2013年08月08日

◆ 衝撃波の拡散

 超音速機の衝撃波は、翼から下向きに延びて、直下の地上に達する。この衝撃波を、広く拡散することで、衝撃波の被害を弱めることができそうだ。shockwav2.png ──

  超音速機の衝撃波は、翼から下向きに延びて、地上に達する。そして地上に大きな被害をもたらす。(右上図)

 ここで、翼を平面状でなく、(正面から見て) U 字形の曲面状にすれば、衝撃波は広く拡散する。そうすれば、直下の地上では、衝撃波の被害が弱まるだろう。(右下図)

 ──

 これには次の反論も来そうだ。
 「密度が下がっても、面積が広がるのでは、差し引きして、被害の総計は同じでは?」


 だが、そんなことはない。
 (i)ピーク値が大きく下がることで、被害の規模を下げることができる。(ピーク値が半分になれば、その場所の被害は4分の1になる。あくまで概算だが。)
 (ii)地上に達さずに空中に逃げていく分がかなりある。そのエネルギーの総量は、右上図よりは右下図の方が大きい。逃げていく分が大きいのだから、地上に達する総量は少ない。


 というわけで、かなりの効果が見込める。

 ──

 さらには、次の案もある。
 「機首では、空気を上下に分けるのではなく、左右に分ける。そのことで、衝撃波を左右に飛ばして、(下方の)地上には達しないようにする」


 具体的には、戦艦の船首のような形だ。



 この戦艦の船首にぶつかった水は、左右に分かれて流れる。
 それと同じように、飛行機の機首にぶつかった空気が、左右に分かれて流れるようにする。そのことで、衝撃波が左右に向かうので、下方の地上には向かわなくなる。

 ──

 以上で、二つの案を示した。これらは、衝撃の総量を減らす案ではなくて、衝撃波が地上に向かわなくなるようにする案である。つまり、地上の被害を減らす案である。
 一応、ここで提案しておく。



 [ 付記 ]
 実際にどれだけ効果があるかは、わからない。というのは、次の懸念があるからだ。
 「空気を下に向けることで揚力を得ているのだから、空気を下に向けないと、揚力を得られなくなる」

 ただ、揚力は、機体と翼の全体で得られる。一方、衝撃波は、特に先端で発生する。だから、先端における空気の流れを左右にずらして、揚力は先端以外で得れば、この矛盾は解決する。

 また、次の懸念もある。
 「翼を曲面状にすると、空気が横に漏れるように流れるので、揚力を十分に得られなくなる。そのせいで燃費が悪化する」
 それはその通り。だから、一般の飛行機では、本項の案はお進めできない。ただ、超音速機の場合は、燃費が少しぐらい悪くなっても、衝撃波を下げることの方が優先する。
( ※ そもそも、燃費が重要なら、燃費がすごく悪い超音速機なんか使う意味がない。)

 ともあれ、いろいろと問題は生じる可能性がある。それゆえ、事前にいろいろとシミュレーションして、どうなるかを確認する必要があるだろう。
 本項はあるまで、アイデアの一つとして提案しておくにとどめる。実現性は、シミュレーションによって十分に吟味しないと、わからないだろう。
  


 【 関連項目 】

 → 超音速機の衝撃波の解消は翼で (前項)

 → 超音速機の衝撃波の解消は、針で
posted by 管理人 at 19:38| Comment(0) | 物理・天文 | 更新情報をチェックする
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