子宮頸がんワクチンを接種するように、政府はこれまで推進してきた。たとえば、自治体と一緒になって、接種の高額なワクチン代を負担してきた。「高額のワクチン代を接種しますから、どんどん接種してください」というふうに。
しかしこのたび、その方針を転換した。
他にも同趣旨の記事がある。
予防接種の安全性を議論する厚生労働省の検討部会は14日、4月から定期予防接種の対象に加えた子宮頸(けい)がんワクチンについて「積極的な勧奨は一時やめる」との意見をまとめた。接種後、体の複数部分に慢性的な痛みが生じる重い副作用の疑いが相次いで報告されたため。これを受け厚労省は、対象者への接種呼びかけを中止するよう自治体に勧告した。
子宮頸がんの定期予防接種は原則、小学6年から高校1年の女性が対象。これまでは自治体が予防接種の案内を対象者全員に送っていたが、これを取りやめる。希望者については今後も公費負担で予防接種を受けられるようにする。
この日の検討部会で、接種後に慢性的な痛みが生じる重い副作用の疑いが38例報告された。この症状とワクチンとの因果関係は分かっていないが、検討部会では情報が集まり因果関係の有無が確認されるまで、ワクチンの勧奨を一時やめるとの意見が多数を占めた。
( → 日経 2013-06-15 )
→ 朝日新聞
→ 読売新聞
→ NHK
──
これは妥当である。私としてもこれまで、子宮頸がんワクチンに対しては(全否定ではないにせよ)「やめた方がいい」というふうに消極的だったからだ。今回の方針は、おおむね私の見解とも一致している。( or 似ている。)
私の見解(既出分)については、下記で。
→ サイト内検索 「子宮頸がんワクチン」
特に、次の項目。
→ 子宮頸がんワクチンの是非
上で述べたことの繰り返しになるが、私の立場を言えば、次の通り。
・ 子宮頸がんワクチンの有効性は、あまり高くない。
・ むしろ、検診の方が重要である。
・ 十代女性の場合には、危険性が高い。(小学生ならともかく。)
・ 乱交する人ならば、ワクチン接種をした方がいい。
──
本項で新たに、次のことを提言したい。
(1) 検診の率を高めよ
子宮頸がんで最も大切なのは、ワクチンではなく、検診である。ところがその検診率が、日本では著しく低い。理由はいくつかある。
・ 家庭医の制度で呼び出すことがない。
・ 検診では痛みが強い例が多い。
特に前者については何らかの行政措置が必要だ。「ワクチンよりも検診率」という方向で意見を集約するべきだ。
(2) 検診の痛みを下げよ
検診の痛みの理由は何か? 主に次の二つだ。
・ 検体の取得時の痛み
・ 医師の技量未熟
前者については、「検体を取得しないで酢を塗るだけ」という方法もある。検討してみるといいだろう。
→ 酢を使った簡単な検査で子宮頸がんによる死亡が減少
後者については、検討を要する。検診の痛みは、医師の差によることが多いらしいからだ。だから、「下手な医師にはかからない」というふうになるよう、痛みのデータベースをつくるとよさそうだ。「××医師では、痛みを感じる人が多いです。34%もいます」というふうにデータベースを作れば、被害が減る。
というか、「痛みを感じずに済む」という方法を公開して、医師に技術指導するべきだろう。
なお、この「痛み」というのは、どうも、「膣が小さすぎる人の膣を、器具で大きく拡大すること」によって生じるらしい。特に処女だと痛みが大きいらしい。しかしそもそも、処女が子宮頸がんの検診を受けるというのも変な話だが。
( ※ この件は、ネットから情報を得た。 → Google 検索 )
( ※ 本当はどういうことなのかは、はっきりとはしていないらしい。だから痛みが出たり出なかったり、と差が生じるのだろう。ここのところの理由を、はっきり突き止めるべきだ。「痛みなんか生命に関係ない」と医者は思っているのだろう。だが、痛みのせいで、検診率が下がり、結果的には死亡率に結びついている。医学界の意識の転換が必要だ。)
[ 付記1 ]
補足しておこう。
私が子宮頸がんワクチンに対して否定的な理由は、「人間の生命は最も大切なものではない」と考えるからだ。
多くの医者は、「人間の生命は最も大切なものである」と考える。だから少しでも死亡率を下げようとして、ワクチンの接種を推進する。多少の犠牲者が出ても、全体として死亡率が下がるのならば、その方がいい、と思う。
私はそうは考えない。最も大切なのは、「死なないこと」ではなくて、「良く生きること」である。そして、「良く生きること」とは、「青春を味わうこと」である。
もし 30代で子宮頸がんを発症したとしても、たいていは治療を受けて生き延びることができる。運悪く死亡するとしても、すでに青春期を過ごしており、生きる充実を味わったはずだ。恋をしたり、子供を産んだりして。
一方、10代前半で重い副反応のせいで体がまともに動かなくなったら、青春を失ってしまう。それでは「良く生きる」ことができなくなる。それは「人間にとって最も大切なものを失う」ということだ。良く生きる機会を失ったまま、単に生存の機会が与えられているだけだ。いわば植物人間ふうに。……これほど残酷なことはない、と私は考える。
だからこそ、「 10代前半で青春を失うことがない」ということが、最優先になる。「30代以降で死ぬ率を下げる」ということは、最優先ではない。
