直線型加速器「国際リニアコライダー」(ILC)の誘致の動きがある。
史上最大の直線型加速器「国際リニアコライダー」(ILC)の誘致に向けた動きが本格化している。宇宙の成り立ちのなぞに迫る夢の施設だが、8千億円ともされる建設費に各国とも二の足を踏む一方、日本では、建設や運用に伴う経済効果を当て込み、自治体や国会議員が盛んに誘致活動を展開している。8千億円もかけるというのだから、大金過ぎる。それでも東北地方などで誘致の動きがある。
( → 巨大直線加速器、日本が頼り 研究者代表、首相に直訴 )
→ ILCを東北へ 世界が期待 宮城県庁で誘致講座
しかし、「研究開発費の一点集中」というのだが駄目だということは、先に次の項目で示したばかりだ。
日本の論文数の低下が著しい。これは研究費の集中・重点化のせいらしい。研究費の一点集中で巨額の金を投入する、というものが何をもたらしたか、現実を良く注視するといい。すなわち、「論文数の大幅な低下」という現実を。
(現状は)「一将功成りて万骨枯る」ふうの状況だ。
研究というものは、一点集中で巨額の金をかけて、建物や設備を買えばいい、というものではなくて、幅広く人材のために研究資金を投入するべきだからだ。(基礎研究ではそうだ。)
( → 研究開発のデフレ )
[ 付記 ]
なお、「リニアコライダーは不要だ」と述べているわけではない。これは物理学では重要な施設なので、建設した方がいいだろう。
問題は、日本が誘致することだ。それによって半額負担(4000億円)もかかるので、それが馬鹿らしい。外国に負担してもらった方がいい。日本は一部拠出で、1000億円程度の拠出でいい。それが私の推奨。
ただし、八ツ場ダムに総額 4000億円以上もかけるのに比べれば、まだマシだと言える。八ツ場ダムは建設しない方がいいからだ。
→ 八ツ場ダムの是非
→ リニアコライダー:学術会議の検討委「誘致は時期尚早」
http://mainichi.jp/select/news/20130807k0000m040076000c.html
「日本に誘致するかどうかについて、日本学術会議の検討委員会は6日、誘致は時期尚早とする見解を大筋でまとめた。巨額の建設費や、世界中から研究者の参加を見込める保証がないなど課題が多く、数年かけて調査した後に判断すべきだとした。」
目的は「世界を矛盾なく理解するための原理」です。つまり、シュレーディンガーの猫や、二重スリとなどの、思想的な矛盾を解消すること(統一的な理解を与えること)です。それだけ。
相対論などの(公理系みたいな)体系とは違います。光の粒子説や波動説みたいな扱いです。