2013年06月21日

◆ ハフィントンポストに代わるものは?

 ハフィントンポストは失敗した。(前項)
 では、かわりにどのような論壇プラットフォームが好ましいか? ──
 
 前項で述べたように、ハフィントンポストは失敗した。その理由はいくつかあるが、次の4点が重要だ。
  ・ 編集部に人材を欠いている
  ・ ブログ記事の筆者を固定している
  ・ 外部の論者を受け入れない
  ・ 外部の批判コメントを受け入れない

 いずれも前項で述べた点だ。

 ──

 そこで、改定案としては、以上のすべてを逆にすればいい。では、具体的には、どうやって?
 単に「外部の人材や意見を無制限に導入する」というふうにするか? それでは、玉石混淆で、とんでもないカオスとなるだろう。ゆえに、これを防ぐ仕組みが必要だ。

 コメントについては、アマゾンや YouTube の方式で解決できる。次のように。
  ・ アマゾン …… 評価の高いものが、上位に掲載される。
  ・ YouTube …… 評価の低いものは、表示されない。


 コメントについては、これでいいだろう。

 ──

 では、本文については? やはり上の方式を援用して、次のようにするといい。

 (1) 最初にいくつかのコメントを書いて、読者の支持を多く得た人を「優秀コメント者」として認定する。彼らに投稿資格を与える。
 (2) 投稿資格を得た人は、「投稿市場」に投稿する。ここで、多くの読者の支持を得た人は、記事の掲載ランキングが上がる。
 例。Poster さんは、支持者が 50人なので、ランク5です。
 (3) 記事の掲載は、A,B,C の三つのグループに分ける。サイト本体に掲載するのは、Aグループの記事のみ。他に、Bグループ、Cグループも用意するが、それらは外部に隔離する。(プロ野球の2軍のようなものだ。)
 (4) Cグループで評価を上げた記事は、Bグループに入る。Bグループで評価を上げた記事は、Aグループに入り、サイト本体に掲載されることになる。
 (5) Aグループ入りした記事を何本かもつ人は、有資格者とされて、次回以降は、Cグループを飛ばして、いきなりBグループに投稿できる。
 (6) 結果的に、次のようになる。
  ・ 一般人の記事は、Cグループで評価を上げて、さらにBグループで評価を上げて、Aグループに掲載される。
  ・ 有資格者の記事は、いきなりBグループに入り、そこで精選されたものだけが、Aグループ入りして、本体に掲載される。
  ・ たとえ優秀な筆者であっても、Bグループで一般の支持を得ない限りは、Aグループに入って掲載されることはない。掲載されるには、前もって多くの読者の支持が必要だ。(筆者への支持でなく、記事への支持。)
 (7) 以上のシステムを機能させるために、記事ごとに「いいね」ボタンを設置する。(はてなスターでもいいが。)

 ──

 この方式は、次の諸点で優れている。
  ・ 特定の筆者に限定せず、日本中から優れた記事を集める。
  ・ 記事はあらかじめ読者によって精選されている。
  ・ 記事の精選のためには、電子システムだけで済む。
   (つまり人的な編集コストはゼロで済む。重要!)


 なお、追加的に、次の制度を加えるといい。
 「筆者には原稿料を支払う」

 サイトには多大な広告収入が見込めて、しかも記事が精選されているのならば、原稿料を払うことが可能であるはずだ。その原稿料によって、いっそう優れた記事を集めることができる。最初は少額かもしれないが、アクセス数が増えれば、多額の広告収入が見込めるので、十分な原稿料を払うことは可能だろう。

( ※ なお、原稿料の支払いをすると、銀行口座から、個人の身元を確定することが可能となる。「他人へのなりすまし」なども不可能になる。仮に他人のフリをしたら、原稿料を受け取れなくなるので。)