なお、「年齢に関係なく生命は重要だ」という発想は、いわゆる「放射脳」(やたらと「放射線は危険だ」と騒ぐ人々)の発想と同様である。
彼らは、死の近い 70歳ぐらいの人々の死亡率が少し高まることに着目して、「放射線は死亡率を高める」と大騒ぎする。しかし、そこで増える死者というのは、若い人々ではなく、ほとんど死にかけた高齢者なのである。これらの人々の一部では、放射線のせいで寿命が1年ぐらい短くなる。それを見て、「放射線による死者が増えた!」と大騒ぎする。
たとえば、年間 300,000人の死者が年間30,050人になるという推定が出る。それを見て、「年間 50人も死者が出る」と大騒ぎする。……馬鹿げている。(その程度の死者増加は誤差レベルにすぎないからだ。)
人間において最も大切なことは、「死なないこと」ではない。「良く生きること」だ。
どんなに医療を尽くしても、人間は死そのものを避けることはできない。「死なないこと」をめざしても、それは不可能なのだ。それよりは、「良く生きること」をめざす方がいい。それは「良い青春を過ごすこと」によってもたらされる。なのに、その機会を奪うようなことは、あってはならないのだ。だからこそ、未成年に重篤な副反応をもたらすようなワクチンは、是非とも避けるべきだ、というのが私の判断だ。
[ 付記2 ]
ただし一律にワクチンに反対しているわけではない。
アメリカの調査で、「高校生のセックスの相関図」というものが作成された。「A子はB男と関係し、B男はC子と関係し、C子はD男と関係し、……」というような大きな相関図。
すると、複数の高校の生徒がたがいに人を介したセックスの関係ができていることがわかる。
→ 高校生のセックス相関図
ただし、その相関図では、「一人で多数の異性と関係する」という、ターミナルみたいな人物が現れる。いわゆる「ヤリチン」「ヤリマン」だ。
こういう人物は、性病の蔓延のキーパーソンとなる。そこで、このような人物を選んで、子宮頸がんワクチンを接種すれば、効果が高くなるだろう。(もうすでに感染している可能性が高いが、若ければまだ感染していないかもね。)
社会的な感染率を下げるには、女性ばかりにワクチンを接種しても無効であり、男性にもワクチンを接種するべきだろう。特に、「ヤリチン」が重要だ。ここを何とかするべきだろう。
例。淋病やクラミジアの検査を無料にして、そのかわり、子宮頸がんワクチンを接種する。これによって、ヤリチン男性に子宮頸がんワクチンの接種率を高める。(たとえば、子宮頸がんワクチンを接種したヤリチン男性には、生涯にわたって淋病やクラミジアの検査と治療を無料にする。これなら、ヤリチン男性は大喜びでワクチン接種をするだろう。)
【 関連サイト 】
子宮頸がんワクチンについては、賛成論の人が多い。特に医療関係者にはその傾向がある。下記が代表的。
→ 堀成美先生が丁寧に答える「子宮頸がんワクチンは受けたほうがいいですか?」
※ 積極的賛成というよりは、消極的賛成。
──
かなり中立的な解説。
→ 子宮頚ガンとHPVワクチン
「全女性がワクチン接種すれば大幅に有効」と記してある。
ただ、現実にはそれが無理である以上、「検診」が最適解だろう。
そして今晩米国の医薬品メーカーが遺憾の意を表明していました。得をした奴が犯人という考えから、損をした誰かのプッシュがあったのでしょう。単なる邪推ですが。
いずれ、全体として良い方向に廻ってよかったと思います。
これは勇気のある発言です。なるほど、そのとおりだと納得しました。
Michael J. Sandelの白熱教室みたいです。使いようを誤ると、というか曲解して揚げ足を取ってドヤ顔する人が絶対居るので、論客でない人は使えませんね。悲しく虚しい事ですが。
たいへん示唆に富む言葉です。
使い方を間違えると簡単に曲解されそうですが、「命が大事」で思考停止している人(とくに医者)が多すぎることが、大きな問題なんだと納得しました。
文学的な言葉で言えば、「最も大切なのは、命を救うことじゃない!心を救うことだ!」って感じでしょうか。
──
今年度から定期接種になった2種類の子宮頸がんワクチンの接種後に全身の痛みが続く例が報告されていることを受け、厚生労働省の厚生科学審議会専門部会は20日、ワクチン接種時の痛みが引き金となって全身に痛みが広がり慢性化した心身症状の可能性があると指摘した。来年度以降も定期接種を継続するかの判断は持ち越した。
専門部会は、ワクチン接種後に全身の痛みを訴えた97例と、歩行障害などの運動障害を訴えた33例の計130例について、症例や発症原因を調査。患者を診察した医師や研究者の意見を参考に、神経疾患や自己免疫疾患、中毒、心身症状の可能性を議論した。
委員からは「神経障害や薬剤成分による中毒とは病態が違う」などの意見が出て、神経疾患や中毒、免疫疾患の可能性は低いとされた。また、ワクチンを打つ際の強い痛みや腫れがきっかけとなり、心身のさまざまな理由で痛みが慢性化した可能性が指摘された。
子宮頸がんワクチンをめぐっては、健康被害に苦しむ中高生の親らの「全国子宮頸がんワクチン被害者連絡会」が厚労省に接種中止を要望。同部会は積極的な接種呼び掛けを一時中止するよう決めた。
→ http://sankei.jp.msn.com/life/news/140120/bdy14012022250003-n1.htm