前項の続き。
料金の不当な引き下げについて、対抗策がある。それは「組合」による団結だ。これは一般的な労働者についても成立する。 ──
映画の原作の料金について、前項では対抗する方法を述べた。これは原作者が個別に対抗する方法だ。
一方、それとは別に、「組合を作って団結する」という方法がある。
「映画の原作者が組合を作って団結する。正当な水準を定めて、これ以下の金額では原作の映画化を認めない、というふうに決める。この方針を多くの原作者が取れば、映画の制作者は否応なく認めざるを得ない。(さもなくば原作付きの映画を製作できなくなる。)」
これは、マルクスの「万国の労働者よ、団結せよ」(出典)という方針そのまんまである。
この方針を取ればうまく行くことは、すでに歴史的に証明されている。逆に、この方針を取らないと状況が悪化することも、歴史的に証明されている。
・ 戦後、労働組合が次々と結成され、賃上げと好況が続いた。
・ 1980年代になると、労組の力が弱められた。
(サッチャリズムやレーガノミクスや左翼退潮)
・ 1990年代になると、労組の力が勝手に弱まった。
(IT化にともなう個人主義の傾向。非団結)
・ 労組の参加率が低下し、ストが生じなくなった。
・ 賃下げの傾向が高まり、貧富の差の拡大が生じた
・ 民衆の所得が下がり、消費が低迷した。
・ 消費低迷によりデフレの傾向が強まった。
つまり、「万国の労働者よ、団結せよ」という方針を取らないと駄目になる、ということは、映画の原作者に成立するだけでなく、一般民衆についても成立する。
映画の原作者の話は、他人事ではないのだ。
たとえば、非正規労働者であっても、各人がバラバラに行動していては、賃下げを免れない。一方、非正規労働者が(企業別でなく)産業別の労働組合を結成して、ストで対抗すれば、賃上げは起こる。そうすれば、デフレも解決するだろう。
現実には、そうはならないから、一部の富裕層に富が集中して、余った金が消費されずに滞留する。金が滞留するから、経済の流れがうまく循環せず、「血のめぐりが悪くなる」という状態になって、経済が低迷する。これがデフレだ。
──
ともあれ、映画の原作者は、組合を作るべきだ。それと同様に、非正規労働者や一般労働者も、産業別の労働組合を設立して、参加率を高めるべきだ。
しかし、現実には、人々はスマホやパソコンなんかに熱中して、 twitter につぶやくだけで、満足している。そのせいでデフレが悪化して、解決できずに、蟻地獄状態だ。
「 twitter 亡国論」みたいな話になりますね。 (^^);
( ※ 笑い事じゃないんだけど。)
[ 付記 ]
「原作者はまとまりがつかないので団結できない」
という見解もあるだろう。そこでこれを解決する方法を示す。
「原作者の団結する組合というのを、弁護士が任意で設立して、そこに原作者に次々と加入してもらう。弁護士は当初の1年ぐらいは無償で引き受ける。3年目以後は、契約料の5%の手数料を代理人として頂戴する」
これで、最初に団体を設立した弁護士が、多大な利権を得る。何事も先行者利益というものがある。以後、映画の原作権が売れるたびに、5%が入る。1億円ならば 500万円。それが年 20件あれば、年間1億円の収入だ。
ただし、次々と参入者が乱入して、競争になるだろう。そこで、ライバルの参入を防ぐために、最初の3年間は無償で引き受ける。これで市場を制覇したら、あとは5%の利益を独占できる。
ただし、むやみやたらと高額に設定すると、別のライバルが出てくるだろうから、欲は張らない方がいい。
ともあれ、ここで大事なのは、次の原則だ。
「この分野で生き残れる団体は、1つだけだ。その1つを先行者として確保した弁護士だけが、利益を独占できる」
何事も先行者利益というものがある。特に、組合のような団体では、このことが著しい。
お利口な弁護士は、さっさと唾を付けておくといいだろう。
( ※ どうやって原作者たちと交渉するか? → 対人交渉というのは、弁護士の本業です。それができないような弁護士は、参入するべからず。法律だけが得意な法律オタクは、法廷で頑張ればいい。金儲けのことなんかは考えない方がいい。金儲けができるのは コミュ 力 のある人だけ、と相場が決まっている。)
2013年04月17日
過去ログ
ハリウッドは、原作料は歩合制が多い
当たれば大もうけ、外れれば無し
なんかに熱中して、 twitter につぶやくだけ
で、満足している。そのせいでデフレが悪化
して、解決できずに、蟻地獄状態
まさにそのとおりですね。
労働組合=左翼=悪
という単純思考で止まってますから。
朝鮮や支那の手先か!?って言われちゃいますしね。
そりゃ、収入が増えないから結婚もできないし、子どもも増えないって。
これは少子化にも通ずる話ですね。
(飛躍しすぎました。ごめんなさい)