 ──

 以上を、私の提言とする。
 といっても、ハフィントンポストは、上の方式を実行するはずがない。
 そこで、「ハフィントンポスト 2.0 」みたいな感じで、誰かが別の論壇サイトを構築すればいい。こうして日本一の論壇サイトを形成すれば、その人は大儲けをすることができる。うまく会社を売却すれば、数十億円もの売却収入を得ることも夢ではない。
 
( ※ ハフィントンポストは、愚かな失敗例として、「他山の石」とすればいい。彼らの失敗を見ることで、どうすれば成功するかがわかる。)
  


 [ 付記 ]
 ちなみに、ブロゴスのコメント欄は、ひどいコメントで荒れているそうだ。
  → 日本版ハフポストは失敗なのか?
 
 ここでは、コメント欄ですら、精選するシステムが整っていない。ひどく遅れた Web サイト・システムを取っていることになる。十年遅れですかね。
 一方、本項で述べたのは、数年先を見込んだ方式だ。ずっと先進的。



 【 関連項目 】

 本項に似たアイデアは、すでに別項で論じたことがある。
  → ネット民主主義

 これは、政治で政策を決めるときに、本項と同様の方式を採る、というアイデア。
 実は、本項はもともと、上記のアイデアを見て、援用したものだ。(どっちも私のアイデアだ。ただ、米国で使われている方式を参考にしているから、私の独創というほどじゃない。改良版という感じかな。)
posted by 管理人 at 19:06 | Comment(2) | コンピュータ_03 | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
「類は友を呼ぶ」という諺は、世の中をじっくり観察した人が、見事に一言に凝縮したものですね。
ベースとなる記事を書く人の質や記事が、同類の記事やコメントを引き寄せるということでしょう。
 その記事を書く人の質は、管理人さんが指摘されている、編集者の質が根本原因であることは、
大筋でそうでしょう。組織という容器を作り、資金を投入しただけでは、足りない大事なものがあると
いうことですね。「仏作って魂入れず」という適切な諺もあります。
 ハフィントン氏は、人材を集めるに苦労しない国と日本との違いを理解しておらず、コンセプトさえ
良ければうまくいくと楽観的に思ったのかも(文化の違いも興味深いテーマです)。

 管理人さんの提案はとても有効だと思います。私も、政治家を選ぶやり方で同様な案を考えたこと
があります。「大儲けになる」というところが少し違いますが。
 政治家は、本当の人材(そのような人は政治家になろうとしない傾向がある)を、半分ボランティア
(今の政治家の俸給の半額程度)で働いてもらい、原則再選なし(評価が非常に高い人は例外)と
するのも方法ではないかと。日本が乗っ取られないように、数代に渡り日本人であることも前提条件。
 まず人。そのような人材が、政治の場に立つまでに、経験と知識を得るように支援する仕組づくりも
込みの案ですが。政治家の質は最も重要です。
 政治家である人は、稲盛和夫氏のように「動機善なりや、私心なかりしか」と自問して欲しいですね。
Posted by 思いやり at 2013年06月21日 21:10
ちょっと池田信夫のページを見てみた。
  → http://ikedanobuo.livedoor.biz/archives/51861165.html

 なかなか面白いことを言っている。言っている内容は間違いなのだが、これが間違いであると論じるには、経済学的な綿密な反証を必要とする。その意味で、私にとっては「いい論敵」の扱いだ。
 で、彼と私とが論争すれば、すごく面白いことになるのだが、残念ながら、彼は私との論争を拒んでいる。ま、負けるとわかっている戦いをするほど馬鹿ではない、ということか。戦いを避けるのは当然だ。彼は利口なのだから。

 で、私と池田信夫を論争の場に引っ張り出せば、すごく面白い論壇を作ることができて、すごいページビューを集めることができるのだが、誰もそういうことはしない。
 かくて、ハフィントンポストやブロゴスみたいな、ゴミ記事ばかりのサイトができる。
Posted by 管理人 at 2013年06月21日 23:07
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