温暖化の原因は炭酸ガスだ、と言われている。だが、グラフを見れば「そうではない」とわかる。むしろ、緑地減少が原因だろう。
※ 本項は、過去記事のまとめ(要約)です。
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温暖化の理由は炭酸ガスだ、と言われている。その根拠は、温暖化のグラフだ。具体的には、次の図だ。(出典:英文サイト)
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おおざっぱに見ると、20世紀になって急激に気温が上昇したように見える。しかし、20世紀の部分だけを見ると、事情は異なる。図を拡大して表示しよう。

この図から、次のようにわかる。
・ 1905年ごろに最小値となっている。
・ 以後、1935年ごろまで、急上昇する。
・ 以後、1970年ごろまで、やや減少する。
・ 以後、急上昇する。
以上が、温暖化のグラフだ。
一方、炭酸ガスについては、次のように言えるだろう。
・ 1929年の世界大恐慌のあとは、景気が低迷して、ガス排出は抑制される。
・ 第二次大戦(1939年)年以後、生産活動が活発化する。
・ 戦後は、恐慌を完全に脱出して、生産活動が急激に増加する。
・ 1973年の石油ショック以後は、生産活動が低迷化する。
以上のことから、次のことが結論される。
・ 地球の温暖化が進むのは、生産活動が低迷したとき
・ 地球の寒冷化が進むのは、生産活動が上昇したとき
つまり、こうだ。
「 1905年から 1980年ごろまでの間、地球の温暖化と、人類の生産活動とは、逆の相関関係がある」
これは、「地球の温暖化は、炭酸ガスの増加によって進む」という説を、全面否定する。なぜなら、人類の生産活動は、炭酸ガスの増加をもたらすはずだからだ。(現実にはその逆になっている。)
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では、地球温暖化の理由は、炭酸ガスでないとしたら、何なのか? 何が真の理由なのか?
「太陽の黒点だ」
という説もある。
なるほど、それは、十年単位の変動についてなら、説明可能かもしれない。しかし、ここ1世紀の急激な気温上昇を説明することはできない。
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ここで私が提唱するのが、次の仮説だ。
「地球温暖化の理由は、緑地の減少である」
緑地の減少は、ここ1世紀の間に、急激に起こっている。と同時に、ここ1世紀の間に、急激な気温上昇が起こっている。とすれば、
「緑地の減少のせいで、地球の温暖化が起こった」
という説は、十分に根拠があるだろう。
なお、そのメカニズムは、簡単に言えば、こうだ。
「緑地減少 → 水分蒸発量の減少 → 雲の減少 → 晴天の増加 → 日射量の増加 → 陸地の温度上昇 → 気温の上昇」
簡単に言えば、「地球の砂漠化」である。植物が減り、砂漠状態になり、かんかん照りになって、気温が上昇する。そういうことが世界規模で起こっているわけだ。
( ※ なお、緑地が大切なのは、炭酸ガスの吸収があるだけでなく、保水力があるからだ。その意味で、草原よりは、森林の方が、ずっと効果がある。)
より詳しくは、下記の関連項目で説明した。そちらを参照。
【 関連項目 】
→ 陸地温暖化説 (緑地減少説)
→ 太陽と雲 (気温・温暖化)
→ 環境破壊や温暖化の真因は?
→ 地球温暖化と太陽・宇宙線
→ 温暖化の七つの説
[ 付記 ]
上の最後の項目(温暖化の七つの説)を読めばわかるだろうが、「温暖化の理由は炭酸ガスの増加だ」という説は、あくまで仮説である。
この仮説は、世界的に最も支持が多い仮説ではあるが、実証されたわけではない。「たぶんそうだろう」という推定であるにすぎない。
推定の根拠は、次の二つだ。
・ 炭酸ガスの増加と気温上昇とが比例ふうの関係にある
・ モデル計算では、炭酸ガスの増加が主因らしい
しかしながらその二つは、のちに否定されている。
・ 比例ふうの関係があるというのは、虚偽だった。
・ モデル計算は、恣意的な勝手な計算だった。
この二つの点でインチキがあったということで、「地球温暖化詐欺」というような言葉で、強く批判された。
結論としては、「炭酸ガスの増加は、地球温暖化に理由にはなるが、それが地球温暖化の主因であるかどうかは、証明されていない」ということだ。つまり、「他にも大きな理由がありそうだ」ということだ。
その理由として、本項では「緑地の減少」を上げている。
( ※ 「地球温暖化の原因は炭酸ガスだ」という説は、「地球温暖化の原因は緑地減少だ」という事実(?)を隠蔽する効果がある。炭酸ガス説が支持されればされるほど、地球環境の破壊が推進される。)
保水能力が高く蒸散による高湿度緩衝帯となる森林緑地の喪失は大気循環に影響するでしょう。また太陽光エネルギーを自らの生育に使うことで地表温度上昇を抑制する効果はかなり高いのではないかと推察します。
