2013年04月05日

◆ 地震に備蓄食料は不要

 「地震に備蓄食料を整備すべし」という自治体の指針があるが、備蓄食料は不要だ。なぜか? 食料ならば、もともと大量にあるからだ。

 ──

 前項では、「地震に備蓄食料を整備せよ」という自治体の指針を紹介したが、そのあとで思い出したことがある。
 実は、備蓄食料としての非常食(アルファ化米など)は不要なのだ。食料ならば、もともと大量にあるからだ。それは、食品店などにある、大量の食材である。肉や魚や穀類など。

 問題は、それを加熱するための熱源がないことだ。だから、必要なのは熱源であって、食材ではないのだ。
 地震対策として必要なのは、大量の非常食ではなくて、大量の食材を加工するための熱源なのである。たとえば、カセットコンロなど。
 この件は、前に詳しく述べた。そちらを参照。
  → ガスコンロの備蓄(地震)

  【 追記 】
  ガスコンロのかわりに、炭を使うといいようだ。
  本項末を参照。
 


 [ 付記1 ]
 たとえば百貨店ならば、大量のアルファ化米や乾パンなんかを用意するよりも、大量のカセットコンロを用意するといい。ビル内に設置するのは危険だろうから、どこかの屋外の倉庫にでも用意しておけばいい。プロパンガスでもいい。
 別に百貨店内で調理する必要はないから、倉庫の戸外で調理してもいい。生ものを倉庫まで運ぶための保冷用の箱があれば済む。いったん倉庫で加熱調理したら、もはや衛生に気を遣う必要はないから、加熱したものを百貨店に戻してもいい。あるいは、別の避難所に配ってもいい。

 [ 付記2 ]
 とにかく、生ものが大量にあるので、それを放置すると、腐敗して、衛生上よろしくない。夏ならば疫病の危険もある。だから生ものはさっさと加熱調理して食べてしまえばいいのだ。
 すぐそばに大量の食材があるのに、アルファ化米や乾パンなんかを大量に用意するなんて、あまりにも馬鹿げている。無駄の極み。

 [ 付記3 ]
 非常食を用意した方がいいと言えるのは、家庭だけだ。たとえば、缶詰やインスタントラーメン。これはもともと普段から食べてしまえるので、無駄ということもない。
 ただ、家庭であっても、(非常食の前に)生ものを先に食べてしまうことを優先したい。たとえば、新聞紙があれば、地面に穴を掘って燃やすことで、網を使って焼き肉ぐらいはできるだろう。「自治体で食べ物をもらおう」なんて考える前に、冷蔵庫の食品を急いで食べてしまうことを優先するべきだ。
 とにかく、詳しくは、上記項目を参照。
 


 【 追記 】
 ガスコンロのかわりに、炭を使うといいようだ。コメント欄で教わったが、実際に東日本大震災のときには大活躍だったという。
 炭ならば、ガスと違って爆発の危険がないので、保存や利用が容易だ。デパートでも保存できるし、屋上で使用もできる。(煙が出るので室内ではできないが。)
 また、普段から魚焼きやバーベキューにも使える。自動車に乗せて、郊外に出掛けて、高原や川原でバーベキュー、というのも楽しそうだ。普段から楽しみのために用意しておくと、地震のときにも役立つ、という一挙両得。(あと、子供のための教育にもなるね。サバイバルごっこや、炊事の訓練など。)

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posted by 管理人 at 23:50 | Comment(6) |  地震・自然災害 | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
緊急時における生鮮食品の無料提供は、食料品店への損失補填を含めた法制化が必要と考えます。
そうでないと、通常価格の上乗せ、出し惜しみ、市場主義を前面に出す価格暴騰等、人の嫌らしさが生じ、無料提供がなされないことになりそうです。
これらは十分に想像でき、そういう店舗(があったと思われる)暴徒襲撃による略奪が生じなかった(らしい)という東北の事例は希有であったと思います。いつまでもそういう希有な事例に依る事は、次の時は弱者の生存危機が生じると思います。
店舗襲撃の危険性を防ぐ為にも、早急に無料提供を実施させ、それによる損失は自治体の食糧備蓄予算で補填するとルールを決めておけば、自治体は保管場所確保や維持管理の必要性もなく、さらに本稿で述べられた生鮮食品の腐敗に基づく食糧廃棄の無駄も生じないでしょう。なお、損失補填額は食料品店の規模、年間売上等から計算できそうです。
Posted by 京都の人 at 2013年04月06日 10:46
無償だとやる気にならないので、有償でもいいと思います。お金はたっぷりあるし。
 価格暴騰? 都会ならば、供給はたっぷりあるので、価格暴騰にはならないでしょう。

 ちなみに福島のときには、大部分の店が壊滅した状態で、倉庫にある商品を緊急提供したスーパーが、大変感謝されたそうです。多くの店が閉鎖されたなかで、危険を顧みず、唯一、社長の号令のもとで従業員が店を開いていたのです。他の店では全員が逃げていました。
 なお、価格は通常価格でした。「こんなところで高値を付けては店の信用に関わる」とのこと。また、お金がない人には、ツケ払いを認めたそうだ。払わない人もいたのでしょうが、そこは太っ腹。
 
 無償よりは、商品提供の量の確保こそ、緊急時には必要なことです。無償提供は、かえって量を減らしてしまいます。社会主義的な失敗につながる。
 「腐らせるよりはさっさと売り切ってしまえ。安値でもとにかく売り切れ。日持ちはしないんだから」
 という方針の提示が必要でしょう。

 だけどコンビニだけは、値引き販売が本社から規制されているので、コンビニだけはやらないのかもね。
 → http://openblog.meblog.biz/article/15227407.html
Posted by 管理人 at 2013年04月06日 11:19
いつも読ませてもらっております。
今回の内容は私自身の経験からも非常に納得できる内容だったのでコメントさせてもらいました。
2年前東日本大震災を経験した時、本震翌日我が家と隣家で盛大にバーベキューが行われました。そもそも妻が冷蔵庫の中身がやばいと言い出したことから、夏のキャンプで使って残っていた炭を引っ張り出し、このまま放って置いたら腐敗するであろう冷蔵庫の中身を焼きまくりました。当時、先が見えず不安しかない中、おなかいっぱいになったことで少し元気が出ました。
あれ以来、我が家では常に10kgほど炭をストックし続けております。
Posted by 仙台在住者 at 2013年04月06日 13:08
なるほど! 炭ですね。これなら危険もないので、デパートでも保存できそうです。(屋上で使える。)
 本文に追記しておきます。
Posted by 管理人 at 2013年04月06日 13:29
友人の冒険家はスパゲッティーの茹で汁を捨てずにそのままスープスパゲッティーにして食べてました。緊急時の水の節約に役立つかも。
Posted by 海坊主 at 2013年04月06日 22:10
そうそう、パックご飯もパックから出して網に乗せて炭火で焼けば焼きおにぎりみたいに美味しく食べられます。お湯で煮る必要がありません。
Posted by 海坊主 at 2013年04月08日 11:29
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