2013年03月25日

◆ 花粉症対策の米(コメ)

 花粉症対策の米(コメ)が開発中だという。遺伝子組み換えにより、スギ花粉のタンパク質を含むような米。減感作によりアレルギーを根治するという。 ──
 
 現在の花粉症対策は、抗ヒスタミン剤や抗アレルギー剤による対症療法が主流だ。
 一方、スギ花粉の減感作によりアレルギーを起こさなくする、という治療もある。
  → Wikipedia
 ※ 減感作とは、アレルギーを起こすものを微量に取ることで、
   免疫ふうに、アレルギーへの抵抗力を付ける方法。

 現状の方法は、かなり面倒臭いものだ。
 そこでこれを簡単にやる方法として、スギ花粉のタンパク質を含むような米を食べるだけで済む、という方法が開発中だ。
 遺伝子組み換えにより、スギ花粉のタンパク質を含むような米を作り、これを毎日食べることで、減感作によってアレルギーを根治する、というもの。(うまく行けば薬は不要となる。)

 これは、農水省が予算を付けて開発中。すでに動物実験で、かなり効果が出ているという。
 ところが、厚労省から横槍が入った。「それは薬品となるから、薬事法違反になる。利用するなら、薬品として、十分な治験を経て、安全性と効果を確かめよ」というわけ。
 ところが、そんなことのために大規模な治験をしたら、莫大なコストがかかるから、どこの製薬会社も乗り気にならず、ちっとも実用化のメドが立たないそうだ。それでも農水省は、医薬品としての開発を当面は進めていくそうだ。
( → 朝日新聞・夕刊 2013-03-25 「花粉症に一日一膳 治療米の商品化、20年目標 遺伝子組み換え、農水省が後押し」)

 ──

 記事では見通しがかなり悲観的である。
 しかし私は、こう思う。
 「効能を謳うから、医薬品となる。効能を謳わずに、ただの食品として売り出せばいい。そのあと、効能は、体験者のクチコミだけがあればいい。実質的には、人ごとに効能の有無の違いが出るから、各人が自分で決めればいい」


 これが成立するのは、次のことがあるからだ。
  ・ 副作用がない。
  ・ コストが低い。(普通の米と同程度)


 実際、これと同様のことは、甜茶やシソでは成立している。甜茶やシソは、もともとただの食品としてあるが、民間療法で、「花粉症に効く」という評判があるだけだ。ここでは、医学的に効用があるかどうかは、治験によって確認する必要はない。また、効用があってもなくてもいい。「ある」と思った人だけが使えばいい。
 だから、私も、前に「花粉症には甜茶を」とお勧めした。
  → 書評ブログ: 花粉症には甜茶

 とにかく、この米は、食品として売り出すべきだ。効能がどれだけあるかは、いちいち確認する必要はない。安全性さえ確認できれば、それでいい。あとは市場が決める。

( ※ 厚労省は「医薬品だ」と主張するなら、農水省は「食品だ」と主張すればいい。効能を謳わなければ、ただの食品として扱えるのだ。もともと米なんだから。)
posted by 管理人 at 19:40| Comment(4) | 科学トピック | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
杉花粉のたんぱく質を食べて減感作できるならスギ花粉飴でもいいのでは?なぜ米でなくてはならないのでしょうか。うちでは杉花粉飴を毎年買って食べてます。
Posted by vaceba at 2013年03月26日 09:51
素朴な疑問ですが、遺伝子組み換え作物の危険性がいわれているのに、この米はOKなんでしょうか。
アメリカの某社とは目的が違うから??
Posted by Shinba at 2013年03月26日 21:26
遺伝子組み換えと危険性について
  → http://wedge.ismedia.jp/articles/-/973?page=3

 遺伝子組み換えを使わない場合には、遺伝子組み換えのない食品に農薬をたっぷり付けたものを食べることになります。どっちが安全か? 

 なお、iPS細胞というのは、はるかに高レベルな遺伝子操作をしています。これによって再生医療が可能になろうとしていますが、それも駄目なんですか? 
 
 一般的には「遺伝子組み換えは怖い」と大騒ぎするのと、「放射線は怖い」と大騒ぎするのは、似ています。
 枯れ尾花を幽霊と思うがごとし。

 ※ 遺伝子組み変え食品は無制限には導入されません。通常、念入りに安全性が調査されたあとでのみ、許可されます。
Posted by 管理人 at 2013年03月26日 22:20
従来からある「有害物質の管理」に対して、最近は「未然予防」を謳ってしまうから「怖いから怖い」となっている気がします。

化学物質等のリスクは危険(有害)性と 暴露量の積だから、危険性が低く、暴露量もそれほどではないものはリスクが無いに等しくなります。

総暴露量と個々人の感受性を統計的に加味して、発症頻度が3σ外なら、遺伝子組替でない食品とのリスクに違いはないとできると思います(以下の意見もあります)。

http://kyoshoku.coop.nagoya-u.ac.jp/kakehashi/9911/16p.html

個人的にはこの人も指摘する様に雑種形成による固有種の減少でしょうか。私も専門外なのでそれが自然界に与えるインパクトはよくわかりませんので、危惧を具体的に示して欲しい所です。

逆に、WEB検索では多量に米国某社を揶揄し、陰謀論と危険性を吹聴するサイトを見ます。これは吹聴によって誰かが得をしていると逆陰謀論を感じます。

なお、ちょっとした危険(ローリスク)を大きくクローズアップする研究は「危険性回避の為に、確認・・・」で研究費を貰い易く(魚の焦げ物質と発がん性とか)、安全性(ローリスク)を示す研究は研究結果が地味な上に、結果への反証は得られ易く、しかも結果は大企業の紐付きだぁと揶揄される傾向が強いですね。

いずれにせよ、リスク低減の為には同じモノを摂取しないとか、衛生上の問題を避けるとか、の方が効くと思います。
Posted by 京都の人 at 2013年03月26日 23:41
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