2013年04月07日

◆ 朝日の自然エネルギー賛美

 朝日新聞の自然エネルギー賛美の主張。「小規模の水力発電はすばらしいので、これを拡大しよう」という趣旨。 ──

 朝日新聞は自然エネルギー賛美の主張が多いが、またしても記者(編集委員)の見解を示した。「小規模の水力発電なら、エコだし、黒字になる。だからこれを拡大しよう」という趣旨。一部抜粋しよう。
 《 飯田市の挑戦 自然エネルギーで地域自立 》
 長野県飯田市で、エネルギーの自立をめざす新しい実験が始まった。
 飯田市東南部の上村地区で発電能力 200キロワットの小水力発電所計画が進んでいる。200世帯ほどの小集落で、エネルギーの自立を目指すという。
 地元企業や金融機関から約2億円超の投融資を受け、毎年1千万円の利益を上げる計画だ。
 大きな川のはじまりも、山間の小さな泉のわき水から。小さな集落で始まった挑戦が大きく育つことを願う。
 (安井孝之 編集委員)
( → 朝日新聞 2013-04-07
 なかなかうまいことずくめに思える。
  ・ 自然エネルギーで、温暖化ガスはゼロ。
  ・ 原子力のような廃棄物もない。
  ・ 経済的にも黒字である。

 その通り。確かに、うまいことずくめである。
 
 しかし、そんなことは、言われなくても周知のことだ。だからこそ水力発電は各地で広く推進されてきた。
 問題は、その規模だ。今回でも、200キロワットの発電で、200世帯ほどの小集落の電力をまかなうだけだ。日本全体に比べれば、スズメの涙にすぎない。こんなものをいくらたくさんやろうとしても、それはたかが知れている。これと同様の例を 100箇所でやったとしても、2000世帯をまかなえるだけだ。日本全体では 5000万世帯ぐらいあるから、その 2.5万分の1だ。0.0004%である。たったの 0.0004%の電力をまかなえるようになったとしても、ほとんど意味がない。

 なのに、記事はこう書く。
 「大きな川のはじまりも、山間の小さな泉のわき水から。小さな集落で始まった挑戦が大きく育つことを願う。」
 つまり、この小規模発電が全国規模に広がることを期待しているわけだ。呆れる。
 現実には、そんなことはありえない。そのことは上記の数値からも明らかだろう。
 そもそも、「小型水力の発電量は、あまりにも量が少ない」(水力発電ができる余地はごく限られた少量しかない)ということは、エネルギー関係者にとっては周知のことである。
 こんなことも知らないで、「クリーンなエネルギーを赤字でなく黒字で生産できます。すばらしいでしょう」なんて宣伝するのは、詐欺も同然だ。
 それでもって、「火力も原子力もいりません。自然エネルギーだけで大丈夫」なんて主張するとしたら、正真正銘の詐欺 or 嘘つきだ。
 
 まったく。エコ・キャップ詐欺に加担するだけのことはある。朝日は本当にひどい嘘つきだな。こういう嘘で読者を洗脳して、購読料を取るんだから、本当の詐欺かもね。
 朝日は新聞の使命をわきまえるべきだ。
 「新聞の使命は、事実を報道することである。記者の勘違いや妄想で読者を洗脳することではない」
 このことを理解するべきだ。



 [ 付記 ]
 ついでに言えば、朝日の数値計算は根本的に狂っている。
 「200キロワットで 200世帯」というが、それなら、1世帯あたり1キロワット(10アンペア)にすぎない。
 一方、たいていの世帯では、最大では 30アンペアぐらいを必要とする。夏にはクーラーを使うからだ。
 とすれば、200÷3=66.66 だから、約70世帯しかまかなえない。小人数の老人世帯が多いとしても、100世帯だろう。200世帯のうちの半数にすぎない。
 というわけで、「エネルギー自立」なんて、とうてい不可能だ、とわかる。たとえこの地域に限るとしても、だ。
 日本全体では、もちろん、全然不可能だ。この方針で自立が可能になるのは、半数どころか、 0.0004% だけだ。
posted by 管理人 at 09:23| Comment(3) | エネルギー・環境2 | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
小規模水力発電、マイクロ水力発電はこんな紹介もあります。

IT media
http://www.itmedia.co.jp/smartjapan/articles/1209/12/news021.html

資源エネルギー庁
http://www.enecho.meti.go.jp/energy/newenergy/new/p2.

環境省
html
http://www.env.go.jp/earth/ondanka/shg/page02.html

ググると普及しない理由として既に「立地条件の限定」「配線コスト」なども挙げられています。
国の考えは紹介にとどめておくというスタンスに思えます。
Posted by 京都の人 at 2013年04月08日 00:15
まあ、国の資料は専門家が書くから、常識ぐらいはわきまえているのでしょう。当り前だけど。
 
 問題は、そういう当たり前のことを調べようともしないで、自分勝手な妄想記事を吹聴する朝日。
 何かを得意がって書く前に、ググって調べればいいのに。
Posted by 管理人 at 2013年04月08日 00:22
歴史を知っているだけでもおかしいとわかります。

もともと、産業革命は水車と風車から始まったのです。フランダースの犬のヒロインの家は粉屋で、大きな風車を回して粉挽きをしてました。

しかし、そんな自然エネルギーじゃ、設置場所が限られるし、到底、量が足らないので、蒸気機関に取って代わられたのです。

化学肥料も農薬も農業機械もなしの有機農業で食料生産が十分にできるとか、健康的な生活をしていれば病気知らずで近代医療なしでも生きられるとか、幻想を抱くのは勝手ですが、専門家に話を聞くぐらいはした方がいい。
Posted by 井上晃宏 at 2013年04月10日 06:02
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