕様に関しても、電力会社間で統一できるか不透明な状況だ。監督官庁の経済産業省が調整すべき重要な課題と言える。
( → スマートジャパン
 そこで経産省が乗り出した。関電仕様をやめて東電仕様に統一せよ、という趣旨。
  「各社とも東電と同様のプロセスを踏んでもらいたい」
  幹部はこの場で、東電が採用した通信仕様の利点を強調し、暗に他電力にも採用を働きかけたという。経産省の狙いは何なのか。
  「経産省のターゲットが関西電力なのは明らかだった。東電の仕様を持って関西に攻め入る気だ」。ある電力会社の関係者は話す。
  東電のスマートメーターはもともと、国際標準とは程遠いガチガチの独自仕様が押し通されようとしていた。財政難にもかかわらず、自前での光ファイバー敷設を計画するなど、極端な高コストが維持されようとしていたのだ。
  しかし、東電のコスト削減を担う国の原子力損害賠償支援機構がこれに気づき、変更を迫ったことで最終的に国際標準に近い新仕様が採用されたという経緯がある。
 「その変更前の東電仕様より、ひどく高コストなのが関電仕様だ」と政府関係者は指摘する。
( → ダイヤモンド・オンライン
 とはいえ、関電はすでに大量の機器を設置してきた。
 これまで関西電力は独自に開発したスマートメーターを約200万台も設置してきた。電力会社の中では圧倒的な台数で、さらに2013年度〜2015年度の3年間に合計450万台の導入を計画している。最終的には2023年度までに1300万のすべての顧客にスマートメーターの設置を完了する予定。
( → itmedia
 先頭ランナーだけにストップを書けるというのは、道理が通らない。関電が素直に承諾するとは思えない。「いやだ」と突っぱねれば、それまでだ。そもそも、ここには利権が絡んでいる。
 「わざと高額の独自規格の機器を選定して、外国メーカーを排除する。そのことで国内メーカーがボロ儲け。ボロ儲けの利権を、機器会社と関電で分けあう。あとのツケはすべて消費者側に回す。」
 これでは、経産省と政治家に利権が回ってこない。そこで、経産省と政治家に、利権(天下りと政治献金)を渡せば、それでおしまいだろう。かくて、国民は巨額の金をむしり取られることになる。

 ──

 では、これでいいのか? もちろん、駄目だ。では、どうすればいいか?
 東電の仕様に統一すればいいか? いや、東電の規格からして、すでに国際規格からズレている。
 では、国際規格は? 実は、ようやく規格が定まったばかりという状況で、機器の開発などはまだ十分になされていない。急激に普及を進めるべきだという状況ではないのだ。
  → マイナビニュース

 パソコンで比喩的に言えば、今はパソコンの黎明期だ。MS-DOS ができて、ようやく 16bit パソコンが普及しかけた状況だ。ここで、IBM版と NEC 版が対立したように、関電版と東電版が対立している。そこで、どちらか一方に肩入れしようとしているのが、経産省だ。こんな感じ。
 「たしかに PC9801 は普及していて、日本語には適しているが、国際規格じゃないし、価格も高い。ゆえに DOS/V に統一するべきだ」
 しかし、こんなところで統一したとしても、時代の流れは Windows に向かいつつあるのである。DOS 機器の統一なんて、時代遅れすぎる。

 スマートメーターも同様だ。今は普及を急ぐ必要はないのだ。なぜか? そのことは、現在の猛暑を見ればわかる。

 ──

 現在の猛暑において、電力不足はあるか? ない。
 では、将来を考えて、電力不足への対策をするべきか? それが問題だ。

 「スマートメーターが必要だ」というのは、「家庭の電力を抑制しよう」というものだ。特に、電力が逼迫する猛暑日に、クーラー[エアコン]を抑制するのが主眼だ。
 だが、こういう猛暑日にクーラーを抑制するというのは、人命に関わる。こういうときには、クーラーは最優先の順位が与えられる。なのにクーラーを切ろうとするスマートメーターは、本末転倒なのだ。(重要!
 
