炭酸ガス増加の最新データが出た。都市部から離れたところで、半世紀にわたって観測し続けた成果。
《 二酸化炭素濃度、初の400ppm超え ハワイの観測所 》この記事には、次の図がある。
半世紀以上の歴史を持つ米ハワイ・マウナロア観測所での大気中の二酸化炭素(CO2)濃度が初めて400ppm(0.04%)を超えた。
9日の平均CO2濃度が前日を0.61ppm上回る400.03ppmとなり、観測史上最高を記録した。
同観測所は人間活動の影響が少ないマウナロア山の標高約3400メートルに設置され、地球温暖化の原因とされるCO2増加を初めて示したことで知られる。1958年の観測開始時は約315ppm。
( → 朝日新聞 2013年5月11日 )

※ この図は、朝日の図ではなくて、米国のホームページからの転載だ。
元の図は、次のページにある。
→ その原典 (英文)
上の図を見ればわかるように、炭酸ガス濃度は、ここ半世紀の間、一貫して増加していることがわかる。
では、半世紀よりも前では、どうだったか? その数値は、ハワイの観測所では観測されていないが、同じサイトにグラフがある。次のページの動画だ。
→ 米・海洋大気局のページ(英文)
そのうちの一部に該当データがあるので、静止画の形で転載しよう。

つまり、1850年ごろから 1960年ごろまで、一貫して増加の傾向がある。その点は、ハワイの観測所のデータと同様だ。
ただし、重要な違いもある。次のことだ。
「1850年から1960年までの増加は、ペースが遅い。1960年から 2012年までの増加に比べて、時間は2倍もかかっているのに、増加の量は半分でしかない」
つまり、1850年から1960年までの増加は、1960年から 2012年までの増加に比べて、ペースは4分の1でしかない。
逆に言えば、1850年から1960年までの増加に比べて、1960年から 2012年までの増加は、ペースが4倍になっている。
これは重要な事実だ。炭酸ガスの増加について、この重要な事実が、上のグラフから判明する。
──
では、(地球温暖化にあたる)気温上昇は、どうか? 気温上昇も、同じような増加の傾向を示すか? ペースが4倍になっているか? いや、そうではない。
気温上昇については、前項で次のグラフを示した。

これでもいいが、線がたくさんありすぎて、見にくいようだ。また、データの一つにすぎない黒線ばかりが、やたらと目立つ。
そこで、もうちょっとわかりやすいグラフとして、次の図を示そう。

出典:Wikipedia
変動がかなり大きいが、全体としては、単調増加の傾向にあると言える。ただし、もう少し詳しく見ると、次のように読み取れる。
・ 1910年から1940年までは増加
・ 1940年から1980年までは停滞
・ 1980年から2010年までは増加
これは、先の炭酸ガスの増加の図とは、矛盾する。
「1940年から1980年までは停滞」
という中間期があるからだ。この中間期を誤差と見なすことはできない。たとえば、1910年から 2010年まで直線を引くとしたら、1970年のころの停滞が説明できない。
ただ、1970年のころの停滞は、「太陽黒点の影響などで、一時的に気温が低下した」というような説明(ご都合主義の説明)も、できなくはない。
それでも、より大きな矛盾が残っている。次のことだ。
「先に述べたように、1960年以降には、炭酸ガスの増加のペースが4倍になっている。気温の方は、上昇のペースが4倍になることはなく、それまでと同等のペースであるにすぎない」
つまり、次の矛盾がある。
・ 炭酸ガスの増加は、1960年以降には4倍
・ 地球気温の上昇は、1960年以降には1倍
(※ 気温の上昇は、どちらかというと、ペースは1倍よりも落ちている。1970年のころろの低迷があるからだ。)
というわけで、「炭酸ガスの増加」と「地球気温の上昇」は、まったく異なるペースである。おおざっぱに見るだけならば、「どちらも増加している」というふうに見えるのだが、定量的に見れば、その増加のペースはまったく異なる。それはもはや誤差のレベルを大きく超えた、絶対的に異なる差だ。
ここから、次のことが結論される。
「炭酸ガスの増加は、地球温暖化の、主要な原因ではない」
なぜなら、主要な原因であるとしたら、気温の上昇は現行の4倍ぐらいのペースであることが必要だからだ。たとえ解釈を甘くするとしても、せめて2倍ぐらいのペースであることが必要だ。
ところが現実には、そうなっていない。炭酸ガスの増加のペースは、それ以前の4倍になっているのに、気温の上昇の方は、それ以前の4倍になるどころか、1倍にすらなっていないのだ。
かくて、「地球温暖化の理由は炭酸ガスだ」という説は、破綻したことになる。
( ※ 粗っぽく見ると、「炭酸ガスが増加している」というふうに見える。だが、定量的にどのくらい増加しているかを見ると、「炭酸ガスの増加のペースと、気温上昇のペースとには乖離がある」ということが、はっきりと目に見えてくる。)
【 関連サイト 】
1850年から 2012年までの炭酸ガスの増加は、(英文サイトにある)動画のなかから、静止画を抜き出した。
同じ動画は YouTube にもある。
→ YouTube
※ 2:06 のあたりに該当の図が見える。
二酸化炭素が地球温暖化の主要因であるかは議論があると思いますが、管理人さまの示した例ではそれを否定するには弱いと思います。
管理人さまは『ご都合主義の説明』と切り捨てていますが、前の記事に載せておられるように、気温は上昇と低下を繰り返していると推定されます。
そのため、1940年から80年までの停滞は二酸化炭素とは関係ない気温の低下と二酸化炭素による気温の上昇が打ち消し合った結果であるという主張も筋が通ります。
また、炭酸ガスと気温上昇の増加がことなることは矛盾とは言い切れません。
立方体の体積が8倍になっても、一辺の長さは2倍にしかならないようなものかもしれません。
もしCO2が増加したら何が起こるかと言うと植物種の大繁栄ですね。この温暖化説が出た頃植物学者は喜びました。温暖化すると大気中の水蒸気も増える為、人類の営みでできた砂漠もよみがえるかも知れないと。また現在のCO2濃度は白亜紀に比べても十分低い訳です。大気の組成自体が違っていたとしても7%を占めていた。CO2のその大半は石灰・化石燃料として蓄積してるのです。地球内での循環では、クライシスの起きる余地はないのですね。私は、地球が温暖化するとしてもなんら問題がないと思っています。日本は海洋性気候の為もし温暖化が進んだとしても影響は遅くなります。またあったとしても、北海道沖でサンゴが育つ事に何の問題があるのでしょうか。またクールビズは良いとして、冷房・暖房は、それぞれ自由に使えばよろし。それより寒冷化に進むほうが問題が多いでしょう。氷期に対する対策を考えるほうが、人類のタメになると思うんですがね。そのうち国で予算つけるかも。
今日の日経に高緯度海水は酸性度が高く、珊瑚に向かないとか。