農地や草原ではなく、森林であることが重要であることが良くわかります。
しかし行きすぎると「自然にかえれ」科学技術は害をもたらす悪でしかない!!という極論が罷り通りそうで 少し心配です。
すると興味深い。GoogleMapで拡大すれば、Omeoは緑地帯に僅かに民家が散在している。かってゴール
ドラッシュで栄えたBallaratは地方都市で、建物より敷地と緑地の方が広い。Melbourneは大都市で、建物
が密集している(東京の無秩序・密集度に較べればエレガント)。
過去80年間の気温変動は、Omeoは気温低下傾向、Ballaratは気温一定傾向、Melbourneは第二次大戦
直後から20年間ほど急激に増加した後に飽和傾向。
自然法則によって、都市環境が都市の気温を大きく左右している。
世界的に都市が急速に発展し、人口や人工熱源が増え、緑地をコンクリートやアスファルトで埋め尽く
したため、都市は高温化していった。気象観測点は都市に多い。なので、気象データは、当然、気温上昇
を示している。それを地球温暖化と(意識的に)同一視している人が多い。
地球温暖化を議論したい人は、Omeoのような都市化の影響がほとんどない気象観測点だけを選び、
気温推移を調べることが必要だろう。そうすれば地球の気温変動の実態が見えてくる。まず、それを調査
する予算を付ければ良いだろう(予算額は小額ですむ)。
温暖化は人間が緑地を奪ったためという仮説は、都市気象に関しては合理的です。そして、気温以上に
深刻なダメージを与える。人類は、深く考慮することなく森林を伐採してきた。
スペインには、古代には豊かな森があった。森林を伐採し開発をすすめ、過放牧し、ポンプで地下水を
汲み上げる灌漑をしたため、森は失われ、肥沃な表土は流出、劣化した。今になって、スペイン政府は、
スペインはやがてサハラのようになると、危機感をもつに至っている。
スウェーデンは、樹齢70年より若い樹木の伐採を禁じ、若い世代に森林学・森林管理を教育し、持続
可能な森林利用を実施している。
高知の梼原町は、風力発電で得た費用を森林の維持や適性利用や林業の雇用創出に使っている。
優れた指導者と政治が良ければ、やれることは多い。
幽霊を相手にするような温暖化対策より、正体の都市高温化対策や快適な都市づくりをやることだ。
はるかに有効で観光にもプラスになる。
熱帯では,パームヤシがものすごい勢いで世界中に広がっています.コーヒーやゴムなども大きいプランテーションがあります.単作では連作障害があるようです.樹木ですから野菜と違って20年も30年も土地を耕すことができません.数十年して木が枯れ収穫が終わったあと熱帯林には戻らず,100年以上広大な荒れ地になると聞きました.
混植をすれば問題ないのですが,そうすると収穫物の量が減り,品質が落ち,作業が大変非効率になります.誰もが今収益を上げて金持ちになることが第一の目的で,30年先50年先の熱帯林がどうなろうが知ったことではないというように感じられます.
類似しているように感じます。
イースター島は、海底火山の噴火によって形成された島なので当初は植物はない。海鳥などが立ち寄り
営巣するうちに糞が積もり、鳥が運んだ種が芽吹き、ちょっとした植生ができる。ますます鳥が集まるように
なり… 気が遠くなるような歳月の後に、島は森に覆われた。
あるときポリネシア人たちが流れ着いた。豊かな森があり、森が蓄え浄化した水があり、海は豊かな漁場
だった。大変満足だが、もう少し人口が増えるとうれしい。人間の形をした石像を海辺に建てた。それを見て
やってくる人がいた。
やがて、島では、モアイ作りが経済発展の手段のようになった。部族間で狂ったようにモアイ作りを競った。
そのために森を伐採した。人口も増え、さらに森を伐採した。とうとう森林がなくなった。森の保水力を失い、
肥沃な薄い表土は、大雨の度に海へ洗い流されていった。作物の収穫量は減っていった。
森を失って、漁をするためのカヌーも作れなくなった。脱出不可能な飢餓の島になった。
部族間で収奪や殺戮が繰り返され、イースター文明は滅んだ。キャプテン・クックがこの島を発見したとき、
生き残ったわずかな人々が、原始的な生活をしていた。
われわれはイースター島の人々を嗤えない。世界人口100億人になり、盲目的に経済発展を追及すれば、
絶海の惑星である地球がイースター島のようになるのだから。気候変動より恐い、起こりうる未来だ。
単純な話、過度な人口を抱えた国は適正人口へ、また、持続可能な経済活動へ漸近させる。そのためには、
富をごく少数の人へ過度に集中させるような阿漕な経済システムには少しブレーキをかけるなど
穏やかな軌道修正をしていくことが必要なのでは。
熱帯:CO2排出権で先進国から支払うだけでなく、熱帯雨林を減らしたら支払いを減額するとか、工夫が必要ですね。
亜寒帯:海氷※が溶ける際に、大量の植物プランクトンを生産しているそうです。やっぱり鉄でも撒きますか?(※海水か川からの氷かは忘却しました。)