 では、どうすればいいか? お盆の時期の電力需要を見ればわかる。この時期、企業がみんなお休みになることで、電力需要は激減する。そのことで電力はたっぷりと余る。
 これが正解だ。つまり、猛暑日には家庭でなく企業の側が節電するべきなのだ。そのためには、家庭の側にスマートメーターを置いても、何の役にも立たない。かわりに、企業の側にスマートメーターを置くべきだ。そして、「需給調整契約」などで、「1日単位の節電」を要請すればいい。
( ※ 時間単位の節電は不要だ。というか、無意味だ。節電が必要なのは、夏の午後すべてではなくて、猛暑日だけだ。そして、その時間は、午前も午後も夜間も含まれる。)

 ただ、こういうふうに「猛暑日だけの休業」(需給調整契約による)よりは、「夏休みそのものを拡大する」(バカンス)という方が、いっそう好ましい。現状では、「8月10日ごろ〜17日ごろ」というのが普通だが、かわりに、「8月5日ごろ〜19日ごろ」というふうに、15日間の夏休みを取得することが好ましい。できれば、もうちょっと長めにした方がいい。
 日本はどうせデフレだし、供給力は余っている。失業者も多い。だったら、休みを少しぐらい増やすことは、十分に可能だ。政府としては、スマートメーターの普及なんかをめざすよりは、バカンスの普及をめざすべきなのだ。たとえば、「14日以上の連続バカンスを実行した企業には減税」というふうな。
 そして、このようにバカンスを普及させれば、スマートメーターなんてものはもはや無用の長物なのである。それは、将来的には何らかの意味を持つかもしれないが、少なくとも「夏場の電力不足の解消」のためには、意味はない。意味があるのは、バカンスだ。
 
 ネットには次のような解説もある。
 日本も2011年の東日本大震災を機に必要性が強く求められるようになった。例えば、スマートメーターが設置されていれば計画停電に際して、信号機や病院だけを除外するということも可能となるばかりか、節電のための綿密な制御を自動的に行って、停電を未然に回避することも可能となる。また、太陽光発電など新エネルギーを電力網へ受け入れることも容易になる。20年には、全世界で10億台が稼働するようになるとの見込みもあり、産業界からも将来性が期待されている。
( → コトバンク
 しかし、このような目的は、当面は必要ない。
 (1) 計画停電に便利だというが、そもそも計画停電をするべきでない。(企業の側の需給調整契約でやれ。)
 (2) 停電の回避というが、停電は日本ではほとんど起こらない。起こるのは特別な場合であり、スマートメータでは回避不能。
 (3) 太陽光発電に便利というが、それはずっと先の話。また、太陽光発電の供給の変化は巨大すぎて、スマートメーターやスマートグリッドでは吸収できない。この件は、下記で述べた。
  → スマートグリッドという幻想

 ──

 結論。

 スマートメーターは、急いで普及させる必要はない。かわりに、夏のバカンス(長期休暇)を普及させればいい。

 ひるがえって、猛暑日にクーラーの停止を促すような機器は、人を殺す。これ(スマートメーター)を政府が普及させようというのは、政府が殺人機械を普及させるようなものだ。しかもその金は、消費者の自腹である。
 「被害者が自殺するように仕向ける装置を自分の金で買わせる」
 これは悪魔の政策だ。
 
( ※ 悪であるゆえんは、それによって彼らが袖の下をもらうから。人を殺して金儲け。)
  

 



posted by 管理人 at 16:55| Comment(1) | エネルギー・環境2 | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
アメリカの様に供給側が多様で時差も有れば、スマートに制御することにも意味が有るのですが。日本では供給−消費が1対1対応で時差も無い為、全体としては無意味に感じられます。

日本版のスマートメーターで出来る事は、まさに暑いときにクーラーを弱める程度で、顧客メリットが全く無い。そもそもデメリット付き家電を出して、白物家電まで売れなくするのは無謀。かといって止めると危険。

実際は、せいぜい滞納者の電気を止める程度か、○発稼働しないと不便をかけますよという駆け引き道具にしかならないですよね。

ちなみに停電対策等で電柱の供給経路を制御する事は、とっくの昔から実現済みで、大阪市立科学館でも展示されています。時間帯別に計量するメーターも昔から有ります。そこにスマートメーターと言われても、無駄なコストとしか思えません。
Posted by MSどす at 2013年08月14日 10:33
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